鎧虫戦記-バグレイダース-
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第23話 世の中大事なのはタイミング
前書き
どうも蛹です。
この話はプロフィール発表のその後です。
私はこれを書くために病院を退室させて頂きました。
彼らのその後とは!? 楽しみですねぇww(ニヤニヤ)
それでは第23話、始まります!!
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
豪は何やら落ち着きのないように見えた。
「どうしたんですか?豪さん。急にソワソワして――――――――――」
ガバッ!!
雨はそう言った後、豪に口を押さえられた。
「もごもご!もごご!?(何するんですか!ま、まさかこんなところで!?)」
雨はものすごいことを想定したが、すぐに
豪の目線が別の方向を向いていることに気付いた。
「アイツら‥‥‥‥‥‥‥」
豪がそうつぶやいたのを雨は聞いていた。
「‥‥‥‥‥‥あそこよく見て見ろ」
豪に言われて雨は部屋の入り口が少し開いていることに気付いた。
「オイ、お前ら!!」
豪は扉の向こうにいる奴に向かって叫んだ。
「そこ動くなよ‥‥‥‥‥!!」
そう言うとすぐ、豪は入り口に早足で向かった。
ガラッ!
豪は大きく入り口のドアを勢いよく開いた。
そこにはマリーとホークアイとアスラがしゃがんでいた。
「やっぱりお前らか‥‥‥‥‥‥‥‥また覗いてやがったな!!」
豪は大声で3人を怒鳴り上げた。
「‥‥‥‥‥うぅ‥‥‥‥‥グスッ‥‥‥‥ごめんなさぁい‥‥‥‥‥」
マリーはそう言った瞬間、すすり泣き始めた。
「待ってくれよ豪さん!今度は覗いてたんじゃないんだよ!」
ホークアイはマリーの肩を持って言った。
「そうなんだ!蛹さんが2人の気を引いている間に部屋に入って
2人にサプライズをしようとしただけなんだよ!!」
アスラも少し胸を押さえながら言った。
「グスッ‥‥‥‥豪さんたちの話を聞いてたらやっぱりどうしようかなって思ったの。
せっかく2人っきりだから‥‥‥‥このまま戻るかどうするかって‥‥‥‥‥‥‥‥‥
それを3人で話してたらバレちゃって‥‥‥‥それで‥‥‥‥‥ごめんなさい‥‥‥‥
2人の邪魔したくなくて‥‥‥それで‥‥‥‥‥‥‥‥‥それで‥‥‥‥‥‥グスッ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
マリーはそう言うとまた泣き始めた。
「‥‥‥‥‥‥‥そうか」
豪はさっきの自分の行動を後悔していた。彼は頭をかきながら謝った。
「さっきはごめんな、お前らの理由も聞かずにいきなり怒って‥‥‥‥‥‥‥」
すると、豪の隣を抜けて雨がマリーの前にしゃがみこんだ。
「マリーさん、ありがとうございます」
ギュッ
そして、雨はマリーを強く抱きしめた。
「その心だけで私は十分嬉しいです」
雨はマリーを抱きしめたまま言った。
「俺もホントにごめんな」
豪は笑顔でマリーの頭を撫でた。
「私も雰囲気壊しちゃってごめんね」
マリーは雨に抱きついたまま謝った。
2人はそれを聞いて笑顔になった。
「あの‥‥‥‥‥‥‥‥」
雨と豪は声の方向に顔を向けた。
「オレたちは‥‥‥‥‥‥‥‥‥?」
アスラとホークアイが物欲しそうに見ていた。
「‥‥‥‥‥‥‥ったく」
「しょうがないですね」
豪はため息まじりに、雨は少し嬉しそうに言った。
「これで我慢しろ」
ワシャワシャワシャ
豪は二人の頭を笑顔でなでた。
「じゃあ私は‥‥‥‥‥」
きゅッ むにゅっ
2人を軽く抱きしめた。雨の大きな胸が二人の身体に当たっていた。
アスラは顔を真っ赤にした。ホークアイは顔が少しニヤけていた。
むにむにっ
ホークアイは自分に当たっている胸をワシ掴みして揉んだ。
「こ、これ以上はダメですッ!!」
ドンッ!
