FAIRY TAIL 忘却の最期
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第22話 二人の滅竜魔導士
「がはっ!?」
ガジルに腹を蹴られ、意識を無理やり戻されたルーシィ
「ギヒヒ、生きてるみたいよ?」
「さすが我がギルド最強の男、ガジルさんですね」
咽る彼女が見たのは
「え・・・?」
顔から血を流す親友の変わり果てた姿だった
「嘘・・・!ラスト!!」
おぼつかない足取りで彼の元へと向かう
「しっかりして!ラスト!!」
ルーシィが必死に呼びかけるが、死んでいるかのように返事は返ってこない
そして、彼女の脳裏には
“ルーシィはこの身に代えても護ってみせます。”
「そんな・・・!!」
あの時、ラストが母の墓前に誓った約束が浮かび上がった
「あたしのせいで・・・!!」
自分を護る為に・・・
「あたしのせいで・・・こんな・・・!!!」
母と交わした約束のために
「あたしのせいで・・・仲間が・・・ラストまで傷付いて・・・!!」
ラストは、顔に大きな傷を負ってしまった
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ルーシィの上げた悲鳴は
「我々に残された目的はあと一つ」
外で妖精の尻尾の仲間達に
「貴様らの皆殺しだ・・・クソガキ共」
放送を通じ、その耳に届けられた・・・・・・・・・・・・・
「う・・・・・・」
鈍い音が耳に届き、ラストは意識を取り戻した。
「お・・・俺は・・・・・・・・っ!?」
突然、顔面に激痛が走り手で抑えようとしたが
鉄の枷で、両腕が壁に固定されていた。
激痛に何とか耐えて、顔を上げると
「この女が何処のお嬢だろうが、俺にとってはケツの屑さ」
仲間を殴り飛ばしたガジルの前に
痣だらけで横たわるルーシィが見えた
「ルー・・・シィ・・・・!!!!」
ルーシィの姿を見て、ラストの意識が一気に覚醒する
「ガジルゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
「あ?」
枷を壊す勢いで暴れるラスト
それをガジルは何事かと振り向いた
「ルーシィにそれ以上手を出してみろ!!!お前を跡形もなく消滅させてやる!!!!」
「な、なんだこいつまだ動けたのか」
「ほ、本物の化け物だ・・・!」
ラストから放たれる殺意に圧倒され、傍で見張っていた幽鬼の支配者の魔導士が後ろに下がっていった
「ハッ、あの弱ぇキザ野郎と同じ台詞吐いてやがるぜ!」
「殺す!!お前もジョゼもあの男も必ず俺の手で」
ラストの怒号は、ガジルの棍上に変化した腕に腹を殴られ阻まれ
「う・・・がはっ!?」
口から多量の血が吐かれた
「うるせぇよギャーギャーとよ。」
容赦のないガジルに、仲間のはずの幽鬼の支配者の魔導士達も顔を引きつらせる
「にしてもくだんねぇな。この女が金持ちって知ってケツの奴等もコイツ同様、必死だぜ」
ケラケラと笑うガジル
「・・・・・・フ」
「あん?」
ルーシィが鼻で笑う
「あんた達って本当に馬鹿ね・・・可哀そうで涙が出てくるわ」
「何考えてんだ!?」
「ガジルを挑発してやがる!?」
「幽鬼の支配者?バカみたい、ちっとも怖くないわ」
「そうかいそうかい」
ガジルはルーシィを殴り、壁に叩き付けた
「この状況で虚勢を張れるたぁなかなかのタマだ。嫌いじゃねえよ?そういうの」
「ゴホッ!」
「だが俺が欲しいのは啖呵じゃねえ。悲鳴なんだよ。もっと叫んでくんねえと困るわけ」
「それじゃあ・・・あたしを殺してみれば?そうすればもっと困る事になるから、あんた達は」
まだ挑発をやめないルーシィに、ラストが叫ぶ
「やめろルーシィ!!それ以上ガジルを挑発するな!!」
制止の声を掛けるが、ルーシィにやめる様子がなかった。
