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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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危険な任務

――――とある林の一角。
そこにせわしなく動く怪しい影。

「…目標との距離は?」

「5m、性格には5,26mってところだ」

「いつでもいけるってばよ」
「俺もいいぜ」
「私も」

「よし!…やれ」

バババッとそれぞれが一斉に影に向かって飛びついた。

「つっかまえたーー!」
「ニャーーーーー!?」

「右耳にリボン。
目標のトラで間違いないな?」

「間違いない」

そう、これは俺たちが請け負った忍者としての任務だ。
最近の任務でもたいした物はなく、『家の掃除の手伝い』、『ごみ処理』、『建築の資材運搬』などがあった。
大半の力仕事に暴力ピンクは一人サボっていたのだが…。

そして今回もそういった隣人と大差ない、『迷子ペット”トラ”捕獲任務』というわけだ。












「ニャーーーー!」

「ああ!私のかわいいトラちゃん!
死ぬほど心配しましたのよー!」

先ほど捕獲した猫を必要以上に頬ずりかます今回の任務の依頼者、マダム・しじみ。
被害者といえる猫、トラは猫でありながらも大量の涙を流している。

「ご苦労じゃったな。
さて、カカシ隊第7班の次の任務は、と…
老中様のぼっちゃんの子守に、隣町までのお使い、芋ほりの手伝い…じゃな」

ほんとに忍がやることか?と思うのだが、おれ自身はこの世界での仕事を選ぼうとは思わない。
まぁ、誰かのためになんて思想を掲げるつもりはないが、爺さんの考えはそうなのだろう。

「却下だ」

…とまあ、こういったことを理解しようとしない輩もいるわけなんだが。

「何だ、サスケ」

答えたのはサスケの兄貴でうちはイタチ。
うちはの天才と言われた有力な忍だ。

過去、うちはの皆殺しを俺が阻止、というよりも
皆殺しではない別の方法で阻止したため、今では5代目火影としてその位についている。

「こんな簡単な任務ばかりは他の班に任せればいい!
俺はもっとやりがいのある任務がやりたいんだ!」

…まったく共感できないわけではない。
基本仕事を始めた人間はもっとも簡単な仕事から始め、徐々に難しい仕事を行う。
いわば教育期間、もっと言えば位をあげるための下積みなのだ。

そもそも任務とはA~Dまでランクづけされており、
俺たちがやっているのがDランク。
Aランクは上忍、B、Cランクが中忍、Dランクが下忍となっており、
受注対象の能力に合った任務が取り寄せられる。


「バカヤローー!
お前はまだ新米のぺーぺーだろうが!
誰でも最初は簡単な任務から場数をふんで繰り上がっていくんだ!」

ほらみろ。

「兄さんは俺ぐらいの年にはAランクの任務だってこなしていた!」

「サスケ、それは…」

「俺はもう兄さんの背中をついていく子供じゃない!
兄さんの隣に立てる立派な忍者になるんだ!」

「サスケ…3代目」

「ふぅ…仕方ないのう…
おぬしらには特別にCランク任務をやってもらう。
…ある人物の護衛任務だ」

「…!」

おい、それでいいのか里長。

「それで、護衛対象は?どっかの大名か?」

んなわけあるか。
さっきまでやってた任務がDランク。
それがCランクになった程度にお偉いさんがつくわけがない。

「入ってきてもらえますかな?」

ガチャ…
おぼつかない足元で酒の臭い。

「何だぁ…超ガキばっかじゃねえかよ。
特に、そこの一番ちっこい超ひ弱そうなガキ。
お前それ本当に忍者かお前え?」

一番ひ弱そう…俺のことか。

「なあ依頼者、……お前はこの場から守られる対象だ。
そんなやつがこれから同伴する…守護する者に対してそんな事を言って
快く守ってもらえると思ってんのか?」

「ああ?
んなもんお前が決めることじゃ超ねえ。
ガキはおとなしく「依頼者」…何じゃい」

「この場に墓標を立てたいのなら…その続きを言え。
そうでないのなら、自己紹介、依頼内容およびその理由を伝えろ」

俺は威嚇程度に依頼者のじじいをにらんだ。
依頼者は顔を青くして冷や汗を大量に書き出す。

「如何した…?
まさか、表面上の腐った目で見て発言した結果、
その対象が強大な化け物だったみたいな顔をして」

周りにいるもの、サスケと暴力ピンク以外は俺の出している殺気を感じ取っている。
殺気は依頼者のみにむけた物だが、感じ取れるあたりはさすが忍といったところだろう。

「安心しろよ。
先ほど俺が言ったことは本当だぞ?」

(((ひどく安心できない)))

