| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法少女リリカルなのは 世界を渡りあるく者

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四章 完成 自分達の部隊 〜ミッドチルダ レリック事件〜
  最終回 見えてきた黒幕

「すぅ...すぅ...」

今日は午前中でフォワード部隊の訓練第二段階が終わる予定なので午後の半日が全員待機というなの半ば休暇である

なので、あまりやることがないと考え頼まれていた仕事やらなんやらを前日までに片付けておくことを条件に丸一日休暇をもらえた。まあ本部の中にいることが条件ではあるが

というわけで絶賛お寝んね中でございます

ここ最近まともに睡眠が取れていなかったので俺はこの機会にゆっくり体を休ませることにした

同時にアルティメイタムもここ最近データ領域のメンテナンスというか整理を行っていなかった為、完全休止状態で整理を行っている





つまりこの日、起動六課の最大戦力はお休み中ということだ。呑気とか言わない。疲れるんだよ、人間だもの



だが、束の間の休息すら彼には許されなかった。まるで、戦いが彼を呼んでいるかの如く










[蒼炎くん!起きて!!]

「ん....どうした」

なのはからの緊急通信が入り、叩き起こされた俺はまだぼんやりしていた頭を切り替える為に頬を叩く

なんせ、一応休暇扱いの俺を叩き起こすんだ。それなりの事態ってことだろう

[レリックが見つかったの。それと一緒に女の子も]

「わかった。直ぐに指揮所に向かう」

俺はかけてあった上着を羽織り向かうが

[いや、そのままヘリポートに向かって飛び立って。最悪のケースを考えて都市防衛用意を]

「了解!」

机の上に居るアルティメイタムをとり

「起動開始」

<スタートアップ....リブート......コンプリート>

「おはよう。早速で悪いが出撃だ」

無事に起動したアルティメイタムを腕に装着し、ヘリポートに出ると

[ガジェット来ました!地下水路に数機ずつの編隊。海上方面...12機ずつが五グループ!]

やはり来た。それにしても

「多いな...。ロングアーチ、市街地航空戦闘許可を!」

[はい....許可します!]

「よし...。アルティメイタム、行くぞ!」

俺は腕を掲げ、アルティメイタムを起動させる。バリアジャケットが自動的に展開され、慣れ親しんだロングコートに似たものが構成され、右手にはもう10年も共に居た相棒...ソードモードのアルティメイタムを持ち、空へと羽ばたく

準備(スタンバイ)...完了(レディ)付与(エンチャント)...速度増加(スピードブースト)!!」

ここから現場まではかなりの距離があり、それを少しでも埋める為魔術回路を励起させ、強化と魔力放出を行い速度を上げる

管理局にかけられたリミッターがある以上普通の手段じゃどうしても遅くなる。でも魔術を使えばそれを埋めることもできる!

「飛ばすぞ、アルティメイタム!!」

<はい 高速起動モード補助...開始>

俺は本来のスピードに近い速度で空を駆ける。皆と合流する為に

「待ってろよ...!」




ーーーーーーーーーーーーーーーー

「すまない、遅れた!」

俺は空の援護ではなくヘリの援護についた。今の俺じゃ宝具でも使わない限り落とすのに時間がかかる。なら俺は後ろに回って狙撃で落とした方がいい

「大丈夫すよ蒼炎の兄貴!ありがたいっす!」

ヴァイスがヘリの中から叫ぶ。それに続き

「蒼炎くん!大丈夫なの?」

「ええ。シャマルさんは女の子を看ててあげてください。外は俺に」

「わかったわ」

シャマルさんも声をかけてくれる。俺はそれに応えて周りを見る

そこにまた悪い知らせが

[え...うそ!この数!!]

「増援か!?」

ロングアーチから戸惑いの声が聞こえる。それと同時に

[幻影と実機の混合編隊?]

[防衛ライン割られない自信はあるけどちょっときりがないね]

フェイトとなのはの会話も聞こえてきた

「幻影...なら俺がいけば!」

[でも蒼炎くんはヘリの援護を!]

