転生とらぶる
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0987話
『アクセル、済まないね。今回の件に関しては、これ以上ない程に感謝している。君達の協力がなければ、オペレーション・ルシファーは頓挫していただろう。あるいは無理矢理実行したとしても、見るも無惨な結果になった筈だ』
通信モニタに映し出された崇継がそう告げてくるが、気が早いな。
「まだ作戦の実行まで3日程あるだろ。というか、そもそも今は忙しい時期じゃないのか? 日本の五摂家の1つとして」
何しろ日本が保護国としている中国の領域にある重慶ハイヴや、その中国に隣接しているモンゴル、ソ連のハイヴを攻略するのだ。戦力の移動や指揮系統や作戦の確認、輸送物資の手配等々。色々な意味で作戦開始3日前の今は忙しい筈だろう。
それこそ、本来ならこうして悠長に俺と通信をしている暇はない筈だ。
シャドウミラーとして正式にオペレーション・ルシファーの参加協力したのが2日前。
夜に美砂が色々な意味で凄い目に遭い、同時に円もとても人には言えないような目に遭った翌日の事だ。
当然報酬に関しての交渉は行っており、この件に関してはまだ経験不足であるあやかや千鶴だけに任せる訳にはいかず、エザリアがこの2人を率いて交渉に臨んだ。
その結果、今回のハイヴ攻略作戦で入手出来たG元素の6割を俺達が得るという結論に至ったのは、さすがにエザリアと言うべきだろう。
いや、本当にどんな攻めの交渉をしたのか非常に気になる。
だがそれを聞いても、教えてくれなかった辺り……まぁ、エザリアの事だから後ろ暗いところはないと思うけど。
これがレオン辺りなら、あるいは何らかの妙な真似をしたんじゃないかとも思うが……いや、鵬法璽がある以上シャドウミラーに不利益な真似は出来ないから、それ程心配はいらないか?
まぁ、恐らくは純粋にシャドウミラーが参加しなければ、いざという時にオペレーション・ルシファーに注ぎ込んだ戦力の受ける損害が大きすぎるとか、その辺だと思うが。
やっぱりこの世界の住人にしても、いざという時の保険というのは欲しいのだろう。
それがあるのとないのとでは、作戦における積極性が違うし。
リヨンハイヴ攻略作戦の時、俺達がいなければ確実にハイヴ攻略は出来なかっただろうしな。
ああ、それと今回も貸し出すことになっているフォールド通信システムとか、そっちからもぼったくったのかもしれない。
「聞いた話だと、斯衛も今回の作戦には参加するとか?」
『ああ。私も部隊を率いて参加することになっている。……恭子も、な』
「……いいのか? 仮にも五摂家の家の、当主やら次期当主最有力候補やらが前線に出て」
『寧ろ五摂家だから、だよ。この日本では、上の者がまず先頭に立つ。その為の五摂家だ』
「ノブレス・オブリージュって奴か」
俺の口から出たその言葉に、崇継は笑みを浮かべて頷く。
『そうだね、確かにそう言えば分かりやすいかもしれない』
そんな崇継の言動を見ていて、ふと気になる事があった。
「お前と恭子が出るということは……あの煌武院家の女もか?」
そう、門世界の帝国がホワイトスターに襲撃を仕掛けてきた時に話していた煌武院悠陽とかいう女。崇継の斑鳩家、恭子の崇宰家と同じく五摂家の1つ、煌武院家の次期当主候補と呼ばれていた女。……いや、あの年代だと少女と表現した方がいいだろう。
だが、あの年齢の子供が戦場に赴くのはさすがに……とも思う。
同じ女でも、恭子の場合はまだ近衛としての訓練を受けているし、俺達と協力しての実戦もこなしている。それに比べると、向こうは……
そんな風に思っていると、それは崇継も同様だったのか小さく首を振る。
『確かにハイヴ攻略というのは非常に分かりやすい功績だ。煌武院家の次期当主を希望している悠陽にとっては出来るなら欲しい功績だろうね。だが、さすがに今の状況で悠陽を戦場に向かわせる訳にはいかないさ。……もっとも、もしこれが亡国の危機だったりすれば話は別だが』
崇継のその言葉に、思わず安堵したのはやはり色々と思うところがあったからだろう。
ただ、小さい云々を言うのならネギま世界で俺達が魔法界に行ったとか、そういう例もあるんだけどな。
『もっとも、煌武院家からの戦力自体は出ると聞いている。恐らく彼女が出るんじゃないかな?』
「彼女?」