そう思うカカシ、3代目、イタチだった。



















――――――ところ変わって木の葉の里、門の前。

あの後、依頼者…タズナは以来の説明をした。
タズナは波に国へと帰国し、今建設途中である橋を完成させなければならないそうだ。
俺たちはその橋が完成するまでの護衛になるわけだ。

「出発ーー!」

ナルトは両手を振り上げで喜びを体言した。
なんだかんだ言っても里から出るのは初めてなので、わくわくしているのだろう。

「ふん、ウスラトンカチが…」

「静かにしなさいよ!」

馬鹿二人がナルトに批難の声をかける。
こうして一同は歩き始めたのだった。





歩き始めてから10分ほどが経過した。
一向は乾いた道を足並みをそろえて歩く。
天気は爽快で開拓された道を明るく照らし、
その日の光の感覚も良好である。


「ね、カカシ先生。
波の国にも忍者はいるの?」

ふと、暴力ピンクがカカシに尋ねる。

「いや、波の国に忍者はいない。
…が、たいてい他の国には文化や風習こそ違うが隠れ里が存在し、忍者がいる。

大陸にあるたくさんの国々にとって忍びの里ってのはその国の軍事力にあたる。
つまり、それで隣接する他国との関係を保てるってわけ。
ま、かといって里は国の支配下にあるもんじゃなくてあくまで立場は対等だけどな。
波の国のように他国の干渉を受けにくい小さな島国なんかは忍びの里が必要でない場合もあるし。
それぞれの里の中でもとくに木の葉・霧・雲・砂・岩の五カ国は国土も大きく、
力も絶大なために”忍び五大国”と呼ばれている。
んで、その里の長が”影”を名乗り、語れるのもこの五カ国だけ」

カカシはぺらぺらと教科書に載せられるような説明をかたりだす。
聞いた張本人である暴力ピンクは???と明らかにわかっていないような顔をしていた。

「その五大国の影、つまり火影・水影・風影・土影のいわゆる五影は全世界、
各国何万の忍者の頂点に君臨する忍者たちだ」

「へぇー火影様ってすごいんだぁ…」

…こいついま爺さん馬鹿にしてること思ってやがるな。

「…お前ら今火影様疑っただろ」

ギクっと方を振るわせた俺以外の三人。

「ま、安心しろ。
Cランクの任務で忍者対決なんてしやしないよ」

「じゃあ外国の忍者と接触する心配はないんだ」

「もちろんだよ!アハハハハ!」

カカシたちの言葉に顔をしかめたタズナを俺は見逃さなかった…

「ふんふんふん~♪」

――――――――――近くにあった水溜りに超絶ものの香辛料を投入しながら。

「おい、何してんだウスタトンカチ2号」

そんな俺に対して自分の力量を意識していないかっこつけが声かけてきた。

「見りゃわかるだろ。
俺が改良に改良を加えた超絶激辛香辛料を
あまりにも不自然な水溜りに投入してんだよ」

「…は?」

「うわぁ……」

かっこつけ君は気づいていないようだが、あらかさまにカカシが反応した。

「なあなあ!オレもこの前に作った取って置きのからしがあるんだけど!」

「やれナルト」

「ほい」

ナルトが水溜りに例の物を放り込むと、
水は見る見る赤く染まり、ボコボコと気泡が浮き出てくる。

「お前たち、その辺にしてあげて…」

ちっ、と留めをさせなかった。

「なあ依頼主、ちょっと聞きたいことがあるんだが?」

「詳しく話してくださいね」

俺とカカシはタズナを三人から離れた場所に連れ出し、ことの真相を聞いた。 
 

 
後書き
更新が遅れてすみません。
人生二回目の詐欺に会い、携帯が止まってしまいました。

そのため、更新が遅れてしまいます。
楽しみにしてくださった方々、お詫び申し上げます。 
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