ウィピル＝グランデ

「目立ちますよ」
「そうした服を着て店に出るとな」
「どうしても」
「じゃあそういう服か？」
　店長は腕を組んで言った。
「あの娘が持って来る服は」
「そうじゃないんですか？」
「そういえばあの娘高校時代は何の部活だった？」
「確かバレーボール部でしたよ」　
　赤髪の店員が言って来た。
「相当凄かったそうですね」
「バレーボールというと」
　このスポーツを聞いてだ、店長が出した服は。
「ブルマか」
「あっ、もうブルマなんてないですよ」
「日本のアニメじゃあるまいし」
「というか日本のアニメでもブルマ減ってますよ」　
　ブルマが出る作品がだ。
「あの娘のスタイルでブルマとか凄い威力ですけれど」
「バニーガールと同じ位」
「けれどもうブルマないですから」
「半ズボンですよ」
「半ズボンとなると」　
　それこそとだ、また言った彼だった。
「あの娘のスタイルだとな」
「やっぱりですね」
「目立ちますよね」
「あの娘実際男のお客さんに人気ですから」
　ちなみにセクハラに対する方法も見事だ。
「ですから」
「半ズボンですかね」
「うちの制服地味ですし」
　赤のつなぎの作業服だ、確かに目立つものではない。そこに青い帽子というのがこの店の制服なのだ。
「そこから目立つ服になりますと」
「あれですよね」
「やっぱり半ズボンですか？」
「そうした服ですかね」
「そうなるか？まあ明日わかるな」
　店長はあらためてこう言った。
「それもな」
「まあ露出は多いでしょうね」
「露出が多いと目立ちますから」
「そのことは期待出来ますね」
「それもかなり」
「そうだな、まあ俺には女房がいるからな」
　それでとも言う店長だった。
「そうした感情は抱かないけれどな」
「じゃあ俺達は注目しますんで」
「俺彼女いますけれど」
「俺も」
　今は男しかいないのでだ、彼等はざっくばらんだった。
「まあそこは」
「楽しませてもらいます」
「是非共」
「変な目で見ると嫌われるからな」
　そこはとだ、店長は店員達に注意した。
「気をつけろよ」
「まあちらっと見てです」
「それで終わりにしますんで」
「そこは弁えてます」
「ちゃんと」
「そうしてくれよ、とにかく明日だ」
　明日になればわかるとだ、こう話してだった。
　店の者達は次の日に来るのを待った、そしてその次の日だった。
　イザベラは朝早く出勤してきた、その時に着ている服は動きやすいジーンズにシャツというラフな格好だった。そして右手には。
　大きなバッグがある、店長はそのバッグを見て言った。
「そのバッグの中には」
「昨日お話していた服があります」
「そうか、じゃあその服をか」
「今から着ていいですか？」
「ああ、まあ勤務の時はな」
「作業服ですね」
　店の制服である、だ。