『そう。ほら、悠陽を紹介したパーティの時にもいただろ?』
「ああ、月詠か」
何故か妙に俺に突っかかってくる女の姿を思い出す。
いや、この場合は俺に突っかかってくるというよりも悠陽を大事に思っているからこその過剰反応か。
「腕はいいしな。足手纏いになったりはしないだろ」
正確には月詠が戦術機で戦っているところを見たことはないが、機体を動かすというのは飛鳥計画の機体引き渡しの件で見た覚えがある。
ああ、そう言えば。
「機体は何を使うんだ? 近衛軍としてはまだ新型機が配備されてないんだろ?」
まさか今更第1世代戦術機のTSF-TYPE82ではないだろう。だが、肝心要の次期主力戦術機は飛鳥計画としてまだ完成には至っていない。なら帝国軍からTSF-TYPE94を借りるのか? そう思っても、斯衛軍としてのプライドの高さから難しいだろうし、だからといってまさか他国の戦術機を導入する筈もない。
いっそ、リニアガン・タンクとガン・ルゥだけで済ませるというのはどうだろう。
そんな俺の考えを察した訳でもあるまいが、崇継は小さく肩を竦めて口を開く。
『勿論近衛の戦術機はTSF-TYPE82、瑞鶴に決まってるだろう?』
「……本気か?」
この時、正気か? と聞かなかった自分自身を褒めてやりたい。
確かにTSF-TYPE82は第1世代機として考えればかなりの性能を誇るだろう。だが、それでも第2世代機が主力となっており、第3世代機まで出てきている現状で考えれば、決して優れた機体ではない。いや、寧ろ性能的には低いと言ってもいい。
確かに弘法筆を選ばずという言葉もあるが、それでもさすがにどうだろうと思った俺は決して悪くはないと思う。
「TSF-TYPE94を帝国軍から借りるとかは出来ないのか?」
『それは難しいだろうね。性能的に高いのは分かっているけど、城内省や斯衛にはプライドもある。……正直、私としてもアクセルの意見に賛成なんだが、ね』
溜息を吐くその様子は、崇継には珍しいくらい疲れているように見える。
やっぱりオペレーション・ルシファーの準備で忙しいんだろう。そこに無茶な要請とかが来て……ってところか。
「飛鳥計画の方、少し急いだ方がいいかもしれないな」
『ははっ、アクセルに心配されると不安になってくるね。けど、確かにその通りだ。……ただ、瑞鶴の方も順次改修はされているから、決して性能的にどうしようもない訳じゃないんだよ』
「ほう?」
その件は初耳だった。
いやまぁ、時代遅れになった機体をアップグレードして使うってのは珍しい話でもない。
それを言うなら、そもそも量産型ゲシュペンストMk-Ⅱをハロウィンプランでアップデートしたのが量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改であり、さらにそれを強化……より正確にはシャドウミラーの技術を使ってブラッシュアップしたのが、シャドウなのだから。
それを考えれば、崇継の話はおかしくない。
『君達から得た技術で、基礎的な技術力も上がっているからね。そのおかげで、瑞鶴もパイロット次第ではあるが、第2世代機と比較しても互角に渡り合えるだけの性能になっている』
「へぇ」
他の国よりも一足早くストライクダガーというMSを得た恩恵とでも言うべきか。
いや、寧ろそうでなければTSF-TYPE82を出す事はなかったんだろう。
「ま、重慶ハイヴの方にはニヴルヘイムを派遣する予定になっているから、光線級に関しての心配がいらないってのは大きいだろ」
『そうだね。それにBETAを地上に引きずり出してハイヴ内部に潜んでいるBETAの数を減らすという、君達シャドウミラーの作戦が流用出来るのは大きい』
小さく浮かべる笑みは、オペレーション・ルシファーに対してやれるという確信を得ている為か。
いや、もしかして……
「飛鳥計画の機体、出せるのか?」
ふと気になり、尋ねてみる。
だが、崇継は口元に笑みを浮かべてるだけでそれ以上の確信を口にしたりはしない。
いやまぁ、その辺は一応日本帝国の機密的な扱いになっているだろう事を思えば当然か。
そう判断し、話題を変える。
「重慶ハイヴを攻略しても、それを守るのも結構大変なんじゃないか? 何せ、近くには敦煌ハイヴとマンダレーハイヴがある。……まぁ、ヨーロッパと違ってフェイズ5がまだそれ程多くないのが救いかもしれないが」
