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タケミカズチ、抜錨します。

作者:沙羅双樹
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建御雷さん(?)の航空戦力はすごいですね

 
前書き
執筆が完了したので投稿しました。

今回の視点はタケミカズチ視点ではないのですが、視点キャラと口調が違っていても許して頂けると助かります。

あと誤字があれば報告して頂けると、作者的には嬉しいです。(笑) 

 
【視点:赤城】



南西諸島海域に任務で出ていた私達――○○○鎮守府の艦娘12名は、任務を終えた帰りに深海棲艦との遭遇戦に突入してしまいました。

遭遇した深海棲艦は3艦隊。対する私達は任務帰りで弾薬などの残り僅かな2艦隊。普通に戦っては、全滅せずともこちら側に多大な損害が出るのは必至です。

故に総旗艦を務めていた私はすぐに鎮守府へと無線で増援を要請し、残っている弾薬で応戦しながら撤退することになりました。

そして、撤退戦を始めてから20分後。鎮守府から通常航行で2時間程の場所でついに弾薬が尽きてしまい、そこから一方的な展開となってしまいました。

弾薬が尽きてから大した間もなく、被弾者が出てしまったのです。この時点では被弾したのは電さん。そして、電さんを助けようとした暁さんと雷さんも被弾してしまって、そこからは被弾者の連続です。

最終的には私が大破。加賀さんが中破。榛名さんと霧島さんが中破。夕張さんと球磨さんが小破。高雄さんと愛宕さんが中破。暁さんと響さんが中破。雷さんと電さんが大破という状態にまでなってしまいました。

私を含めた大破組はあと一撃で轟沈。中破組も当たり所が悪ければ一撃で轟沈してしまう状況だったこともあって、生きて鎮守府へ帰ることを半ば諦めかけていました。

その直後です。聞きなれない風切り音と共に見慣れない航空部隊が現れ、装備している噴進弾で深海棲艦に攻撃を始めたのは。

その航空部隊は噴進弾を撃ち終えると、右翼側に取り付けられている自動小銃の様なものから黄緑色の光線の様なものを出して攻撃を始めました。これには私達だけでなく、深海棲艦も唖然としていた様な気がします。

しかも、その光線は噴進弾より威力があるのか、深海棲艦の身体をいとも簡単に貫通し、人型深海棲艦の艤装とも呼べる部分を容易く焼いていました。

取り敢えず、この謎の航空部隊が私達の敵でないことは確かな様です。理由は深海棲艦を攻撃するだけでなく、私達に艦爆を仕掛けていた深海棲艦の航空戦力にも攻撃を仕掛け、まるでゴミの様に撃ち落としていたのですから。

………それにしても、世の中には不思議な航空機が存在するのですね。深海棲艦の航空戦力以外にプロペラ式ではない航空機は初めて見ましたし、何より人型に姿の変わる航空機も初めて見ました。

あまり感情を顔に出さない加賀さんも、私達を助けてくれた航空機が人型に姿を変えたのを見て、今まで見たことが無い程に驚いた顔をしています。まぁ、驚いているのは私達だけでなく、深海棲艦も同じの様ですが。

……あっ。また、同じ航空部隊が南からやってきました。これで合計何機になったでしょう?少なくとも50機近くはいるみたいですが。

私がそんなことを考えている内に、新しく到着した航空部隊は装備している噴進弾で深海棲艦に攻撃を始めました。

それとほぼ同時に、深海棲艦に向かって最前衛を務めていた高雄さんと愛宕さんの前に、今まで見たことの無い艤装を身に着けた艦娘さんが現れました。

両肩に異なる大きさ――――右側が私や加賀さんの飛行甲板より1.5倍以上横幅が広く、左側は真ん中から上半分が更に2倍以上幅広い、通常の5倍以上の厚みを持った大型の盾の様な飛行甲板。

それと背中に複数の噴進砲を繋げた様な身の丈半分程度の大きさの艤装を取り付けた艦娘さんです。


「タケミカズチ級大型機動空母1番艦タケミカズチ、推して参ります!」


私達に背を向け、深海棲艦と対峙する様に現れた艦娘――建御雷さん(?)が高らかと告げた名前に対して、失礼とも思いましたが私は首を傾げてしまいました。

何故なら、私は建御雷という名前の空母に聞き覚えが無かったからです。それに機動空母という分類の空母にも聞き覚えがありませんでした。

もしかして、艦船時代の私が轟沈した後に就役した空母さんでしょうか?そう思って終戦まで生き残った艦娘である響さんに視線を向けると、私の視線に気付いた響さんは首を横に振って私の質問に答えてくれました。

どうやら建御雷さん(?)は、終戦までに建造された空母ではないみたいです。ですが、名前から考えると日本軍に所属していた艦船としか思えません。これは一体どういうことでしょう?

