ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー
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SAO
赤鼻のトナカイ
第4話
前書き
原作に置ける“赤鼻のトナカイ”完結
黒猫団の一件から数ヶ月後の12月23日、最前線49層の迷宮区。
キリトはサチとパーティーを組み、迷宮区に潜っているのだ。
サチが最後のアリを倒した時、ファンファーレが鳴り響いてサチはレベル70に到達した。
キリト『やったな、サチ。』
キリトは、サチを褒め讃える。
サチ『キリトのおかげだよ、ありがとう。』
サチはキリトにお礼を言う。
何故2人が迷宮区にいるかと言うと、蘇生アイテムの為だ。
最初、この話を聞いたキリトは乗り気で無かったのだが、「ケイタはともかく、テツオ達に謝りたい。」とサチが言い出した為、2人は迷宮区でレベル上げをすることなり今に至る。
前日の12月24日までに、キリトがレベル72、サチがレベル70となった。
キリト『きりがいいから、今日は宿に帰るか。』
サチ『賛成、久しぶりにお風呂入りたいし。』
キリト『そうだな。』
きりをつけた2人は、迷宮区を出て自分達の宿に戻った。
食事を済ませてからお風呂に入り、その後寝巻きに着替えて1つのベッドに2人で入り眠りについた。
この時2人は、互いを抱き枕にしていた。
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翌日の24日、2人は夜まで装備の点検に余念がなかった。
その晩、2人は宿を出て転移門に立った。
そして、35層へ転移した。
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35層に転移した2人は、主街区を出てフィールドにあるとあるダンジョンに入った。そこが蘇生アイテムがドロップされる場所があるダンジョンだ。
2人はダンジョンを走り回り、ついにワープポイントの目前まで辿り着いた。
サチ『いよいよだね。』
キリト『気を引き締めて行くぞ。』
サチ『うん‼︎』
準備万端の2人はワープポイントに踏み込もうとした。
だがその直前…、
キリト『⁉︎』
何かを感じ取ったキリトは立ち止まった。
サチ『キリト、どうしたの?』
突然立ち止まったキリトに、サチは問い掛ける。
キリト『……。』
キリトが後ろに振り向くと…、
≪ゾロゾロ≫
6人のプレイヤーからなるパーティーがキリトの方に向かって来た。
サチ『……。』
サチは、猛特訓で上げた敏捷度パラメータで素早くキリトの背後に隠れる。
キリト『お前、クライン?』
するとキリトがバンダナの男に気付いた。この男、名はクライン。キリトの知り合いである。
クライン『よお、キリト。まさかサチと一緒に来る何てな。』
サチを連れてるキリトの姿を見たクラインは嫉妬深そうに言った。
因みに、クラインとサチは1ヶ月程前に狩場で対面したので、今回が初対面ではない。
キリト『サチがテツオ達に謝りたいって言い出したからだ。』
クライン『ほお〜、そういうことか。』
話によると、どうやらキリト達を尾けて来た様だ。
サチ『尾けていたのですか?』
サチはクラインに聞いた。
クライン『おお、アルゴから情報を買ってな。』
キリト『なるほど、アルゴからか。ならば、無理もないか。』
キリトはクラインの言葉で理解した。
アルゴとは、これまたキリトの知り合いで情報屋。
蘇生アイテムの件で、サチはアルゴとは面識がある。
キリト達が雑談しているその時…、
≪ゾロゾロ……≫
突然、2,30人規模のパーティーが姿を現した。
キリト『どうやら、尾けられたのはお互い様っていう所か。』
クライン『その様だな。』
キリトはクラインに声を投げ掛ける。クラインは僅かに汗を垂らしながらキリトに返した。
集団の顔ぶれを見た<風林火山>のプレイヤーが…、
『あいつら、<聖竜連合>の連中じゃないか⁉︎』
『間違いねぇ、場合によってはオレンジプレイヤーになっても構わないって連中だ。』
と言った。
彼等が言う通り、集団は攻略ギルド<聖竜連合>のごく一部。名の知れたギルドだが、同時に面倒なギルドでもある。半月前、キリトとサチは<聖竜連合>から入団の勧誘を受けたが、サチが怖がったのでキリトが勧誘を蹴った。
もし戦うのなら、キリトとサチならどうにかなるだろう。
キリトとサチが武器を装備しようとしたその瞬間…、
クライン『仕方ねぇ‼︎』
クラインが、キリト達の前に出た。
クライン『行け、2人共‼︎』
クラインが2人に怒鳴った。
サチ『でも、クラインさんは⁉︎』
クライン『心配すんな!いいから行け‼︎』
サチはクラインを心配したが、クラインを心配ないと言った。
キリト『恩に着る‼︎』
サチ『助かります‼︎』
クラインに軽く礼を言った2人はワープポイントに走り込む。
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ワープポイントを出た2人は急いでモミの木を探した。
数分後、サチがモミの木を見つけた。
キリトはサチの元に合流し、サチが持参したココアで一服しながらその場で待った。
ーーーーーーーーーー
深夜0時のアラームが鳴ると、空からサンタではなくモンスターが姿を現した。
モンスター名は〔背教者ニコラス〕。キリト達の3倍あるかないかぐらいの大きさで、頭にサンタ帽を被っているが姿は巨大化したノームに近い。
