オズのベッツイ
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第十二幕その三
「お塩と同じ位」
「そうよね、この二つがないとね」
「和食じゃないです」
「その二つがあるからね」
和食は、というのです。
「塩分が多いわ」
「言われてみれば」
「そのことがあるわね」
「塩分は身体に必要ですけれど」
「何でもそうだけれど摂り過ぎるとね」
「よくないですね」
「そう、だからね」
それで、というのです。
「そこは気をつけてね」
「食べないといけないですね」
「そういうことになるわね」
こうお話してでした、ベッツイは白いお米の御飯も食べます。おかずは鰹のたたきです。
それを食べつつで、こうしたことも言いました。
「あと今日のお料理は」
「全部四国のものですね」
恵理香はベッツイのその言葉に答えました。
「讃岐うどんは香川、鰹は高知、すだちは徳島、ぽんジュースは愛媛です」
「それぞれなのね」
「はい、どれも四国の名産です」
「日本の四国って美味しいものが多いのね」
「そうですね、それぞれの場所に美味しいものがあって」
「特におうどんがいいかしら」
ベッツイはこちらのお料理を褒めるのでした。
「コシがあってあっさりしていて」
「美味しいですよね」
「とてもね。幾らでも食べられるわ」
「じゃあどんどん食べましょう」
「ええ、皆でね」
「たっぷり食べて明日もだね」
皆の傍で草を食べているハンクも言ってきました。
「一杯歩くんだね」
「そうよ、明日もね」
ベッツイはそのハンクに笑顔で答えました。
「たっぷり歩くわよ」
「その為にも食べて」
「ええ、よく寝ましょう」
そうして休んでというのです、こうお話してです。
皆は四国の名産を食べて近くの川で身体を奇麗にしてよく寝てでした。また次の日も歩いてです。エメラルドの都に向かうのでした。
数日歩くとでした、ウィンキーの黄色の世界がです。
終わってでした、そして緑の世界に入りました。ベッツイは黄色から一瞬にして緑に変わった草原を見て笑顔で言いました。
「遂に、よね」
「ええ、戻って来たわね」
ガラスの猫がそのベッツイに応えました。
「エメラルドの都に」
「戻って来たわ」
「そうね、けれどね」
「それでもよ」
「都の宮殿に帰るまでが旅ね」
「私達のお家にね」
ベッツイのお家は宮殿です、そこにオズマやドロシー達と一緒に住んでいるのです。
それでなのです、ベッツイはそこがお家だと言ってそこに帰ろうとしているのです。
「帰るわ」
「そう、これからね」
「おじさん達の結婚記念日までに間に合ったわよね」
「うん、まだ日があるよ」
ハンクがベッツイのその言葉に応えます。
「充分ね」
「よかったわ、思っていたより長旅になったけれど」
「それでもだね」
「間に合ってよかったわ」
そのことも喜ぶベッツイでした。
「間に合うとは思っていたけれど」
「それでも長い旅だったから」
旅に出た時に思っていたよりもです、確かに今回の旅は長かったです。けれどそれでも間に合ってだったのです。
皆そのことを喜んで、です。こう言うのでした。
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