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仮面の戦士

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第六章

「そしてだ」
「旦那様の勝利をですね」
「祝うことを命じる、いいな」
「喜んで」
 こう話してだ、そしてだった。
 ジュリオはこの日はじっくると休んだ、そして次の日だった。
 朝食をしっかりと食べてから軽く身体をほぐす為に剣を振り馬にも乗ってからだった。レオに対して言った。
「ではだ」
「これよりですね」
「勝って来る」
 こう言ったのである。
「あの騎士にな」
「はい、では」
 レオもジュリオのその言葉に頷いてだ、そのうえで。
 二人で競技場に行きだ、レオは主の試合前の準備を手伝ってから。
 観客席に入った、そしてジュリオはというと。
 競技場に出た、すると観客席から歓声が起こった。
「頑張れ!」
「今日も勝てよ!」
「俺達は貴方を応援しているんだ!」
「仮面の騎士に勝ってその仮面を脱がしてくれ!」
「頼んだぞ!」
「ははは、絶対にそうしよう!」
 ジュリオはその観客達に手を振って笑顔で応えた。
「私の勝利をそこで観ていてくれ!」
「そうさせてもらうぜ!」
「頑張って下さいよ!」
 観客達は彼にさらに声援を送った、そして。
 ジュリオの向こう側からだった、すぐに。
 その仮面の騎士が来た、背はジュリオより二十センチ位低いがだ。
 凛とした仕草で颯爽として来た、やはり仮面を被っている。
 その騎士と向かい合いだ、ジュリオは騎士に問うた。
「これからな」
「・・・・・・・・・」 
 騎士は無言であった。
 その無言を受けてだ、ジュリオはこう返した。
「まあいいか。私が勝たせてもらう」
 こう言うだけにした、とはいっても言いたいことは結局そうしたことであったが。
 そのことを告げてからだ、ジュリオはその巨大な剣を両手に持って構え。
 仮面の騎士も剣を抜いて左手に持って構えた、そうしてだった。
 二人ははじめ、の合図を受けてから勝負に入った。お互いに激しい剣擊を繰り出し合った。
 ジュリオはその巨大な剣を逞しい大柄な身体で縦横に操る、その彼に対して仮面の騎士はどうかというと。
 ジュリオのものとは比べものにならないまでに細く短い剣だ、だが素早い身のこなしを使いそうしてであった。
 そのジュリオに対する、まさに豪と柔の闘いだった。
 闘いは百合を越え二百合になった、だがまだ勝負は着かず。
 途中休憩も挟みさらに続いた、その勝負を観てだった。
 観客達は唸ってだ、こう話した。
「凄いな」
「お二人共な」
「ここまでとはな」
「思わなかったな」
「カサゴール様は巨大な剣を使われてな」
「仮面の騎士殿は普通の剣でな」
 それぞれの武器を使いだった。
「カサゴール様は力だ」
「仮面の騎士殿は素早さだ」
「お互いにそれを使っておられる」
「見事な勝負だ」
「果たしてどちらが勝つか」
「全くわからないぞ」
 それこそ、というのだ。
「一体どちらが勝つか」
「わからないな」
「本当にな」
 こう話すのだった、だが。
 レオは彼等にだ、緊張しつつも確かな声でこう言った。 
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