最高のダイエット
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第二章
「あの人ハーフなのよ」
「中国系とイギリス系のね」
「父親が中国系の人らしいのよ」
「だからなのね」
キャシーはその話を聞いて彼が何故黒髪に黒い瞳なのかを理解した。どちらもアジア系の特徴の一つだからだ。
「そういえば肌の色も」
「アジア系の色が入ってるでしょ」
「少しピンクが強くて」
「そうよね」
肌の色にも混血が出ていたのだ、彼からは。
「大学を優秀な成績で卒業してね」
「前の企業でも凄かったらしいわよ」
「それをうちのボスがヘッドハンティングしたのよ」
「アメリカみたいにね」
そうして来てもらった人だというのだ。
「名前はディビット=リー」
「俳優にもなれそうよね」
「結構以上に顔もいいし」
「二つの血がいい具合に出ていてね」
「あれはもてるわよ」
「凄くね」
「わかったわ、リーさんね」
リーもだ、ここでこう言うのだった。
「あの人は」
「そう、そう呼びましょう」
「あの人が来てくれてオフィスも華やかになったし」
オフィスは美女だけで華やかになるのではない、美男子でもそうなる。彼女達もこのことをビーフカップを食べながら話すのだ。
「いい感じよね」
「うちのオフィスもそうなったわね」
「性格もいいし」
キャシーはここでこうも言った。
「あの人は」
「?ひょっとしてキャシー」
「貴女惚れた?」
「そうなったのかしら」
「ま、まあね」
顔を赤らめさせながらだ、キャシーは恥ずかしそうに答えた。
「就職してからずっとなかったけれど」
「好きな相手が出来たのね」
「そうなのね」
「ええ、そうよ」
まさにというのだ。
「ちょっとね」
「あらあら、そうなの」
「あの人を好きになったのね」
「そうなの」
「ちょっと、自分でも驚いてるわ」
リーを好きになった自分にだ、そうなっているというのだ。
「このことには」
「そうなのね」
「それじゃあ」
「これからあの人にアタックするのね」
「それでゲットするのね」
「いや、それはね」
告白だのそういうのはとだ、キャシーは苦笑いになって友人達に返した。
「ちょっとね」
「あら、言わないの」
「それはなの」
「告白とかは」
「それはしないの」
「ちょっとね」
どうしてもという口調だった、今のキャシーは。
「勇気がね」
「そこでそうしないの?」
「一気にアタックは」
「それは」
「昔からなのよ、私はね」
キャシーは苦笑いになってビーフカップを食べる手を止めて言った。
「こうしたことは苦手なのよ」
「仕事は出来るのね」
「それでもなの」
「そうなの、どうしてもね」
こう言うのだった。
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