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新妹魔王の契約者~龍剣使いの神皇帝~

作者:黒鐡
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1巻
  剣と神器×ラースとの契約

ラース戦で勝った後の夜だった、俺と深雪に澪と万理亜は遅い夕食を食べていた。ここにいるのは、俺らと朱音達とドライグ達が集まって食事会をしていた。今回敵であった奴を倒した祝勝会というもんだったけど、唐突に聞いてきたのは澪と万理亜だった。

「今更何だけど、一真が使った剣に籠手は一体何なのあれは?」

「澪様の疑問も仰る通りですね、剣は何となく分かりましたけどあの籠手については教えてくれないのですか?」

「そうだなー。まあせっかくだし、この祝勝会が終わったらお前らの疑問を答えてやるよ。グレンデル達も少し付き合ってくれないか?」

そう言ったら即答で親指立てていたが、食事中だったので俺らも食べていた。そんで食べた後に、いつも使う鍛錬場に来てから俺らの説明を始めたのだった。

「まずはこの剣だな、さっき言った通り聖剣エクスカリバーだ。でも今は擬態しているから、本来の姿ではない。それとこの剣には七つの能力が備わっているからだ」

そう言ってから、澪と万理亜の目の前で刀から本来の姿となった聖剣エクスカリバーで模擬戦という事で刀花が相手をしてくれた。擬態能力でどんな武器にもなれる事を知った後に、刀花の持つ剣も俺のを量産化したものだと伝えた。威力は俺のよりも劣るが、量産化された聖剣エクスカリバーはこの世にはない代物。あとは能力を一つずつ深雪が説明する事になった。

「いいですか、お兄様が使っている聖剣エクスカリバーの能力は擬態・破壊・天閃・夢幻・透明・祝福・支配の七つの能力を持っています。この世で知っているエクスカリバーはどういうのかは知りませんが」

「エクスカリバーはアーサー・ペンドラゴンが持つ剣くらいしか知らない、学校の歴史書でも名前くらいしか出てこない」

「今一真さんがやっているように、擬態と破壊だけでやってきたのですからね。あの野中さんでさえ、いくつもの斬撃でやっと破壊できた障壁を一度で破ったのですから」

「そういう事です。なお擬態については、使い手のイメージ力次第でその形を自由自在に変えられる応用力の高さを持つモノなので、お兄様が近距離戦で戦う時は手甲で徒手空拳を使いますから」

今は擬態と破壊だけだが、相手の刀花もエクスカリバーの能力を使ってこちらに来るが、透明で姿を隠して夢幻で使い手を拡散した。それを見た一真は天閃で神速となった一真が本体と分身を叩き斬った。そんで気配を消したと思えば後ろに立っていたので、降参と言った。

「このように、剣及び使い手を透明化できる透明と本来なら相手を幻術で惑わせたり眠っている間にその夢を支配したりすることができるという魔法的側面の強い能力を持つ夢幻、使い手のスピードを底上げして高速の攻撃を繰り出せる天閃、信仰に関与した力を持ち聖なる儀式で使うと効果を発揮する。戦闘面では、悪魔や吸血鬼を聖なる祝福で弱らせるといった使い方をする祝福、伝説の魔物から魔法に至るまで様々な存在を意のままに操ることができる支配の七つだ」

「なるほど、だから一真さんの戦い方は様々な時に即時対応できるという事ですか」

「まあそういう事だな、次は籠手だな。ブーステッド・ギアスタンバイ!」

『Boost』

まあ聖剣エクスカリバーについては、先ほどの戦闘で分かったがこれについては語っていなかったのでその前に神器の説明からしたのだった。俺らがいた世界には天界にいた『聖書に記されし神』が作ったシステムで不思議な能力を所持者へ与える。与えられる能力は様々だが、発現するのに「使い手の善悪」は関係ない上、教会内でも神器の存在を知る者は上位者に限られるためか神の奇跡よりも「悪魔の業」と誤解され迫害を受ける所有者も多い。

「俺がいた世界にはこういう風な神器(セイクリッド・ギア)を持つ者は人間しか持てない事何だが、知っている通り俺も神だけどなぜか宿主になった。俺が持つのは、神器でも神すら滅ぼす事が可能な力を持つと言われる特殊な神器だ。神滅具(ロンギヌス)と俺らは呼んでいるが、こいつが例えでな。これには赤龍帝ドライグの魂を封印されている」

「赤いドラゴンと言えばお分かりでしょう、小型ドラゴンでいつも食事やら風呂で会っているはずです」

そう言ったらあの龍かと言ったら大正解だと言ってから、籠手の宝玉から声を発していたドライグだった。ドライグ曰く10秒毎「Boost(ブースト)」という掛け声と共に自身の能力が2倍になる事なので、さっきの戦闘で五回鳴ったから本来の力よりも十倍となった力を解放させた事になる。その時は「explosion(エクスプロージョン)」と発するが、あの時は小さく鳴っていた事。

