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ハイスクールD×D~舞い踊りし剣舞姫~

作者:レゾナ
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第二十一話

何とか謝り倒す会長を宥めて、馬車に乗り込む。

俺達が馬車に乗るのと同時にそれぞれの馬車が走り出すのを馬車の窓から俺は見つめていた。

「馬車に乗るのなんて何年ぶりかしら?」

クレアは俺と一緒に窓から外を見ながらそんな事を呟く。

「あ、そっか。精霊剣舞祭(ブレイドダンス)の会場までは飛行艇で行ってたしな。あれ?でも、フィアナは馬車で学院まで来てたよな?」

俺はフィアナのいる方向に振り返る。

「ええ、王城から学院までは馬車でやってきたわ。だから、懐かしい感じね」

と、そんな事を話しているとフィアナの隣に座っていた会長が驚いた顔をしていた。

というか、会長の驚いた顔ってレアだな。

「ふぃ、フィアナさん、王族の方だったんですか?」

「え?言ってなかったかしら?」

「い、いえ聞いてませんよ!え?という事はここにいるイッセー君やアーシアさん、ヴァーリさんにゼノヴィアさん以外は……」

会長、その予想は的中してます。

「ええ、私達は王族じゃないけど貴族よ。ちなみに、私はエルステイン公爵家の次女で」

「私はその姉だ。苗字が違うのはちょっと事情があっての事だ」

クレアとルビアがまず説明。

「私はファーレンガルト公爵家の家の者だ。ちなみに姉上がいるが姉上は私の誇りだ」

エリスも自身の家の説明となぜか自身の姉の事を言った。

まあ、確かにあの人を誇りとするのはいい事だと思うし、エリスはいつかはあの人、ヴェルサリアに追いつきたいと言っていた。

目標があるのはいい事だしな。

「私はローレンフロスト伯爵家の三姉妹の長女ですわ」

リンスレットは簡素な説明だ。

「み、皆さん結構な身分だったのですね……」

「だからと言って、態度を変えるのは許さないわよっ」

会長がそんな感じに言うと、クレアは間髪いれずにそう言った。

「家の事を聞いて態度を変えるなんておかしいわ。大事なのはその人物の中身。外面だけ気にしても意味ないもの」

「ルージュさん……」

「クレアでいいわ」

「ふふっ、わかりましたクレアさん」

そんな感じに言った会長の顔は朗らかな物だった。














「というか、私も今その事実を知ったんだけど……?」

ヴァーリ、それは今は言わないお約束だぞ?










「ああ、見えてきましたね。あれが私の家です」

見えてきたのは城……うん、城だった。

洋風の城といったらわかるだろうか。まさに「ザ・洋風!」といった感じだ。

「うん、私の家の方が大きいわね」

フィアナ、張り合わない。

「この世界の上級悪魔の家は全部ああなのか?」

ルビアはルビアで会長になんて説明を要求してるんだ。

「ええ、こんな感じですよ。と言っても本当にごく一部ですが……」

本当にこんな感じなの!?

『ああ、大体の上級悪魔は体面をえらく気にするからな』

ドライグが補足を入れてくれる。

嬉しいけど、なんだか複雑な気分だな……。

『まあ、大人の穢れた世界だからな……』

ドライグ、哀愁漂う感じで言うな。

そして馬車が止まり扉が開く。

俺たちが出ると、丁度同時に着いたみんなも出てくる。

「どうぞ、お進み下さい」

赤いカーペットが敷かれており、その先の城門が開いていく。

両端には、駅と同様メイドさんや執事さんが並んでいる。

「さあ、屋敷へ入りましょう」

会長が、城へと進んでいく。

眷属もその後に続き、俺たちも続く。

巨大な門をくぐり、その中にある門も次々と開門されていく。

玄関ホールについに辿り着いた。

そしてルドガーさんが音もなく現れる。

「皆様、旦那様が食堂でお待ちでございます。持ってきた荷物は既に運んでおられるので。それでは私たちの後についてきてください」

そしてルドガーさんを先頭にして俺たちはついていく。

そして自分の部屋の前について中に入る。

「うわぁ…………なんでダブルベッド?」

それが部屋に入った時の第一印象だった。それ以外は結構今まで冥界で過ごしてきた部屋と変わらない。

しかし……なぜかベッドがダブルベッド……これはなにか?俺と誰かがここで寝るって事か?

