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特殊陸戦部隊長の平凡な日々

作者:hyuki
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閑話小話:シュミットさんちのピロートーク1

 
前書き
構想1分
作成8時間
短いお話です。
なのはたんに萌えるためのお話(笑) 

 

<新暦79年 3月某日 午後10時32分:記録開始>

パジャマに着替えたゲオルグはなのはの眠るベッドにそっと潜り込んだ。
そして、眠りにつこうと目を閉じた瞬間、隣からなのはの声がした。

「うぅん・・・。あ、ゲオルグくん、おかえり」

「あ、起しちゃったか。 悪い・・・」

「ううん、いいよ。 そんなことよりさ。ね、おかえり」

なのはは甘えたような口調でそう言うと、目を閉じる。
そのさまに、ゲオルグは苦笑しつつも自分の唇をなのはの唇に軽く押し当てた。

「ただいま、なのは」

「はい、おかえりなさい。 ゲオルグくん」

わずか数秒の短いキスのあと、ゲオルグとなのはは互いの目を見つめあい、改めて
帰宅の挨拶をする。
そして、どちらともなくクスクスと笑う。

「ごめんね、今日はなんだか疲れてて早く寝ちゃった・・・」

「いいって。 それより晩御飯ありがとうな、おいしかったよ」

なのははゲオルグの分の夕食を
”おかえり。よかったら温めてたべてね”
というメモとともにダイニングテーブルの上に置いてから床についた。

そして帰宅したゲオルグはそれを見て微笑を浮かべつつ自分でそれを温め、
一人遅い夕食をとってから寝室に来たのである。

「そう、よかった。 それより今日はずいぶん遅かったね。 何かあったの?」

「ん? 本局での会議が思ったより長引いてな。 まあ、いつものことだよ」

「そっか。 いつもご苦労さま」

「ふふっ、そりゃどうも。 で、なのはの方は今日はどうだったんだ?」

「んとね、今日は午前も午後も結構ハードな教導だったんだよね。
 だから私もさすがに疲れちゃったよ」

「そうか・・・。なのはこそお疲れ様だな」

「ありがと。 あっ、そういえば・・・」

優しく微笑むなのはが急に思い出したように何かを言いかける。
だがそれきり黙り込んでしまい、ゲオルグは怪訝な表情でなのはを見た。

「そういえば、何だよ? その先は?」

「・・・やっぱなんでもない」

気まずげな表情でそう言うと、頭まで布団を被るなのは。
対してゲオルグは顔をしかめつつ、なのはが被った布団をめくった。

「こら。そこまで言ったら最後まで言えよ」

「だって、言ったらゲオルグくん絶対怒るもん・・・」

なのはが消え入るような声でそう言うと、ゲオルグはなのはの頬を左右に
軽く引っ張った。

「い・い・か・ら・言・え・!」

「うぅ・・・わかったよぉ・・・。
 あのね、今日の午後の教導のあとにね、知らない男の人から告白されたの。
 ”あなたのことが好きになりました。付き合ってください”って」