『ふふっ、確かにね。ヨーロッパは色々な意味で厳しくなるだろう。……もっとも、第3世代機のタイフーンの数も多くなってきたし、何より今回はシャドウミラーの援軍もあるしね』
「欧州連合軍にしてみれば、自分達だけで攻略したいというのが正直な気持ちだろうが」
『ははは。まぁ、いざという時の援軍として控えているだけで報酬を貰えるんだから、楽でいいと思うけどね』
「なら、重慶ハイヴの方でもそうしてくれてもいいんだが?」
今回攻略する、ウランバートルハイヴ、ブラゴエスチェンスクハイヴ、重慶ハイヴ、ブダペストハイヴのうち、前者3つは最初からシャドウミラーが戦闘に加わる事になっている。
だがブダペストハイヴに関しては、前回のリヨンハイヴの時と同様に最初は欧州連合軍と国連軍だけでハイヴ攻略作戦を実地することになっていた。
自分達だけでハイヴを攻略したいという欧州連合軍の気持ちも分かるし、もしそれが叶えば大きな自信になるというのも理解出来る。
だが欧州連合軍の第3世代機でもあるEF-2000の数が揃っており、リニアガン・タンク、ガン・ルゥの数も揃っているとしても……拘り過ぎなようにも感じられるんだよな。
この辺はプライドや自立心といったものの発露ではあるんだろうが……
自らの実力に過信したとかじゃないといいんだけどな。
『ふふ、それはさすがに無理だね。欧州軍がそういう真似を出来るのは、やはり第3世代機を大々的に量産しているからだよ。飛鳥計画の機体が完成して量産されれば可能かもしれないけど、そうなるにはもう暫く時間が掛かるだろうね。不知火の数自体もそれ程多くはないし』
MS研究という面では、このマブラヴ世界で一歩も二歩も飛び抜けた存在が日本帝国だ。夕呼のドジから始まった成り行きに近いものではあったが、結果的には上手く転がったからこその成果だろう。
それでも未だに飛鳥計画の機体が完成していないという事は、恐らく俺達に譲渡した飛鳥計画の機体よりも随分と違った物になっている筈だ。
こうなると、あの時に飛鳥計画の機体を譲渡して貰ったのはちょっと早まったかもしれないか? いや、寧ろそれがなければストライクダガーが日本に渡る事がなかったんだから、言ってもしょうがないか。
恐らくではあるが、飛鳥計画の機体は戦術機というよりは戦術機とMSの合いの子、いやハイブリットな感じになっているのだろう。
「そうだな、その機体がお目見えするのを楽しみにしてるよ」
『ああ、任せて欲しい』
薄らと笑みを浮かべるその顔は、つい先程の疲れている様子は一切見せない。
つくづく、崇継は政治よりも戦術機の操縦とか、その開発に向いているんだな。
そういう意味では、崇継が斑鳩家に生まれたというのは不幸だったのか? いや、そもそも斑鳩家のような家に生まれていなければ、飛鳥計画に参加する事も出来なかったか。
それからお互いに10分程話をしていると、不意に映像モニタの向こうが忙しくなる。
『崇継様、そろそろ時間となります。次の予定は榊首相との会食となっておりますので、なるべく早くお願いします』
『ん? 介六助、もうそんな時間か。悪いね、アクセル。残念だけどリラックス出来る時間はこれで終わりのようだ』
崇継の後ろにいたのは、以前にも何度か見た顔の近衛だ。確か崇継の子供の頃からの付き合いだとかなんとか。
「俺を相手にリラックスする奴ってのは珍しいな」
『そうかい? こっちとしては君と話すのは楽しいんだけどね。……ああ、そうだ。アクセル、今度のオペレーション・ルシファーが成功したら、前に言ってた花見をしようか。また去年みたいに大勢集めて。幸い、4月で桜も見頃だしね』
「そうだな、俺も楽しみにしているよ」
何だか微妙に死亡フラグな気もするが、例えそんなものがあったとしてもブチ折ってやればいいだけだ。
『じゃあ、この辺で失礼するよ。……次は、オペレーション・ルシファー終了後に』
「ああ、またな」
そう告げ、通信が途切れるのだった。
……さて、俺の方も遊んでばかりはいられない。作戦の為の調整やら、書類のチェックやらをしないといけないか。
溜息を吐き、影のゲートを生み出してそこへと身を沈めるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1167
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