オズのベッツイ
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第二幕その一
第二幕 ギリキンの国に入って
ウーガブーの国まで黄金の林檎で作ったジャムを貰いに行くことになったベッツイと一行はです、まずは旅支度に入りました。持っていくものはといいますと。
「ご馳走が出るテーブル掛けと」
「幾ら使っても尽きないボディーソープとシャンプーの容器ですね」
「あと服に降りかけたらそれだけでその服が奇麗になる粉と」
「畳んだらポケットに入るテントと寝袋ですね」
「そうしたものを持って行くんですね」
「ええ、それでね」
ベッツイは五人の子供達に笑顔で答えます、一緒に旅支度をしている彼等に。
「それを全部リュックに背負って行くから」
「そのリュックにですね」
ナターシャはベッツイが持っているそのオレンジのリュックを見て言いました。オレンジはベッツイの好きな色の一つみたいです。
「入れてそうして」
「ええ、持って行くわ」
「あの、若しも」
ここで、でした。ナターシャはベッツイにこうも言いました。
「旅の途中でなくしたりしたら」
「大変なことになるわよね」
「はい、そうしない為にも」
「安心して、その為に道具の一つ一つに私達から離れたら警報音が鳴る様にしておいたから」
「あっ、でしたら」
「そう、なくす心配はないでしょ」
「はい、確かに」
ナターシャもベッツイのその言葉に頷きます。
「それでしたら」
「どれもなくすと困るから」
「ちゃんと対策してるんですね」
「そうなの、だから安心してね」
「わまりました、それじゃあ」
こうしたことをお話してでした、そしてです。
ベッツイ達は旅に出ることになりました、見送りにオズマとドロシーが出ました。オズマはそのベッツイにこう言いました。
「道中気をつけてね」
「ええ、危険なことにはね」
「そのことはね、皆と一緒にね」
「対処してね、私も今回の旅は行けないけれど」
オズマはオズの国の国家元首です、とても忙しいのです。ですから今回の旅も一緒に行くことが出来ないのです。
「いつも鏡で見守っているから」
「じゃあ何かあれば」
「ええ、助けさせてもらうわ」
その時はというのです。
「だから安心してね」
「わかったわ」
「あと。貴方達もね」
オズマは五人も見て彼等にも声をかけました。
「ベッツイと一緒にね」
「はい、危険な目に遭ってもですね」
「そうなっても」
「ベッツイとハンク、それにガラスの猫がいるから」
オズの国の住人でありこの国のことをよく知っている彼等が一緒だからだというのです。
「何かあったら頼ってね」
「わかりました、じゃあ」
「ベッツイさん達を頼りにして」
「旅をさせてもらいます」
「そういうことでね。じゃあ行ってらっしゃい」
オズマは一行に笑顔で声をかけました。
「旅に幸あらんことを」
「有り難う、じゃあ行って来るわね」
ベッツイがそのオズマに笑顔で応えてでした、そうして。
一行はエメラルドの都の西門から出ました、そのうえで。
エメラルドの国からギリキンの国に向かいます、その中でなのでした。
ナターシャは歩きながら道の横に咲いていた向日葵達を見ました、エメラルドの都の国に咲いているその花達を。
そのうえで、です。こう恵里香達に言いました。
「私向日葵が大好きなの」
「そういえば向日葵を学校の授業で植えた時も」
「私凄く喜んでたでしょ」
「一番喜んでたわ」
そこまでだったとです、恵里香はナターシャに答えました。
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