ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー
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ALO Ⅰ
帰還
第41話
前書き
アニメ ソードアート・オンラインのオフ会の辺りまで書きます。
智代の家への訪問から4ヶ月後の5月下旬。場所は関東某所の住宅街。
そこには、SAO事件の際に高校生以下だったSAO帰還者を育成する為の教育機関、否、学校がある。
その昼放課、和人は中庭を歩いていた。
智代『……。』
すると、ベンチに腰掛ける智代が和人の目に止まった。
智代『和人。』
和人『智代。』
すると智代は和人の存在に気付いた。智代に声を掛けた和人は、智代の隣に腰掛ける。
智代『和人、最近なんだか疲れているんじゃない?年寄り臭く見えるし。』
和人『ああ、智代の言う通りだ。第一、この一月で5,6歳くらい歳をとった気分だし。』
智代『はは、そうだろうね。』
それから暫し間が空き…、
智代『私、何だかこの学校で注目されてる気がする。』
和人『無理もないだろ。ここはSAO帰還者ばかりが通う学校だからな。』
智代『だよね。毎日毎日、〈青の槍壁〉だって噂されて……』
和人『大変なのはお互い様だな。』
智代は、この学校で注目されている事について聞いた。
聞かれた和人はSAO帰還者ばかりが通う学校だから仕方ないと言って返した。
和人『そういえば……。』
智代『どうしたの?』
和人『なんだか、視線を感じるような……』
智代『無理もないでしょ。ここ、最上階の食堂から丸見えなんだし。』
和人『はは、ですよね〜〜……。』
突如和人は、視線を感じると言い出した。すると智代は、自分の居る所が食道から丸見えである事を和人に言った。智代にそう言われた和人は、冷や汗をかきながら肯定するしかなかった。
智代『そんな事より…ハイ、お弁当。』
和人『おお、ありがとう。』
そんな時、智代は手作りのお弁当を和人に手渡した。和人はそれを受け取ると、早速蓋を開ける。
≪パカッ≫
和人『うわー、相変わらず旨そう‼︎』
中身は相変わらず、和人が好きな具材に加えてサラダと、SAOの時と全く変わらない。
智代『ふふ、残さず食べてね♪』
和人『そのつもりだよ。』
そして2人はお弁当を食べ始めた。
その間にSAO事件後の話をある程度お話しします。
SAO事件より、バーチャルMMOは回復不能の状態にまでなり、アーガスおろかレクトも解散となり、ALO等のバーチャルMMOは運営中止まで追い詰められる事となった。
数分後、お弁当を食べ終えた2人は雑談を始めた。
智代『そういえば、茅場 明彦はどうなったの?』
和人『茅場は死んだそうだ。
死因は自殺。』
智代『自殺?』
和人『どうやら、SAOのプログラムが消去されたと同時に、脳にスキャニングを行ったらしい。』
智代『でも、それって、成功確率は格段に低い筈じゃあ……』
和人『ああ、成功率は1/1000くらいだって聞いている。』
智代『1/1000くらいねえ……。
あ、そういえば、今日のオフだけど……』
和人『ああ、エギルの店で、だよな?』
智代『うん。』
ーーーーーーーーーーー
和人と智代がこんな会話をしている中、その2人を良い方で見ていない人間が食堂に居た。
『『……。』』
食堂の窓から2人を睨み付ける〈閃光のアスナ〉こと結城 明日奈と、リズベットこと篠崎 里香。
珪子『盗み見なんて失礼ですよ2人共。』
更にその2人を咎めるシリカこと綾野 珪子の3人であった。
里香『そう言ってる珪子こそ、さっきまでガン見してたじゃない。』
珪子『≪ギクッ‼︎≫』
里香にそう指摘された珪子は、図星を突かれた表情となり沈黙した。
実は珪子、ついさっきまで2人をガン見していたのだから、無理も無いだろう。
明日奈『それにしてもキリト君ったら、サチとあんなにイチャイチャして…許せない。』
里香『全くあの2人ったら、結婚前提で付き合っているだなんて。しかも互いの両親が公認しているとは…こんな事になるんだったら、サチと休戦協定なんか結ぶんじゃなかったわ。』
明日奈『言い出しっぺは里香でしょ?』
里香『そりゃそうだけどさ……』
珪子『里香さんは甘いんですよ。』
『『『…、はあぁ〜〜〜。』』』
3人は和人と智代がイチャイチャしている所が気に入らないらしい。特に明日奈、嫉妬の炎ならぬ殺意の炎を燃やしている。一方の里香は、千代と休戦協定を結んだ事に後悔した。
里香の言う休戦協定と言うのは、和人と千代を1ヶ月間イチャイチャさせようと言う物。
とはいえ、結婚前提で付き合う事を両親から認めて貰っている事だけは、最近になるまで気づかなかった。そんな会話の後、3人は深い溜息をついた。
明日奈『ねぇ、2人は今日のオフ会は行くの?』
珪子『勿論です‼︎』
