SAO:孤独の剣聖
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八話
前書き
全話見直したけどヒースクリフさん擦り寄ってくるシーン多すぎ…
そして今回は文字が多い…
25層を突破し、約半年経ちもうすぐ現実世界ではクリスマスの季節である。
ソードアートオンラインの世界でも季節をあわせているのか今いる最前線の49層の街ミュージェンでも雪が降っている。
この半年で俺のレベルも67まで上がっていた。
あれから血盟騎士団は”聖騎士ヒースクリフ””閃光のアスナ”そして俺”傾国のジン”を筆頭にギルド最強の名を不動にし最初のころは十数人だった中規模ギルドから、今では数十人単位の大規模ギルドとなっていた。
初期メンバーもかなり少なくなり残ったものは幹部の数人といったところだろう。
ギルドの方針はあの時と変わっていない、結局アスナが週5日を押し切りそれが普通になってしまった。
しかし、そのおかげで攻略が順調に進んでいるのは間違いないだろう。
そういう意味ではアスナが参謀長でよかったと思う。
俺個人としては決闘を申し込まれることが多かった時期がある、なんでも25階層の活躍が”10分間の奇跡”などという伝説じみた広がり方をしたせいで一度手合わせをしてみたい等という輩がでたせいだ。
団長の方にはそういった決闘が全くいかないのになぜ俺だけなのかと挑戦してきたプレイヤーの一人に聞いたところ、副団長は暇そうだから。という答えが返ってきた
それ以来俺は一切決闘を受諾しなかった。
ほかにも最近クラインと迷宮区の最前線で鉢合わせた。まだボス攻略には参加できないがクラインは風林火山というギルドのリーダーとしてこの最前線まで上がってきたのだ。クラインはあの時の約束を果たしたぜと野武士面で笑って見せた。
そういえばいつの間にか見たこともないスキルが追加されていたこともあったな。
さまざまなことがあったが俺の中で一番気がかりなのはキリトだ。
25層突破の1カ月後、キリトはふらっと前線に復帰したかと思えば何かに取り憑かれたかのように迷宮区攻略とボス攻略をするようになっていた。
俺が気づいたことはキリトのアイコンにあったはずのギルドマークがなくなったことだった。
(少し調べてみるか…)
50階層手前であまり不安材料を残したくない俺は鼠ととコンタクトを図ることにした。
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12月24日午後11時30分、俺はキリトが来るであろう場所で待ち伏せていた。
転移の光が現れた。
そこから出てきたのは予想通りキリトだった。
「よう、キリト。」
俺の呼びかけに少し驚いた顔を見せる。
「なんでここに?」
キリトが当然の疑問を投げかけてくる。
俺も当然のように答える。
「ちょっとレアアイテムを取りにな。」
その言葉にキリトは俺を睨みつけ剣に手を伸ばそうとする。
「いくらジンでも今回のアイテムは譲れない…」
どうやら俺を倒してでも今回のアイテムがほしいようだ。
(そうまでして噂される蘇生アイテムが欲しいのか。でもな…)
俺はキリトを同情…いや悲しみの目で見ているといくつかの転移してくる光が見える。
現れた人物たちは俺とキリトの顔見知りのクラインと、クラインがリーダーを務める風林火山のメンバーだった。
「尾けてたのか。」
「まあな、追跡スキルの達人がいるんでな。キリト、オレはなオメェの戦闘能力とゲーム勘はヒースクリフやジン以上だと思ってんだ。そんなやつをこんなとこで死なせるもんかよ。オレらと合同パーティを組め蘇生アイテムはドロップさせたやつのもの、それで文句ねぇだろ!」
「それじゃあ意味がないんだよ…」
キリトが剣を向けるか向けないかで悩んでいるときまた転移してくるときの光が現れ、そこから出てきたのは聖竜連合の面々だった。
(俺一人でやつらを相手にしてキリトをクラインに任せるか?)
俺が悩んでいると
「行けキリト、ここはオレらで食い止める!ぜってぇ生きてボスを倒して帰ってこい!」
クラインがそういうとキリトはそのままついさっき新しく現れたワープゾーンに入っていく。
「ジン、キリトを頼んでいいか?」
「別にかまわねぇけど、お前らだけで大丈夫か?」
「任せとけって、それよりキリトを頼む。」
「ああ、任せとけ。」
そう言い残し俺はキリトを追ってワープゾーンに入る。
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「キリト!」
ワープゾーンから出るとキリトはすでにクリスマスボス背教者ニコラスと戦闘中だった。
(あれは?)
