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旧エクリプス(銀河英雄伝説編)

作者:cipher
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第06話 捕虜交換

■帝国暦458年、宇宙暦767年 4月 4日
ヤン・ウェンリー誕生。

■帝国暦458年 4月 9日
皇帝直下の帝国改革室を設置。

■帝国暦458年 4月15日
エクリプス・エレクトリック社が新型のコンピュータとOSを発売。

■帝国暦458年 6月 1日
エクリプス・バイオテクノロジー社がサイオキシン麻薬の検査装置と治療薬を発売。
エクリプス社が各有人星系(帝国と同盟)に赤十字病院を開設し、サイオキシン麻薬の無名での治療開始を発表。マスコミで賛否論議が加熱した。

■帝国暦458年 6月21日
エクリプス・バイオテクノロジー社が遺伝子治療法を確立したことを発表。

■帝国暦458年 7月11日
エクリプス・造船社が新型の客船と貨物輸送船の開発を発表。

■帝国暦458年 7月30日
エクリプス・造船社が新型の病院船の開発を発表。

■帝国暦459年 6月 1日
帝国改革室が劣悪遺伝子排除法の廃案に向けて、骨子案(こっしあん)を作成。

■帝国暦459年 8月 7日
帝国改革室が中央情報局(CIA)と国家安全保障局(NSA)の準備室を開設。

■帝国暦459年 9月11日
帝国改革室が帝国捜査局(EBI)の準備室を開設。

■帝国暦460年 4月 1日
エクリプス・エレクトリック社がアンドロイドを発売。
マスコミがセンセーショナルに報道した。

■帝国暦460年 4月10日
エクリプス・エレクトリック社がAI(人工知能)コンピュータを発売。
AI(人工知能)分野での独占する。

■帝国暦460年 6月 1日
エクリプス・バイオテクノロジー社がバイオロイドの生産とスーパーコーディネーターの育成を極秘に開始。
コーディネーターのDNAマップは、ガンダムSEEDの世界のキラ・ヤマトのDNAマップを入手済み。

■帝国暦460年 8月 1日
エクリプス・エレクトリック社が新型の戦術シミュレータを発売。

■帝国暦460年 8月 1日
エクリプス社が新型の戦艦の独自開発を発表。
エクリプス社が軍需産業にも進出した。


帝国暦460年12月18日 オーディン 新無憂宮(ノイエサンスーシ) 謁見の間

Side フリードリヒ四世

国務尚書が謁見の間に、通されてきた。

「陛下、この度はどのような要件でしょうか?」

「まずは、劣悪遺伝子排除法がどうなっているのか確認したい。」

「は、草案は出来上がっております。来年早々に公布できます。」

「それではな、劣悪遺伝子排除法を廃法に合わせて、捕虜交換を行なう旨を叛徒(はんと)どもに伝えよ。それと社会秩序維持局は廃止し、中央情報局(CIA)と国家安全保障局(NSA)、帝国捜査局(EBI)設立する。」

「まっ、待って下さい。社会秩序維持局はルドルフ大帝が作られた組織に御座います。それに捕虜交換は、如何ほどを考えているのですか?」

国務尚書は暗に反対する。

「捕虜交換からだが、全部じゃ。」

「全部ですと?」

「帝国と叛徒の抱えている捕虜全部じゃ。これは農奴も含めている。」

「農奴もですか?貴族達が反対しますぞ。」

「エクリプス・エレクトリック社がアンドロイドを発売したのを知っておろう。」

「貴族が(こぞ)って、購入しております。アンドロイドを何体持っているかが、貴族のステータスになっております。」

「それじゃ、貴族の所有している農奴を、一人につき一体と交換すると申せばどうじゃ。反対すまい。」

「確かに、それでは反対どころか賛成するに違いありませんが、予算が足りません。」

「良い、その資金は儂が出そう。その代わり交換した農奴を、ローエングラムに集める。そこで選別をする。
今帝国は、過去最大の改革を行っている。効率が悪いシステムは、見直す時なのだ。叛乱軍の捕虜となっている者達だが、何故亡命をしないのか考えたことはあるか?帝国に戻りたいからだ。家族がいる者や恋人がいる者、帝国に未練があるから亡命しないのだ。
改革をしたから分かるが、農奴と臣民の効率が全然違うのだ。これから先、不満分子を帝国に置いておく事は、帝国改革の荷物にしかならぬ。それに社会秩序維持局は、平民を弾圧してきた歴史がある。これから先、犯罪の摘発は貴族も平民も同じようにしなければならない。
其方(そち)の立場なら分かるだろう。帝国の衰退状況が、しかし改革を始めて、この2年で大分変わったとは思わないか。
帝国改革室のブレーン達に合ったか?皆して改革の草案をまとめ、今ではローエングラムの税収を8倍までにしておる。
臨時法案出す。帝国改革局を帝国宰相の直下に置く。其方に改革任せる。但し、期限は予が退位するまでだ。その後の判断は、帝国宰相に任せる事とする。」

