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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
  0986話

「結局こうなった、か」
「ま、それはしょうがないでしょ。マブラヴ世界の人達にしても、一気にハイヴの数を減らせるチャンスなんだから、それを逃すという手はないわ」

 ある意味では予想通りだが、またある意味では予想外の国連の決定は、ヨーロッパに関しては元々の予定通りブダペストハイヴの攻略を目指す事になった。
 欧州連合軍に関しては戦力も豊富にある為に、シャドウミラーからの援軍は殆どいらないだろうという話になっている。
 それでもある程度の戦力を要求してきたのは、やはり前回の件が半ばトラウマとしてあるからだろう。
 だが今回は前回とは違い、第3世代機のEF-2000をかなりの数用意されている。
 勿論欧州連合軍の戦術機パイロット全員に配備出来る程揃っている訳ではないが、それでも以前と比べると段違いだ。
 ライセンス生産されたガン・ルゥ、あるいはリニアガン・タンクにしても前回よりも多く揃っている。
 この辺、この前の大氾濫での被害が軽微で済んだ為というのも大きいだろう。
 勿論BETAというのは、人間とは色々と違う思考回路をしている。それを思えば完全に安心は出来ないだろうが、それでも客観的に見る限りでは恐らくは大丈夫だろうというのがシャドウミラーとしての予想でもある。
 続いて中東。こちらは結局マシュハドハイヴの攻略は中止となった。
 やはりマシュハドハイヴの位置的な問題が大きかったのだろう。
 だが位置的に悪いという事は、逆に言えばオリジナルハイヴであるカシュガルハイヴに最も近いという事でもある。複数同時のハイヴ攻略作戦、オペレーション・ルシファーが成功したら、次に攻略すべきはマシュハドハイヴという事になる可能性も高い。
 ヨーロッパ方面のブダペストハイヴからなら、マシュハドハイヴの近くにあるウラリスクハイヴも攻略の手が伸ばせるだろうし。なので、結局中東方面はシャドウミラーから出された意見を採り入れる形となった。
 ……こうしてあっさりとこっちの提案を受け入れるという事は、恐らく国連軍内部でもマシュハドハイヴの攻略は難しいと判断している者が多かったのだろう。
 それでも実際に攻略作戦に組み込まれようとしていたのは、発言力の高い人物や集団、あるは国がそれを求めた結果か。
 普段ならソ連辺りが怪しいと言いたいところなんだが、今回に限っては恐らくソ連は動いていない。アメリカにしても、無茶な攻略作戦には手を出したくないだろうし……そうなると、一番怪しいのはやはり中東連合、アフリカ連合か?
 そんな風に考えていると、千鶴がテーブルの上に乗っている報告書へと手を伸ばす。

「まさか中国方面でこういう手を打ってくるとは思わなかったわね」
「そうですわね。私はアクセル君の話を聞いていましたから、あるいは……とも思ったのですが」

 今回の交渉に参加したあやかと千鶴の言葉に、コーネリアもまた頷く。

「うむ、確かにな。ブラゴエスチェンスクハイヴとウランバートルハイヴの攻略。これに関しては私としても予想していたが、ここに重慶ハイヴを組み込んでくるというのは予想外だった。いや、可能性として有り得るというのは理解していたが、戦力的に難しいと思っていた……と言うべきか」

 そう、コーネリアの言葉通り国連の選択はフェイズ2のブラゴエスチェンスクハイヴとウランバートルハイヴを同時攻略、そして同様にフェイズ3の重慶ハイヴも攻略するという事だった。
 確かにフェイズ4や5ではないし、俺達シャドウミラーが協力する以上重慶ハイヴを攻略するのもそう難しくはない。寧ろ難しいのはハイヴ攻略後の維持と防衛、そして基地化作業だろう。
 重慶ハイヴからほぼ同じくらいの位置にあるフェイズ3の敦煌ハイヴと、フェイズ4のマンダレーハイヴ。
 攻略を諦めたマシュハドハイヴ程よりは酷くないにしろ、近辺にそれなりに成長したハイヴ2つがあるというのは色々と辛い。
 鉄原ハイヴの防衛は中国を保護国としている日本が請け負うという話だが……正直、どうなんだろうな。
 確かに今の日本は戦力的に考えるとマブラヴ世界屈指であると言ってもいい。元々高かった技術力がストライクダガーを研究する事によって更に高まっているし、飛鳥計画の機体やTSF-TYPE94という第3世代機、それとその簡易型と言ってもいいTST-TYPE97、吹雪とかいう機体もある。……まぁ、後者の方は練習機という扱いらしいが。
 また、俺達シャドウミラーと親しい関係を築いており、貿易に関しても活発に行われている。特に中国を支配下……いや、保護国としてからはBETAの死骸に関しての取引も活発に行われ、資源に関しても潤沢だし、何よりリニアガン・タンクやガン・ルゥを大量に買い付けている。
 それらも含め、今ではオーストラリアに続いて第2位の重要国となっているのだ。
 そう考えると、意外と日本の帝国軍や国連軍だけでも重慶ハイヴを防衛出来る可能性は高い、か。

