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ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士

作者:涙カノ
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第17話 =VSドラゴン=


=第55層=【黒衣の断罪者】

―カァ、カァ…
ってなる時間になってようやくクエストを開始することができた。
55層の村長であるNPCからまず人生経験という名の長話を聞き、唐突にドラゴンの話をしたかと思えばそれの経過を辿るという長話。

「…長かった…」

「まったく…フラグ立ての話がこんなに長いものだなんて…今日は出直す?」

「でも、あのじいさんの話ならドラゴンって夜行性なんだろ?」

目の前にある険しそうな山も見据えながら俺はつぶやく。
NPCの話には嘘がないこの世界では絶対信用の置けるものなので確かだろう。

「私は問題ないわ。あなたのその戦い方も見てみたいし」

「うっわ…緊張するな…」

軽く冗談を言い返し俺たちは山へ続く道へと歩き出した。
だがここで俺たちは忘れていた。ここは雪山近くの村でドラゴンが出るのは吹雪いている山なのだ。


「……さっむ!」

「さ、さ、寒い…そうだ…」

俺の今の服装は胸元のはだけている薄い服装。
SAOでは【風邪】という症状はないので別に防寒する必要もないのだが寒いのには間違いない。
そこで俺は俺の持ってる4つの称号の中で一番着込んでいる(と思われる)【うさんくさいおっさん】の存在を思い出しそれを選択した。

「お、結構暖かい」

「…何それ…」

俺の称号変更は俺のギルドメンバー、キリト、アスナくらいしか知らないことなので驚くのも仕方がない。
なぜか俺のメニューにはほかの人の基本配置のアイコン欄の一番下に【Title】というものが第1層のボスを倒してから追加されていた。
俺はそれを説明するとわかったようなわからないような不思議な顔をリズはしていた。

「でも…結構便利よね、それって…クシュン!!…あぅ…」

「…これ着ろよ…」

俺は【うさんくさいおっさん】の称号にすると変更される着物のような上着をリズに渡した。

「あ、ありがと…」

「いいよ。さ、いこうぜー」

しばらく歩くこと十数分、俺はリズに貸して?もらった大剣を振るいながら、リズはマスターメイサーならではなのかメイスを使い敵をガシャーンガシャーンと蹴散らしていっていた。

「おぉー!!」

「…ちょっと待った!」

綺麗なものを見たのか俺を抜いて先に行こうとしたリズの襟の後ろをつかむ。
グェッと変な声を出していたが気にしない方向で行こう。

「何するのよ!」

「危ないから転移結晶用意しといて。それからこっから先は危ないから俺一人でやるから隠れといて」

「…何よ、私だってレベルはそこそこ高いんだから」

そこそこ高い、じゃこのデスゲームを生き残るには駄目ということは身をもって知っている。
だから俺は叫び、メイスを持っているリズを静止させる。

「…わかった…」

「おっけー!なら再出発だー」

再出発といってももう少し歩くだけで山頂に着くのだが…
そんなこんなで歩き出し、予想通り数分で山頂に着いた。その途中で直径10メートルはある超巨大な穴を見つけたりして騒いでいたが。
その騒いでいた直後だった。その場を切り裂くようなとてつもない何かが叫ぶ音が聞こえたのは。

「その水晶の影に隠れろ!」

「うん!…ドラゴンの攻撃パターンは左右の鉤爪と氷ブレス、突風攻撃だから気をつけて!」

水晶に隠れながらも俺にアドバイスをくれるリズ。
こりゃ、負けられないな!そそいて俺は称号を変更、【ラタトスクの騎士】に。他人に預けている称号で出てきたものは1日ならそのまま消えない、ということは経験で知った。
そのリズのアドバイスのすぐ後、前にあった巨大な水晶の塊がはじけだしその中から出てきたのは氷のような輝くうろこをまとった白竜だった。俺はそのまま大剣を構えなおしホバリング状態の白竜と対面する。