「面白そうだな、聞かせろよ」
「妖精の尻尾は決してあんた達を許さない。そういうギルドだからよ!あんた達は世界で一番恐ろしいギルドの影に毎日怯えることになるわ・・・一生ね!!」
「・・・そいつは面白そうだ。試してみようじゃねえか!」
ガジルは両腕を剣に変化させ、ルーシィ目がけて跳びかかる
「ガジル!!」
「やめろ!!」
「ギッヒヒヒヒ!!!」
「逃げろルーシィィィィィィィィィ!!!!」
ルーシィに向けられるガジルの鉄の剣
このままいけばルーシィは間違いなく命を落とす
しかし・・・・・床を突き破ってきた炎がそれを許さなかった
「おらぁ!!!」
炎の中からナツが飛び出してきて、ガジルを殴り飛ばした。
「おぉぉぉぉぉ!!!!」
「やはりな、匂いで気付いてたぜ!!」
ナツの雄叫びに応えるように象られる炎・・・それは正に
「「火竜・・・!」」
「ガジルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
「ギッヒヒ、簡単に餌にかかったなぁ火竜。」
「ネチネチ陰気な事やってんじゃねーぞ鉄の竜!」
ナツが助けに来てくれて見惚れていたルーシィだったが
「ルーシィ、ラストを連れて下がってろ」
ナツの言葉にルーシィは立ち上がりラストの元へ行く
「ガジル!」
「手ぇ出すなよ!」
「こいやぁ!!」
ナツの炎の拳がガジルにぶつけられ、炎が周囲に飛び散った
「「「巻き添え~!!?」」」
幽鬼の支配者の魔導士達が巻き込まれるのも意に返さず
「火竜の鉤爪!!!」
ナツは連撃でガジルに踵落としをぶつけた
「ルーシィ大丈夫だった?」
ハッピーがルーシィとラストの元に駆けつける
「う、うん・・・」
「どうしたの?」
「あんなナツ・・・見た事ない・・・」
この短時間で何があったのか、ナツの怒りと共に
元からある荒々しさもいつもより強くなっているのがわかった。
「あい、オイラもだよ。でも、今のナツは強いよ」
そう言いながらハッピーはラストの両腕に付けられた枷の釘を引き抜く
「調子こきやがって屑野郎が。」
「そりゃテメェだろ、ルーシィとラストをボコりやがって!その面歪ませて砂鉄にしてやらぁ!」
「ギッヒヒヒ!面白ぇ!やってみろや!!」
拳をぶつけ合うナツとガジル
「鉄竜剣!!」
ガジルの右腕が剣に変化し、ナツが寸で避けた
「んだよその危ねぇのは!?」
「これに触れた物は残らず切断される。その切れ味・・・あの野郎の面見りゃわかんだろ?」
「気を付けろナツ・・・!あの剣は・・・!」
斬られた顔を抑えながらラストが忠告したが
「んなの屁でもねぇ!」
余裕綽々の態度を見せた
「何よあれ!?」
「鉄の滅竜魔法!?」
振り下ろされた鉄竜剣の衝撃波がナツを襲い、再び幽鬼の支配者の魔導士達も巻き添えになった
「巻き添えその2~!!」
「どうしたぁ!!この前みてぇに受けねぇのかぁ!?屁でもねぇんだろ!!!」
素早く振るわれた鉄竜剣を、ナツは全て回避する。
「ほぉ、なかなか細けぇ動きすんじゃねぇか」
「テメェもな」
「こないだは半端な喧嘩だったからな・・・決着つけようや火竜!!」
「燃えてきたぞ!鉄クズ野郎!!」
二人は更に闘志を燃やしていた。
自分の身体を竜の体質へと変換しる滅竜魔法
竜を倒すための魔法で人間同士が戦っている
その姿に、ルーシィは不安を隠せずにいた
そして、ガジルの身体が光りだし、皮膚が変化した。
「これで潰れな!!」
「体が!?」
「竜の鱗だ!」
「鉄竜の轟拳!!」
振るわれたガジルの拳が防御態勢のナツの左腕に当たり
大きく吹っ飛ばされ
「巻き添えその3~!」
「もう嫌だ~!」
また巻き添えが出ていた
「ギッヒヒヒヒヒ!いい音したなぁオイ」
食らったナツの左腕が、大きく内出血を起こしていた。
「一発でナツが膝をつくなんて・・・!」
「あの鱗、鋼鉄でできてるんだ!」
