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インフィニット・ストラトス~黒衣の創造神~

作者:黒鐡
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第4巻後編
  蒼い翼での社長業×クレープ屋でのおまじない×黒猫ラウラと白猫シャル

「お疲れ様です織斑少将」

「よう。お前らが突入せずになったが、無事に解決となったからよかった」

野次馬達が何者だ?と思っていたが、ISを展開していてしかも男が展開していたのでIS界では有名な織斑一夏だと知った野次馬達だった。それに高度な戦闘を数多く経験しているという証明となった。ISの専用機持ちなら、どの国でも『ありとあらゆる事態』を想定した訓練をしているし候補生であっても変わらない。

もしもIS展開不能な状態だったとしても、状況を打破出来るように鍛えられている。無論軍人であるラウラとシャルと俺だと、ドイツ軍と国連軍で技能や対応能力・肉体能力に開きはある。特にシャルは、途中から軍属となったのでこの程度の状況となっても問題はないが、ここはあえて暴れた俺だった。

「終わった・・・・?」

「助かったの、私達・・・・」

「い、一体何が・・・・」

危機を脱した事は分かるが、状況把握が出来ていない人々は何度も瞬きを繰り返して外にいた俺の背中を見ていた。ISの部分展開をしていた為なのか、ウイングスラスターで隠れていたので誰だか分からない状況だった。そんでISを部分展開を解除してから、俺は店内へ戻ってきてから客らに声を掛けた。

「もう大丈夫だ。銀行強盗はこの俺が倒したんで、何も問題は無いぞ」

「お、俺達助かったんだ!」

「やった!あ、ありがとう!カッコイイお兄さん、ありがとう!」

助かった実感が今になってはっきりと自覚出来たのか、店内は騒がしくなった。その様子を見てから、俺の知り合いの警官隊が詰めてくるのでそろそろ俺らは退場した方が良さそうだな。

「という事で俺らは先に撤収するわ。@クルーズの店長さんに、警官隊の隊長さん」

「そのようですね。これは臨時給料ですので、先に渡しておきます」

「代表候補生で専用機持ちは、公になるのは避けないといけませんからね。織斑少将らは裏口から出て下さい、IS展開については咎めないですが交通規制されてはいますし、マスコミ関係者が大勢見えます。お早く」

臨時給料をもらってから、裏口から着替えてから外に出ると空間から呼んだ車に乗り込んでから、パトカーが途中まで護送してくれた。マスコミ関係者を撒いたが、俺がIS展開をしたので別行動を取る事となった俺だった。二人を近くのデパートまで戻ってから、降ろさせてから俺は蒼い翼本社へと向かったのだった。

今日から蒼い翼が存在していたので、社長仕事をするので到着と同時にスーツ姿となって駐車場に行った。そしてエレベーターに乗ってから、一番上にある社長室に向かうと副社長の青木が椅子に座っていたのだった。

「零社長、やっと蒼い翼を認識しましたか」

「まあな。この世界には無い存在だったので、国連軍所属は変わらないが別の俺が立ち上げた巨大グループである蒼い翼がやっとここでも存在確認した」

「ここは蒼い翼という巨大グループが無い世界ですもんね。早速ですが、零社長にはこの書類に判子をお願いします」

今の俺は織斑一夏ではなく零達也として、ここにいる事で容姿は変えずにいる。これが本来の容姿なので、スーツ姿となって仕事をするが仕事を手伝うためにアン達を呼んだ。武装神姫を見た青木らは、これが例の武装神姫だと言っていた。そんで、服装アーマーを変えたからかアン・アイネス・レーネ・マイはサマースーツアーマーを着てから手伝いを開始した。

「これが例の武装神姫とは、他の方では全くと言っていい程出てこないので珍しいモノだと見ていますな」

「別の俺だとアン達は全くと言っていい程、出る場面がないからな」

「国連軍日本支部でも、武装神姫の存在認知しているのはブラック・シャーク隊ぐらいですものねぇ」

アンやアイネスは書類に判子を押す係で、レーネは武装神姫用の蒼い翼で着る服アーマーを裁縫していた。マイは処分する書類を試し斬りをするかのようにして、シュレッダー代わりとして働いていた。そうしていて、ISを展開した事件がやっていたがそれに関しては国連軍にいる非番だった織斑一夏が強盗犯を瞬殺した。

とそのようなタイトルになっていたので、早速動いたのかと言う風に言っていた青木だったが、そろそろ夕方かぁ。あの後シャルとラウラと別れてしまったが、ちゃんとやっているだろうか?