「氷ブレスよ!よけて!」

そのとおり白竜は巨大な顎門を開き攻撃モーションを開始、それはすぐに終了し白く光る奔流が飛び出してきた。

「…避けろって言われても」

避けるのに特化したパラメータではないため剣を前に立てそれに備えていた俺のところに奔流はドンピシャで当たった。
このドラゴンはボスほど強くない、そして俺はボス攻略ではタンク兼ダメージディーラーなので結構簡単に防ぎきれる。
その後は、相手は攻撃後のための硬直、俺は防御だったので硬直はない。

「せぇ…のっ!!」

自慢できるほどの敏捷値でもないため硬直している間に走って近づくのは不可能。
でもジャンプは基本、筋力値が影響しそのほかに武具の重さによってマイナスされる。
俺はほぼ布製なのでマイナスされるのはほぼない。
そのおかげで白竜の顔面近くまで接近することができた。

「…おらぁ!!…よっと!」

顔面に一撃、そしてその攻撃の反動ですきのある白竜の左首元に飛びすれ違いざまにさらに一閃。
それに怒りを覚えたのか左の鉤爪で攻撃してくる。

「…せぃ!!」

それを横にはじき俺は脇と思われる場所に跳ぶ。

「無影衝!!」

その脇らしいところに一回の振り上げで何度も斬撃が発生する技を放つ。その攻撃に白竜はその攻撃で叫び声を上げそれと同時に右腕が胴体から離れた。
俺に攻撃しようと有利な空中へと飛び上がる。さすがに羽を持っているので飛ぶのは速い。そして急上昇し、ある程度の高さまで行くとこちらを向き急降下してくる。

「うぉぉぉぉ!!」

俺もそれに立ち向かうように跳び白竜へ急接近する。

「来たれ、雷!裁きを受けよ!」

そしてそのまま顔からの突進をよけながら背中に向け某女性槍使いの秘奥義の準備をする。
今もっている大剣―リリィ―に電気が溜まり、一回り大きな電気の槍となる。

「煌華月衝閃!!」

そしてそのままそれを白竜の背中に振り下ろす。
斬り裂いた場所で放電が起こりさらにダメージを削っていく。
攻撃された衝撃で仮想の重力に引っ張られ落ちていく姿を見ながら俺も体勢を立て直し落ちていた。

「ほら、さっさと片つけちゃいなさいよ!」

足元の方向にある水晶に着地しようとすると水晶の影から出てくるリズがそう叫ぶのが聞こえた。
その方向を見るとすでにその方向からリズが出てきていた。

「まだ出てくるな!!終わってないって!!」

「何よ…もう終わりじゃ…!?」

俺とリズが叫んでしまったので落ちかけていた白竜もリズを発見してしまった。
大きな羽で体制を整え、力強い羽ばたきを使い強風を巻き起こした。
その風でできた雪崩に飲み込まれ流されていくリズ。

「きゃあああ!!!」

「…くっそ!」

俺はすぐさま着地した水晶をけり水平に跳ぶ。
だが雪崩がなくなったときにはリズは巨大な穴へ落ちていく最中だった。

「リズ!!!!」

その穴へ俺も跳び、壁を蹴りながらリズへと近づいていく。

「つかまれぇ!!」

リズが俺の手を握る。衝撃に備えるため俺はリズをそのまま引き寄せ抱きしめる。
抱きしめられたリズの叫び声と共に俺たちは巨大な穴へと落ちていった。






 
 

 
後書き
涙「…やっぱり今回短かったな…」

リ「そうか?俺は戦ってたから疲れたのかな…」

涙「そうそう、ついにこの作品で2つ目の秘奥義出ましたね~」

リ「ジュディスのか…ってあれ槍技だろ!」

涙「でもあれ最後斬り降ろすとき剣でやってるふうに見えたからさ」

リ「…へぇ…あと俺雷系のが多いな…これって複線か?」

涙「ALOの?電気特化の種族は残念ながら作られていないんだ」

リ「なら俺ってなんだろうな~…やっぱりシルフか?」

涙「決めておくから君はさっさとSAOクリアしなさい!…では」 
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