国務尚書は、陛下が本気で改革をしようと理解した。

「はっはぁ。賜りました。」

国務尚書は頭を垂れた。

Sideout


帝国暦460年12月18日 オーディン 新無憂宮(ノイエサンスーシ) 謁見の間控え室

Side リヒャルト・フォン・グリンメルスハウゼン子爵

控え室には光輝とグリンメルスハウゼン子爵が待っていた。
そこへフリードリヒが戻って来る。

「陛下、帝国改革が現実味を帯びて来ましたね。」

光輝は暗に皇帝を褒め称えた。

「闇の左手の人員を帝国捜査局(EBI)に多数配置します。」

グリンメルスハウゼン子爵が答える。

「いやいや、全部、光輝の筋書き通りにいった。しかしバイオロイドも作っておったとは、見た目では判別出来ぬな。」

「皇室警護や闇の左手にも多数配置しております。アンドロイドのAI(人工知能)のより数段上で御座います。個性がある為、見た目は人間と区別出来ません。
それにクローン技術と遺伝子治療を合わせて、コーディネーターを育成始めました。
コーディネーターは、優秀な遺伝子を集めて人為的にDNAマップ操作さられています。育成には、20年程掛かりますが極めて優秀な、人材となります。」

「ふむ、20年後が楽しみよの。」

「真にその通りです。」

フリードリヒの意見に、グリンメルスハウゼンも賛同する。

「それとAI制御の無人艦も完成させております。これで戦闘による犠牲を少なく出来ます。当面はバイオロイド達の指揮する艦隊に配置します。」

「光輝の事だから、同盟にも同じ手段を使っておろう。」

「はい、但し同盟では、政府を信用出来ません。政治家や士官達に紛れ込ませています。同盟の政治体制では、帝国の様にドラスティックな改革が出来ません。」

「光輝も悪どいのう。」

「仮想敵国は必要です。かつての銀河連邦の様に、進取の精神を失いかねません。」

「和平でなく、休戦状態が望ましい考えています。
多種多様性が大事です。それは生物だけでなく、政治体制も同じ事だと思います。」

「光輝と話すのは楽しいのう。門閥貴族どもに、光輝の爪の垢を煎じて飲ませたいものじゃ。」

「真にその通りです。」

Sideout


■帝国暦461年 1月 7日
帝国が貴族の所有する、農奴とアンドロイドを交換する旨を発表。
貴族達は歓迎し、(こぞ)って交換に応じた。

■帝国暦461年 2月 1日
帝国が銀河帝国改革局を設置した。
帝国宰相の直下に置かれる。

■帝国暦461年 4月 1日
銀河帝国が劣悪遺伝子排除法を廃法にし、自由惑星同盟と捕虜交換する旨を発表。
同時に社会秩序維持局を廃して、代わりに帝国捜査局が設置される旨を公表した。
帝国臣民だけでなく、フェザーンと同盟にも衝撃が走った。

■帝国暦461年 5月12日
銀河帝国と自由惑星同盟の捕虜交換の予備折衝が始まる。

■帝国暦461年 8月 4日
帝国が帝国捜査局(EBI)を仮設置した。
司法省の直下に置かれ、社会秩序維持局からの移行期間を2年程度見ている。
テロ・スパイなど国家の安全保障に係る公安事件、帝国政府の汚職に係る事件、複数の星系に渡る広域事件、銀行強盗など莫大な被害額の強盗事件、貴族が関与した事件などの捜査を担当する。

■帝国暦461年 9月20日
帝国が国家安全保障局(NSA)を設置した。
軍務省の直下に置かれる。
NSAはシギント (Sigint; signal intelligence))と呼ばれる電子機器を使った情報収集活動とその分析、集積、報告を担当する。シギント活動を中心に、帝国の各情報部と連携して活動を行っていく。

■帝国暦461年11月12日
帝国が中央情報局(CIA)を設置した。
帝国宰相の直下に置かれる。
主として銀河帝国の外交政策・国防政策の決定に必要な諜報・謀略活動(ヒューミント)を行う。スパイを(よう)する情報機関である。
CIA自身が収集した情報の他に、国家安全保障局、軍務省情報本部 、各軍の情報部、財務省情報部といった帝国政府の情報機関から構成されるインテリジェンス・コミュニティーからの情報を集めて分析し、帝国宰相と軍務尚書に報告する。

■帝国暦461年12月24日
銀河帝国と自由惑星同盟の捕虜交換なる。

■帝国暦462年 6月26日
アンネローゼ・フォン・ミューゼル誕生。
 
 

 
後書き
原作まで、後25年です。
社会秩序維持局も廃止しましす。 
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