「もう夕方だね」

俺がそう思っている時に言っていたシャルだったが、強盗事件から二時間後となっていた。二人はあの後残っていた買い物を済ませていたが、支払は全て俺だがシャルにはこの前までの活躍で給料が支給されたのでカード払いとなっていた。そして駅前デパートから出ると外はもうオレンジの光景に変わってた。

「買い物はもう全部か?」

「うん。一夏から頼まれたモノも買っといたから、大丈夫だけど。それよりラウラ、自分の物なのに一夏がいなくなってから『任せる』や『好きにしろ』とかばっかりだったでしょ。ダメだよ、女の子なんだから」

「わ、分かっているが一夏がいない状態になってからだけだ」

「今日は途中退場してしまったけど、今度からは自分で言うんだよ?僕もだけど一夏は国連軍少将になってから、仕事一本でやっていたからね」

シャルとセシリアだけが知っている事は、蒼い翼日本本社社長兼CEOをしている事は国連軍日本支部ブラック・シャーク隊の者と蒼い翼関連の社員や店長しか知らない。俺の事を言うとラウラは、今度から気を付けると言っときながらまたやりそうだな。シャルは向こうに公園があると言って、元は城だと知ると興味津々となったラウラだった。

「それにしても結構買ったが、金は大丈夫なのか?私の口座に二千万ユーロ程あるが・・・・」

現在一ユーロが135円だと約二十七億円となるが、それ程驚かないシャルであった。ラウラは生まれた時から軍所属となっていて、ISの国家代表候補生になってからその分も上乗せされているようだ。

「うん大丈夫だよ。僕はラウラみたいに最初から軍属じゃなくても、この前のヨーロッパから帰国してから昇進と共に給料が出たからね。二千万ユーロまでは持ってないけど、一夏ならそれ以上の額を持っているそうだよ。ブラックカードだったし、一夏は階級も結構上だしね」

「うむ。私も一夏が大佐だと知ったとしても、給料に関してはドイツ軍と国連軍では大違いだからな。それにブラック・シャーク隊は国連軍で唯一の独立部隊だと言うから、指揮系統から給料まで全て違うモノだと私は思っている」

「だから一夏は普通に外でもISを展開できるからね。普通の軍属でも、許可が無い以上展開しちゃいけないけど一夏は司令官で大隊長だからかもしれないね。そういえば引き出し方は知っているの?ラウラ」

「いや知らん。金の使い方は今まで知らないままで過ごしてきたからな。これからは個人で金銭を持つ感覚を教えてくれれば助かるが、今までは軍からの支給品で事が足りたし、潜入捜査時も補佐エージェント以外からは物品を受け取らないようにしていた。だがここはドイツではなく日本であり、ここは自由に金が使える所だからな」

「じゃあ一夏が戻ってきたら、少しずつだけど教えてもらおっか。一夏も今日は非番だったけど、明日からまた国連軍で一日中仕事だと思うからさ。僕とセシリアもだけどね・・・・多分僕らが学園に戻っている頃には戻っていると思うよ」

そう言っていたシャルだったが、本心では蒼い翼本社で働いているのだろうと思っていた。そうして公園に到着してから、俺がおススメだと言っておいたクレープ屋を探していた。ミックスベリーを食べると幸せになるというおまじないがある、とシャルから言ったら日本のオカルトか?とラウラが質問してきた。シャルはジンクスだと言ったら験担ぎだと言って頷いていた。探索しようとしていたら、すぐに見つかったが部活帰りやお出かけの寄り道として女子高生が局所的に多くいた一角があった。