「ならなのはとフェイト、変わってくれ!俺が行けば実機だけを落とせる!」

本当に幻影が混じってるなら俺が出れば直ぐに解決する。俺が認識できるやつとレーダー反応を照らし合わせれば全員対応もできる

[でも、今の蒼炎じゃこの数は難しいよ。だったら私が限定解除して広範囲殲滅を]

フェイトの言葉に聞き捨てならない言葉が入っていた。限定解除ーーそれは六課の最後の手段だ

副隊長以上にかけられているリミッター、それを一時的に解除する

だが、それには回数制限がある。つまりここぞという時にしか使えない

それを、ここで...?

メリットとデメリットを天秤にかける





「前線指揮官としては、その案を却下したい。でも、これは俺一人で判断すべきじゃないな」

俺には判断が下せなかった。正直、リミットリリースをここで使いたくはない。しかも、隊長陣は前線にでる機会も多い。今後、使うかもしれないのに...

[それについては同意や。だから、私が限定解除する。三人はヘリの護衛を!]

「はあ!?おま...いや」

はやてから通信がはいる。しかも騎士甲冑を着て。その内容は驚愕するに値するものだ

だが、よく考えれば最善でなくとも次善の策ではあるように見える。.....うん

「わかった、俺はヘリの防衛に徹する。頼むぞ部隊長!」

[了解や!]

通信を切り周辺警戒に戻る。それにしてもなにか、なにか嫌な予感がする。みんな無事で居てくれよ

それから暫くして、通信が入った

[こちらロングアーチ。ロングアーチから空戦中の全部隊員へ。ロングアーチゼロによる広範囲殲滅魔法の着弾範囲から離脱してください!予測データ送ります!!]

アルティメイタムにもデータが送られるが俺には関係ないだろう。そして、範囲魔法が撃たれた

ここからでも見える、白の極光。範囲が馬鹿にならない程の大きさだ

あれほどの物を遠くまで飛ばすのは俺にはできない芸当だ

それを先ずは五つ、それらは全て敵編隊の中心で炸裂し飲み込む

やっぱりはやては凄い。っと、見惚れてる場合じゃないな、俺には俺の仕事がある
















それから、何発撃たれただろうか。それでもまだ敵は残っている。ヘリもまだ六課本部に着いてない。くそ、何もできない自分が恨めしい!

それに、嫌な予感が消えない。額に汗が滲んでる

「まだなのか...!」

[幻影パターン、解析進んでます!もう少しです!]

やっとか!くそ、ここから肉眼で見えればわかるんだが...!

「がんばってくれはやて!」

[まだまだいけるで!]

その声から疲労しているのがわかる。俺は歯を噛みしめる

そうしていると、俺のよく知る魔力反応を感知した

「なのは、フェイト!」

頼もしい援軍がきたな。っても、大丈夫だろうが!?

俺の身体を青い線が突き抜けている。俺のよく知る感覚、未来視の自動発動

「こっちにくるな!なにかに狙われている!!」

俺はなのはとフェイトの方に向けて叫ぶが構わずこっちに来る。くそ!念話を使ってる余裕はない!

それから一歩遅れて、魔力の波動を感じた。これは、物理攻撃か!

アルティメイタムを待機状態にもどして

「全準備ーー完了!複製(コピー)!!」

まずい。これは俺の魔法じゃ防ぎきれない。なら、外から持ってくればいいだけだ(・・・・・・・・・・・・・・)

線が赤色に変わった。くる!!

俺は魔術回路をフル稼働させ、作られた魔力を右手に集中させる

入手(ゲット)!!」

呼び出すのは古代の英霊がもつ、最強の守り。誰にも砕くことの出来ないその真名は...

目の前をオレンジ色で染まる。俺は臆することなく右手を前に突き出し

熾天覆う七つの円環(ローアイアス)!!!」

展開されるは七つの花弁を模様す宝具、絶対の守りを司る古来の盾

花弁が割れる.....一枚、二枚

だが、三枚目を割るには至らない!

ヘリの周囲を煙が覆う。その間に

「前線指揮官権限において、高町なのはとフェイト・T・ハラオウンの限定解除を許可。タイムは30分!」

新たに現れた敵を捕まえるには、これが一番手っ取り早い!

あの二人なら気づいてくれるはずだ、それと

「こちらBC01、ヘリの防衛に成功。両方無事だ!」

その声にロングアーチだけでなくフォワード部隊も歓喜する。俺もアイアスを消して一息ついた

「へぇ。ヘビィバレルを軽々凌ぐなんて流石だね」

ガキン!!

