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ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー

作者:Bloo-D
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SAO
赤鼻のトナカイ
  第3話

 
前書き
原作で言うと、“赤鼻のトナカイ”のクライマックス辺りまで書きます。とは言え、設定通りサチは死にません。何故なら…。 

 
その日、ケイタは黒猫団のホームを買うために^はじまりの街^に向かった。
その後、テツオ達が家具を買うために少し稼ごうと言い出して…最前線の一つ下、つまり27層の迷宮区に潜る事になった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして、その迷宮区の奥の部屋に入ったキリト達の目にトレジャーボックスが止まった。
テツオ達は大喜びでトレジャーボックスに手をつける。
キリト『⁉︎待て‼︎』
キリトがテツオ達を止めようと時にはもう手遅れだった。
トレジャーボックスが開き、サイレンが部屋中に響き渡り、部屋の扉が閉まると同時にモンスターが山の様に群れて来た。
テツオ達が手をつけたのは紛れもないトラップであった。しかも、そこはクリスタル無効エリア、モンスターを全て倒さない限り、外には出られない。

キリト達は戦う事を余儀なくされた。キリトは突破口を開くべく、今まで隠していた上位ソードスキルを駆使してモンスターを倒しまくる。しかし、テツオ,ササマル,ダッカーの3人が相次いで倒された。つまり、ゲームオーバーだ。
倒されたテツオ達はポリゴン状になって四散した。

残ったのはキリトとサチの2人だけ。
キリトはサチの方に目を向けた。そしてキリトはサチを見て一瞬硬直した。
サチ『……。』
≪シュババババッ……‼︎≫
なんとサチ。一体何処に隠していたのか、槍の上位ソードスキルを持って、モンスターを次から次へとなぎ払っているのだ。
キリト『サチ…お前は……?』
キリトはサチに聞くが…、
サチ『キリト、後で説明する‼︎とにかくまずは……‼︎』
後で説明すると言われた。
キリト『そうだな、目の前のモンスターを倒さないと‼︎』
サチ『私がキリトの背中を守る‼︎だからキリトは私の背中を守って‼︎』
キリト『解った‼︎』
キリトとサチは、互いに背中合わせになってモンスターを倒していく。

ーーーーーーーーーー

数分後、最後のモンスターも消滅し、部屋に残ったのはキリトとサチだけとなった。
キリト『サチ……。』
キリトはサチの方に顔を向ける。
サチ『キリト……貴方は、ベータテスターでしょ?』
サチはキリトにこう聞く。

無論サチの言うとおり、キリトは紛れもない元ベータテスターでありビーターだ。キリトはそれをずっと言えないでいた。“もし言ったら、黒猫団のみんなが、己を避けるだろう”と思って黙っていた。
しかし、その結果がこれだ。もはや隠し立ては出来ない。仮に誤魔化した所で、誰もそれを信用しないだろう。

サチ『隠さなくてもいいんだよキリト、だって私も、元ベータテスターなんだから……。』
キリト『⁉︎』
サチの一言を聞いたキリトは衝撃のあまりに、空いた口が塞がらなくなった。
それからキリトは落ち着き…、
キリト『なるほど、だから槍の上位ソードスキルが使えるのか。』
サチ『ごめんねキリト、ずっと隠していて……。』
キリト『いいんだよサチ、お陰で俺もスッキリした。』
落ち着いたキリトは、サチが槍の上位ソードスキルを使える理解した。
サチは今まで黙っていた事を謝るが、キリトはそれを許した。仮に許さなかったら、“そう言うキリトはどうなんだ?”と言う話である。いずれにしてもどっちもどっちだ。
キリト『ちょっと待て、俺達は……』
サチ『あの時乾杯したのが最初だよ。私達はベータテスト時に会ってはいないよ、断言する。』
キリト『そっか。』
キリトは、ベータテスト時に会ったんじゃないかと思った。
だがサチは、酒場で乾杯したのが最初だと断言した。それを聞いたキリトは安心した。
キリト『なぁ、サチ……。』
サチ『私の本当のレベルが知りたいんだね?』
キリト『ああ、俺も本当のレベルを言う。』
サチ『解った。』
キリトはサチの本当のレベルが気になった。以前サチは、22辺り(こちらで勝手に設定)と言っていた。しかしこうなった以上、それが気になってもおかくしくない。
だがキリトが言う前に、サチがキリトがの問いを悟って聞き返した。キリトは少し驚いたが、首を縦に振って自分の本当のレベルを言うと言った。それを聞いたサチは承諾した。

本来、このようなことを聞くのはマナー違反だ。しかし、状況が状況だ。今更そんな事を聞いた所で誰も止めたりしないだろう。もしいるとすれば、“攻略の鬼”,“凶戦士”ことアスナ辺りだろう。

そして、2人は本来のレベルを言った。キリトのレベルは47、それに対して、サチは45。自分とそんなに変わらない事にキリトは驚いた。
実はサチは今まで、黒猫団に入ってからのキリトの様に毎晩最前線に赴いて自分のレベルを上げていたのだ。それを聞いたは納得した。
そして、暫くして2人は…、
キリト『帰ろうか、サチ。』
サチ『そうだね、ケイタに謝らないと。』
部屋を出て、自分達の宿屋のある街に帰ることにした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2人が街に戻った時、いつの間にか夕方になっていた。
転移門前では、ケイタがみんなの帰りを待っていた。キリトとサチが転移門から出て来た時、ケイタは2人の元に走り寄ったが、ケイタは不審に思った。
テツオ達3人がいないからだ。
ケイタ『テツオ達は、一緒じゃないの?』
ケイタは2人に聞く。
キリト『テツオ達は……。』
重い口を開いたキリトは事情を説明した。
無論、サチと共に自分達が元ベータテスターである事も打ち明けた。
サチ『ごめんなさい、ずっと黙っていて。』
今まで黙っていたサチはケイタに謝る。
だがそれを聞いたケイタは…、
ケイタ『何で…何で黙っていたんだ!しかもサチまで、お前達がそれを言っていたら、テツオ達は死なずに済んだ‼︎
お前達が俺達に関わらなければ、こんな事にはならなかったんだ‼︎』
『『‼︎』』
ケイタの言葉が、キリトとサチの心深くに刻み込まれた。

その後、2人に失望したケイタは自殺した。

ーーーーーーーーーー

その晩、2人は1つのベッドの上で寝ていた。
サチ『うっ、うっ、うううっ……!』
サチは大泣きしていた。
自分達の取った行動が黒猫団を壊滅に追いやったのだ、無理もない。

キリトは、そんなサチを優しく抱き締める。
キリトは黙っているが、どこか悲しそうであった。 
 

 
後書き
次回、原作における赤鼻のトナカイまでが完結。とは言え、物語はまだまだ続きます。 
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