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なんかポケモンの世界に転生しちゃった?!

作者:ルチル
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カントー編
  ついに本戦!そして、六強の実力とアヤカの秘密と想い

『アヤカあああああああ!!会いたかったよおおおおおおお!!』

「黙れええええええええ!!ピカ、十万ボルトおおおおおおお!!」

『・・・・・・・』

いきなり押しかけてきたレシラムーーランに十万ボルトをお見舞いする。十万ボルトを放つ時のピカの顔は凄くうざそうだった。私もうざいと思う。てか、帰れよ。

『やだ(`・ω・´)キリッ』

何こいつ。本当にうざいわあ・・・・

『『「「・・・・・・・・・」」』』

ほら、サトシ達も無言になったじゃんか。どうしてくれるのさ。本当、私の子の中で一番の強い個性を持つのはランである。無邪気すぎる。怖い。

『えーひどいよ(´・ω・`)ショボーン』

「本当に何しに来たのよ」

『アヤカにゲットされに(`・ω・´)キリッ』

「帰れ」

『駄菓子菓子断る(`・ω・´)キリッ』

さっきからなんでその顔文字使ってるのよ。理解不能。

『気に入ったから(`・ω・´)キリッ』

「うん。とりあえずそれやめて。じゃないと雷打つ」

『それは勘弁!』

「なんだろう・・・・・・凄くキャラが濃い・・・・・・・」

『・・・・・・・ついていけない』

ピカチュウ・・・・・・・あんたも今後、キャラが濃い子をまとめる立場になるのよ?今、慣れておきなさいよ。

『「・・・・・・・・めんどくさいキャラだなあ・・・・・・・・」』

おお・・・・・・シゲルとブラッキーの言葉がシンクロしてるよ。私もそう思うけどね。

『アヤカ!ゲットして!!』

「分かった。その前に黙れ」

『(´・¬・`)口ちゃっく☆』

その顔文字もうざい。てかランがやる全ての動作がうざい。

『わあ!ツンデレだね!?』

なんで嬉しそうなの?この子。やっぱり理解不能だわ。

「ボールぽいっと」

ボールを適当に投げる。ランは身体が大きいから何処かに当たるでしょ。本当にめんどくさいキャラだよ。なんとかして欲しいわ。

『無理』

ピカ!?酷い。こっちの身にもなってよ!!隙あらば、抱きつこうとしてくるんだよ!?暑苦しいし、うざいし、苦しいし。いい加減にしてくれ。本当。そして、ボールに吸い込まれ、すぐに音を立てて揺れは止まった。

「ラン、ゲットでオッケー♪」

『イェーイ!』

うん。ゲットしたね。まあ、今回のリーグには出さないけど。全部、六強で行かせてもらう。さてさて、私の本気についてこれる人はいるのかな?というより、どこでサトシ達と当たるのかしら?ヒロシも見かけないし。まあいいけど。当たったら全力で。それが私。

