ハイスクールD×ダオス
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幼少期編1
前書き
今回は幼少期の話でイリナとの別れの話です。
私が兵藤一誠として生きる様になり5年が経ち、私は5歳となった。
私は前世で使用していた技や魔法は扱えるのだが、まだ幼い身体では扱う事が出来ずにいた。ただし、精神世界では前世の魔王ダオスの姿となる為、精神世界では前世の技を遠慮無く扱える。まあ、私は今世では戦う事はしたく無いがな。
今、私は公園で紫藤イリナという私と同じ年の女の子と遊んでいる。イリナは私の家の隣に住む、いわゆる幼なじみと言うヤツだ。イリナはやんちゃ盛りなのか、周りからは男だと思われている程だ。私は幼なじみであるイリナと何時も通りの様に遊んでいる。
「一誠君。今日は勇者ごっこして遊ぼう。私が勇者で一誠君が悪い魔王役ね。」
「・・・いいだろう。」
勇者ごっこか。イリナはこんな遊びを思い付かなければ、男に間違われはしないと思うのだが・・・
イリナが子供である以上は仕方ない。それにしても、私が魔王役か。イリナは私の前世の事を知ってる訳では無いのだろうが、正確すぎて私もさすがに驚くぞ。
『やーい。悪い魔王の役だってよぉ!相棒には適格すぎる程の適材適所だな!』
『ドライグよ。少し天国の景色が見たい様だな。』
『待て、相棒。早まるな!?』
『ダオスレーザー!』
『アイボォォーーー!!?』
ドライグが茶々を入れて来たのでお仕置きした。安心しろ、ダオスレーザーの威力は下げた。消えはしない。だが、しばらくはドライグは生死の間をさ迷うだろう。これは戦いでは無い。只の仕付けだ!
「ボッーとしてどうしたの?一誠君。もしかして、悪い魔王役はイヤなの?」
「いや、済まない。別に何でも無い。悪い魔王役だろうが引き受けてやる。」
「じゃあ、覚悟しろ!魔王イッセー!」
「来い、愚かな勇者気取りの少女イリナよ!」
「わぁ。やっぱり、一誠君って悪役が似合うね!まるで生まれながらのラスボスって感じ。」
私も転生して体どころか精神も幼くなったのか。何故だろうか、泣きたくなってきた・・・
『一番泣きたいのは俺だぜ、相棒・・・』
『思ったより復活が早いな、ドライグよ。』
『ふっ!さすがに二天龍の片割れを名乗ってはいないしな。』
『それだけ元気が有れば、私の攻撃を受けてもまだ平気だな。』
『えっ?ちょ、ちょっと待て、相棒。さすがにこれ以上、お前の攻撃を喰らうと俺の身が持たないというか、これって只の相棒の八つ当たりだよな・・・』
『タイダルウェイブ!』
『今度は水攻めかぁぁ!?レーザーを喰らうよりはマシだけど』
『インディグネイション!』
『電撃は勘弁してくれ!?水は電撃を良く通すって・・・ギャアアーーー!!?』
私の精神世界でドライグが陸に上げられた魚の様にピクピクしているがほっとく事にする。
イリナは私が精神世界でドライグを仕付けている間に、何処からか持ってきたのか木刀を両手に1本ずつ手にしている。何故か解らぬがイヤな予感がする・・・
「覚悟しろ!魔王イッセー!」
「待てイリナ!早まるな!」
『先、俺がそう言ったら容赦なくレーザーを放った相棒が良く言うな・・・』
『ドライグ。後でサイクロンを放った後にバーンストライクを放ってやろう。』
『ちょっと待て!それって思い切り、空気に熱をぶつけて爆発させる気満々じゃねえか!?』
「これで終わりだーーーー!天翔蒼破斬!!」
しまった。ドライグに構ってる間にイリナが凄い技を放ってきた。本当に5歳児なのか・・・
イリナの攻撃を受けた私は意識を失った。
