オズのベッツイ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第一幕その九
「だからね」
「それじゃあなのね」
「そう、用意するのはベッツイの分だけでいいよ」
「わかったわ、私の分の食べものと旅の道具だけを用意するわ」
「あら、一人だけなの?」
ドロシーはハンク達とお話するベッツイにでした、笑顔で尋ねました。
「それは」
「一人っていうと」
「だから。ベッツイの分だけでいいの?用意するのは」
「そうね、そうよね」
ベッツイはドロシーのその問いにです、すぐに気付いてでした。
そうしてです、恵里香達に顔を向けて彼女達に尋ねました。
「貴女達もどうかしら」
「ウーガブーの国までの旅にですね」
「私達もですね」
「ええ、どうかしら」
こう言って五人にお誘いをかけるのでした。
「それは」
「ご同行していいですか?」
「貴女達さえよかったらね」
恵里香達の考えを尊重するというのです。
「一緒に来てくれるかしら」
「お誘いして頂けるなら」
それならとです、恵里香が応えてです。
そうしてでした、五人共言うのでした。
「お願いします」
「是非一緒にウーガブーの国まで」
「あの国にも一度行ってみたかったです」
「ですから是非」
「僕達も」
恵里香だけでなくナターシャ、ジョージ、神宝、カルロスも言ってでした。五人はベッツイの旅に同行させてもらうことになりました。
五人のその言葉を受けてです、ベッツイは笑顔になって言うのでした。
「賑やかで楽しい旅になりそうね」
「そうだね、五人が入ったからね」
ハンスもにこにことしてベッツイに応えます・
「余計に楽しくなるね」
「まあ。私的にはね」
ガラスの猫の言葉はといいますと。
「私だけでも楽しめるけれどね」
「君だけでしょっちゅうお外に出てるね」
トトはその猫にこう言いました。
「それであちこちに行ってるよね」
「一人旅も好きよ」
「そして皆で行く旅も」
「嫌いじゃないわ、ではこの面子で行きましょう」
「それじゃあ楽しんできてね」
トトは猫にこう告げました。
「この旅を」
「そうさせてもらうわ、是非ね」
「僕はドロシーと一緒にいるけれど」
何といってもドロシーの一番の友達です、それならドロシーと別々にいることはとても考えられないことです。
「君達は楽しんできてね」
「さて、式の用意に取り掛かるわ」
明るく言うドロシーでした。
「そして式が終わったわ」
「また冒険だね」
「そう考えているわ」
やっぱり冒険好きです、ドロシーは。
「それじゃあ用意が出来たらね」
「ええ、それが済んだらね」
ベッツイはそのドロシーに応えました。
「行って来るわ」
「旅の無事があらんことを」
ドロシーはベッツイに祝福の言葉も贈りました、その言葉も貰ってです。ベッツイは皆と一緒にウーガブーの国に向かうのでした。
ページ上へ戻る