転生とらぶる
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マクロスF
0731話
大統領にグレイスの危険性とキノコの怪しい動きについて知らせた翌日、俺は若干寝不足ながらもフロンティア政府で最高の医療設備を誇る軍病院へとやって来ていた。
「ふわぁーあ……もう少し寝てから来れば良かったな」
昨日、大統領との話が終わった後にオズマの部屋に行って辞令と階級章を貰って正式に大尉となった俺は、ミハエル、ルカ、アルトの3人に引っ張られるようにしてS.M.Sの近くにある料理店で昇進祝いをする事になったのだ。
料理自体は不味くはないが、それ程美味いという訳でも無かった。だが、それでも俺達がバジュラの襲撃からアイランド1や環境艦に被害を出さずに守りきった事を思えば、嬉しく無い訳がなかった。
もっとも、その結果が夜中までのドンチャン騒ぎであり、俺の寝不足の原因になっているのだが。
そのまま病院にある売店で見舞いとしてクッキーとジュースを適当に買い込み、病院内を進み……
「アクセル? どうしたんだよ、こんな所で」
唐突に、横からそう声を掛けられる。
声のした方へと振り向くと、そこにいたのはアルトだった。そして並ぶようにランカの姿も。そのランカが手に花を持っているところから見ると、誰かのお見舞いなんだろう。ピンピンしているオズマじゃないのは確実だが。
にしても、アルトも俺と同じように遅くまで起きてたはずなんだけどな。全く眠そうな様子が見えないのは、ランカが近くにいるからか、はたまたこれが若さって奴なのか。
「そっちこそどうしたんだ? 俺はシェリルの見舞いにな」
「ああ、アクセルもか。俺もランカの付き添いでシェリルの見舞いだよ」
「あ、あの……その、いつもお兄ちゃんがお世話になってます」
そう告げ、ペコリと頭を下げてくるランカ。
何だかんだ言って俺とランカの直接の接点は少ない。それこそ、待避壕とか鳥の人のロケくらいか? それだけに、向こうも俺とどう接していいのか分からないんだろう。
まぁ、超時空シンデレラとかで爆発的にヒットしている今のランカの態度としては弱気だと思うが。
「こっちこそ、オズマには色々と世話になっているよ。それよりもどうせシェリルの見舞いに行くなら、一緒に行くか?」
「……え? その、一緒に行ってもいいんですか? その、恋人同士の邪魔になっちゃうんじゃ。私、ちょっと時間を潰してきてもいいですけど」
「別に俺とシェリルはそんな関係じゃないから、気にしなくてもいい。ほら、行くぞ。アルトも」
「あ、ああ。……にしても、本当にお前とシェリルって何でも無いのか? ミシェルは間違い無いとか言ってたけど」
「そうだな、少なくても向こうは俺の事を年下の弟のような感じで思ってるんじゃないか?」
肩を竦めながらそう告げ、2人と共に病院の中を進んで行くとやがて目的の病室が見えてくる。
「アルト君、私おかしいところ無いかな? シェリルさんに笑われたりしない?」
「大丈夫だって。シェリルはお前の憧れなんだろ。今のお前の姿を見せてやればきっと喜んでくれるさ。それこそ、風邪なんか吹っ飛ぶくらいにはな」
そんな風にアルトと緊張した様子で会話をしているランカを見ながら考える。
昨日俺がオズマの執務室で辞令や階級章を受け取った時、既にジェフリーからランカの件を聞いてはいたのだろう。自分の事ならともかく、ランカの事になるとすぐに態度に出るのはオズマらしいと言えばオズマらしかった。
だが、それでもジェフリーの要請を断る事が出来無かったのは、バジュラとランカの間にある何らかの要因を理解しているからこそだろう。それと、ジェフリーが非人道的な扱いは絶対に許さないと大見得を切ったのも理由になるのか。
にしても、バジュラが狙ってる可能性が高いのはアルトじゃなくてランカだったとはな。正直、かなり予想外だった。これまでランカがバジュラに襲われた時に殆どアルトがランカの側にいたし、何よりもS.M.Sやら何やらの関係で親しかったが故に間違ってしまったのだろう。
「ん? どうしたんだ? こっちの方をじっと見て」
「何でも無い、ちょっと考え事をな。それよりもこの前のバジュラ襲撃でランカのライブは延期になったんだろ? 残念だったな」
「あ、うん。でも、中止じゃなくて延期だから。それに、アルト君もライブに来てくれるって約束してくれたし」
ランカの言葉に、薄らと頬を赤くして視線を逸らすアルト。
なるほど、それなりに仲は順調に進んでいるのか。けど、そうなるとランカとバジュラの関係が明らかになった時にアルトは複雑だろうな。
「っと、ここだ」
