ガンダムビルドファイターズ ~try hope~ 外伝
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コラボスペシャル!
奇跡のコラボ!『宇宙世紀UC外伝 もう一つのUC計画』×『ガンダムビルドファイターズ ~try hope~』前編
前書き
今回の話は、C.D/hackさんの小説『宇宙世紀UC外伝 もう一つのUC計画』とのコラボ話です。多少キャラの性格や口調が違うかもしれませんが、ご了承をお願いします!
ではどうぞ!
今、決して交わる事のないだろうと思われた世界が、奇跡の出会い起こす…。
宇宙世紀UC外伝 もう一つのUC計画。ガンダムビルドファイターズ ~try hope~。この二つの世界が交差し、ある一つの物語を描く…。
『宇宙世紀UC外伝 もう一つのUC計画』 ~side~
俺ことカペル・グラウスは、カペルスウェイト・G・Rが配備されているデッキに向かっている。数十分前にビスト財団のカーディアス・ビストから通信が入ってきた。
『サイコフレームのデータを取りたいので、起動実験をしてくれ。大丈夫だ。私は君を信じているよカペル・グラウス中尉』
っと一方的に用件だけを言ってきた。まあ俺もサイコフレームの微調整はまだしておきてぇからちょうどいいけど。
デッキに着いて、カペルスウェイト・G・Rのハッチの中から気配を感じた。
「誰だ!?…ってまたお前かよ番外個体」
ハッチを覗くと、そこにはオレンジ色の長髪の少女…番外個体がいた。
「カペルか。どうしたんだ? 」
「いや、お前こそなんでここにいるんだよ? 」
「ついてきちゃダメだったか? 」
前と同じく、そんなことを言ってきた。ため息を一つはいて、コクピットに座りハッチを閉める。
「なんだ?また起動実験か? 」
「そういうことだ。もしもの場合は、前みたいに呼び戻してくれよ番外個体」
カペルスウェイトを起動してすぐに、全身のサイコフレームから蒼色の光を放った。数値を見ると、やはり化け物クラスになっていた。
「さて調整っと…ってこれは!? 」
カペルスウェイトのサイコフレームの輝きがコクピット内部にまで及び、俺と番外個体を包んだ。
「この感覚……前とは少し違う!カペル! 」
番外個体が名前を呼んで叫んだ瞬間、蒼から虹色となり輝きが増した。
『星の輪の子供……あなたにお願いがあります』
虹の中、前と同じ女の声が頭の中に響いた。
『こことは別の…。ある世界に行って、あの子達を手助けしてください』
「こことは別の…?あんた何を言ってるんだ!? 」
しかしその問いには答えず、虹の輝きがさらに強くなり目を眩ませて瞑る。
『お願いしましたよ……星の輪の子供。可能性を越えてしまった者よ…』
最後にそれだけ言われると、意識が遠くなっていった。
ーーー--
『ガンダムビルドファイターズ ~try hope~ 』 ~side~
「あっちぃ~~…」
ニールセンラボから帰ってきて翌日。ガンプラ案を考えて作ろうとトウイが言い出し、俺の家にトウイとシノが集まっている。が、あまりの暑さに寝っ転がっている。
「だらしないわよヒロヤ…」
「…………」
「お前たちも暑さにやられてんじゃないかよ…」
テーブルに突っ伏しているシノに言い返す。てかトウイに関しては喋る気力も無いらしい。
「なんでエアコンが無いのよ…。前来た時は確かあったわよね? 」
「俺たちがニールセンラボに行ってる間に壊れたらしいんだよ…」
「タイミングが悪いわね本当に。まあ扇風機があるだけましかしら…」
「その肝心の扇風機は二台しかないがな…。しかし今日の気温は最高気温は三十七℃だ。あまり意味をなさないぞ…」
「〇△◇∽…」
「何言ってっかわかんねぇよ…。ちゃんと発音しろトウイ…」
おそらく『不幸だ…』って言ったんだろう。今の雰囲気がそう物語っているし。
「皆~。かき氷いるかしら~? 」
「「「いる(いります)!! 」」」
母さんが扉を開けて、かき氷を三人分持って入ってきた。助かるわぁー。
「シロップはここに置いとくから、好みの味にしてね~」
「ありがとうございます。本当に助かりました! 」
「いいのよシノちゃん~。暑いし大変でしょ?けど暑いからって冷たいものはとりすぎないようにね」
「わかってるよ。んで、エアコンはいつ新しくなるんだよ? 」
「三日後に父さんが帰ってくるから、その時に直してもらうわ~」
かき氷にシロップをかけて食べ始めながら聞いてみると、親父が帰ってくるという話までされた。てか親父直せるんだ。
「けど三日間はこの暑さに耐えなきゃいけないのかよ…」
「ヒロヤ君。たった三日ぐらい我慢しなよ」
「さっきまで喋る気力も無かった奴のセリフかそれ? 」
「でも私とトウイの家はしばらく無理だし、しょうがないわね」
三人でため息をはくもかき氷を食べる。
『遥か先へ~♪あまねく記憶たずさえて♪』