キリト達2人は、ニコラスを見て1,2歩後退ったが…、
サチ『キリト‼︎』
キリト『ああ…油断しないで行くぞ、サチ‼︎』
サチの一声で、2人は武器を装備(キリトは剣、サチは槍)し、ニコラス目掛けて突進する。一方のニコラスも、2人を迎撃する。
十数分後、サチが発動した槍の上位ソードスキル"トリップ・エクスパンド"を喰らったニコラスは倒れ、ポリゴン状となって消滅した。
するとファンファーレが鳴り響き、サチは71にレベルアップした。
ニコラスが倒れた後、キリトはその場に腰をおとした。
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サチ『キリト、蘇生アイテムは?』
キリト『あ、ああ』
キリト近づいたサチは蘇生アイテムの事を聞いた。サチに聞かれたキリトは、システムウインドウを操作して蘇生アイテムを探す。因みに、キリトとサチはアイテムを共有させている。結婚はしていないが、サチの希望でそうすることになった。数分後、蘇生アイテムが見つかった。キリトは慣れた手つきで、蘇生アイテムをオブェクト化する。
キリト『これが、<還魂の聖晶石>。』
サチ『綺麗……。』
蘇生アイテムの名は<還魂の聖晶石>。宝石の様に光輝いていた。2人は、その美しさに暫し見惚れた。
サチ『あっ、そうだ。キリト、使い方は?』
キリト『ああっ、ちょっと待ってくれ、今調べる。』
サチの問いに、キリトはメニュー覧からヘルプを選択し、使い方を確認した。
それによると、「対象プレイヤーが死亡してからの10秒間なら蘇生可能」っと言うものだった。
それを見た2人は呆然とした。特にサチに至っては目に大粒の涙を浮かべていた。
サチ『キリト…何で…何で現実はこうも残酷なの?』
キリト『解らない。だが解っているのは…テツオ達は2度と戻って来ない事だけだ。』
サチ『う、うん……。』
2人は全てを察した。2人の今までの努力は何の意味もなかったのだと……。
そして、暫くして落ち着いた2人は…、
サチ『でもキリト…今回のお蔭で得た物だってあるよ。』
サチはキリトに囁いた。
キリト『得た物?』
キリトはサチの言葉に疑問を抱いた。
サチ『この世界を…アインクラッドを……生き抜くための力だよ。』
キリト『⁉︎』
サチの言葉に、キリトは驚きを隠せなくなった。
確かに、今の2人は充分強くなった。SAOでも、2,3位を争う程に……
キリト『ふっ…そうだな、サチ。共に生き抜こう、そして共に帰ろう、現実の世界に……』
サチ『うん、私、絶対にキリトを守る。だから、必ず帰ろう、現実の世界に……約束だよ。』
キリト『勿論だよ、俺もサチを守る。約束だ。』
サチ『うん‼︎』
キリト『さて、宿に戻ろうか。』
サチ『そうだね。でもその前に、クラインさんにちゃんとお礼を言わないと。』
キリト『そうだな。じゃあ、クラインの所に戻るか。』
サチ『うん。』
必ず現実の世界に帰ることを強く約束した2人は、まずクライン達の元に戻ることにした。
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ワープポイントから出た2人の目に映ったのは、クライン達の<風林火山>、<聖竜連合>は何処にもいなかった。
クラインによると、<聖竜連合>のリーダーとのデュエルに勝利して、彼等を追い払ったそうだ。
サチ『ありがとうございます、クラインさん。』
クライン『いやなに、こんなのチョロイもんよ。』
サチは、クラインに礼を言った。一方のクラインはチョロイと言って返した。
キリト『ありがとうクライン。お礼にコレをやるよ。蘇生アイテムだ、次にお前の目の前で死んだ奴に使ってくれ。』
クライン『お、おう…ありがとう。』
キリトはクラインに蘇生アイテム<還魂の聖晶石>を渡した。クラインはそれを丁寧に受け取る。
キリト『じゃあなクライン。攻略の時とかで、また会おうな。』
キリトは、クラインに別れを告げた。
クライン『ああっ、だが…、お前は絶対に死ぬんじゃあねぇぞ‼︎』
クラインはキリトに念を推して言った。
キリト『心配するな、俺は死なない。強力な相棒がいるからな。』
キリトは、サチの肩をポンと軽く1回叩いて言った。
クライン『そうか、なら安心だな。』
クラインは、キリトの言葉に安堵した。
キリト『それじゃあ』
クライン『ああ、頑張れよ‼︎』
キリト『そっちもな‼︎』
キリトは、サチと一緒にその場を後にした。
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そして2人は、49層の宿に戻った。
2人は武装を解除した後、サチが用意していたクリスマスケーキを食べた。
このケーキはサチが作った物ではなく、NPCショップで売っていたケーキだ。サチは料理は出来るのだが、本人曰く“不安がある”とのこと。
しかしキリトに絶品と言わせるだけの腕を有しており、ただ本人が滅多に作らないだけである。
クリスマスケーキを食べ終えた2人はシャワーを浴びた後で寝巻きに着替えて、寝る前にキスをしてからベッドの上で眠りについた。
後書き
なんだかんだでテツオ達の特徴が書けませんでした。大変申し訳ありませんでした。
次回、原作における“黒の剣士”を書きます。遅くとも今月末までには公開します。
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