「それに敦煌ハイヴやマンダレーハイヴが近くにあるって事は、逆に考えればそのハイヴを攻略する為の足場となるのも事実だしな」
「ふむ、そう考えると決して無謀という訳じゃない……のか?」

 スレイの言葉に頷き、口を開く。

「そうだな。ただ、やっぱり最優先事項となるのは重慶ハイヴを守り切れるかどうかって事だろう」

 まぁ、幸いにも中国とロシア方面はフェイズの高いハイヴというのはそれ程多くない。
 その辺を考えると、寧ろヨーロッパの方が厳しいだろう。
 今回だって、出来れば中国方面と同様にブダペストハイヴだけではなく、ミンスクハイヴも攻略したかったのだろうし。
 それが出来なかったのは、両方ともがフェイズ5のハイヴであるという事が大きい。
 この世界の軍隊にとって、フェイズ5というのはそれ程に大きい壁なのだ。

「で、こっちから出す戦力は具体的にどうなっているの?」

 マリューとしても、シャドウミラーの旗艦でもあるシロガネの艦長をしている以上、どうしても気になるのだろう。
 それは他の者達も同様なのか、政治班で実際に戦場に出る事はないあやかや千鶴までもが興味深そうに俺やコーネリアの方へと視線を向けている。
 もっとも、あやかと千鶴が心配しているのはやはり実戦経験の少ない円と美砂に関してか。
 ……シャドウミラーの場合、人数不足という事もあって政治班でも戦場に出るのは珍しくない。
 特にエザリアは半ば成り行きではあるが、ニヴルヘイムの指揮官という立場に収まっているしな。
 それを思えば、あやかや千鶴も戦場に慣れるという意味で出した方が……ああ、どうせならエザリアと一緒にニヴルヘイムで働いて貰うというのはありか?
 ちなみにレオンに関しては……どうなんだろうな。政治的なセンスはともかく、戦闘という一点においてはかなり才能がないらしいというのが既に判明している。
 エザリアと違って政治特化型なんだろう。
 コーネリアに言わせれば、レオンに指揮を執らせるのなら寧ろレオン付きの部下2人に指揮を執らせた方がまだマシだとか。
 一応、あれでもエリートなんだがな。確か新統合軍からの出向という扱いだった筈だし。
 いっそ、門世界で帝国との戦いに引きずり出すべきだったか。

「今回の戦線はブダペストハイヴ、ウランバートルハイヴ、ブラゴエスチェンスクハイヴ、重慶ハイヴの4つだ。その中でも激戦が予想されるのはブダペストハイヴと重慶ハイヴ。楽……とまではいかないが、ある程度余裕があるのが残り2つ。そう考えると、こっちの大きな戦力3つをどう分けるかが問題になってくるな」

 当然大きな戦力というのは、シロガネ、ニヴルヘイム、ニーズヘッグだ。
 どの戦力にしても、一騎当千、万夫不当と言ってもいいだけの戦力を持っているが、色々と制約もある。
 まずシロガネとニヴルヘイムに至ってはハイヴ内に突入出来ないというのが大きい制約だろう。つまり、ハイヴ内に突入する前にBETAを出来るだけ地上に誘き出して数を減らす必要がある。
 必ずしもハイヴ内から全てのBETAが出てくるとは限らない以上、ハイヴ内に突入する部隊は色々と危険な目に遭う訳だ。
 勿論派遣するのは実働班や量産型W、メギロート、イルメヤがいる以上はハイヴ内部でのBETAを撃墜し続けるというのが出来ない訳じゃないだろうが……いや、そうだな。これに関しては寧ろ俺が心配しすぎか。
 ともあれ、有利な点も当然ある。
 例えば光線級、重光線級が地上に出てきた場合、間違いなくシロガネ、ニヴルヘイムに攻撃を集中させるという事だ。そうなるとBETAの中でも最も脅威度の高いレーザーを気にする必要がなくなるというのは、ハイヴ攻略部隊にとっては大きな安心材料だろう。
 そしてニーズヘッグに関してはそれらが正反対となる。
 ニーズヘッグがハイヴへ突入する以上、地上に残る部隊は光線級、重光線級のレーザーに警戒し続けないといけなくなる訳だ。