そして、始まる本戦。まずは一回戦。シングルである。

「ナッシー!」

「グレ、レディGO!」

相手はナッシー。こっちはグレ。相性では私の勝ち。でも、このバトル。私が勝つ。

「葉っぱカッター!」

「氷の礫!」

『分かりました』

葉っぱカッターと氷の礫がぶつかり合い、煙が起こる。そして、煙が晴れたころ、グレはどこにもいない。だけど、霰が降り始めている。

「!?まさか・・・・・・雪がくれか!?ナッシー、気をつけろ!」

「あたりです。グレ、シャドーボール」

グレのシャドーボールがクリーンヒット。ナッシーはフラフラになったが耐えた。

「よし!日本晴れ」

「の前に、冷凍ビーム」

ナッシーは日本晴れで天気を変えようとするがその前に素早く冷凍ビームを決め、ナッシーを倒した。

「ありがとな、ナッシー。サンダース!」

「引き続き頼むね」

『はい。任せてください』

相手はナッシーを戻し、サンダースを出す。ブイズ同士の争いだ。でも、負ける気はしないけどね。

「放電だ!」

「吹雪!」

放電と吹雪がぶつかり、お互いを消す。

「どっから来たか分かったな?そこに向かって、十万ボルト!」

「グレ」

『もちろんです』

サンダースの十万ボルトを楽々とかわす。そろそろ、霰が止むころだ。

「一気に決めるよ?グレ、再び吹雪」

グレの吹雪がサンダースに当たり、サンダースは倒れた。そして霰も止む。

「戻れ、サンダース。ウインディ!」

ここで苦手なタイプですか・・・・・まあ、いいけど。そろそろウォーミングアップは終わり。本気を出さないとね。

「グレ。いいね?」

『もちろんです』



「嘘だろ・・・・・・・・」

「無償って・・・・・・・」

「ピカ・・・・・・・」

「ブラ・・・・・・・」

僕達はアヤカのバトルの唖然。それもそのはず。相手は三匹目なのに対し、アヤカはまだ一匹目。しかもノーダメージ。そういえば、グレの事、ハクが六強って言ってたな。もしかして六強ってアヤカのポケモンの中で一番の実力を持っているのでは?だとしたら僕達はまだアヤカに追いついていないということだ。一体アヤカの実力はどれほどのものなのか。想像がつかない。というより、勝てるのかな?僕達は。

「なんか燃えて来たぜ!」

「ピカチュウ!!」

「呑気だねえ・・・・・・」

「ブラッキー・・・・・・」

本当に羨ましいよ。その呑気さが。負けたくは無いけど、勝てる気がしない。しかも、アヤカのポケモンは成長が早い。僕達とは大違いだ。

「才能の差かな・・・・・・・・」

「シゲル?」

「なんでも無いよ」

サトシの不思議そうな声に僕はなんでも無いと返す。でも、人の気持ちに敏感なサトシにはきっとバレるだろう。僕の幼馴染は才能があって。僕にはその才能が無くて。だから勉強でその差を埋めようとした。でも、結局は埋まらなくて。どんどんと先に進まれて。僕だけ置いて行かれて。本当に羨ましい。

「シゲル、才能なんて無いよ。大事なのはきっと心」

サトシはいつだって僕が欲しい言葉をくれる。それが嬉しくて。

「サトシのくせに」

「なんだと!?」

「でも、ありがとう」

「どういたしまして」

僕は幼馴染が大好きだ。今日改めてそう思った。

『おっと!?アヤカ選手、楽々とウインディを倒したあ!!たった一匹で三体も倒した!!』

ふと実況が聞こえた。フィールドの方を見ると、まだ、グレは無償でフィールドに立っていた。相手はウインディを戻し、ギャラドスを繰り出していた。これがきっとアヤカの本当の実力。そして、六強の力。

「凄え!!頑張れよ!アヤカ!!」

「ピッカァ!!」

「ブラッ!!」

サトシ、ピカチュウ、ブラッキーはアヤカを応援している。僕も応援しなくちゃね。

「頑張れ、アヤカ」

ふと、アヤカがこっちを見て笑ったような気がした。僕達も負けてられないな。



「グレ、気を引き締めて行くよ」

『ええ』

「ギャラドス、ハイドロポンプ!」

「かわして、冷凍ビーム!」

ギャラドスのハイドロポンプをかわして、冷凍ビームを決める。効果は普通だがグレは疲れも溜まって来ているはず。早急に決めないと。

「ギャラドス、龍の舞!!」

「げっ・・・・・・あれ積まれると辛いんだよなあ・・・・・・霰」

ギャラドスは龍の舞で攻撃、素早さをあげた。こっちは霰を使い、特性を発動させた。さて、どっちが勝つかな?私だよ?

「ギャラドス、アイアンテール!」

「穴を掘るでかわしてから吹雪!」

ギャラドスのアイアンテールを穴を掘るでかわし、吹雪を決める。ギャラドスは倒れた。

「後二匹」

「戻れ、ギャラドス。フシギバナ!」

あら。五番手はフシギバナですか。ぜひ、フッシーとバトルさせて見たかったなあ・・・・・・・・・

「グレ、やるよ」

『そろそろ本気出しますか?』

「そうだね。そろそろ」

『「本領発揮と行きましょうか」』

「っ!?」

私は目を閉じ、心を沈ませる。そして再び目を開ける。

「全てを凍りつかせ、氷の世界へ」

『氷の女王、グレ。参ります!』



「なんだよ・・・・・あれ・・・・」

今までと違いすぎる!さっきのアヤカの雰囲気を暖かな太陽とするならば、今の雰囲気は冷たい闇。しかも異常な威圧感がある。本気でアヤカの事を怖いと思った。底が見えなさすぎる。僕はサトシを見上げる。サトシは唖然としながらもどこか楽しそうに笑っていた。本当にこの人は呑気だな。僕もその一員だけど。

『次元が違う・・・・・・・・』

『そうね。多分、さっきまでのは本気じゃなかった』

ブラッキーがそうポツリと呟いた。さらにここまで、ひんやりとした空気が流れてきている。すごく寒い。しかも、さっき、グレが名乗っていた氷の女王。あれはなんなのだろうか?