しばらくして、意識を取り戻した私は起き上がると、それに気付いたイリナが涙を流しながら私に寄って来て話し出した。
「一誠君!!ご、ごめんね。私、てっきり力を入れすぎて一誠君が死んじゃったかと思ったよ・・・」
「き、気にするな。あの程度で私は死になどせん。だから大丈夫だ。」
「一誠君。それって本当?」
「本当だ。私はこうして無事なのが何よりの証拠だ。」
「うん。そうだよね。一誠君はあの程度では死なないよね。」
本当は死にかけたのだが、イリナが泣くのを見るのが耐えきれないので平気な振りをする。
『本当に大丈夫か?相棒。今にも倒れそうだが・・・』
『元はと言えばドライグ。貴様が話し掛けてこなければ、こうならなかったのだ!』
『俺のせいかよ!』
『その通りだ。喰らえ、サイクロン&バーンストライク!』
『先言ってた事を本当にやりやっがたよ、コイツ!ギャアアァァ!!?』
私はドライグが黒焦げになった事を確認するとイリナの顔を見ると、イリナは満面の笑顔で、
「じゃあ、一誠君。勇者ごっこ続けよう。ほら、魔王なんだから第2形態と最終形態が有るんだから早く!」
勇者ごっこの続行を呼び掛ける。待て、これ以上は私の命に関わるぞ・・・
『ドライグよ。目を開けろ!目を開けて、私にこの窮地を脱する方法を教えろ!だから目を開けろ、ドライグゥゥ!!?』
ドライグは目を開かない。さすがにやり過ぎたか。先のサイクロン&バーンストライクは行うタイミングを間違えたか・・・
「ねえ?どうしたの一誠君。早く第2形態になってよ?来ないならコッチから行って、ボコメキョにするからね!」
仕方ない、ヤケクソだ!絶対に無事にこの勇者ごっこを早めに終わらせてやる。
「これが私の第2の姿」
「えい!極光剣!」
「グワァァ!!?」
待て、本当に勇者ごっこなのか。これは・・・
今の攻撃は一瞬、木刀が光った様に見えたのだが・・・
私は何とか力を振り絞り、立ち上がり勇者ごっこを終わらせる事にした。
「よくぞ、ここまで私を追い詰めたな。見よ、これが私の真の姿だ!」
「よーし、これが最後の攻撃だ。これで終わりだよ、魔王イッセー!冥空斬翔剣!」
「バカな。そんなバカなーーーー!!?」
イリナよ。何故、お前がクレスの技の中でも最大の技を使えるのだ・・・
偶然なのか知らないが、名前と構えが完全に一致していたぞ。当然、威力もな・・・
だが、これでやっと、この勇者ごっこが終わった。イリナは満足したのか、満面の笑顔をしていた。
「ああ。楽しかった!勇者ごっこ楽しかったでしょ?一誠君。」
「あ、ああ。もちろんだ・・・」
言えん。私は死にかけたから楽しい訳が無いとは言えん。
イリナが私の顔を見ると、急に笑顔から悲しそうな顔をした。
「どうしたのだ?急に悲しそうな顔をするとは。私が何か悪い事でもしたのか?」
「違うんだ。実は私、2日後に引っ越すんだ。しかも、外国に・・・
もう、一誠君と遊べるのが後少しだけだと思ったら、悲しくなってきたの・・・
だから、今日は最後に一誠君と思い切り遊んでみたかったの。」
そうかイリナ。お前は引っ越す事で私と離ればなれになるのが寂しく思ったのか。だから、こんな私と最後の思い出を作る為に勇者ごっこをしたのか。
「でも何故、勇者ごっこだったのだ。他にも遊びなら有るだろうに。」
主にままごとやかくれんぼの様な平和な遊びがな・・・
「ええと、他にも有ったんだけど、勇者ごっこの方が一誠君と最後に思い切り遊ぶのに適してるかなぁと思って。他の候補はデストロイ・サッカーや爆裂鬼ごっことか、一誠君と遊んだ事が有るのばっかりだしね。」
イリナ。お前の遊びには平和なジャンルのモノは無いのか・・・