「悩ましいな。こうなるとオペレーション・ルシファーのハイヴ同時攻略であるというのが枷になる。私としては、出来ればブダペストハイヴにニーズヘッグとシロガネを投入した方がいいと思うのだが」
「え? 3つのうち2つをブダペストハイヴに投入するの? まぁ、私はアクセル君と一緒の戦場だと安心出来るからいいけど」
「美砂……あんたねぇ……あ、ごめんなさい。この馬鹿の事は気にしないで話を続けて」

 美砂と円のそんなやり取りに、空気が緩む。

「美砂のお仕置きに関しては、今夜皆で楽しむとして……」
「え? ちょっ、レモン!?」

 レモンの艶のある眼差しに、昨夜の出来事を思い出したのか美砂の頬が真っ赤に染まる。
 ……3-Aの中ではそっち方面で圧倒的有利な立場に立っていた美砂だが、やはり知識と実戦は違うというのを、この家に引っ越してきてからの夜の生活で身体の底まで思い知ったのだろう。経験豊富なレモンの言葉に、ただ圧倒されるのみだった。

「って、そうじゃない。話がずれているぞ。割り振る戦力をどうするかだろう」

 話を元に戻したのはスレイ。

「美砂に関しては今夜私も楽しみにしているけどな」

 こちらもまた薄らと艶のある笑みと共に、そう告げて美砂を照れさせていた。

「うう……いつか下克上して見せるんだから」
「馬鹿ね。私達はそっち方面で経験は薄いのよ? レモン達に勝つにはまだ時間がかかるわよ」
「……円も道連れにしてやる」
「ちょっ!?」

 そんなやり取りをしているが、普通に周囲に聞こえているぞ。
 あやかとかも会話の内容で頬を真っ赤に染めているし。
 それに比べると、マリュー辺りは俺との生活に慣れているという事や、大人の余裕というのもあってその辺を受け流すことが出来る。

「確かにブダペストハイヴがフェイズ5で、重慶ハイヴがフェイズ3。ウランバートルハイヴとブラゴエスチェンスクハイヴがフェイズ2である以上、その考えは間違いって訳じゃない」
「じゃあ、アクセル。重慶ハイヴの方にニヴルヘイムを?」
「そうだな」

 レモンの言葉に頷き、コーネリアの方へと視線を向ける。

「で、残りの2つのハイヴには実働班から何人かと、量産型W、メギロート、イルメヤを送る。その割り振りは任せてもいいか?」
「ああ、任せてくれ」

 こうして大雑把な戦力配置が決まったところで、紅茶を飲みながら1人だけ話に加わっていなかったシェリルが呟く。

「いいわね、楽しそうで」
「楽しい……か?」

 BETAとの戦いやハイヴ攻略自体はそれ程面白いものではない。
 敵とするには弱すぎるし、その割には数だけは多い。
 いっそシュウまでとは言わないが……絶対に言わないが、ある程度はこっちと互角に戦えるだけの相手は欲しいと思う。
 そういう意味では、ヒリュウ改やハガネはいい相手だったんだよな。敵対していた当初はともかく、最終的にはかなり強くなったし。
 いっそネギま世界で修羅王をやっているアルティス辺りと模擬戦でもしてみるか?
 そんな風に考えていると、右腕に柔らかい感触。……そして脇腹を抓る感触。
 右側を見ると、そこではシェリルがどこか拗ねた顔で俺の方を見ている。

「このあたしと話しているのに物思いに耽るなんて、いい度胸じゃない」
「痛いというか、幸せというか……この状況はどう説明すればいいんだろうな」
「何よ、喜びなさい。当ててあげてるんだから」

 右腕にひしゃげる双丘の感触は確かに喜んで然るべきだろう。だが、抓っている脇腹の方は何とかして貰いたい。

「確かに喜ばしい出来事ではあるけど……なっ!」

 胸に包まれている腕を外し、そのまま念動力を使ってシェリルを浮き上げ、俺の膝の上へと移動させる。

「きゃっ、ちょっとアクセル。いきなり過ぎるわよ!」
「そうか? 喜んで貰えると思ったんだけどな」
「……もうっ、しょうがないわね」

 小さく笑みを浮かべ、俺に体重を預けてくるシェリル。
 そのシェリルがそっと目を閉じ唇を近づけ……

「ちょっと待ったですわ! シェリルさん、今はオペレーション・ルシファーについて話しているのですから、アクセル君を誘惑しないで下さいまし!」
「あら、妬いてるの?」
「そ、そ、そうではありません……事もない事もないですわ」
「あやか、色々と言葉が絡まってるから」

 思わず突っ込む円。
 何だかんだ言いつつ、俺達の間でシリアスってのは続かないんだよな。
 そんな風に思うのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1167 
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