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ハイスクールD×D~舞い踊りし剣舞姫~

作者:レゾナ
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第十五話

俺、兵藤一誠は机に座りながら今か今かとその時が来るのを待ち構えていた。

もう少しだ……もう少しの辛抱だ……!

「さて、それじゃ今日はもう終わりにしようか。待ちきれない者もいるようだしな……明日からは、夏休みだ」

そう、この学校は明日から夏休みなのであるっ!夏休みという事は……つまり!休みが多く取れるという事なのだ!

「それじゃ、気をつけるようにな。夏休みだからって羽目を外しすぎるなよ?」

そう言ってルビアは教室を出て行った。

「夏休みじゃーーーーーっ!!!」

俺はルビアが出て行ったのを確認した瞬間、席から立ち上がり勢いよくそう言い放つ。

「「「「「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」」」」」

そんな俺の勢いが他の男子に伝染したのか次々と男子達は雄叫びを上げる。

「確かに、明日から休みがたくさんあるもんね」

「うんうん、何する?」

女子達も雄叫びこそ上げないものの、夏休みになるのが嬉しいらしく皆で談笑しあっている。

「イッセー君、本当楽しそうだね」

「そうだな。かくいう私も楽しみだしな」

そんな俺に話しかけてきたのはゼノヴィアとヴァ()()()だ。

ヴァーリは駒王学園の制服を着ている。

これらの事からもわかるかもしれないが……ヴァーリは駒王学園に編入する事になった。

当然といわんばかりにヴァーリは俺の家に住む事になっている。

ゼノヴィアも俺の家に住んでいるし……中々にすごいよな、俺の家。

だって、貴族であるクレアにリンスレット、エリスに王族であるフィリア。精霊の中でも上位に位置するエストとレスティア、聖女であるアーシアに聖剣使いのゼノヴィア、それでいて今度は堕天使陣営兼悪魔であるヴァーリ。

三大勢力のそれぞれの重要人物達がいるな。

まあ、純粋な悪魔はまだいないんだけど。

「イッセーさん、遊ぶのもいいですけど、勉強もしないといけませんよ?」

「ああ、わかってるよ。宿題もしないといけないもんな」

「それを言わないでくれイッセー……」

俺が宿題もしないといけないと言うとゼノヴィアは目に見えて落ち込んだ。

「あ、あはは……」

ヴァーリは苦笑気味だ。

まあ、それも仕方ない事だろう。ゼノヴィアは日本に来て日が浅い。数学などはまだ怪しいがまだ大丈夫だ。

しかし現代文などはからっきしなのだ。

それに比べて……。

俺はそう考えてヴァーリを見つめる。

「?どうしたの、イッセー君?」

「いや、ヴァーリは普通に馴染めてるなって思ってな……」

「ああ、そういうこと?結構前から日本には興味……というか、会ってみたい人がいてね」

「会ってみたい人?」

「うん、小さい頃に会った女の子なんだけど……日本人みたいな名前だったから日本人かなぁって」

日本人みたいな名前?

「その名前は覚えてるのか?」

「えぇっとね……確か「神人(かみと)」って名前だったかな?女の子なのに男の子の名前だったから結構印象残ってるんだ」

「っ!?げほっ、ごほっ!」

「ど、どうしたのイッセー君?」

俺は思わず咳き込んでしまう。

だって、それ……俺が()()してた時に使ってた名前じゃねぇか!

というか、俺……ヴァーリと会ってたのか?

全然記憶がないんだが……。

『ドライグドライグドライグドライグドライグ!』

『ああ、もうっ!わかったから!いい加減にしてくれ、アルビオン!』

と、俺の中でドライグとアルビオンが何やら談笑している。

というのも、アルビオンの意識だけをこちら……つまりは俺の中に移動させる事で二体共面と向かって会話が出来るようになったのだ。

「なあ、ドライグ?」

『ん?何だ、相棒?』

「俺、ヴァーリと小さい頃に出会ってたのか?」

俺は小さい声でドライグに問いかける。

『うぅむ……俺が目覚めたのはネペンテス・ロアだったか?あの黒い禍々しい気しか持っていなかった魔王の後継者と戦った時だからな……それより以前の事はわからない。アルビオンはどうだ?』

『私、結構前から目覚めてたからその神人っていう女の子とヴァーリが出会ってたのは知ってたけど……何でそれを君が聞くの?』

「あ、えっと……」

どうしよう、それは俺だと言いたいけど……俺の黒歴史のような物を他の人間に言うのは憚られる……!

『アルビオンよ、相棒はな。以前神人という偽名を使って人助けをしていたのだ。その時に何故かは知らんが女装をしていたらしい』

『えぇぇぇぇぇ!!!!???ドライグの相棒くんって変態さんだったの!?』

『そうだな……女装してたのは事実だし、否定はしきれんな』

「おい、ちょっと待て。俺が女装を自分の意志でやってたとか思ってるんじゃないだろうな?」

あれは俺の意志ではない。決して俺の意志ではない。

「あれはレスティアにやらされたんだ、無理やりな!」

俺は頭を掻き毟りながらそう叫ぶ。

「い、イッセー君、どうしたの?いきなり頭を掻き毟って……」

「い、いや何でもない……あはは……」

今の俺の行動は世間一般からしたら変な人の行動だもんな。

それで……。

「………………………………」

さっきから、神名が俺の事をめっちゃ睨んできてんだけどさ。

まあ、正直に言うと全然怖くなんかないんだけど……さすがにうざったいんだけど。

と、そんな事を考えていたら神名の奴、立ち上がってどっかに行きやがった。

何だったんだ……?

「ああ、イッセー君。よかった、まだいたんですね」

と、神名と入れ違いみたいな感じでソーナ会長がやってきた。

「会長?どうかしたんですか?」

「いえ、一学期最後の日なのですが……その、生徒会を手伝ってはもらえませんか?」

「なんだ、そんな事ですか。構いませんよ、会長にはヴァーリの件とかでもお世話になってますし」

そう、実はヴァーリの編入の件にはサーゼクスさんと会長が一枚噛んでいる。

というのも、ヴァーリが編入するという事にリアス先輩は猛反対したのだ。

曰く「テロリストを学校に編入させるなんて、おかしいわ!」だそうな。

まあ、サーゼクスさんが説得して渋々といった感じだったけど。

「よかったです……人員が足りなかったものですから。それでは、急いで生徒会室に来てください。エリスさん達も既に来ていますから」

「エリス達?達って事はクレアとかもいってるんですか?」

何でそんなに大所帯?

「来ればわかりますよ……来れば、ね?」

そう言って意味深な笑みを浮かべた後、会長は教室を出て行った。

「じゃあ、行ってみるか」

「ああ」

「うん」

「はいっ」

俺たちは生徒会室に向かうことになった。 
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