デストロイ・サッカーに爆裂鬼ごっこ。この2つも私にとっては只のトラウマにしかならない遊びだ。私が今までイリナとの遊びでどれだけ、イリナにボコメキョにされたかは数えきれない程有るぞ。死にかけたのは、今回の勇者ごっこだけでは無いという事だ。イリナこそが真の魔王だ。
正直言うと、私としては平和になるので引っ越す事になったのは嬉しいのだが、それでもイリナは幼なじみだ。例え、酷い目に会おうとも、転生して一番最初に出来た大切な友だ。
「私はイリナ。お前と幼なじみでいれた事を嬉しく思う。だから、私と離ればなれになっても私はイリナの事は決して忘れん。それにだ、二度と会えない訳では無かろう。」
「うん。そうだよね。一誠君とは二度と会えない訳では無いよね。私は外国に引っ越すけど、もし一誠君とまた会えた時はわ、わ、私とつ、つ、付き合ってください!」
イリナがこう言っているが、これはまさか・・・
「それはいわゆるプロポーズか?」
「そうだよ。私は一誠君の事が大好きなの。だって、何時も私と遊んでくれるのは一誠君だけだし。他の子達は私と一緒に遊ぶのを嫌がるんだもん。」
当たり前だ。お前との遊びは一緒に遊ぶ奴からすると命懸けだからな。私が一緒に遊んでいたのは、他の子達に被害が出ない様にする為だ。そんな自己犠牲で私が一緒に遊んでいた事は知らないだろうが、だからこそイリナが私の事を好きになるのは必然だろう。
「そうだな。もし、イリナが引っ越した後に、私とイリナが再開できた時は付き合ってやらなくも無い。」
「本当に?絶対だよ。もし、引っ越した後に私と会えた時は私と絶対に付き合ってよ。嘘は付かないでよ。約束だからね!その時に他の子と付き合っていたなら、しょうがないから、その子をボコメキョにした後に私と付き合ってもらうからね!」
後半がどう考えても滅茶苦茶だと思うのだが。私と再開できた時に私に彼女がいればボコメキョにすると言っているから、本当に危険な女だとしか思えない。本当に5歳児なのだろうな・・・
実は彼女はクレスが生まれ変わった姿では無いのかと思う時が有るぞ。
二日後、イリナは外国に引っ越した。ついでに言っとくが、この二日間は平和に生活出来なかった。イリナの父親が、家宝であるという聖剣を構えて私に襲い掛かってきたりした。
「一誠君。悪いけど娘はやらん!」
「子供相手に本気で手を出すとはな。サイクロン。」
「ギャアア!!?どこからか、竜巻が来たぁぁ!!?」
だが、イリナとは違い魔法で何とか撃退した。私はイリナには殺気が無かったから、手を出せんだけだ。イリナの父親は殺気を躊躇無く放っていたからな。こちらも遠慮せず、魔法で対処させてもらった。当然、威力は加減したので、どこか遠くに飛ばされた程度だ。イリナ(化け物)の父親だ。あの程度で死にはせん。
イリナの父親がおそらく帰宅した、その後に、
「パパのバカァッァ!一誠君に何をしようとしたのぉぉぉ!!」
と、紫藤家の家から聞こえたと同時に物凄い破壊音が聞こえたが、私は何も聞こえなかった事にした。イリナの父親は5歳の娘に半殺しにされたのだと思ったのだが、次の日になれば、また襲い掛かってきた。しかも、身体中が傷だらけだと言うのにな。言うまでも無く、大半が娘であるイリナに付けられた傷なのだろうが。
「一誠君。私は例え、イリナにボコメキョにされると分かっていても、君に娘は渡さ・・・」
「パパ。いい加減にして!魔神煉獄殺!」
「イリナぁぁぁ!!?パパはイリナの為を思って・・・」
「問答無用!」
「サラバだ一誠君。やっぱり、娘は君に渡そう。この様な鬼の様な強さの・・ぶびゃあぁぁ!!?」
