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ウィピル=グランデ

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第二章

「だから店に来てくれる車も多い」
「それで目立つまではですか」
「強くそうすることはないからないいけれどな」
「まずは、ですか」
「どうにかして注目というか目を引いてもらってな」
 そして、というのだ。
「店に来てもらうことだよ」
「それが第一ですね」
「だからお店の看板も必要なんだよ」 
 それもというのだ。
「どうしてもな」
「そういうことですね」
「ああ、目立つことは大事だよ」
 店をやるうえでもというのだ。
「まずはな」
「そうですか、それなら」
「それなら?」
「一ついい考えを思い浮かびました」
 イザベラは微笑んで店長に言った。
「目立つ為の」
「どうやって目立つんだい?」
「服です」
「服?まさかと思うが」
 店長は服と聞いてだ、少し苦笑いになってイザベラに問い返した。
「水着か?」
「違います」
 微笑んでだ、イザベラはすぐに店長に答えた。
「それは露骨過ぎます」
「じゃあレースクイーンでもないな」
「確かに目立ちますけれど」
「それじゃあどんな格好なんだ?」
「何でしたら明日にでもです」
「明日?」
「明日実際にその服を持って来ましょうか」
 こう店長に言うのだった。
「それで着ましょうか」
「どんな服なんだ?」
「水着やレースクイーンではないですが」 
 あらためてだ、イザベラはそれは断った。
「それでもです」
「目立つものか」
「そのことは間違いないので」
「よし、じゃあ見せてくれるか」
「わかりました」
 こうしてだった、イザベラはだった。
 次の日その服を店に持って来て着て仕事をすることになった、店長はこの時まで別にこれといってだった。
 強く思ってはいなかった、それで他の店員達にも言っていた。
「やっぱり水着だろ」
「一番目立つ服は」
「それだっていうんですね」
「男の目を引く」
「女の子もですけれど」
「そうだろ」
 何といってもというのだ、イザベラがいない時に。イザベラは丁渡昼食に出ていてそれで店にはいないのだ。
「やっぱりな」
「そうですね、あとレースクイーン」
「確かにですよね」
「そうした服がですね」
「一番目立ちますね」
「それと同じだけ目立つ服となると」 
 首を傾げさせてだ、店長は言った。
「あるか?」
「バニーガール」
 店員の一人が言った。
「それですか?」
「アメリカのか」
「はい、チアガールとか」
 この服も出した。
「チャイナドレスもありますね」
「中華街で売っている服だな」
「スリットがあって目立ちますよね」
「体型も出るしな」
「はっきり言ってイザベラちゃんスタイルいいですから」
「顔も中々でな」
「そうした服を着たら」
 それこそというのだ。 
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