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『ポケスペの世界へ』

作者:零戦
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第二十九話

 
前書き
ヤナギの名言。 

 




『…………(゚Д゚)』

 ぁ~事情を知らない奴らが驚いているな。

「………どうぞクリスさん」

「あ、はい」

 クリスは半場、唖然としながら祠に二枚の羽を入れた。

バリイィンッ!!

「わッ!?」

 氷が割れるような音がすると共にゴールドが戻ってきた。

「よっしゃァッ!!助かったぜ麦わら君………って何だァッ!?麦わら君じゃなくて麦わらギャルだとォッ!?」

 ゴールドの、反応は当然やな。

「しかも何か微妙~に気まずい空気……ま、いっか」

 原因はお前だからな?

「この帽子を取るっつーだけで、アンタにはアンタの戦いがあったんだな麦わら君」

 いやだからフラグを作ったお前が悪いからなゴールド。

「さて、この羽でヤナギのように動けるはずだ」

 クリスとシルバーがスイクンとエンテイの背中に乗っていた。

「おめえらも来んのか?……聞くだけ野暮だな」

 ゴールドは二人を見て笑う。

「行くぜッ!!時間を、時間(とき)を越えろォォォーーーッ!!」

 三人は祠の中へ入った………ってッ!?

「俺を置いていくなよ………」

 またですか?またなんですか?

「ピジョットか、バクフーンで行けるやろか……」

 少し不安やなぁ。

「ちょっと待てッ!!どうやって行くつもりなんだッ!!」

 ん?グリーンが言ってきた。

「そりゃぁ『銀色の羽』と『虹色の羽』やけど?」

「だが、羽は無いだろう」

「それがあるんだよこれがな」

 俺はそう言って、ポケットから二枚の羽を出した。

『なッ!?』

 ブルー達が驚く。

「一体どうやって手に入れたのよ?」

 ブルーが聞いてきた。

「どうやってって……そこら辺に落ちてたけど?」

 さっき、ヤナギの氷人形から逃げる時に落ちてたんだよな。

 ………これで局長とニビの老人から貰わなくて済んだな。

 それに局長もニビの老人も羽が落ちてきたのを拾ったからな。

「さて、行くか。あぁ、火力支援のためにバクフーンは置いておくわ」

「助かるぜ」

 レッドが言う。

「ピジョット、頼むわ」

 ピジョットが頷き、俺は祠の中へと入った。





 お、やっとゴールドが見えてきたな。

「ん?あれは………」

 シルバーの左上の方向に映像が出た。

 そこは氷原であり、若き日のヤナギと二匹のラプラスがいた。

 いきなり氷が割れて、二匹のラプラスは巻き込まれていった。

 そして、泣き崩れるヤナギの懐から一匹のラプラスが産まれた。

「………見たな」

『ヤナギッ!!』

 ゴールド達が叫んだ。

「てめえが取り戻したい過去っつーのはまさか………」

「……紹介しよう、私のラプラス。名前はヒョウガだ」

 ヤナギは手にしたモンスターボールをゴールド達に見せた。

「このヒョウガのために私は過去に戻るッ!!あの時に失った二匹、ラ・プリスとラ・プルスを救うためになッ!!」

『ッ!?』

 ヤナギの言葉に三人は驚く。

「それだけのために……たったそれだけのために今までの全部が計画されていたっていうのッ!?」

「……たった……それだけだとォッ!!」

 ヤナギは怒った。

「お前達にとってはそれだけの事かもしれないが、私にとっては生きていく全てなのだよッ!!」

 ヤナギはそう言って、ゴールドが付けていた二枚の羽を取った。

「あッ!?」

 途端に三人は苦しみだした。

 ちなみに俺は少し離れたところで静観中や。

 あ、そろそろヤナギの言葉を録音しとかへんとな。

「……そしてお前達には一つウソをついてしまったな。私にとってポケモンとは『道具』であると言ったが、あれは正解じゃなかったなぁ」

 ………来るで。

「正しくは愛すべき存在ッ!! 愛して愛して愛しぬくッ!! 『道具』とはその愛を貫くために利用するその他一切のものだッ!!」

 ………ヤナギさんマジパネェ……。

「そのまま時間(とき)のうねりに押し潰されるがいいッ!! 祠の前の連中ももうおしまいだッ!!」

 ヤナギは笑う。

「さぁ急ぐのだセレビィッ!! 早くこの私をあの時へッ!! あの時間へ向かわせるのだッ!!」

 ヤナギはその場所へ進んだ。



 
 

 
後書き
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