イリナの父親よ。最終的に悟ったか。イリナを嫁としてくれる男は簡単にいない事をな。引っ越す日にそれを解ったか。イリナの父親がぐったりとして、ピクピクしている。私としては、治療してあげたいのだが、
「一誠君。パパは倒しておいたから平気だよ。これでゆっくりとお話できるね。パパの事は気にしなくていいよ。だって私のパパだもん。簡単に死にはしないよ。」
「あ、ああ。そうだな・・・」
イリナが気にするなと言うので、治療はしない事にした。済まない、イリナの父親よ。あなたの娘が言うから仕方ないのだ。私としては平和に過ごしたいのだ。だから済まない。イリナの父親よ・・・
イリナの父親はイリナの母親によって、トラックの荷台に置かれた。物扱いか。本当に生きているのか不安が有るぞ。私はイリナにプレゼントを用意していた。別に、イリナにサプライズしないとボコメキョにするよと言われたからでは無いぞ。本当だ・・・
「イリナ。引っ越し記念のプレゼントだ。」
「あっ!綺麗なハンカチ。ありがとう一誠君。」
良かった。何とか、イリナの好みに合った様だな。
「でも、ハンカチもいいけど。私としては竹刀とか木刀とか武器にできる物が良かったな。だって、そうだったら一誠君から貰った武器で引っ越し先の子達と遊ぶ時に楽しめそうだもん!」
イリナの引っ越し先が何処の国かは知らんが、引っ越し先のイリナの友人となる者達に同情しよう。死者が出た場合は、私が責任を持って墓参りしに行く事にしよう。私が平和になる代償に、引っ越し先の平和が消える事に罪悪感を感じるな。済まない、イリナの引っ越し先の住人達よ・・・
「それじゃ、一誠君。今までありがとう。さよならは言わないよ。また会って、結婚しようね!」
「えっ?待てイリナ。付き合うって約束じゃ・・・」
「結婚しようね。」
「彼女にすると言う約束だったぞ。」
「結婚するよね?」
「約束の内容が違っていないか・・・」
「結婚したくないの?一誠君。」
「します。させていただこう・・・」
「うん。素直でよろしい。」
イリナ。これを恐喝と言うのだぞ。口答えをする度に、イリナから凶悪なオーラが流れたからな。5回目に結婚の承諾をしていなかったら、私はどうなっていたのだろうか。考えるだけで鳥肌が出るぞ・・・
「じゃあ、一誠君。引っ越し先にいても一誠君の事は忘れないからね。だから、浮気したら許さないから!」
行ったか。これで平和になるな。引っ越し先の平和が無くなる事を代償に・・・
だが、あの様子だと十年以上経った後に、本当に戻って来そうだな。私はイリナが引っ越し先で新たに好きな人ができて、私との約束を忘れてくれる事を祈る。
『よぉ。相棒!やっと、災害とも言える存在が去ったな・・・』
『ああ。引っ越し先の平和が無くなる事が代償だがな・・・』
『これで俺も平和になるぜ。』
『何故だ?お前にはイリナと会ったりはしていないだろう。』
『だって、相棒がイリナに酷い目に会う度に、俺に八つ当たりするからな。俺としてもイリナが引っ越した事で平和になったんだよ。』
『済まなかったな。ドライグよ。イリナへの捌け口がお前しないなかったからな。』
『全くトンだ迷惑だったぜ。』
『後で私のカップラーメンを分けてやろう。』
『要らねえよ!ってか、俺は物を食えねえよ!』
『そうか。なら仕方ないな。』
こうして私はイリナという幼なじみの悪夢から解放される事になった。
イリナの引っ越し先の住人達よ。せめて、私があなた達の分平和に暮らす事にしよう。
そして、私はカップラーメンをすするのだった。
後書き
イリナが原作と比べて恐ろしくなっていますね。うん、本当に怖い・・・
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