「それとコイツの力は倍加だけじゃない、増加させた力を他者に譲渡する事が出来る。実際にやってみるとしようか、譲渡相手は万理亜でラードゥンの障壁で作られたのを拳で破壊して見せてみろ」

「では行きます。・・・・はあああっ!」

障壁を拳でぶつけてみたら、傷無しだったので今度は倍加を五回していたのを万理亜に譲渡した後に鳴ったのが「Transfer(トランスファー)」で発動したら、力がいつもより倍感じたので同じようにぶつけてみたら木端微塵となったのだった。驚いたのは澪と直接障壁をぶつけた万理亜本人だったけどな。

「という感じで、倍加をして己の力を高めるのと倍加して他者に譲渡できる事で他者の力を高める事が出来るという訳だ」

「これは驚きですね。これだったら今まで強敵だと言われてた敵でも倒せますね」

「もし私に譲渡したらどうなるの?」

「いつも使う魔力は素人レベルが、高濃度圧縮粒子開放みたいに魔力の濃度が高まるがそれについては鍛錬で慣れなければならない。これからの鍛錬で慣れさせるためにな」

そう言う事で神器についての授業は終わろうとしていたが、ドライグから禁手化について話したので加えたのだった。神器の「禁手(バランス・ブレイカー)」または「禁手化(バランス・ブレイク)」とも言うが、神器の力を高めてある領域に至った者が発揮する力の形。基本的には元の力のスケールアップだが使い手の認識によって別物に「化ける」事もある。

「俺の場合は赤龍帝の鎧と言ってドラゴンの鎧を纏う事が出来る。ちなみに深雪もドラゴンがいるから、禁手化は可能だ」

「私の場合は神器無しではありますが、ティアとの契約により禁手化する事が可能となります。その時は蒼い鎧姿となりますが、お兄様は赤い鎧姿ですね」

あとは、仲間の一人である二天龍の片割れから力をもらっている事も言った。ここにはいないが、相手の力を半減する力と半減した力を自分の力の糧となる事もな。と言う事で俺達の特別授業はお終いとなり、日曜日は個人での休み方となってから次の日の学校に行ったが四時限目の最中に、教室を抜け出した俺だった。ちなみに澪の力は相変わらず未覚醒ではあるが、重力系を使おうとしても発動しないままだ。屋上に上がると先客がいた事に気付いた一真。

「おいおい、何でここに一真っちがいるんだよ?」

「それはこっちの台詞だ、それにしてもよく生きていたな。俺が剣で倒したと思ったのによ」

そう言ったら、真夏の屋上が冷たい静寂が訪れる。

「・・・・何の話だ?」

「シラを切るのなら、もう少し魔族のオーラを隠した方がいいぞ?お前があの時倒したはずのラースだと言う証明になる。それにだ、あの時の聖なるオーラが発信器となって俺の端末に反応しているぞ」

端末を見せると反応有りという事で音が鳴っていたので、大きく嘆息すると諦めたように頭をかく。

「あーあ、上手く誤魔化せると思っていたんだがな。・・・・何時気付いた?」

「最初は俺の剣でお前の障壁を一度で破った辺りからかな?ここでの戦闘で破った時に焦り顔をしていたが、俺には良い眼を持っていてな。仮面で表情が見えてないとでも思っていたようだが、心眼という全てを見通す目を持つ俺だからかもしれねえ。あとは滝川の気配がラースの時に似ていたからな」

そう言ってから、俺の目が黒目から金色の目となる。オーラからどんな使い手なのかも分かる目を持つ俺なら、どこにどんな敵がいたとしても索敵や探査可能だと付け加えてな。任務失敗の処罰恐れて一矢向こうとしても無駄に終わる。

「さすが剣術使いだと言いたい所だが、一真っちは何者だ。魔族でもなければ勇者の一族でもなさそうだな、公園の続きをしたとしても勝ち目はなさそうだ」

「そうだなー、俺と協定結ぶ気あるならお前だけ正体明かしても構わんぞ?」

協定というのは、今後も澪の監視役となって今後についてを話し合おうとの事。もし今回失敗したら新たな監視者が付くはずだと推測を言ってから、ラースよりも強い奴を送り込んで来るはずだとな。勝機はあるし、どんな強い奴と相手をしたとしても俺との相手は即抹殺するのみ。俺と滝川は敵同士だが、こういう協定を結んだ方がお前の立場的にはキツイとな。

「分かった、確かに今回の件で俺の立場も苦しい。一真っちが勇者の一族や魔族でないなら、残りは神族だと俺は思うね。神族相手に俺はまだ死にたくない、もちろん勇者の奴らと対等に戦えるお前なら今後についても大丈夫だろう」

