エセ秀才の生残りを目指した悪足掻き
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さあ、原作ブレイクだ!(ほんとにできるのかな?)
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第2話 さあ、原作ブレイクだ!(ほんとにできるのかな?)
宇宙暦796年8月12日 自由惑星同盟首都星ハイネセン 統合作戦会議室
「・・・・・この遠征の戦略上の目的が奈辺にあるのかをうかがいたいと思う」ウランフ提督の発言を受けて、シトレ、ロボス両元帥が俺ことアンドリュー・フォーク(安藤竜司)に視線を向けた(お前が答えろ)。
(この会議だ、この会議から原作ブレイクをするんだ。出なければ死亡フラグまっしぐらだ。)
「大軍をもって帝国領土の奥深く進攻する。それだけで帝国人どもの心胆を寒かしめることができましょう」
「では、戦わずして退くわけか」
「それは高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処することになろうかと思います」
「要するに、行き当たりばったりとういうことではないかな」ビュコック提督のチャチャだ。
(そのせりふをまっていました)
「その通りです。今次作戦においての明確な戦略的・戦術的目的は策定されておりません。必然行き当たりばったりになります」
ザワッ
「帝国領内に進攻する時機を、現時点に定めた理由をお聞きしたい」
(まさか選挙のためと言うとは思わないが(ヤン・ウェンリーの心の声))
「端的に申しますと、ヤン提督。貴方のせいです」
ザワワッ
「・・・どういうことかな?わたしのせいとは」
「ヤン提督、提督は何のためにイゼルローン要塞を攻略されましたか。攻略後どのような政治的、軍事的状況になると思われましたか」
「ッ、・・・同盟政府の外交手腕しだいだが、帝国との和平条約、少なくとも幾年かの停戦条約結べるだろうと思っていた」
「ではなぜ!そのことを主張されなかったのです!」
「え?」
「イゼルローン要塞を攻略した時点で、和平あるいは停戦を主張するべきだった。少なくとも前線指揮官の希望としてマスメディアに伝えることはできたはずです。あの時点でヤン提督以外の人物で和平あるいは停戦を訴えて説得力のある人物はいませんでした」
「それは違う。シトレ元帥だっ
「シトレ元帥では無理です!シトレ元帥がいかに公正明大であっても、ロボス元帥の昇進を阻むための政治工作と取られてしまいます。主戦派の人物からはそもそも出てきません。『エルファシルの英雄』であるヤン提督が言って、初めて説得力を持つ主張なんです」
「しかし、ヤン提督。提督はイゼルローン攻略から今日に至るまで一度も、そうただの一度も『和平』、『停戦』のセリフを公にすることがなかった。一度でも口にされていれば、世論を形成し同盟市民の熱狂的出兵論に水を注すことができたし、今次遠征作戦が発動されることもなかった」
「すべては貴方の怠慢によるものです。提督の怠慢によって3000万もの将兵が死地に赴くことになったのです」
ビュコック提督が机をたたいて詰問する。
「フォーク准将、貴官今言った「死地に赴く」とはどういうことだ」
「今次遠征作戦は必ず失敗するからです」
「なっ
「戦には、古来より3つのものが必要とされています。ひとつ天の時、ふたつ地の利、みっつ人の和、しかし現在の同盟軍にはこの3つ全てがありません」
「にも拘らず、今次遠征計画が決定された理由、それはこちらをお聞きください」
そういって俺はICレコーダーをポケットから取り出し再生を始めた。
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「・・・・コンピューターに計測させたところ、ここ100日以内に帝国に対して画期的な軍事上の勝利を収めれば、支持率は最低でも15パーセント上昇することがほぼ確実なのだ」
「どれほど犠牲が多くとも、たとえ全市民が犠牲になろうともなすべきことがあります」
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「ふざけるな!我々は議員の人気取りのために出兵せねばならんというのか!」
「市民が死んででもしなければならないのが政権の維持なのか!」
等々、会議室には怒号が渦巻いています。
(まぁ、最高評議会の会議の一部を聞いてもらうための編集の際に発言の順番が入れ違ったことには他意はありませんよ。ええないと言ったら無いんです。)
ある程度怒号が治まったところを見計らって発言する。
「お聞き頂いたとおり、現政権は世論の後押しを期待して今次遠征計画を決定しました。ヤン提督、提督が「和平あるいは停戦を」と言っていたらこの世論の後押し無かったんです」
(おぉ!ヤンが落ち込んでいる。そうそう、責任を感じて死ぬまで同盟軍の面倒を見てくださいね!辞めるなんて許されませんよ! 俺の死亡フラグクラッシュのために!)
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