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IF―切り開かれる現在、閉ざされる未来―

作者:黒川 優
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序章 May―踊り始める現在
  Prologue&Begining

 
前書き
初めまして。作者改め黒川 優と申します。

至らない点は多々ありますが温かい目で見てくださると嬉しいです。

それではプロローグ、本編をどうぞ 

 

ー6年前ー亡国機業日本本部
(千冬side)

「何とかなったか……」

瓦礫をのし退けて回りを見る。
火の海に覆われたここは辺りは焦げて黒くなっていた。

「よいしょっと」

瓦礫の中に埋もれている男の子を引き上げる。
どうやら気絶しているらしい。私は暮桜の装甲を一部収納し、少年をおぶった。

「あそこか」

全く燃えていない所へ行き扉を開けた。

「…ちーちゃん」

そこにはいつもの摩訶不思議な服でなく、白衣姿の束がいた。

「姿が見えないと思ったらここにいたのか」
「ちょっとねー束さんにとって予想外のことが起こっちゃったからね」

いつも通りのような会話をする。
その瞳は私だけを見ていた。

「いいのか?」
「うん。もう要らない」
「そうか…」

いつもより刺のある言葉が返ってきた。

「これからどうするつもりだ?」
「しばらくは身を隠させてもらうよ。こんなこと、もう懲り懲りだからね」

その言葉を最後に束はどこかへ行ってしまった。




(フランス某所上空)



ザァ―――――――

リブァイブを展開した何者かは雷の鳴る暗雲の中に姿を隠していた。

「楯無、そっちはどうだ?」
『問題ないわ。私の他にも何人かが彼女を見てる』
「なら、問題ないな」

ゆっくり確実にスコープの真ん中に照準を合わせる。
そして雷鳴と共にトリガーは引かれた。







車に見合わない身長の低い男の子が運転席で寝転がっていた。

「ふー」

フランスに滞在して2ヶ月。やっと国際IS委員会の仕事に区切りがついた。

(さて、帰りますか)
車を動かし駐車場を出ようとする。
その途中、茶髪の女の子がいきなり前に飛び出してきた。

「先輩~~~!ストップ!!」

こっちは低速でも車を動かしているにも関わらず女の子はバンっと手を車のボンネットに手を当てて車を止めようとした。

「バカ。あぶねーだろアリス」

目の前の茶髪の女性を軽く注意する。

――アリス・ファイルス
ざっくり言えば俺の部下にあたる。
ちなみに、向こうは先輩と言うが年齢的には彼女の方が年上である。

「先輩。仕事です!」
「仕事?それは昨日で……」
「デュノア本社が何者かに襲われたんです!」
「……………」

都心の真ん中にある一流企業が襲われた?
ガセだと信じたいがアリスの様子から見るに本当のことらしい。

「早く行きましょう」
「いいけどさ、お前パジャマで現場行くの?」
「え?」

子供が着るような水玉のパジャマに寝起きボサボサの髪。
仕事熱心で大変良いけど熱中し過ぎだと思う。

「……優先輩。上着貸して下さい」
「意味ないと思うぞ」

ここ来るには玄関ロビー必ず通らないといけない。
今更隠したところでもう皆にバレてる。

「貸して下さい」
「はいはい」

着ているスーツをアリスに貸してあげる。
さっきと一転して周りの目を気にしながら部屋に戻っていった。 
 

 
後書き
まだIS要素が少ないですがこれから少しずつ進めて行きます。

読んでいただきありがとうございました。 
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