「すみませーん、クレープ二つ下さい。ミックスベリーで」

「あぁー、ごめんなさいね。今日はミックスベリーは終わっちゃったんですよ」

「あ、そうなんですか。残念だけど、しょうがないか・・・・ラウラは何にする?」

「イチゴとブドウをくれ。今日は私からの奢りで構わんよ、一夏はいないが今日はとても興味を持った日になったからな。早速金の使い方を試してみたが何点だ?」

お店の主と話しているとすぐにラウラが注文してきたので、口調は十代女子っぽくないがそのような口調で聞いて来たら白旗を挙げるシャルだった。

「もちろん百点だよ」

機嫌が良くなったので、ラウラは出来たてのクレープを受け取ってからシャルはイチゴを手にする。二人は少し店から離れたベンチに並んで座ると、クレープをはむっとかじった。このクレープ屋は、蒼い翼関連の店でレシピから味まで織斑一夏=零達也が提供したと噂されているクレープだったので、食べた二人は美味し過ぎて落ち込む二人だけどよくよく見たら蒼い翼のシンボルマークを見たら納得した。

「この味で落ち込む程のレベルだけど、あの店は蒼い翼関連が経営しているんだね」

「そうだな。確か幻の社長と言われている零達也が提供したと言われているが、それについてはどう思うんだ?」

「それについては幻ではなくて、実在していると一夏が言ってたよ。何でも零達也社長とは、知り合いらしいって聞いたけど・・・・それ以外は一切教えてくれなかったよ」

そう言って、ラウラのクレープを分けてくれたので食べたら、あの店にはミックスベリーはそもそも無いと言っていた。なぜラウラがそう思ったのかは、メニューや厨房にはなくソースの色を見てもなかったらしい。近距離でグレネード使われたら、ISを急速展開しても命に関わるらしいが俺らのだと大丈夫なんだけどね。そもそもミックスベリーは、ストロベリーとブルーベリーを食べ比べするモノだ。

「そっかー。一夏は最初からミックスベリーというのは、イチゴとラズベリーを交互に食べる事で初めて分かる事だったんだ」

いつも売り切れのミックスベリーというのは、そういうおまじないであって両方同じ味だったら気付かなかったかもしれない。俺とシャルかラウラが食べれば、顔を赤くしたシチュエーションだったりするが、同性同士でも少し緊張はするだろう。

それと夏がそろそろ終わる事をラウラが言ってから、シャルは肯定をしていたが今年の夏は色々とあった。ヨーロッパでの事件や各ヨーロッパの軍に講習会という粛清をした事、飛行機でのハイジャック事件とかあったがそろそろ帰る時間となっていた。

「もうこんな時間か、アン達もご苦労さん。それとセシリア、急で悪かったな」

「いえいえ。一夏さんからのお呼ばれなら、例え国連軍での仕事があったとしてもそちらの方を優先だと桜花さんから言われましたの」

「社長、久々の仕事お疲れ様でした。社長と司令官という板挟みではありますが、こちらは任せて社長はそちらを優先して下さい。ここでは主に軍属が仕事でしたから、ここは私と林だけで充分ですから」

「そういう事なら、こちらは国連軍兼IS学園生徒に優先させてもらうよ。セシリア、一緒に帰るとするか。アン達もだ」

俺らはそろそろ帰る事にしたので、アン達は俺の肩にそれぞれ乗せてから社長室を去った。セシリアは途中からこちらの仕事の手伝いをしてもらったが、別の俺だと色々とやっているようだ。なので基本的な事は、副社長にお任せ状態としてから車に乗り込んでIS学園に向かった。たぶんシャルとラウラも今頃部屋に帰ってパジャマの試着でもしてるのでは?と思ったからだ。

「こ、これは、何だ・・・・?」

「ん~♪かわいーっ。ラウラ、すっごく似合うよ!」

「だ、抱き着くなっ。う、動きにくいだろう・・・・」

「ふっふー、ダ~メ。猫っていうのは、膝の上で大人しくしないと」

「お、お前も猫だろうが・・・・」

と俺の予想が当たった事で、車に乗りながら偵察機から聞こえてくるシャルとラウラの声が聞こえてくる。それを聞いたセシリアは、何やら楽しそうな会話をしていると言っていたが、今度はセシリアと一緒に行きたいなーと思った。だがたまには、他のヒロイン達と会話するのも悪くない事だ。