ガジルが更にナツに攻撃を加えていく
振るわれた回し蹴りを、何とか回避するナツ
しかし、その風圧が辺りの空気を揺らす
「ウソでしょ!?これが蹴りの風圧!?」
「鋼鉄の鱗が攻撃を倍加させてるんだ!」
発生した風圧に耐えるルーシィとハッピー
「おらぁ!!!」
ナツがガジルの顔面に拳をぶつけた
しかし
「鋼鉄の鱗は全ての攻撃を無力化する。」
ガジルにダメージが入らず
「ぐわぁぁぁぁぁ!!!」
逆にナツがダメージを負ってしまう
「そんな!防御力も上がってるの!?」
「ナツ!!」
「ぐあぁぁぁぁ!!痛くねー!!痛くねーぞー!!!」
どう見ても痛そうに辺りを転げるナツに三人は冷や汗を垂らす
「・・・だって」
「あい」
「そうは見えないけど・・・」
「ウゼェんだよ!!やせ我慢はほどほどにしな!!!」
「カチカチ野郎が・・・!!これで吹っ飛べ!!!」
ナツが大きく息を吸い込み始めた
「火竜の・・・」
「鉄竜の・・・」
それはガジルも一緒だった
「え!?」
「あいつもブレスが使えるんだ!!」
「まずいぞ!?」
「「咆哮!!!!」」
ぶつかる炎と鉄のブレス
その威力は凄まじく、大広間にいる全てのモノを巻き込んだ
「巻き添えその4です・・・」
「しゃしゅがガジル・・・」
言わずもがな
「お互いの竜の性質の違いが出ちまったようだな火竜」
ダメージを負うナツと違いガジルは無傷のままだった
「たとえ炎が相手を焼き尽くすブレスでも鋼鉄には傷一つ付けられねぇ
だが鉄の刃のブレスは貴様の身体をズタズタにする」
「ナツ・・・」
「傷一つ付かねぇだ?寝惚けてんのかテメェは?」
ナツの言った事を理解する前に
顔面の鱗にヒビが入る
「鋼鉄の鱗にヒビが・・・!」
「俺の炎もただの炎じゃねぇぞ。火竜の炎は全てを破壊する!」
ナツは上着を脱ぎ捨て、魔力の炎を自分の周囲に噴出させる。
「本気で来ねぇと砕け散るぞ?鉄竜のガジル!探り合いはもう十分だ!!!」
「ギヒッ!そうこなくちゃよ!!!」
ガジルも本気になり魔力の波動を引き起こし、上着が消し飛んだ
「さ、探り合いって・・・」
「お互い本気だばなかったんか!?」
「バケモンだこいつら!?」
「それが滅竜魔導士です。」
「す、すごすぎ・・・ていうか何で二人共脱ぐのかしら?」
「・・・知らん」
別の部分を気にしているルーシィにツッコミをいれる気力なく呟くラストだった
「来いよ、鉄竜のガジル」
「その空に竜は二頭もいらねぇ。落としてやるよ火竜のナツ!!」
ナツとガジルは、魔力を込めた鉄拳をぶつけ風圧を引き起こす。
そして、高く飛び上がった。
「何なんだこいつら!?」
「飛びやがった!?」
飛び上がった二人の姿は見えなくなり
代わりに火花が見えた
「光・・・?」
「いや、あれは攻撃がぶつかり合っているんだ」
ラストの言う通り、魔導巨人の頭の上まで降りて攻撃をぶつけ合うナツとガジル
攻撃の余波に耐えきれず、魔導巨人の頭の角が折れ
ルーシィ達のいる場所に落ちてきた
「こっちも巻き添え~!!」
「あい!!」
寸でルーシィが避け、ハッピーはラストを引っ張り助け出す
降りてきた二人は疲弊している姿を見せていた
「ガジルが押されてるのか!?」
「いや、火竜も相当息があがってるぞ」
息を上げるナツが見たのは
鉄クズをガリガリと頬張るガジルだった
「ズリ~ぞ~自分だけ!!」
「うるへ~」
「やっぱり鉄を食べるんだ・・・」
「おいしいのかな・・・」
「ギヒッ、食ったら力が沸いてきた!!」
「真似すんなコラァ!!!」
鉄を食ったガジルは魔力が回復したのか、再び強い魔力を放出していた。
「な、何で!?あいつ急に元気になったわよ!?」
「滅竜魔導士は自分と同じ属性の物を食べることで体力を回復させたりパワーアップしたりできるんだ!」
「そういえばナツも同じようなことがあったな・・・」