「一体、アヤカの実力は・・・・・」

「今のアヤカが本当の実力だよ」

「それ、どういうことだよ。ラン」

シゲルの疑問に答えたのはアヤカのポケモンになった、ラン。今は人の姿になってアヤカのバトルを見ている。人間の姿の時の名前はレイナだそうだ。

「アヤカのポケモンの実力は三種類に分かれる。まずは、グレを含む六匹のポケモンからなる六強。あの子達は伝説級を軽々と倒せるほどの実力を持つ。伝説である私でさえ、勝てる確率は二割も無い。下手をすれば一割未満ね」

その言葉に僕達は絶句した。

「・・・・・・じゃあ、前までの実力は・・・・・・・・」

「手加減してたわけじゃ無いわ。本調子じゃなかった。ただそれだけのこと。貴方達も見たんじゃ無い?最後のバッヂを手に入れる時に。あの時にアヤカのポケモンは全員自分の真の力を取り戻した」

そう言われて僕達はあの最後のバッヂを手に入れる時を思い出した。確かにアヤカは圧倒的な力でバッヂを手に入れていた。

「確かに・・・・・・・あの時のアヤカは強かった・・・・・・・」

「次に、六強には及ばないもののかなりの力を持つ六強予備軍。これにはライやブラック、フィリーなどが当てはまるわ。この子達は伝説級を楽々とはいかないけど倒せるわ。私からしたら五割程度の確率で勝てるわ」

「・・・・・・・・・・」

「もう、よくわからない」

僕も今回はシゲルに賛成かな。

『次元が違いすぎるわね』

「ふふ。そうかしら?私達からしたら当たり前のことよ。それだけアヤカの為に努力したということ。そして、最後は六強予備軍には及ばないけどそこそこ強い子達。多分、サトシのリザードンぐらいの強さかしら」

そう言ってレイナは面白そうに笑った。

『はあ!?リザードンと同等!?嘘でしょ!?』

仲間内ではエース候補とされているリザードンと!?マジ!?

「嘘じゃ無いわよ。そうね、一番の強さを持つ六強をS+とするなら、六強予備軍はA、残りはBかしら」

「普通じゃ無い・・・・・・・」

「それが私達」

そう言って目を細めた。

「あの場に立てないのが残念だけどね」

その言葉は心底残念そうだった。

『レイナ・・・・・・・・』

「どうしたの?ピカチュウ?」

『君は伝説って言ったね?君はどんな伝説なの?』

「俺も知りたい!」

流石サトシ。本当に僕の言葉を理解してくれるから嬉しい。

「そう?じゃあ、教えるね」

私はレシラムと言ってイッシュ地方の伝説のポケモン。イッシュ地方の伝説のポケモンは三匹。私とゼクロム、そしてキュレム。私達はもともと一匹の竜だった。その竜は双子に従っていた。でも、ある時、双子は争いを始めた。真実を求める兄。理想を求める弟。そして、竜は二匹に分かれた。真実を司る私と理想を司るゼクロム。そして、その抜け殻となるキュレム。キュレムは誰も選ばなかった。そして私は兄にゼクロムは弟に付き、お互いに争った。だけど、ある時、悟った。この前争いを続けても、何も変わらない。むしろ酷くなるばかりだとね。そして、双子は争いを収めた。そして、私達はそれぞれライトストーンとダークストーンに姿を変えて眠りについた。キュレムは一匹、ジャイアントホールという所に行き、眠りについた。それから、何千もの月日が流れた。そして、再び、争いが始まった。ポケモンを人から解放し、ポケモンを自由にしたいという理想を求めた青年と、そんなのは間違っている。ポケモンと人は共存して行くべきだとそれが真実だと思った少女。青年は自分の世界しか知らなかった。たからそんな考えが生まれた。青年は少女より先にゼクロムに認められた。少女はそれより後にライトストーンを手に入れ、青年と向かい合った時にレシラムに認められた。そして、戦いが始まった。戦いは少女が勝った。そして、青年は静かに世界を広げた。だけど、青年の父はそれを許さなかった。父は自分達だけがポケモンを持ち、世界を支配したかった。その為だけに青年を王として育ててきた。少女はそれを聞いて怒った。その為だけに青年にみんなにこんな思いをさせたのかと。そして少女と父が戦いを始めた。もちろん少女の勝ちだった。そして父はそれを認められず、少女の幼馴染に連れていかれた。そして、少女はチャンピオンに挑み、見事勝った。そして、チャンピオンになった。だけど、少女はチャンピオンを辞退した。少女はもっといろんな場所を見たい、自分の世界を広げたいと旅を続ける事を選んだ。そして、少女はその地方を離れ、新たな地方を旅した。その二年後、再び青年の父が事件を起こした。今度はキュレムの力を利用した。世界を氷漬けにして支配しようとした。でも、それは新たに少年と青年によって阻止された。少年は青年からダークストーンを譲り受け、ゼクロムに認められた。