キリトは剣を2つつかっていた。
(あいつもユニークスキルホルダーだったのか。)
これでユニークスキルホルダーはヒースクリフ、キリト、俺の3人となったわけだ。
「言いたいことはいろいろあるが、今は全力でてめぇを倒す。」
背教者ニコラス対俺とキリトの戦闘が始まる。
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背教者ニコラスとの戦いは防御を一切考えていないキリトが2つの剣を止まることなく振るい続けた俺はキリトに向かう攻撃を剣でいなし向きを変えることで直撃を回避させることに専念した。
キリトの戦い方は見ていて気持ちのいいものではなく、まるで死んでも構わない、そんな意志を感じられるものだった。
背教者ニコラスのHPはみるみる減り、ものの数十分で数ドットまで削られている。
しかし直撃を回避させても若干のダメージを蓄積させたキリトのHPゲージも赤の危険域に突入していた。
キリトが背教者ニコラスのHPを削りきる寸前背教者ニコラスも最後のあがきなのか武器を持っていない方の腕をふるおうとしている
(これはいなしきれない…なら!)
俺は自身の体を盾とし背教者ニコラスの最後になるであろう攻撃を受け止めた
「はぁあああ!」
キリトの雄叫びと共にキリトのソードスキルが発動し背教者ニコラスのHPを削り取った
パーン
ポリゴンの砕ける音とともに、キリトがアイテムドロップを受け取り蘇生アイテムを取りだすのを見て俺はあることを思う。
(たぶんそれは蘇生アイテムとして重大な欠点があるんだろう…)
俺は蘇生アイテムには欠点があると薄々気づいていた、このゲームの製作者茅場晶彦が無条件でだれか一人生き返らせることができるなんて温い仕様を作るとは思っていないからだ、そんな設定があるならHPが0になったら死ぬなどと始まりの街では言わないし、最初に見せられた脱落者のニュースも嘘ということになってしまうだろう。そうなるといろいろな矛盾が生まれてしまう、それよりは蘇生アイテム自体が何かの制限があると考えた方がしっくりくる。
(おおよそ効力はナーブギアが脳を焼く数秒前の時間なら蘇生できるか、一度HPが0になっても自動で回復するかってところだろう…)
キリトは蘇生アイテムの効力を読み終えたらしく顔を真っ青にし膝から崩れ落ち、そして…
「うあぁぁ……うわああああああああああああああああ!!!」
叫んだ。その叫びは何に対しての叫びなのか…この世界を呪ってなのか、自分の無力さ故になのか俺にはついぞわからなかった
しばらくするとキリトは立ち上がり先ほど通ったワープゾーンをくぐって帰っていく。俺もそれに続きワープゾーンをくぐった
キリトは先ほどの蘇生アイテムをクライン渡して
「それが蘇生アイテムをだ。過去に死んだやつには使えなかった。次にお前の目の前で死んだやつに使ってやってくれ。」
と言い出口に向かう。
クラインがキリトの袖を握りキリトに言う。
「オメェは生きろ、最後まで生きろよぉぉ」
涙ながらに、何度もそう言う。
「キリト。」
俺もキリトを呼び止める。
「俺はさ死んだやつの分まで生きろなんて言いたくない、むしろそんなことはして欲しいと思っていない。でもな死んだやつのために今生きてるやつができることっていうのはそいつのことを忘れずにいながらそいつのことを気にせず生きるってことだと俺は思う。お前が蘇生させようとしたやつは何を考えてたと思う?お前に何を願ったと思う?もう一度だけ考えてみてくれ。」
柄にもなく俺はキリトに説いてみたが。
「…じゃあな。」
キリトはそう告げると去って行った。
(だめだったか…)
俺がそう思っていると。
「ジン…このアイテムよぉ「クラインお前がもらってくれ。」え?」
「キリトの言った通りお前の目の前で死んでしまった人のために使ってやれ。俺には必要のなさそうなアイテムだしな」
(俺も攻略を休みすぎたな……さてどうするか。)
キリトのこと、これからの自分のことさまざまなことを考えながら俺は50層のアルゲードへと転移した。
後書き
無条件でキリトにボスドロップが入ったのはジンが一度も背教者ニコラスに攻撃をしなかったからと考えてください
かなりの矛盾があるかもしれないけど文章を全然推敲しないせいなので致し方ないとおもっていただけると…
感想などで指摘していただけると考え直してみたりしようと思っています。
ジンが話の途中で言っていた矛盾というのは仮にニュースが嘘でHPが0になっても死なないというならなぜ今なお現実世界から救済が入ってこないのかということになるからです
助けが来ないことこそが最初の説明を証明していると考えていたからということにしてください
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