夕飯前に戻ってきたが、国連軍日本支部に戻る前にシャルの提案で新しく買ったパジャマの試着をしてみたのだった。夏らしいシャツタイプもあったが、まるでのほほんさんが着ているような着ぐるみを着ていた。

「これは・・・・本当にパジャマなのか?」

「うんそうだよ。寝やすいでしょ?」

「ね、寝てないから分かるはずないだろう」

ラウラが疑うのも無理はないが、パジャマというより一般的に見ないタイプのパジャマであった。袋状になっている衣服にすっぽりと体を入れ、出ているのは顔だけとなった。フードはネコミミがついていて、手先足先にはこれまた肉球がついている。

猫の着ぐるみパジャマだったが、ラウラは寝る時はやはり裸でいいと言っていたがそれだと買った意味がない。それに似合っているのに脱ぐのはもったいないし、これからシャルは俺が迎えに行く予定だったのでついでに着ていたのだった。

「偵察機からだと、シャルは白猫でラウラは黒猫パジャマらしいぞ。そんでラウラを後ろから抱き締めているのか、膝上に座らせていた様子だな」

「それはぜひ見てみたいですわね。でもそれだと私はお邪魔になってしまうので、ここで待ってますわ。アンさん達も私と一緒に車の中で待っていますわ」

そう言ったので、俺は私服姿となってから通信機で聞いていた会話。

「ほらラウラ。せっかくだから、にゃーんって言ってみて」

「こ、断るっ!な、なぜそんな事をしなくてはならない!?」

「えー、だって可愛いよ~。可愛いのは何よりも優先される事だよ~」

ポワポワと音が聞こえそうなハッピースマイルのシャルは、ラウラにとっていつも以上の強敵となっていた。

『可愛いからいい』

『これを着ないなんてとんでもない』

『残念ですがその要求は却下されました』

と言ういつもとは百八十度違う理屈無し根拠無し交渉無しの強引なやりとりで、気が付けばシャルの膝上に座っていた。どうやらシャルはラウラに猫の鳴き真似をして欲しいそうだが、照れ臭そうに猫の手振りまで付ける眼帯黒猫ラウラにシャルは幸せ気分だった。まるで荷電粒子砲のエネルギー充填する時並みの数字であると思った。

「ラウラ可愛い~っ。写真撮ろう!ね、ねっ!?」

「き、記録を残すだと!?断固拒否する!」

「そんな事言わずにさ~」

その時部屋前に到着したので、偵察機からの映像を録画にして記録に残した俺だった。そしてノックしたら、シャルはドア前に俺が立っていた事が分かっていたので入室許可を出したのだった。女子寮特有のフランクさで答えたシャルだったので、ラウラを愛でて幸せ一杯だった笑顔となっていた。

「ようお前ら。途中から別れて悪かったけど、こちらに戻っていると聞いて来てみた。ついでにシャルを連れ戻しにな」

「一夏。僕らの格好からしてどう見る?」

「どう見てものほほんさんがよく着ているパジャマに見える。それともコスプレか?」

「これはパジャマなんだけど、そう思えるのならしょうがないよね」

来客が俺だったので、シャルはいつも通りに会話をしていたがラウラは今の姿を見られたので顔を真っ赤にしていたのだった。今まで部屋には来なかったが、猫パジャマを着ていた事も記録も残した。ラウラはいつも通りに仁王立ちをしていたが、ネコミミと肉球の黒猫パジャマだったので全くと言っていい程覇気がなかった。

そんでもうすぐ帰ると言ったのか、今日買っておいた服を全て取り出してから俺とシャルが持つ量子変換機に各端末によって変換されていった。ラウラにはまた後日にでも会おうと言ってから、部屋を出てからセシリアが留守番していた車まで戻り、車に乗り込んでから国連軍日本支部へと戻ったのだった。 
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