………ああ!そんなことを考えている内に人型へと姿を変える航空機が更に増えてしまっています。やはりと言うか、あの航空部隊は建御雷さん(?)の航空戦力だったのですね。

建御雷さん(?)の航空戦力に囲まれた深海棲艦の艦隊はタコ殴り状態。既に空母ヲ級2隻と戦艦レ級3隻を残して、他の深海棲艦が轟沈してしまっています。

しかも、残っている5隻も大破状態。内3隻は航行不能状態で炎上中。これでは深海棲艦の残存勢力が轟沈するのも時間の問題ですね。

それにしても、建御雷さん(?)の航空戦力はすごいですね。障壁をものともしない戦艦並、もしくはそれ以上の火力もすごいですが、機動力も深海棲艦の航空戦力を凌駕しています。どれだけの資材を使って手に入れたんでしょう?私も欲しいです。

……あっ!航行可能な深海棲艦――空母ヲ級と戦艦レ級が建御雷さん(?)目掛けて突っ込んできています!!特攻でしょうか?特攻で一矢報いるつもりなんでしょうか!?

ですが、建御雷さん(?)の航空戦力からの黄緑色の光線による集中砲火で、両艦とも10m程進んだだけで航行不能なってしまいました。その上、他の深海棲艦の様に炎上しています。

先に航行不能になった深海棲艦達はどうなって―――今、凄い爆発音が聞こえてきました。炎が弾薬に引火して爆沈でもしたんでしょうか?ヲ級とレ級の破片らしきものが空から降り注いでま――今度は突っ込んで来ていたレ級が爆沈!!?

……私、こんな近くで深海棲艦が爆沈するの初めて見ました。あとはヲ級を撃沈すれば、敵艦隊を全滅させたことになりますね。

私がそんなことを思っていると、轟沈寸前のヲ級が最後の力を振り絞ったのか、十数機の艦載機を発艦させていました。そして、その直後にヲ級は他の深海棲艦と同じく爆沈。

母艦を失った敵艦載機は、被弾することを恐れず建御雷さん(?)へと突撃しています。自身を直接ぶつけてでも建御雷さん(?)に損傷を与えるつもりなのでしょう。

たった1機でも辿り着ければいいという考えなのでしょう。殆どの艦載機が建御雷さん(?)の航空戦力からの攻撃を受ける楯となる様、密集陣形で建御雷さん(?)へと向かっています。

そして、敵艦載機が1機だけとなり、あと2~3mで特攻が成功するという状態に陥った瞬間、建御雷さん(?)の両肩に身に着けている厚みのある飛行甲板が開き、その隙間から多数のガトリング砲が姿を現しました。


「正面敵機に全ガトリング砲、一斉射です!」


建御雷さん(?)がそう告げると同時に、飛行甲板から姿を現したガトリング砲は一斉射を開始。瞬く間に敵艦載機は蜂の巣となり、撃墜されました。

艦載機だけでなく、その対空装備の能力の高さに私を含む艦隊の皆は全員が驚きの余り呆然としてしまいました。そんな私達に対して、建御雷さん(?)は振り向きながら笑顔でこう言ってきたのです。


「2艦隊12名構成ですよね?1人も轟沈していない様で何よりです」



 
 

 
後書き
そんな訳で記念すべき第2話は一航戦の赤城さんでした。(笑)

それにしても書いていて思いましたが、やっぱりMS搭載艦はチートですね。

ちなみによく勘違いされるんですが、タケミカズチと建御雷(タケミカヅチ)は「ズ」の部分が違います。種運命は「ズ」の方なので、その点をお間違いなく。(笑)

ところでタケミカズチの動力源って何なんでしょうね?MSのエネルギー補給ができる以上、蒸気タービン方式とは考えられません。

Nジャマーキャンセラーが存在していますが、原子力空母とも思えませんし。やっぱりアークエンジェルとかと同じレーザー核融合炉でしょうか?取り敢えず、核融合炉なのは確かっぽいですね。

ちなみに本作のタケミカズチも艤装内に核融合炉(仮)が存在しているという設定なので、弾薬以外の補給は基本的に低燃費というチート艦だったりします。

全く、「お前みたいな空母がいるか」ですよね?(笑) 
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