誰かの電話が鳴ると、どうやらトウイの携帯だったらしい。てか着信音はせめてガンダム系にしろよ。
「まあまあ…。もしもし。こちらハルカゼ トウイ…探偵さ」
「普通に出ろアホンダラ」
「はい…。はい…。えっ?なんですかそれ?どういうこと?あっはい。わかりました」
電話を切ると、なにやら顎に指をかけて考え始めた。その姿は真面目に探偵に見えたのは気のせいだろうか。
「それで、誰からの電話なの? 」
「イチヨウさん。なんか力を貸してほしいから今すぐ来てくれって」
「はあ?どういうことなんだよ? 」
「詳しいことは着いたら説明するらしい。とにかく二人も来て。場所はイチバ模型店。念のためガンプラ持っていこう」
そう言われすぐに支度を始め、イチバ模型店に向かった。
ーーー--
意識が戻り目を開けると、そこはコクピット内ではなく、どこかの街のになっていて、公園の椅子に座っていた。
「ここはいったいどこだ?さっきまで確かにコクピットにいたはずだ…。サイコフレームの虹の輝きに包まれて、そこから意識が虹の中にあり、女の声が頭の中に響いて…。確かそこから意識がなくなったんだ」
だがなぜ、あそこからこんな所に場所が変わるんだ?訳わかんねぇ…。しかもあの子達の手助けをお願いって…。あの子達って誰だよ?
今の状況を理解しようと考えていると、肩に番外個体が寄り添っていたのに気づいた。
「おい番外個体!起きろ!大丈夫か!? 」
「ん…?カペル…。ここはどこだ? 」
肩を掴んで揺さぶると、すぐに起きた。どうやら異常は無いらしいな。
「俺にもわかんねぇ。いったいなんだってんだこれは…」
「そうか。ところでカペル。お前の右手付近にあるのって…」
番外個体が指差した方を見ると、そこには手のひら位にまで小さくなったカペルスウェイト・G・Rがあった。
「なんだよこれ…。なんでこんなに小さくなってんだ?しかも軽りぃし」
手に実際持つと、驚くくらい軽くなっている。まるでオモチャみたいだ。しかし、カペルスウェイト・G・Rのサイコフレームは本物だと番外個体も感じたらしい。
「もしかしたらコイツが鍵かもしれねぇ…。番外個体。お前もそう思うだろ? 」
「ああ。元はその機体のサイコフレームによってこんなことが起きたんだ。それによるサイコフレームをもう一度起動させれば元の場所に戻れるかもしれないけど…」
「どうやって起動させるか…だな。こんなに小さいんじゃあどうしようもねぇ」
一応小さくなったカペルスウェイト・G・Rを持って立つと、それにつられて番外個体も立ち上がった。
「どうするんだカペル? 」
「まずは情報収集だ。ここがどこだがわからねえと何もできない。適当に誰かに聞くしか今は手がないだろ」
「まあそうだな」
公園を後にするとき、楽しく遊んでいる子供達の姿が視界に入った。戦争が無ければ、番外個体も本来こんな風に楽しくやっていたのかもしれねぇな…。
「どうしたんだカペル?私の顔に何かついているのか? 」
「いやなんでもねぇよ。行くぞ」
ーーー--
しばらく歩いていても、なかなか人と遭遇せず、疲れたのでいったんベンチに座り込む。ここまで会わないと逆に何か仕組まれているかもしれないと疑う。
「ハァ。どうしたもんかねぇ…」
「どうしたんじゃお主ら?ため息など吐いてはいいことはないぞ? 」
ため息を吐くと、目の前に老人が声をかけてきた。ようやく人と遭遇した。
「ぬ?お主そのガンプラはなんじゃ!?ちょっと見せてくれぬか!? 」
「えっ?あっおいじいさん! 」
有無を言わせないように、じいさんがカペルスウェイトを取り上げてまじまじと見ている。てかガンプラってなんなんだ?聞いたこともない言葉だが、おそらくカペルスウェイトの事を指しているのだろう。
「なあじいさん。ガンプラってなんなんだよ? 」
聞くと、じいさんがありえない!って顔をしてきた。
「ガンプラを知らぬのか!?ガンダムのプラモデル、通称ガンプラじゃ!! 」
ガンダム…だと!?いやけど待てよ。プラモデルってことは、カペルスウェイトと同じくらいの小さなやつなんだよな…。
「お主ら!まだわからないのなら、わしの店まで来い!そこで実際に見せてやるわい! 」
「どうするカペル?もしかしたらそこで何か手がかりが掴めるかもしれないが」
「ああ。とりあえず行ってみるか」
番外個体も賛成らしく、じいさんの店まで行くことになった。これで何か手がかりを手に入れられればいいのだが。
そうして歩いていくこと十分。じいさんの店に着いた。中に入っていくと、そこには大量の箱が積み重なっていた。
「ほれ。これを見てみい」
じいさんに促されるように、ガラスケースの中を見た。サイズが、今のカペルスウェイトと同じぐらいになっているMSが大量に保管されていた。
「これはいったい…。連邦の白い悪魔と言われたガンダムまでもが。しかも見たこともないガンダムタイプのものまである…」
これはいったいどういうことなんだよ?なぜガンダムがここに?