俺はアルティメイタムを高速展開し、後方から来た攻撃を防御する

未来視を発動してなければ気づかなかった...危ない

「なんで両目が金色に...?希少能力かな??でも僕は持ってないし...」

俺の後ろに居たのは腕に剣を装着している、フードをかぶったやつだった

声と背丈からしてエリオとそう変わらない歳か

「何者だ!」

俺の背後をとったことから強敵ってことだけはわかる。子供だからって油断はできない

「うーん、声でわからない?ってそうか。自分(・・)の声って聞かないもんね」

そう言って、フードを外すと

「んな...。お前、その顔....」

そこには

「はやて!!!限定解除許可をくれええええええ」

「遅いよ」

幼い日の俺が居た

高速で突き出される剣。それを俺は未来視を頼りに捌き続ける。恐らくこいつの正体は

「俺のクローンか!」

「正解!!流石は僕だ!」

笑いながら突いてくる。突く、突く、突く。それら全てを捌くが今の俺には限界がある。けれど

[部隊長権限で遠藤蒼炎のSランクまでの限定解除を許可します。時間は15分!]

「エクストリームドライブ!!」

「くう!!この魔力量は...」

それは、リミッター付きでの話。それが消えれば体が成熟している俺に負ける要素は無い!

「どういうつもりかは知らないが、捕まえて色々と教えてもらうぞ!」

<ソードモードセカンド スタンバイ>

大剣とかしたアルティメイタムを構えると向こうも構え今度は突きだけでなく斬るという動作も入って来たが、向こうの剣は細く、こちらは大剣。まともに打ち合えばどうなるかは分かり切っている。次第に向こうは攻撃よりもよけることに専念し出し

「確かに今の僕じゃあ勝ち目は無いかな。と言うわけで逃げさせてもらうよ。今度はもっとやろうね」

「逃がすかよ!」

逃走しようとする。それを俺は追いかけるが

「残念、お荷物が無ければ僕を捕まえられたけど、ね!」

相手からヘリに向かって砲撃か放たれる。それは俺の使うディバインバスター・ブリザードに似ていた。いやそのものだった

「くそ!」

俺はそれを切り裂くと、もう敵の姿は見えなくなっていた

おそらくはショートジャンプ。俺も使えるからな

どうやら俺だけでなく、他のグループも敵を逃したらしい

「はぁ...。くそったれ」

悪態をつくと同時に限定解除の限界がきたようだ。フルドライブが強制的に止められた

再び片手剣に戻ったアルティメイタムを握りしめ、俺はヘリの護衛に戻る


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺は自室に戻ると今日の戦闘ログを見ていた

データから見るに、ヘリを砲撃してきたのは恐らく...

「戦闘機人...となればその後ろにいるのは間違いなくジェイル・スカリエッティか...」

収穫はあった。これで捜査が進む。でもそれ以上に嫌なニュースが多い

「俺のクローン...フォワード陣には辛い相手だな」

最後に戦った俺のクローン。身体能力からして、恐らく薬物投与などのドーピングはしてるだろう

まあ、それを差し引いても基本スペックはかなり高いと思う。元々俺が規格外らしいからな

正直、頭が痛くなるな。予想以上に事件解決は難しい

戦闘機人だけで荷が重いってのにガジェットとクローン

なにより目的はなんだ?ジェイル・スカリエッティは何を望んでいる?

わからない。全てがわからない

それでも...犯人の確証がつかめただけましと考えるか

これからはもっと忙しくなるな

もしかしたら、出し惜しみは出来ないかもしれない。そうならないで欲しい物だが

俺は、これからも共に戦い続けるであろうデバイスに手を乗せ

「がんばろうぜ、相棒」

<おう>

そう呟いた。自分に言い聞かせるのもあったがこれからどんどん熾烈になって行くという予感がしたからでもあった 
 

 
後書き
判明した黒幕、明かされる六課設立の目的

事件は加速する、その先にあるのは一体なにか。それは現代にいきる俺たちが知ることは出来ない

だから、今出来ることを、最善と信じて行おう

次回 第五章 過去との決別〜ミッドチルダ J・S事件〜 第一話 交差する丘と海 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