「契約成立だ、俺は神族と言ってもこの世界の神ではないと言っておこうか。お、そろそろチャイムが鳴るな」

チャイムが鳴った後に、滝川=ラースは契約成立と共に屋上から姿を消した後にやって来た深雪と澪だった。ここで話していた事は知らないが、昼食となったので弁当を持ってきた蒼太と沙紀もいたけどなぜか柚希もいたけどな。一昨日の戦闘で俺と一緒に走れなくとも、今後とも一緒になって強くなりたいとも言うが深雪を倒してから言ってろと言ってから弁当タイムとなった。

「捜してた一真・・・・これ、食べて欲しくて」

「俺が里に居た頃のか、分身体にとっては懐かしいと言っている。小さい時から上手かった料理だったか」

「里に居た頃の一真が好きなおかず、いっぱい入れてきた」

「お兄様は結構食べますけど、今回は譲ってやりますよ。柚希さん」

そうは言うが、俺と澪との関係を知った柚希だったがたまに出る関西弁で思わず可愛いなと思った。澪が一真のご主人様だと言ってからは、澪といつの間にかいた不法侵入者の万理亜と深雪だけで言い争うのだった。あと昨日の内に迅がいる魔界にメールを返信しといたら返事はなかったが、あちらも結構楽しんでいたようだな。俺達が楽しんでた頃、暗い森の中に携帯電話の着信音が鳴り響いた。

「はいよ・・・・おうお前か・・・・ああ、もう知っている。創造神黒鐵様である一真様のメールが来たからな」

通話相手に迅が言ったのは、かつては息子だったのに今では部下でもある一真の事だった。本来ならば、人間の世界で作られた通信機器を魔界で使用する事は不可能である。だが、大戦時は魔界へ潜入する事もあった為か、生命線である連絡手段=通信手段の確保は必須となり、様々な手段が講じられた。時代の移り変わりと共にその方法は変化し、今は携帯電話の中に特殊な魔力チップを入れ、その波動を周波数化して飛ばし、異なる世界とも連絡を取れるようにしたのが勇者の一族での連絡方法。今使っている迅が持っているのは、本体である織斑一真と合流した後に創られたケータイでどんな異世界や月中基地支部にも通信可能な蒼い翼製のオリジナルモノだ。

「別に心配する事はないだろうに、今回の事やまた何かあったとしても簡単に解決してくれるって。何しろ全てを創った今代創造神様だからな、そんなに心配はしてないぜ。何たって俺とお前との関係もだが直に分かってくるだろうし、お前の眼の届く場所に行かせたようなもんだからな。ま、父親は俺じゃなくて一真様だし、電話切った後はちゃんと報告するさ」

魔界で活動中の迅はまだしばらくかかりそうな様子であった。

「やはり『彼女』とは連絡が取れなかった。あのウィルベルトが死んだんだ。いざという時に落ち合う場所にも来なかったから、心配していたんだが・・・・恐らく今の魔王に変わった所為だろう。狙われないように身を隠したんだと思うしな・・・・俺の方も、こっちで深く潜ってみるつもりさ。ここに来る前に一真様から神の加護を貰っているからな、澪の件もあるだろうしこっちでの仕事も意外と多そうだ。電話切ったらちゃんと定時報告として一真様にメールで送るつもりだからな」

そして電話を切った後に、一真が護衛者を近くに置いたお陰で電話している間邪魔者である魔族を抹殺した。迅が一真にメールで送ったら歩き出したので、護衛者が一歩後ろから付いて来る。その顔は半分戦闘狂ではあるが、護衛の者のお陰で余計な事をしないで済んだ。一方人間界では一人の槍使いが魔族を倒していた。

「なぜ・・・・貴様らがこんなところに」

最後に言う言葉がそれだったので、槍に宿る白虎に喰われて死んだ魔族だったが後ろには小柄な娘がいたのだった。

「魔王の娘・・・・成瀬澪に謎の剣術使いか。どういう奴なのかは不明だが、柚希と慣れ親しんでいるというのも聞いてないな。もしあの刃更に関係する人物なら、柚希一人に任せておく訳にはいかんな。勇者の一族の名にかけて、俺達で早急に『処理』する。必要なら謎の兄妹もだ」

と何か知らないキャラが出てきたがこれは、原作にあったモノではないな。それに風の精霊から聞いた情報によると、二人とも勇者の一族のようだしもしかして柚希の妹である野中胡桃と槍使いの早瀬高志という者かもしれんな。まあこっちとしてはまだバレてないので問題なく動けるが、コイツらが俺の正体を聞いたらどんな反応するか楽しみだぜ。あとはグレンデル達がはぐれ悪魔を喰ってもまずいと言うから、俺らがいた世界にいた悪魔または人間の味を凝縮したもんでも開発しようと思った俺であった。 
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