魔法少女まどか☆マギカ こころのたまごと魂の宝石
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第11話
前書き
何かまどマギっぽさが足りないなあ。
そう考えて、今回はまどマギっぽくしました。
ショッピングに行く途中、迷子の女の子“千歳ゆま”ちゃんを見つけたあたし達は、その子の両親を探す手伝いをする事になった。そして、その子が両親とはぐれた場所まで行くと、そこであたし達は魔女の結界に引きずり込まれた。ゆまちゃんの両親も突然消えたって話だし、多分この中に居るんだと思う。
「織莉子、ゆまちゃんと一緒に下がってて。行くよ、ラン。」
「うん!」
「レン、私達も。」
「ああ、行こう!」
「お願い、エイミー。」
「もちろんよ。」
あたしとキリカはそれぞれのしゅごキャラに声をかけた。
「私のこころ」
「あたしのこころ」
「「アンロック!!」」
そして、キリカは眼帯プラス燕尾服なスタイルに、あたしはピンクのチアリーダー姿になる。
「キャラなり!ブレイクファング!!」
「キャラなり!アミュレットハート!!」
「キャラチェンジ!」
まどかも、ツインテールを結ぶリボンが赤から白に変化して、手に弓を持つ。
「私も行くよ!!」
続いて、さやかも変身した。ただ、ポーズは決めるけど、あたし達みたいに変身の掛け声や変身後の名乗りは無い。
「う〜ん。なんか寂しいなあ。あたしもあむやキリカさんみたいに名乗りとか考えておいた方がいいかな?」
「そう言うのはいいから。ほら、来るよ!」
あたしがそう言うと、使い魔達が一斉に襲いかかって来た。
「スパイラルハート・スペシャル!!」
「ステッピングファング!!」
「シューティングスティンガー!!」
「マギカアーチェリー!!」
あたし達はそれぞれの飛び道具で使い魔を倒して行った。
「皆、先に進むよ。織莉子さんとゆまちゃんも着いて来て!」
あたし達はさやかの言葉に従って、前に進む。その時、ゆまちゃんが不安そうに聞いて来た。
「ねえ、パパとママ、大丈夫だよね?さっきの豚さんに食べられちゃったりしてないよね?」
その質問に、あたし達は答えられなかった。もう、結界に引きずり込まれてから大分経ってるみたいだから、もう使い魔か魔女に食べられちゃってるかもしれない。
「大丈夫だよ。」
そんな中、さやかが言った。
「ゆまちゃんのパパとママはお姉ちゃん達が助けるから。」
「うん。」
すると、ゆまちゃんの表情は少しだけ明るくなった。
「ねえ、さやか。大丈夫なの?あんな事言って?」
あたしは心配そうにさやかに聞いた。まどかとキリカも同意見だと言わんばかりに頷く。
「何言ってんのさ。ここで堂々とそう言わなきゃ、魔法少女がすたるでしょ。」
そう堂々と言うさやかに呆れながら、あたし達は先を急いだ。
使い魔を倒しながら、あたし達は結界の最深部にたどり着いた。そこの中央には魔女の後姿が見えた。ブクブクブクに太った胴体に爬虫類っぽい尻尾と、何本もの足が生えている。魔女は何かを食べているようで、クチャクチャと言う音が聞こえていた。
「行くよ、先手必勝!スプラッシュスティンガー!!」
「スパイラルハート・スペシャル!!」
「ヴァンパイアファング!!」
あたし達は一斉に攻撃する。でも、それは全て魔女の柔らかい身体に弾かれてしまった。
「嘘!?」
そうやってあたし達が驚いていると、使い魔がこっちを向いた。使い魔が豚っぽい顔だったのに対し、魔女の顔は牛っぽかった。でも、そんな事はどうでも良かった。重要なのはそいつが“人を食べていた事”と・・・
「ママ・・・」
ゆまちゃんが食べられている人を見て、そう言った事だった。
「うぐっ・・・」
あまりに凄惨な光景に、あたし達キャラ持ち組は思考が止まってしまった。
「お前ええええええええええええええええええ!!!」
でも、さやかはそのまま魔女に突撃して行った。
「よくも、ゆまちゃんのママを!!」
さやかはサーベルで魔女を斬りつけるけた。でも、魔女の柔らかい身体には刃が通らず、その弾力で弾かれてしまう。
「このぉ!!!」
さやかは何度も斬りつけるけど、全く効果は無い。すると、魔女は無数ある脚の一本を腕のように持ち上げて振るい、さやかを払った。払い飛ばされたさやかはそのまま最深部の壁に叩きつけられる。
「さやか!このお!!」
すると、今度はキリカが突撃して行った。すると、魔女は尻尾を振るってキリカを弾き飛ばした。