里香『右に同じよ。』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それから数時間後の夕方時、和人と智代は直葉を連れて街の路地を歩いていた。
目的地はエギルの店。
和人『そういえば、スグはエギルと会うのは初めてだっけ?』
直葉『えーと、智代さんの紹介で2,3回くらい会ったよ。大きい人だよね〜。』
和人『そうか、なら安心だな。』
和人はエギルと会った事が有るか直葉に聞いた。
直葉は智代の紹介でリアルのエギルと会った事が有るので、今回が初対面ではない。
その事を聞いた和人は安心したが、直葉は何処か寂しそうな表情を浮かべていた。
そうこうしているうち、一行はエギルの店に到着。
≪ガチャッ≫
扉を開けて中に入ると、明日奈,里香,珪子、更にその他のSAO生還者が皆勢ぞろいしていた。
和人『チョット待てよ。俺たち遅刻してねぇぞ。』
里香『ふっふーん。あんたらには、ワザと遅い時間を知らせたのよ。』
和人『……。』
和人は時間通りに来たので、遅刻してないと言ったが、里香の言葉を聞いた和人は恨めしい表情を浮かべた。
あまりにも理不尽な言い分である。
という訳で本題。
『『『『SAOゲームクリア、おめでとう‼︎』』』』
オフ会というのは、SAOゲームクリアを祝うための物だった。
早速和人は、テーブルのあるカウンター席に腰掛けた。
和人『マスター、バーボン頼む。』
≪スッ≫
エギル『≪ニッ≫』
和人『……。』
和人がオーダーすると、エギルは飲み物を出した。
因みにバーボンはお酒の一種。飲み物を出したエギルはニッと笑みを浮かべた。
和人『なんだ、ただの烏龍茶か……。』
恐る恐る一口。すると飲み物は、ただの烏龍茶であった。まぁ当然と言えば当然だろう。
『エギル、俺には本物をくれ。』
すると、おでこにバンダナを巻いた男が、エギルに本物のバーボンを出すように言った。この男はクラインこと壷井 遼太郎。とはいえ、リアルでは、和人達からはクラインと呼ばれている。余談だがエギルも同様。
和人『クラインいいのか、この後仕事だろ?』
クライン『何言ってんだよ。仕事やら残業やら飲まずにやってられっかっつーの。』
和人はクラインを咎めたが、当のクラインはそれを言い切り捨てた。
『お久しぶりです。』
和人『これは、シンカーさん。確か、ユリエールさんと結婚したそうですね。おめでとうございます。』
突然、若い男性が和人に話し掛けて来た。
この男性はシンカー。<軍>のリーダーだったが、第32~33話の一件で<軍>を解散させ、SAOクリアの後にユリエールと入籍を果たした。
和人『そうだエギル、<ザ・シード>はどうなった?』
エギル『スゲえ事に成ってるぞ。ミラーサーバが50,ダウンロード総数が10万越え,稼働中のサーバは数百くらいだ。』
和人『そうか。』
<ザ・シード>というのは、和人が茅場 明彦から託された種の事。
和人は退院早々、エギルに解析を依頼。
その結果、<ザ・シード>と呼ばれるフルダイブ型バーチャルMMOのパッケージデータと判明。
つまり、サーバを<ザ・シード>にダウンロードする事で、誰でもネットワーク上に異世界を作り出せるとの事。
それを知った和人は早速、エギルに頼んで<ザ・シード>をネットワーク上にアップロードして貰った。
これにより、バーチャルMMOは見事復活し、ALOも復活。そのデータは他の運営会社に引継がれる事となり、更にそれ以外に多くのゲームサーバが立ち上げられ、コンバート機能も整いつつあった。
『和人。』
和人『どうした琴音?』
琴音『直葉が提案があるって言ってるけど……』
和人『スグが?』
すると和人、後ろから誰かに話し掛けられた。
和人が後ろを向くと、そこには少女がいた。
この少女は、SAOでフィリアというアバターを持っていた琴音。
学校で初対面して以来、和人達と仲良くなった人物。
和人が琴音に聞くと、直葉が提案がある事を和人に告げた。
和人『スグ、提案って何だ?』
直葉『お兄ちゃん達って、SAO事件からゲームっていないのですか?
私、新生ALOをやっているんだけど、みんなもやってみませんか?
結構楽しいし。』
和人『新生ALOか、面白そうだな。
俺もやろうかな?』
智代『和人がやるなら、私もやる。』
明日奈『私も。』
里香『私も。』
珪子『私も。』
琴音『私もやる。』
クライン『なら、俺もやるぜ。』
エギル『俺もだ。』
『『『賛成〜‼︎』』』
和人『よーし、早速明日からログインするぞ〜‼︎』
『『『『おお〜〜〜‼︎』』』』
直葉の提案とは、新生ALOをやらないかっという物だった。
これを聞いた和人達は皆賛成。
早速明日からログインするとの事。
後書き
今回はここまでにします。次回作は、早ければ週の始め辺りに公開の予定で行きます。
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