「カペル…。これは馬鹿げた推測だが…」
ガラスケースの中にあるガンダムに驚愕していると、番外個体が口を開く。
「もしかしたら私たちは、別世界に来てしまったと思う」
「そんな馬鹿なこ…」
言いかけたところで、あることを思い出した。そうだ。確かあの女が言っていた。別の世界に行ってあの子達を助けてきてくれって。
「どうした?心当たりでもあるのか? 」
「ああ…。残念ながら心当たりがある。番外個体。お前は虹の光に包まれた時に何も聞いていないのか? 」
「私は何も聞いてない。誰になんと言われたんだ? 」
「この世界に来てあの子達を助けてくれって言われた。女の声だったが誰だかわからねぇ」
「あの子達って誰のことかわからないのか? 」
「それについても何も言われてない。だが分かることが二つある。一つはここが別世界だってことだ。もう一つは…」
「頼まれ事を果たさないと帰れないかもしれない…っか? 」
「そうだ。にしてもまずいのは、それが誰なのかがわからねぇってことなんだよ」
「何をゴチャゴチャ言っとるんじゃ?そうじゃ。お主達の名はなんという? 」
話をしていると、じいさんに名前を聞かれた。
「俺はカペル・グラウス中尉だ。じいさんはなんて言うんだ? 」
「わしはこのイチバ模型店店長のイチヨウじゃ。ところでその名前だと外国人の軍人かなにかか? 」
「ん…。まあそんな感じだな」
「そんなお主があんなところでそんな美人と一緒に何してたんじゃ?ガンプラも知らないのに、そんな素晴らしいガンプラを持っておるのも気になるわ」
おいおいこのじいさん。容赦なく聞いてきやがる。これは試しに正直に言ってみるか?
「何もしないよりはましだ。ダメ元でも言ってみるしかないだろう」
「やっぱりそうなるか…」
「? 」
じいさん…じゃなくてイチヨウに事の顛末を説明する。こことは別の世界。そこでサイコフレームの実験。サイコフレームが暴走したのか、いつの間にかここにいた。そして俺の機体、カペルスウェイトがこんなに小さくなっていたこと。元の世界に戻るためにあの子達っていう、おそらく子供を助けないと帰れないかもしれないということ。全てを話した。
話を聞いている内は作り話かと思って聞いていたイチヨウは、話が終わりにつれて真剣に聞き、今訝しげに考えている。
「…ちょっと待っておれ。今知り合いに電話をしてみる。その間店の奥でテレビでも見て待っててくれ」
するとイチヨウに連れられて店の奥に行く。テレビをつけてすぐに、イチヨウが電話を取って誰かに話始めた。
何がなんだかわからないまま仕方なくテレビを見ると、そこには一年戦争の映像がアニメとして流れていた。
「戦争をアニメにするとか如何なものだろう…」
「確かにな。戦争を美化し過ぎだ」
「けどこんな平和な世界もいいものだな…」
「そうだな…」
テレビを見ていると、イチヨウが戻ってきた。
「もう少ししたら知り合いが来る。まああの話の真偽はそれでわかるじゃろ。それまではもう少し待っててくれ」
「知り合い?誰だよイチヨウ? 」
「まあわし達でいう、子供じゃな」
ーーー--
「あともう少しでイチバ模型店に着く。耐えろよ…」
「暑いわね…」
「……………」
家を出てすぐにイチバ模型店に向かったが、暑いということを忘れてしまった。
「うちわでも持ってくればよかったわ…」
「我慢しろ…。イチバ模型店にはエアコンが設置されているはずだ…。それまで耐えろ…」
「……………」
「む?サオトメ君たちではないか」
「あ?ってヨシナ達か…」
しばらく歩いてイチバ模型店付近まで来ると、ヨシナとアマミヤとコムカイに遭遇した。
「お久しぶりですサオトメ君。元気ですか? 」
「よう」
「おう久しぶりだな…。てかお前達。その無駄にあるうちわ分けてくれないか…? 」
コムカイとアマミヤの袋から、うちわが大量に溢れていた。ちなみにヨシナはうちわではなく扇で扇いでいる。
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