「ほう。 で、高町1尉は何とお答えに?」

「夫がいるのでゴメンなさい、って普通にお答えしておきましたよ。
 シュミット2佐」

なのははそう言って悪戯っぽい笑顔を浮かべる。

「さいですか・・・。 しかし、相変わらずモテるな、お前」

「そうなのかな? よくわかんない。 別にうれしくないし」

「ふーん。 で、その男はどこの誰だ?」

不機嫌顔のゲオルグが尋ねると、なのはは呆れたようにため息をついた。

「そう言うと思った。絶対言わないもん」

「ほう、黙秘ですか・・・・・じゃあ、仕方ないな」

ゲオルグはそう言うとなのはの上に覆いかぶさり、なのはの耳に顔を寄せる。

「喋るまで拷問してやる」

ゲオルグはそう囁きかけると、なのはの唇に吸いついた。

「んんっ! ゲオルグくぅん・・・」

そして2人の影が1つに重なった。


<この間、30分間の記録は都合により削除されました>


「はあ、はあ・・・・・。ゲオルグくんのえっち」

一糸まとわぬ姿のなのはは同じく全裸のゲオルグにしがみつくように抱きつきながら
荒い息をつきつつゲオルグに話しかける。

「なのはこそだろ・・・」

同じく肩を上下させつつなのはを抱き寄せるゲオルグが答える。

「そだね・・・きもちよかった」

「俺も気持ちよかったよ」

2人はそう言い合うとしばしぼんやりと抱き合ったまま天井を見つめていた。
しばらくして、なのははゲオルグの腕の中で身体をよじり夫の顔を見上げた。

「ねえ、ゲオルグくん」

「ん?」

「まだ、わたしに告白してきた人のこと知りたい?」

なのはの問いかけにゲオルグは首を横に振って応じた。

「あれだけ拷問してダメなら諦めるよ」

そう言ってゲオルグは笑う。

「拷問って・・・わたし喜んじゃったけど?」

対してなのはは苦笑する。

「そうだな・・・。すごく喜んでた」

かみしめるようにゲオルグは言う。
そしてなのはの身体を抱き寄せる力を僅かに強くする。

「んっ・・・。ね、ゲオルグくん」

「なんだ?」

「結婚する前にした約束覚えてる? いっしょにお風呂入った時にしたの」

「覚えてるよ。 ずっと一緒に居ようってアレだろ?」

ゲオルグが当然とばかりに答えると、なのはは嬉しそうに笑った。

「うん。 覚えててくれたんだね」

「まあ、約束というか・・・自分の想いだからな、あれは」

「そだね。 でも、あのときのことをゲオルグくんが覚えててくれたのが
 うれしかったの。 わたしにとっては大事な想い出だから・・・」

なのははそう言って、慈愛に満ちた笑みを浮かべる。

「でね、もうひとつ言っておきたいことがあるんだ」

「ほう。なんですかな?」

やや芝居がかった口調でゲオルグが尋ねると、なのはは可笑しそうに
クスッと笑ってから、ゲオルグの胸板にぴたっと顔をくっつけて
ゲオルグの顔を見上げた。

「あのね、あのときの想いはずっと変わってないよ。
 だから、ずっとわたしのことを離さないでねって、そう言いたかったの」

なのははそう言うと、ゲオルグの胸に顔をうずめた。

「そんなのあたりまえだろ。 お前が離してって言ったって離してやらないさ」

「言わないもん、そんなこと」

「わかってるよ」

そしてまた2人はお互いの顔を見つめあい、唇を重ねた。
1分ほどの深いキスのあと、顔を離した2人は小さく笑い合った。

「じゃあ、寝よっか」

「だな」

ゲオルグはなのはの言葉に頷くと、なのはを抱き寄せる腕を抜こうとする。
だが、なのはがそれを押しとどめた。

「今日は、このまま、ひっついたまま寝たいな・・・」

彼女の行動を不思議に思うゲオルグに抱きつきながら、なのはは小さくそう言った。

「了解、奥さん」

ゲオルグは笑みを浮かべてそう言うと、なのはの頭をゆっくりとなでながら
目を閉じた。

「おやすみ、ゲオルグくん」

「おやすみ、なのは」

<新暦79年 3月某日 午後11時21分:記録終了>
 
 

 
後書き
お読みいただきありがとうございます。
作者のhyukiです。

今、憂鬱な日々リメイク版の執筆がメイン作業になっているので、
平凡な日々がなかなか更新できずもうしわけありません。
当分、この状態が続きますがご理解賜りたく。

で、ちょいと息抜きに思いつきで書いたのがこの話です。
思ったより執筆に時間がかかってしまいました・・・。

とにかく萌える展開!と思って書いてるうちに、自分が悶絶してしまいましたw

でわまたノシ

 
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