…………いやいや、そんなのはないか。

『相棒。そう言っていると本当に誰かと寝るハメになるぞ?』

言うな、ドライグ。フラグにしか聞こえんから。

『そしてそんなフラグは得てして建ってしまうからな』

言うな。本当になりそうで怖い……。

「あ、そういえば……」

『?どうした?』

「いや、今ふと思ったんだけど……お前とアルビオンってさ、仲良いよな?」

『い、いきなり何を言うのだ相棒』

何を動揺してんだか。

「それでさ、三大勢力の衝突の中にお前とアルビオンとで介入したんだよな?ぶっちゃけ、その介入の理由って何だ?」

そう、今思ったのはそこだ。

冥界に来たからかもしれんが、それでも疑問に思ったので聞いてみる。

『う、うむ……そうか、ならば答えねばならんな』

な、何か結構重大な理由か?

『ぶっちゃけるとな……三大勢力の衝突に騒音がそもそもの原因だ』

「……は?いやいや、だったら今までと同じじゃねぇか。何だ、構えた俺がバカらし『話をきちんと聞け』……何?」

『俺は別に三大勢力の衝突などどうでもいい。むしろ、好き勝手してくれといった感じだった』

「じゃ、じゃあ何で介入したんだ……?」

その後、言われた言葉に俺は思わず呆けてしまった。



























『実を言うとな……あの時、俺はアルビオンに()()しようとしていたんだ』

「……………………………は?」

いや…………なんで?

ヴァーリSIDE

「……………………………え?それ、本当なの?」

『うん、そうだよ?』

アルビオンはそれを何てことはないといった感じで喋ったと思うんだけど……。

「じゃ、じゃあ、ドライグから話があるって行って、ドライグは何かを言おうとしたけど」

『うん、近くでとうとう三大勢力が衝突しちゃってね。それで、言葉がうまく聞き取れなかったんだ。それで……』

「ドライグが怒って、殴りこみに行って、アルビオンはそんな殴りこみにいったドライグを止める為に戦った、と……」

『うん、そういえばあの時、何を話そうとしてたんだろ?告白とかだったら嬉しかったんだけどな、えへへ……♪』

何だか、過去の事を思い出して顔がにやけてるのが丸分かりになる声ね。

「そういえば、ドライグってモテたの?」

これも素朴な疑問。ドライグって結構粗暴な感じがあったけど、何だか野性味溢れるっていうか……。

『うんっ!同じくらいの雌のドラゴンは皆大なり小なり好意は抱いてたと思うよ?小さかったけど、ティアマットとかも尊敬してるって言ってたし』

「ティアマットって……天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)の?」

『うん。皆成長したよねぇ』

アルビオン、何だか年寄りくさいよ。

でも……

「告白、か……」

私は……どうなんだろう……。

イッセー君が好き。これは間違いない。

でも、他のあの家に住んでる皆がイッセーの事が好きなのも事実。

「しかも、口ぶりからすると、元素精霊界(アストラル・ゼロ)の方にもイッセー君に好意を持ってる女の人、いるんだよね……」

ここまで来ると、本当に女誑しだと思う。

でも、それは仕方ないと思う。イッセー君はその時に言ってくれる最高の言葉を何事もないかのように言ってくれるから。

「あ、そういえば……あの時の剣……」

私はイッセー君と初めて出会った時の事を思い出した。

あの時、イッセー君の持ってた剣……

「神人さんの持ってた剣と一緒……?なわけないよね!神人さんは女性の方だったし!」

『ほっ……』

……?何でアルビオンが安心してるんだろ?

私はそんな事を疑問に思いながらも荷物を整理してから、教えてもらった食堂へと向かうため、部屋を出た。

SIDE OUT

「…………え?何、お前アルビオンの事好きなの?」

『な、何だ相棒。悪いか?』

「いや、悪くはないけどさ……ちなみに?」

『ひ、一目惚れだ……だぁぁぁぁぁぁ!!!言わせるな相棒!!!恥ずかしいんだよ!!!』

……ふふっ。

「すまんすまんドライグ。そろそろ、夕食の時間だし、仕舞うぞ?」

『ふん、もういい。今日は話しかけんからな』

そう言うと手に持った懐中時計から光が消えた。

どうやら神器の奥深くまで潜ったらしい。本当に拗ねちゃったな……。

「ま、明日には戻るだろ。さて、食堂はっと……」

俺は懐に神器を仕舞ってから、言われた場所にある食堂に向かう為に部屋を出た。 
 

 
後書き
あっはっは!二天龍の一角であるドライグが一目惚れだぜ!?笑っちゃうだろ!?

「言うな!」 
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