雨はホークアイを軽く突き飛ばした。
そのまま壁にもたれかかったホークアイは物足りなさそうな顔をしていた。
「もう、ダメですよ‥‥‥‥‥‥‥って、アスラさん!?」
アスラは顔を真っ赤にして気絶していた。
**********
アスラは豪たちの病室にある空きのベットに寝かせられた。
「きっと、雨ちゃんのおっぱいでコーフンしちゃったんだね」
マリーはアスラの頭をなでながら言った。
「亀裂骨折がこれ以上ひどくなってなければいいですけど‥‥‥‥‥」
雨も心配そうにアスラを見守っていた。
「カワイイ子2人に見守られてるなんて、うらやましい限りだぜ」
ホークアイはアスラをその光景を見ながらつぶやいた。
「だって、アスラが心配なんだもん」
「私のせいでなったことですし‥‥‥‥‥」
マリーと雨はアスラを見ながら言った。
「何でオレはいっつも元気なのかねぇ‥‥‥‥‥‥」
ホークアイは自らの強運に対し、どう反応すればいいか分からなくなっていた。
「‥‥‥‥‥ん、何でオレ寝てんだっけ?」
アスラが目を覚ましたようだ。
「アスラは雨ちゃんのおっぱいにコーフンして気絶しちゃったの」
マリーはこれ以上ないくらい分かりやすい説明をした。
「そっか‥‥‥‥‥‥オレホントにダメなんだよな、ああいうの‥‥‥‥‥‥」
アスラはまた顔を真っ赤にして言った。
「もう一回雨さんの笑顔が見れたらそれで十分だったんだよ」
「そうか?オレは雨さんの胸が揉めて嬉しかったぜww」
ホークアイはその会話に割り込んで、自分の感想を述べた。
雨は顔を真っ赤にして、これ以上ホークアイが感想を言えないようにした。
「そ、それよりアスラさん!骨折はひどくなってませんか?」
アスラは自分の胸を軽くさすった。
「‥‥‥‥‥‥別に大丈夫そうですけど」
アスラがそう言ったのを聞いて雨は笑顔になった。
「良かった‥‥‥‥‥私のせいでひどくなってたらどうしようかと‥‥‥‥‥‥」
目の前で雨の笑顔を見てアスラは瞬時に思った。
『これが‥‥‥‥‥‥大人の女の人の笑顔か』
マリーの純粋な笑顔とも違う、照れのようなものが混ざった
雨の笑顔をまじまじと見たのは初めてだったアスラは少し顔を赤くした。
「どうしたんですか?」
雨はアスラが顔を赤くしたのを見て、訊いてきた。
「‥‥‥‥いや‥‥‥‥大人の人の笑顔って綺麗だなって思って‥‥‥‥‥‥‥」
アスラは照れ隠しをしながらつぶやいた。
「そ‥‥‥‥そんなことないと思いますけど‥‥‥‥‥‥‥」
雨も顔を赤くして照れた。
「アスラ、人の嫁さんパクんなよww」
ホークアイはニヤケながら言った。
「ま、まだお嫁さんなんかじゃありませんよ!!」
雨は顔を真っ赤にして反対した。
「でも、いつかそうなるだろww」
ホークアイはディーンみたいな口調でこの状況を楽しんでいた。
「アスラのお嫁さんは私がなるのーーーーーーーーーーッ!!」
マリーはアスラに抱きついて大声で叫んだ。
「え、いや、別にアスラさんを盗ろうとしたわけじゃ‥‥‥‥‥」
雨は必死にマリーに弁解した。
「ちょっ、マリちゃん、折れる折れる折れる‥‥‥‥‥」
アスラは苦しそうな顔で言い続けた。
しかし、マリーには聞こえていないようだ。
病室内はどんどん騒がしくなっていった。
「みんな、落ち着け」
豪がそうつぶやいた瞬間、全員の声がピタリと止んだ。
「静かにしてろ。お前らが見たがってたモンを見せてやるから」
豪はそう言うと、ポケットから小さな箱を取り出した。
「‥‥‥‥‥‥‥‥雨」
「‥‥‥‥‥‥‥はい」
雨は名前を呼ばれて返事をした。
「俺がここでみんなと話していられるのも
お前が全力で俺を助けてくれたからだ‥‥‥‥‥‥‥」
豪は少し顔をそらして箱を雨の前に出した。
「結婚してくれ。そして、俺をこれからも支えてくれないか」
豪はプロポーズを言い終えると同時に箱を開いた。
雨はその中の物を見て、涙を流しながら返事をした。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥はい」
そう言うと雨は笑ったまま泣き始めた。
「オイオイ、泣くんじゃねぇよ‥‥‥‥‥」
「だって‥‥‥‥‥嬉しかったから‥‥‥‥‥‥」
雨は豪が渡した箱の中から花で出来た指輪を取り出した。
「小さい頃、これでプロポーズしてって言ったのまだ覚えてたんだ‥‥‥‥‥‥」
「忘れるわけねぇだろ‥‥‥‥‥‥‥‥約束だからな」
そう言うと二人は涙を流しながら、ゆっくりと抱き合った。
ガラッ
「アスラ~ッ、マリ~ッ、ホークアイ~ッ、ケーキの準備ができ‥‥‥‥ってあれ?」
笑顔でドアを開き入った迅の視界に入ったのは、感動の場面と
それを見て泣いているアスラ、マリー、ホークアイだった。
「‥‥‥‥‥‥‥‥リオにはだまっとこ」
迅はあえて調理室に戻らず、二人の幸せそうな顔を眺めていた。
後書き
迅さんひどいですね‥‥‥‥‥‥
たまにありますよね。自分だけその場に居なくて見れないってヤツ。
やはり“世の中大事なのはタイミング”ですね。
次の話では、二人の結婚式を開くことになったアスラたちは全力で祝います!!
次回 第24話 マリーはmarryって意味で付けたわけじゃない 楽しみに!
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