「さやか!キリカ!!」
あたしは二人を助けに行こうとする。その時・・・
「た、助けてくれ!!」
男の人の声が聞こえた。声のした方を見ると、傷だらけの男の人が地面を這いながら使い魔から必勝に逃げていた。
「パパ!!」
それを見たゆまちゃんが叫んだ。
「今助ける!ハートスピーダー!!」
あたしはゆまちゃんのパパを助ける為に飛び出した。
「手を伸ばして!!」
あたしが叫ぶと、ゆまちゃんのパパはこっちに手を伸ばす。あたしはその手を掴んだ。でもその瞬間、横合いから飛び込んで来た魔女がゆまちゃんのパパに喰らいついた。
「え・・・」
その瞬間、あたしは頭の中が真っ白になった。その間に魔女はゆまちゃんのパパの身体を食い千切る。そして、あたしの手に握られていたのは“腕だけ”だった。
「い、嫌ああああああああああああああああああ!!!」
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ゆまのお父様が魔女に食べられた瞬間、あむは悲鳴を上げながら変身を解除してしまった。そのまま地面に尻餅をついて、魔女を見上げる。
「くっそおおおおおおおおおお!!!」
すると、復活したさやかが魔女に斬りかかった。でも、相変わらず効果は無い。キリカはまだ戦闘不能だし、まどかも茫然としている。このままじゃ、皆やられてしまう。そう思って私は覚悟を決めた。
「キュウべえ!私、契約するわ。そうすれば、何とか・・・」
「その必要は無いわ。」
その時、聞き覚えの無い声と同時にミサイルを発射したかのような音が響いた。すると、魔女の横っ腹にロケット弾が当たって爆発を起こす。少し効いたようで、魔女は悲鳴のような鳴き声をあげた。そして、ロケット弾の飛来した方を見る。私も同じ方向を見ると、そこには右手にロケットランチャーを、左手に丸い盾を持った黒髪の少女が居た。魔女は今度はその少女を狙いに定めて大きな足音を響かせながら突撃した。黒髪の少女は微動だにせず。そのまま魔女に丸呑みにされた。かと思えば、いつの間にか魔女の背後に出現していた。魔女は首を傾げならが振り返る。
「5、4、3」
すると、少女は何かのカウントダウンを始めた。
「2、1、0」
そして、カウントが0になった時、爆音と共に魔女の身体が一瞬膨らんだかと思うと、魔女は口から煙を上げ始めた。爆音は立て続けに響き、魔女は木っ端微塵になる。すると、周囲の風景が元の路地裏に戻った。
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突然現れたほむらちゃんのおかげで私達は助かったけど、ゆまちゃんのパパとママを助ける事は出来なかった。
「あむちゃん!大丈夫!!」
でも、私はまずあむちゃんの所に駆け寄った。さやかちゃんもキリカさんの所に駆け寄って治療をする。
「あむちゃん!!」
「まどか・・・」
何度か呼びかけると、やっとあむちゃんは反応してくれた。
「あたし、助けられなかった。腕、掴んだのに。なのに・・・」
そう言ってあむちゃんは自分の手を見た。その時、私は気付いた。キャラなりが解けてもあむちゃんが放さなかったゆまちゃんのパパの腕が無い事に。
「魔女の結界で死んだ者は死体は残らないわ。」
その時、ほむらちゃんが私達全員に聞かせるように言った。
「これで分かったかしら。魔法少女の戦いがどう言うものか。」
確かに、私達は魔法少女になれば誰でも助けられると思っていた。でも、実際はゆまちゃんのパパとママを助ける事は出来なかった。
「全てを救うなんて、結局不可能なの。これ以上、現実に押し潰されたくなければ、手を引く事ね。」
そう言うと、ほむらちゃんは落ちていたグリーフシードを拾って去って行った。
その後、ゆまちゃんをどうするかが問題になった。まだ小さいのに、両側の居なくなってしまったこの子はこれからどうすればいいんだろう?
「ゆま、あなたに頼りに出来る親戚は居るかしら?」
その時、織莉子さんがゆまちゃんに聞いた。すると、ゆまちゃんは頷きながら答える。
「うん。おじいちゃんとおばあちゃんが。」
「なら、その人達の所へ行きましょう。」
「方法はそれだけじゃないよ。」
その時、キュウべえが話に割り込んで来た。
「ねこさん?」
すると、ゆまちゃんはキュウべえを見ながら首を傾げた。って、ゆまちゃんキュウべえが見えてるの!?
