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『ポケスペの世界へ』

作者:零戦
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第二十八話

 
前書き
カスミさんを忘れないで下さい。 

 



「お前の野望……今こそ潰える時だッ!!これだけの戦力を前にもはや太刀打ち出来まいッ!!」

 シルバーの言葉と共にポケモン達が一斉にヤナギに攻撃を開始した。

「舐めるなァッ!!」

 けど、ヤナギは氷の楯を出して攻撃を防いだ。

「何ィッ!?」

「氷の盾で受け止めたッ!!」

 レッドとグリーンが驚く。

「それだけではないぞ?」

 氷の盾が氷人形になっていく。

 ヤバイから逃げよ。

「氷の盾が周囲の水分を集めて六体の氷人形にッ!?」

「そんなッ!!」

 クリスとイエローが驚く。

「行け、氷人形達(レプリカ)ッ!!」

 ヤナギの言葉に氷人形達がレッド達に襲いかかる。

 氷人形はレッド達のポケモンを全て倒してレッド達を押さえつける。

『うわぁッ!!』

「……フフフ、力が……力がみなぎっている。自分でも何故だか分からないがもしかすると……」

 ヤナギが懐からあのモンスターボールを出した。

「遂に完成したこいつがッ!!私に新たな活力を与えているのかなッ!?」

「時間を捕らえる……モンスターボールッ!?」

 クリスが叫ぶ。

 そして、祠がゆっくりと開いていく。

「おおおお、夢にまで見た瞬間だッ!!」

「あれはッ!?」

 レッドが叫ぶ。

 祠から出てきたのは………。

「……時わたりポケモン……セレビィ……」

「その通りだッ!!」

 俺の言葉をヤナギが答えて、セレビィにボールを投げた。

パシュッ!!

「ああ………」

「さぁセレビィ。連れて行ってくれ。私の失った過去を取り戻す時間の旅へッ!!」

 ヤナギの、車椅子の下かは二つの時計が出た。

「右側は時計、左側は温度計だ」

 その時、セレビィが念じると、時計が逆戻りを始めた。

「時計が逆戻りを始めたッ!?」

「左側の温度計はまもなく摂氏マイナス273.15度だ。全てのものが凍結する絶対零度だッ!!」

 レッド達は身動きが出来ない。

「ゴールドッ!! 何処なのッ!?」

「ゴールドか……フフフ、彼はよくやったよ。この私の仮面を剥ぎ、『時間の狭間』に入ろうとする私を引きずり落とそうと突っ込んできた……強力な”フラッシュ”で未だに目が見えないほどだからな」

「じゃあゴールドは………」

ジュオッ!!

 その時、エンテイがクリスにまとわりついた氷を溶かした。

「シルバーッ!!」

「図鑑を見ろッ!! 『共鳴ランプ』は点滅しているが、『共鳴音』はしない。図鑑もゴールドがこの場にいるのかいないのか『認識しかねている』」

「じゃあ逆に『この場にいるかもしれない』って事?」

「あぁッ!!」

「その声はシルバーか? 流石我が弟子、いい推理だ」

 そこへヤナギが口を開いた。

「あんまりしつこいので『時間の狭間』の中でちょっと細工をしてやった。かつてライコウ、スイクン、エンテイにしたようにな。『時間の狭間』の中で私の氷壁に挟まれると、フフフどうなるか………」

「「ゴールドッ!!」」

 『時間の狭間』にゴールドは閉じ込められていた。

「さらばだ諸君」

 そしてヤナギは祠の中へ消えた。

 ………ん?

 あれは……。

「くうううッ!!あんにゃろおおッ!!」

「ゴールドッ!!一体何が……」

「おう、クリスにシルバーにショウさんッ!!それにその他大勢かッ!!ド畜生め、『時間の狭間』の入口までヤナギを追いかけたまでは良かったんだがよぉ」

「とにかく掴まれッ!!」

グニャリ。

『ッ!?』

 ゴールドに差し出そうとした左手がグニャリと曲がった。


「うわぁッ!!」

「不用意に触るなシルバー。この中は異空間やから入ったらオダブツや」

 俺はシルバーに言う。

「ヤナギが無事なのはボールの中に仕込まれている二枚の羽のおかげだ。俺達もあの二枚の羽さえありゃぁ…………あああああッ!!」

 ゴールドが叫ぶ。

「オイオイオイ、俺が自由になる方法がバッチリあるんじゃね~か。そこで、凍ってる麦わら君ッ!!帽子に刺さっているのはまさしく『銀色の羽』と『虹色の羽』だッ!!」

 ………イエローの実は女の子フラグやな。分かるよ。

「ん…く、は、外れない……」

 イエローが必死に入った羽を抜こうとする。

「取りゃいいだろ帽子ごとッ!!」

 怒るなゴールド。

「で、でも……」

「何がでもだッ!!あーもーじれってぇッ!!」

「……イエロー」

 その時、母さんと一緒にいたカスミがイエローに近づいてきた。

「あなた……何のためにレッドの側にいたの?」

「カ、カスミさん……」

「私は貴女と対等な勝負がしたいわ。だから帽子を取りなさい」

 カスミはイエローに言う。

「それとも、帽子を取らないのは逃げているだけかしら?」

「ち、違いますッ!!」

 イエローは首を左右に振る。

「分かりました。カスミさん、対等に勝負しましょう」

「望むところよ」

 カスミが笑い、イエローは麦わら帽子を取った。

「………(゚Д゚)」

 あ、レッドが唖然としているな。


 
 

 
後書き
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