そうなればナツも炎を食べれば・・・そう考えたルーシィだったが
自分が出した炎は食べることができない
炎を食べるには火を起こすか火の魔法を使える魔導士が必要になる
ラストは重傷で使えそうになく、ルーシィも鍵を落として魔法が使えずにいた。
しかし、一つだけ残っていた
ガルナ島でもらった追加報酬の鍵・・・人馬宮のサジタリウス
契約はまだしていなかったが
「今はこれに賭けるしかない!!」
ナツのピンチを救うため鍵を持つ
「開け、人馬宮の扉!サジタリウス!!」
星霊界の門が開き、出てきたのは
「ホ~スで~もしもし!」
弓矢を手にした、馬の被り物をした星霊だった。
「そ、そうきたか!」
「馬の被り物!?」
「・・・グレイの言った事はあながち間違ってはいなかったか」
以前どんな星霊が出てくるか予想をしていて
その中で一番近い想像をグレイがしていたのだ
「細かい説明は後!あんた火出せる!?」
「いえ、それがしは弓の名手であるからしてもしもし!」
「そ、そう・・・」
「何処に向かって敬礼してるんだろ?」
「ルーシィ!危ねぇから下がってろ!!」
「・・・あい」
ルーシィはナツに言われた通りその場から離れ
「あたしってば役に立たな過ぎる~」
「まあまあ、前向きに」
どんよりと落ち込むルーシィ
「であるからしてもしもし!」
「・・・黄道一二門の星霊ってこんなのばっかか」
何に敬礼してるのか分からないサジタリウスにツッコミをいれるラストだった
「腹が減ってちゃ力が出ねぇか?」
ガジルはナツの頭を鉄竜棍で抑え込み
「だったら鉄を食いな!!」
そのまま床を顔面に着けて滑らせた
「エグッ!?」
「やっぱガジルの方が・・・」
「もうテメェに用はねぇ、消えろクズが!」
ナツは大穴ができた壁の前まで吹き飛ばされた。
「そんな・・・やだ・・・!」
ルーシィは一方的にやられるナツを見て、涙を流す
「ナツが負けるとこなんて・・・!」
「見ろよ、お前達が護ろうとしていたものを」
ナツが顔を上げると
そこには、幽兵によって破壊されたギルドが目に映った
「!!!」
「ギヒャーッハッハッハッハッハ!!!」
ガジルの高笑いと共に、轟音をあげ崩れるギルド
(妖精には尻尾があるのか、ないのか。もっとも本当にいるのかどうかさえ誰にもわからない。だからこそ永遠の謎、永遠の冒険。そんな意味が込められておるのじゃ)
ギルドのみんなが帰る場所
(ギルドは楽しいか?)
仲間の帰る場所
(うん!気に入った!俺ここに入りてぇ!!)
家族の帰る場所が・・・無残に壊された
正直、戦う力は残っていない。
しかし、仲間の悲痛な叫び
帰る場所を壊された悔しさ
そして
(ナツがしっかり妖精の尻尾を護ってね?)
今は亡き仲間の想いを抱き、立ち上がった。
「ナツ・・・もういいよ・・・!あたしが捕まればこいつらに・・・!!」
「ルーシィ・・・ナツはまだ諦めてないよ・・・!」
ナツが諦めていないのに、自分が早々に諦めるわけにはいかず
ルーシィは最後まで戦いを見届ける決意を固める
「ギルドは崩れた、テメェらは負けたんだよ」
それを無情に軽くあしらうガジル
殴りかかるのが精一杯のナツを弾き飛ばした。
「でも・・・あたしこれ以上・・・!」
「いい加減沈めよ火竜、俺は手加減って言葉が嫌いでよ・・・どうなっても知らねぇぜ」
「ジュピターの破壊・・・エレメント4との激闘・・・魔力を使い過ぎたんだ・・・・
炎さえ食べればナツは負けたりしないんだ!!!」
「・・・だってよ?」
ハッピーの叫びも空しく響き、ガジルはナツのマフラーを掴み持ち上げた
「残念だったな」
そして、腕を剣に変える
火のDBがあるというのに何もできないラストが歯を噛みしめる
「俺が動ければ・・・情けない・・・!!」
「・・・なるほど、少々誤解があったようでございますからしてもしもし」