「これが私の知るイッシュの歴史」

凄く壮大な物語だった。しばらく言葉も出ないほど。

「その少女がアヤカだと?」

そして最初に口を開いたのはシゲル。

「うーん・・・・・ちょっと違うかな?貴方達は生まれ変わりというものを知ってるかしら?」

「うん。知ってるよ」

「アヤカは彼女の生まれ変わり」

「・・・・・・・その少女の名は?」

「彼女の名はナツナ」

「ナツナ・・・・・・アヤカはその記憶はあるの?」

「あるよ。私達、アヤカのポケモンは全員ナツナのポケモン。彼女が旅をして、彼女の為に強くなった」

そう言ったレイナは懐かしそうに笑った。

「私がナツナを認めた理由。ナツナは私がライトストーンだった時、こう言った」

ーーポケモンと人。確かにポケモンが辛い思いをしているかもしれない。でもね、それだけじゃない。同じくらい幸せな思いをしているポケモンだっている。それをあいつに知ってもらいたい。そして、聞きたい。貴方はポケモンと一緒にいて楽しかった事は無いの?って。真実は一つじゃ無い。人やポケモンの数だけ、存在する。私の事、無理に認めなくていい。貴方が無理だと思ったらそれでいい。私は自分の力でそれをあいつに認めさせて見せる。ゼクロムが何?私には関係ない。大切なのは自分の想い。想いを込めて、信頼を与えれば、ポケモンだって答えてくれる。辛い思いをしたポケモンがいるなら助けるのが当たり前。幸せな思いをしているポケモンがいるならそれを広めて行けばいい。そうやって世界を変えていつか、本当にポケモンと人が幸せに暮らせる世の中にしたい。その為にも全員が協力する必要がある。だから、あいつにも知って貰って協力して貰いたい。そして、胸はって言うんだ。こんな世の中も悪くないでしょって。

「そう言って笑ったのよ」

ナツナが言った言葉は僕達の胸に響いた。

「まだ、そんな世の中にはなってないけど、あの子は何度でもそうやって生きていく。それがナツナーーアヤカだから」

ああ・・・・・・ポケモン達がアヤカに惹かれる理由が分かった気がする。そして、アヤカを伝説のポケモンが選ぶのも。

「僕も、そんな世の中にしたい」

「俺も・・・・・・・・」

「ふふ。ありがとうね。きっとあの子も喜ぶわ。あの子と仲良くしてくれてありがとう。私達はもう一度あの子と出逢えた事を嬉しく思うわ。だから、今度こそ・・・・・・・」

ーー失いたくない

そうポツリと呟いた言葉は何かを決意するものだった。それが何かは分からない。でも、アヤカを凄く大切なのは分かった。それにしても、無邪気なだけかと思ったら意外と考えているんだな・・・・・・・・

「そうこうしているうちに終わったみたいね」

レイナの先にはグレに労いの言葉を掛けるアヤカの姿。どうやら一匹で倒してしまったらしい。

「凄いな・・・・・・・・」

「まさか、アヤカがあんな秘密を抱えているなんて・・・・・・・」

「道理で、昔から落ち着いていると思ったよ・・・・・・・」

『サトシ!次は僕らだよ!』

「ん?そうだったな。頑張ろうぜ!」

『うん!!』

次は僕らの番。絶対に勝つ!

それをレイナが微笑みながら見ていた。 
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