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ルドガーinD×D

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第二十三話:証の為に


久しぶりだな……この感覚――みんなの視線が痛い……こんなの痴漢冤罪をかけられたとき以来だ…

「ルドガー、どうしたのにゃ?」
「いや……何でもない」

これも全て人型のまま(ここ重要)俺の膝の上に陣取る愛しの黒猫のせいだ
手当はしたものの身体中が痛いので地味に辛い……まあ、可愛いからいいけど
後その様子を見てチラチラとイッセーの膝を見ているアーシアは別に気にしなくていいだろう

「待たせたね、事実確認に確認に手間取ってね」
「いえ、こちらこそお手を煩わせてすみませんサーゼクス様」
「なに、妹の眷属は私の家族も同然だ、それに協力するのは当然だろう」
「ありがとうございます、それで……」
「ああ……グレイフィア」
「はい、結論から述べさせてもらいますと――」
「「「「「……………………」」」」」

「はぐれ悪魔、黒歌の主人殺しの罪は元の主の契約違反が理由だったため無効とされます」
「よかった―「話はまだ終わりじゃないよ」―っ!!……禍の団の事ですか?」
「やはり、君は感が良いね」

以前に同じようなことを経験しましたから

「それって……」

不安そうにサーゼクス様を見るクロの頭を優しく撫でる

「ルドガー……」
「…………うん」
何も心配しなくていい……君を守るためなら――世界だって壊すから

「そう固くなることはないよ、これは私の個人的なお願いだ」
「……なんですか?」
「黒歌君は元はといえばこちらの責任だったとはいえ、テロリストの一員だった……現状テロリストには厳罰が下されることになっている」
「……………」

「しかし、先ほども言った通り黒歌君がテロリストに加担してしまうことになったのは私達にも責任がある、さらに言えば禍の団自体、私が魔王としての責務を果たせていなかったことが増大させてしまった原因でもある……だから私は君にチャンスを与えたいのだよ」
「……何をすればいいんですか?」
「君は黒歌君とこれからも暮らしていくのだろう?ならば黒歌君を守るのは君だろう………私は君に黒歌君を守っていけるという覚悟と力の証を示して欲しいのだよ――次のレーティングゲームでね」
「「「「「!!!」」」」」

それを聞いたみんなの顔が一気に引き締まった……はは、みんなにいらないプレッシャーかけたかな?

「分かりました、必ず示しましょう、そしてグレモリー眷属として勝利に貢献します」
「ああ、君が証を示した時、黒歌君を本当の意味で自由にすることをルシファーの名に懸けて誓おう……それじゃあ、レーティングゲーム楽しみにしてるよ」

そう言って部屋を出て行くサーゼクス様を見送っているとまたみんなの視線を感じ始めた……今回はさっきとは違って暖かいけどな

「悪いな、みんな……余計なプレッシャーかかっただろ」
「何言ってんだよ、むしろ燃えてきたぐらいだぜ!!!」
「ふふふ、イッセーの言うとおりね、この程度で参るほど私たちは弱くなくてよ?」
「部長の言うとおりですわ、それに面白いじゃないですか、愛の証を示すなんて」
「愛の証ですか……朱乃さんロマンチックですね////////」
「はは、今回はルドガー君が騎士の方がいいかもね」
「なに、初めてのレーティングゲームで少し舞い上がっていたんだ、少々重圧があった方が足を地に着けて戦えるというものだ」
「お二人の未来のために僕も頑張りますううううっ!!!!!」
「…未来の義兄のために私も一肌脱ぎます」

みんな……ありがとうな、ホントみんないい人だよな、いや良い悪魔か
でも一つ気になるところがあるんだけど――

「なあ、みんな、まるで、これが終わったら俺とクロが結婚するみたいになってるのは俺の気のせいか?」
「「「「「「「「「「え?違うの?」」」」」」」」」

え?なに?俺の方が間違ってるのか?というかなんでクロまで同調してるんだ!!?
俺まだ告白の返事すら返してないよな!?

「違うに決まってるだろ……俺まだ学生だぞ、第一結婚するにはもう少し段階を踏むもんじゃないのか?」

クロが結婚相手というのは……全然悪くないというか俺にはもったいないくらいだけど
やっぱり俺のやってきたことを考えると……簡単には踏み出せない
まあ、もっともらしい理由を並べてここは逃げよ――

「お金のことなら心配しなくていいわよ、グレモリー家で全額負担させてもらうから」
「部長だって学生なのに婚約させられそうになったんだから悪魔的にはOKだろ」
「愛さえあれば段階なんて関係ないにゃ」

逃げられなかった………

「いや……その……なあ」
「私と結婚するのはそんなに嫌なの?」

やめてくれ!!涙目上目づかいで俺を見つめないでくれ!!!ただでさえ流されやすい俺が断れるわけないだろ!!?