通路の先にある、他の入院客の部屋から隔離された病室。
まぁ、シェリルの立場を思えば当然だろう。
もしシェリルが普通の一般人と相部屋で入院していたりしたら、もの凄い騒ぎになるのは間違い無いだろうし。
そんな風に考えつつドアの横にあるスイッチを押すと……
『何よ、グレイス! あたしは……』
そんな風な声が聞こえて来る。
なるほど。当然と言えば当然だが、グレイスは既にシェリルと接触していたのか。
「いや、俺だシェリル。アクセルだ。クォーターでの約束通り見舞いに来たぞ」
『ア、アクセル!? え? その、ちょ、ちょっとそこで待ってなさい!』
その声が聞こえてると、中で何やら動いている音が聞こえてくる。
「何やってるんだ?」
「アルト君、失礼だよ。シェリルさんなんだから、当然人と会う時には相応の格好をしないと……それに、お見舞いに来たのはアクセル君なんだし」
首を捻っているアルトに、ランカが告げている。……聞こえてるぞ。
そう言ってやろうかと思ったその時、再びシェリルの声が聞こえて来る。
『いいわよ、入って頂戴』
その言葉と共に扉を開くと、そこにはベッドで上半身を起こしているシェリルの姿が。
「どうやら入院してる割には元気そうだな。これは見舞いの品だ。後で食べてくれ」
クッキーとジュースをベッドの近くにあるテーブルの上に置き、そう告げる。
実際、こうして見る限りでは以前のように熱を出しているようには見えないし、顔色も悪くない。
「一応検査入院って形だからね。……ランカちゃん? それと、アルトだったかしら」
「は、はい! その、シェリルさんが入院したって聞いて……でも、話を聞く限りでは大丈夫そうで安心しました」
「そうだな。ランカのライバルなんだから、このくらいで倒れたりしちゃ困るよな」
「ちょっ、ア、アルト君!? 私がシェリルさんのライバルだなんて……そんなの失礼だよ」
アルトの言葉に、顔を赤くしながら言い募るランカ。だが、シェリルはそんな2人を見て面白そうに笑みを浮かべて口を開く。
「ふふっ、謙遜する事は無いわよ。実際、ランカちゃんはギャラクシーネットでも人気急上昇中じゃない。ライブはこの前の件で延期になったみたいけど、近い内にやるんでしょ?」
「え? あ、はい! エルモさんからはそう聞いてます」
「……そうか」
シェリルとランカの会話を聞いていて、思わず呟く。
その声が部屋の中に広がったのは、偶然にシェリルとランカの会話が丁度途切れた瞬間だったからだろう。
「アクセル? どうしたの?」
「いや、何でも無い。ライブが近くなったら、オズマが色々と落ち着かなくなるだろうなと思っただけだ」
「ああ、確かに。オズマ隊長の性格を考えれば、その辺は確かにおかしくないかもな」
アルトが俺の言葉に続ける。
この辺、全てを分かって言っているのか、あるいはその直情的な性格故なのか分からないが、それでも病室の中に一瞬だけ漂った変な雰囲気は消え去ったのだからありがたい。
バジュラとランカの関係については、まだ状況証拠だけであり明確な証拠はない。更に言えば、もしバジュラに影響を及ぼすとしたら、ランカは色々な意味で一般人には戻れなくなるだろう。そしてガリア4にあったグローバルの研究室の件。これを知らせるとしたら、それは俺の役目じゃない。アルトの役目でも無い。これまでランカを引き取り、見守ってきたオズマの役割だ。
「んー……それにしても、このまま病室にいるってのもちょっと辛気くさいわね。ね、外に出てみない?」
「え? でも、その……身体の方は大丈夫なんですか?」
「大丈夫よ、実際こうして元気なんだし。検査についても近い内に分かるって言ってたから、それが終わればあたしもランカちゃんに負けないくらい頑張るからね」
「は、はい!」
「って訳で、ほら! アクセルとアルトは一旦病室の外に出て頂戴」
ベッドから起き上がったシェリルが、そう言いながら俺とアルトを病室の外に押し出す。
「おい、何でいきなり……別にそのまま出てもいいだろ!?」
いきなりの行動にそう抗議をするアルトだったが……こう言う時に女に逆らうとは、まだまだ甘いな。
レモン達と一緒に暮らしており、その辺についての理解がある――寧ろ叩き込まれた――俺としては、特に何を言うでも無く、アルトをその場に残して部屋の外に出る。
「へぇ。アルトはあたしの、人に見られちゃ困るような光景をその目でじっくり、たっぷり、ねっとりと見たいんだ……」
「アルト君、そんな……」
「おい待て! 俺は別にそんなつもりは……アクセル!? げ、1人だけ逃げやがったなあの野郎!?」
病室の中からそんな悲鳴が聞こえてくるが、別に逃げた訳では無い。戦略的撤退って奴だ。寧ろ、あの状況で何かを言い返そうとしたアルトの方が悪いだろう。