「僕はキュウべえ。ゆま、君に僕が見えていると言う事は、君には魔法少女の才能がある。」
「そっか!キュウべえにゆまちゃんのパパとママを生き返らせて貰えば!!」
すると、あむちゃんが立ち上がりながら言った。でも・・・
「私は反対よ。」
織莉子さんがそれに反対した。
「ちょっと!何で!?」
「あむ、忘れて無い?魔法少女になったら、魔女と戦わないといけないと言う事を。」
「そだね。あたしもそんな小さい子に魔法少女やらせるのは反対だよ。」
「私も。」
「私もキリカと同意見だね。」
さやかちゃんとキリカさんそれにレンも、ゆまちゃんが契約するのには反対みたい。そして、織莉子さんは今度はゆまちゃんに向かって言った。
「ゆま。確かにその子にお願いすれば、ご両親は生き返らせて貰えるわ。でも、その代わりさっきのみたいな怪物と戦わないといけなくなるの。それでもいいの?」
それを聞いたゆまちゃんは悩む素振りを見せた。そして・・・
「・・・ゆま、おじいちゃんの所に行く。」
ゆまちゃんは、魔法少女にならない事を決めた。
「ゆまちゃん!どうして!!」
「戦いたく無いのなら、僕は強制しないよ。」
あむちゃんが驚いて詰め寄るけど、キュウべえが引き下がったから、それ以上言えなくなってしまった。
「あむちゃん。」
その時、ミキがあむちゃんに言った。
「もしかして、キュウべえにゆまちゃんのパパとママを生き返らせてもらう事で、助けられなかった事を無かったんじゃないの?」
それを聞いた途端、あむちゃんは愕然とした表情になる。
「ち、違う!あたしはそんな事考えて無い!!」
「そうだよ!そんな言い方って無いよ!!」
あむちゃんだけじゃなくて、私もミキに反論した。そうだよ。あむちゃんだって、後少しで助けられたのに、助けられなかったのが悲しいだけなのに。
「まどか。ミキの言う通りよ。」
「そうだね。無意識にそう考えていたとは考えられるんじゃないのかい?」
でも、エイミーとレンは私とは違う意見だった。すると、それを聞いたあむちゃんは走り去ってしまった。
「あ!待ってよあむちゃん!!」
「落ち着いてくださ〜い!」
ランとスゥが慌ててそれを追いかける。でも、ミキとダイヤだけはここに残った。それに気付いたエイミーが二人に話しかける。
「あなた達は追いかけなくていいの?」
「この事はあむちゃん自信が考えなきゃいけない事だからね。」
「ええ。あむちゃんが自分の考えていた事を理解して、その上でどうするか。それはあむちゃんが自分でやらなくちゃいけない事なの。」
「中々、手厳しいわね。」
「しゅごキャラは基本持ち主の味方だけど、それは常に優しくするって意味じゃ無いからね。」
ミキのその言葉に、私は友達や仲間との接し方を考えさせられた。でも、今はそれより・・・
「ねえ、あむが走って行っちゃったけど、何があったの?」
しゅごキャラが見えて無いさやかちゃん達に説明しないと。
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見滝原の外れ。そこで僕は1人の少女に会っていた。
「やあ、久しぶりだね。」
「ええ、久しぶりですね、キュウべえ。」
彼女はかつて僕が契約した魔法少女だ。魔法少女歴はそこそこ長いけど、彼女単体の強さは大した事は無い。でも、彼女にはそれを補って余りある“魔法”がある。
「今日は一体どうしたんだい?ここは君の縄張りから結構離れてるんだけど。」
「実はですね、見滝原は私が貰う事にしましたの。だってここ、相当な狩場なんでしょう?巴マミに1人占めさせるのは勿体無いですよ。」
「そうかい。でも、衝突する事になったら気を付けた方がいいよ。」
「大丈夫。ベテランとはいえ、魔法少女1人くらいなら余裕です。」
「いや、実は少し前にもう1人と契約したんだ。しかも、この街にはイレギュラーな魔法少女や、オリジナル魔法少女が3人も居る。」
「オリジナル魔法少女?なんですかそれは?」
「僕達が魔法少女システムを生み出すにあたって参考にした存在さ。現在、うち二人が魔法少女とほぼ同等の力を持つ第2形態まで変身可能だから、そっちにも気を付けた方がいいよ?」
「そうですか。でも、何人来ようと勝つのはこの“優木沙々”です。」
続く
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