「嫌じゃないさ!!!ただ……その……」
「その?」

どう選択する!?おれ!!!

L1『素直に訳を説明する』   R1『何でもいいから理由を言う』

よし!!R1だ

「実は……恋人期間をもっと楽しみたいんだ」

あれ?なんか恥ずかしいセリフになったぞ?

「はっ!?そうにゃ!!まだデートもしてないのに結婚はよく考えたらもったいないにゃ!!!」
「あらあら、意外とかわいらしい所があるのですね、ルドガー君は」
「ふむ、恋人期間か……そういうのもあるのだな、参考になる」

しかも意外と好評!!?いや助かったのは確かだけどさ!!?

「それじゃあ、僕たちは邪魔者にならないように出て行くよ」
「…ルドガー先輩、明日はレーティングゲームなので早く寝てください」
「はううう、私も今日は早めに寝ましょう」
「何だか緊張してきたですうううっ……えーと、人はカボチャ、人はカボチャ……」

いや子猫ちゃん別に俺はクロに何もするつもりはないから!!?
そしてギャスパー、それは全世界共通の自己暗示なのか!!?また俺が煮物にしたら美味しそうなんて言われるのか!!?
て、あれ?心の中で突っ込んでる間に誰もいなくなったぞ?

「ルドガー♪やっと二人きりに慣れたにゃ」
「あ、ああ……」

そう言って俺に抱き着いてくるクロ、う!?いい匂いが俺の鼻をくすぐる

「………ねえ、ルドガー……本当のこと教えて」
「…………何のことだ?」

そうとぼけてみるがそれに反応することなくクロはジッと俺の目を見つめてくる

「ルドガーは私の家族…だから目を見れば大体わかるにゃ」
はは…そうだったな……クロに隠し事は出来ないな……
「俺はクロのことを守りたいしずっと一緒に居たいとも思ってる……この気持ちは本物だ」
「うん……」
「でも……誰も愛しちゃいけないんだ」
「………………」

ただ黙って聞いてくれるクロ

「俺は――幸せになるには…汚れすぎた」
『分史世界を偽物として消去してきたお前が――』
「ルドガー……あなたは何を背負ってるの?」
「…………………ごめん」

俺は……まだ弱いな……全てを話す勇気すら持てないなんてな……
兄さんもこんな気持ちで黙ってたんだろうか?
いや、兄さんは俺の為に真実を話さなかったんだ……でも俺は自分のために何も言わないだけだ……はは、酷い奴だな

「……いいにゃ、話してくれなくてもいい、あなたがどんな人でもいい、どんな酷いことをしてきたのだとしても――それでも私はルドガーのことが好き」
「ありがとう……クロ」
「ルドガーが私に言ってくれたことにゃ……それに良いことも聞けたにゃ♪」

ん?なんかいったか俺?

「ルドガーは幸せになれないって言ったにゃ、つまり私と結婚することは幸せってことで私のことが好きってことよね?」
「なあっ////!!?」
「にゃは♪図星にゃ♪」

うう…確かに好きだけど…何もそんなとこから引っ張ってこなくても…なあ?

「あ、そういえば告白の返事聞いてないにゃ、早く返事してにゃ!!」
「今更……言う必要があるのか?」
「むぅ、女の子は直接言葉として聞かないと安心できないのにゃ!!」

くう……やっぱり逃げられないか……いざ言うとなると…恥ずかしいな

「俺も…その……す、好きだ」
「声が小さい!!!」
「ぐっ!!……好きだ!!」
「もっと感情を込めて!!!」
「ええい!!!好きだ!!!大好きだ!!!」
「にゃーん♪そんなに言われたら恥ずかしいにゃ//////////」
「自分で言わせたんだろ……」

若干呆れながらも抱き着いてくるクロを抱きしめ返す
全く、この愛おしい黒猫は俺のことを振り回すのが本当に好きだな……まあ、そこがいいんだけどな

「にゃは♪……私も大好き……私をそのまま受け入れてくれるあなたが大好き……」
「ああ…………クロ、これだけは約束するよ」
「………何?」
「どんなことがあっても君を守る」
「っ/////////!!………うん」

君を愛することが許されなくても…守るさ、この腕の中の温もりを……
 
 

 
後書き
ルドガーさんは振り回され役。(キリッ) 
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