何を思ってか、サジタリウスが弓を引き始める
「ルーシィ様は“あんた火出せる?”と申されましたのでそれがしは“いいえ”と答えました。
しかし、今重要なのは火を出すことではなく火そのものというわけですなもしもし」
「とどめだ火竜!!!」
ガジルが鉄竜剣をナツに向け振るおうとするその時
その間を縫うように一本の矢が通り過ぎ
傍にあった機材に刺さり、爆炎を起こす
「火だ!」
「機材を爆破させて炎を!?」
「サジタリウス・・・一体何を」
「射抜き方一つで貫通させることも粉砕させることも可能であるからしてもしもし」
矢で機材をショートさせて爆破させたことにガジルも驚きを隠せずにいた
「何なんだあの馬みてーのは!?」
「すごい!弓の天才なのねサジタリウス!」
「はい、もしもし!」
「どこに向かって敬礼してるの?」
「そこは気にするなハッピー・・・」
発生した爆炎を、一つ残らず吸い上げるナツ
食べ終えると、疲労は一気に回復した
「ごちそう様。ありがとなルーシィ!」
「火を食ったくれぇで調子こいてんじゃねえ!!」
向かってくるガジルを、ナツは炎を纏った拳で殴り飛ばした
「これでパワー全開だー!!」
「レビィ、ジェット、ドロイ、じっちゃん、ラスト、ルーシィ、仲間達・・・そして・・・妖精の尻尾・・・」
「鉄竜の咆哮!!」
ガジルはブレスを放つが
ナツは両手をかざし、全てかき消した
「俺のブレスを素手で弾き返しやがった!?」
「どれだけのものを壊せば・・・傷付ければ気が済むんだ・・・お前らは・・・」
「バカな・・・この俺がこんな奴に・・・!こんなクズに・・・!」
「今までの借りを全部返してやる!妖精の尻尾の手を出したのが間違いだったな!!!」
先ほどと違う威圧を受けガジルは少し怯む
「・・・俺を誰だと思ってやがるこのクソがぁぁぁぁぁ!!」
しかしすぐに攻勢に出る
「鉄竜の轟拳!!!」
振るわれる拳を、ナツは拳で受け止めた。
そして、ガジルの腕に亀裂が生じた
「ギヒャアアアアアア!?(俺は・・・最強の・・・!!!)」
「これで終わりだ!!!紅蓮火竜拳!!!!」
ナツは火竜の鉄拳の連撃をガジルへと浴びせる
「レビィ!ジェット!ドロイ!ナブ!マカオ!じっちゃん!エルザ!ラスト!ルーシィ!!」
叫びながら攻撃の手を緩めないナツ
「そしてこれはぶっ壊されたギルドの分だぁぁぁぁぁぁ!!!!」
とどめの一撃が決まり、ガジルは吹き飛ばされた
この戦い・・・ナツの勝利で終わった。
「ねえねえ、いつまで寝てるのさ?」
「んん~?まだマグノリアに着かねぇのか?」
「もうとっくに着いてるよ」
マグノリアから離れた山の麓
「あ~あ、だいぶ遅れちまった。」
「寝てばっかりだからだよ。いつもミラに言われてるでしょ?」
「はいはい。つーか巨人が爆発したぞ?」
「多分ナツだと思う」
「あいつもやるようになったな」
長い金髪を揺らしケラケラと笑う男がいた。
「ミラの連絡じゃ・・・俺らのマスターはいないんだよな?」
それに付き添う羽の生やした金色のネコが心配そうな表情を浮かべる
「うん、どうやっても残るのってファントムの・・・」
「そうだな。そんじゃ行きますか、ライト!」
「うん、レオルド!」
第22話 完
後書き
次回予告
ルーシィ「やった!ナツが勝った!!」
ラスト「ああ、きっと勝つと信じていた」
ルーシィ「ていうかアンタのその顔の傷、どうにかしないとね・・・」
ラスト「あ、いてて・・・今さら急に痛くなってきた」
ミラ「早くポーリュシカさんのとこに行かなきゃね」
ルーシィ「そういえば・・・ジョゼって今どうしてるんだろ?」
次回 光竜と妖精の審判
ラスト「羅刹剣を使っても倒せなかったんだぞ。一体どうすれば・・・」
ミラ「大丈夫、頼もしい味方が来てくれるから!」
ルーシィ「え、他に誰かいたかしら・・・?」
ページ上へ戻る