そんな風に内心で呟いていると、やがてキャーキャーとした歓声、あるいは悲鳴が聞こえてきた後、ゲッソリとした表情を浮かべつつアルトが病室から出て来て、ジットリとした視線を送ってくる。
「おい、卑怯者」
「その評価は心外だな。勝てそうにない相手からは素早く撤退する。VF乗りとしても、当然の選択だろ? そもそも、部屋を出ていろと言われたにも関わらず、まだ残ろうとしたお前が悪い」
「ぐっ、それはついだな……その……」
そんな風に俺とアルトが言い合っている間に準備が整ったのだろう。再び扉が開いてシェリルとランカが姿を現す。
パッと見、シェリルの様子は病室の中にいた時とそれ程変わっているようには見えない。着ている服は動きやすさを重視した……逆に言えば、その魅力的な肢体の露出が高い姿そのままだ。
と言うか、シェリルは本当に自分の格好に無頓着になる時があるよな。タンクトップに短パンという格好で、太股が剥き出しになっているし。
アルトなんか耐性が無いから頬を真っ赤に染めて視線を逸らしているぞ。
……そんなシェリルの近くでランカが微かに不機嫌そうになっているのにも気が付いていない様子で。
恐らく、俺には気が付かないような身だしなみを整えたりしたんだろう。
「で、どこに行きたいんだ? まさか病室にいるのは嫌だって言っても、入院している身で外に出ようとは思わないだろ?」
「……そうね。病院の中をちょっと歩いてみようかしら。ずっと寝てたら息が詰まるもの」
自分の格好に俺が何の反応も示さなかったのが不満だったのか、小さく口を尖らせて呟くシェリル。
そんなシェリルを先頭に、俺、アルト、ランカの3人は病院の中を歩いて行く。そして待ち合わせ室のホールへと辿り着くと……
「ええっ!? な、なんであの時の映像が!?」
何やらランカが、急に映像モニタに映し出されていたのを見て声を上げる。
そちらを見ると、そこには確かにランカの姿があった。どこかの街中で歌っている映像。
「これって、あの時の……」
アルトも見覚えがあるのか、思わずといった様子で呟く。
「へぇ、楽しそうに歌ってるわね。……ランカちゃんの歌ってる姿を見たら、あたしもちょっと歌いたくなっちゃった」
そう告げ、突然歌い出すシェリル。その歌唱力はさすがと言うべきか、演奏も何も無いのに瞬く間に周囲の注目を集める。
って言うか、シェリルがここにいるってのを自分からバラしてどうするんだよ。
その様子に溜息を吐くも、俗に言うアカペラの状態で歌っているというのにその表情は生き生きとしている。まるで、音楽の申し子とも言える程の歌。
実際、音楽に関しては疎い俺だがシェリルの声はいつまでも聴いていたいと思わせる何かを感じさせる。セイレーンの瞳を持つ美砂とはまた違った歌唱力。
その歌声に、俺だけではなくアルトやランカも思わず聞き惚れていた。
……だからだろう。その瞬間に気が付かなかったのは。
「げほっ、ごほっ」
歌っていたシェリルが、突然咳き込んだのだ。そしてバランスを崩して地面に倒れ込みそうになるところで……ちぃっ!
咄嗟に地を蹴り1歩を踏み出し、その身体を支える。
「おい、シェリル!?」
「だ、大丈夫。ちょっと咳が出ただけだから」
「けど、お前……」
「大丈夫、大丈夫よ……」
まるで、自らに言い聞かせるようなその言葉。……本当に何でも無いのか? 一応検査入院しているんだから、何か病気に罹っていればすぐに判明するだろうが……
「アクセルにアルト……シェリル・ノームも?」
そう声を掛けて来たのは、いつの間にか現れていたオズマ。
こっちを怪訝そうな表情で一瞥するが、特に問題は無いと判断したのだろう。視線をランカに向けて口を開く。
「ランカ、済まないがちょっと一緒に来てくれ」
「あれ? お兄ちゃん?」
「……とある人がお前に用事があると言っているんだ。頼む」
「え? その、アルト君……」
咄嗟にアルトへと視線を向けるランカだったが、アルトにしても何かを言おうとしてオズマに止められる。
「……頼む、ランカ」
その言葉に押されるかのように、ランカはオズマと共に去って行ったのだった。
そしてこの数日後、何故かアルトの階級が上がり少尉となる。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:905
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:690
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