MUVLUVにチート転生者あらわる!?
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第十二話
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悠斗side
模擬戦後の修羅場から十日余りたった。
あの後、月詠大尉は俺を眼鏡を外したヤンキー口調でマジギレするは、シーマ中佐からは夜に酒を飲んで絡まれるは、イルマ中尉に至っては既成事実を作ろうとするは散々だった。
今日は、やっと取れた休みで唯依ちゃんと約束していた、帝都京都にある篁家のお墓参りに来ていた。
「叔父さん。叔母さん。なかなか、お墓参りに来れなく申し訳ありません。叔父さんが守ろうとした、日本もついに前線国家になってしまいました。しかし、見ていてください。必ずやBETAを地球から叩き出して見せますので、天国から唯依ちゃんを守ってください」
お墓に線香を置いて手を合わせる。
このお墓の中には、BETAとの戦いで亡くなった唯依ちゃんのお父さんと、唯依ちゃんが小さい頃に亡くなったお母さんが眠っている。
この世界の俺は、篁家との交流関係が有ったらしい。
残念ながら二人の顔は分からないが、お世話になっている筈なので確りと手を合わせる。
「父様。母様。今年は悠斗君も、一緒に来てくれました。次は何時来れるか分かりませんが、天国から見守っていてくださいね」
俺の隣に立ち両親に報告する唯依ちゃん。服装は帝国軍の制服ではなく、斯衛軍の山吹色の制服を着ている。ちなみに、俺も斯衛の制服を着ている。
お墓参りに来る前に、唯依ちゃんに「帝都に行くんですから、斯衛の服を着てください」と、言われて渡されたので着替えました。あんまり似合うとは、思えないんだよな~。あと、腰に刀を差しています。刀の名前は、氷刃「雪月花」。モ○ハ○セカ○ドGの太刀なんですよ。神様から貰ったチートの能力で出せるか試してみたら、出せました。本来は太刀なのに、何故か脇差しの大きさに変化しました。まあ、多分太刀の大きさに戻せるでしょう。
「お墓参りも終わったし帰ろうか」
「そうですね。行きましょうか」
唯依ちゃんの両親のお墓に背を向けて墓を去る。暫くで歩いていると、空から雪がちらついてきた。
「うん?雪が降ってきたな」
「そうですね。まだ、2月の初めですからね」
二人して空を見上げる。まだ、京都の町は戦火に巻き込まれていないため、綺麗な街並みが残っている。この京都の美しい街並みも、あと半年程したら灰塵に帰るのだからな。
「そう言えば、悠君は実家に戻らないんですか?」
「実家には戻らないよ。あくまでも今日は唯依ちゃんの両親の、お墓参りに来ただけだから時間が無いからね」
この世界の俺の実家なんて、全く知らないし興味も無いから行くつもりもない。
「なら、少し散歩しませんか?まだ、帰りの時間まで余裕がありますし」
腕時計を見ると、帰りの時間まで余裕がある。唯依ちゃんとのプチデートだと思って行きますか。
「そうだね。ならお茶にしようか」
「なら、私のお勧めのお店があるので行きましょう!」
「ちょっと待って」
唯依ちゃんの隣に並び、右手を俺の左手で優しく握る。唯依ちゃんの顔が赤くなった。
「え、えっと?」
「うん?迷子にならない為だけど、嫌だったかな?」
「い、いえ!構いません(悠君の方から、握ってくれた嬉しいな)」
何だか唯依ちゃんが真っ赤になってるけど、風邪かな?今日は寒いから、お墓参りの間に冷えちゃったかな?だとしたら早めにお店に行こうかな?
「唯依ちゃん。顔が赤いけど大丈夫?なんなら、早めに迎えを呼ぶけど?」
「え?あ、だ、大丈夫です。それよりお店に行きませんか?(せっかく悠君が、時間を作ってくれたんだから、大事にしなくちゃ)」
まあ、唯依ちゃんが大丈夫なら問題無いか。
「じゃあ、案内をお願いするね」
「はい。ついて着てくださいね」
唯依ちゃんと、手を繋ぎながら案内されたお店に向かって歩く。暫く歩くと、和菓子屋さんが見えてきた。
甘味所「ヤシマ」と書いてある。
「此処の和菓子は、美味しいんですよ。特に餡蜜が美味しいんですよ。たまに雨宮中尉や同期の皆と一緒に来るんです」
「へえ~、唯依ちゃんがそう言うなら、楽しみだね」
暖簾をくぐりドアをあけると、女性店員が出てきた。
「何名様ですか?」
「二人です」
「なら、此方の席にどうぞ」
女性店員さんについて行く。なんか、店員さんが誰かに似ている気がするな。
「此方の座席になります。ご注文が、決まりましたら声をかけてください」
そう言って、店員さんは去っていった。とりあえず二人とも座る。ちなみに手はお店に入る前に離しています。その時の唯依ちゃんは、何となく寂しそうだった気がした。多分気のせいだろうな。
「唯依ちゃんは何にする?」
手元にある、メニュー表を二人で見ながら話す。
「そうですね。私はやはり、餡蜜を食べようかと。悠君はどうします?」
「うーん。俺は、どうしようかな?」
真面目に悩んでいます。わらびもちにするか、餡蜜にするか、みたらし団子にするか悩みます。
「決まった。みたらし団子にするよ」
「お団子ですね。すいません、注文お願いします」
「はい。只今伺います」
先程の女性店員さんが、注文を受けに来てくれた。唯依ちゃんが手慣れた様子で注文する。店員さんが唯依ちゃんと小声で話していたが、俺は違う事を考えていたので聞こえていなかった。
悠斗sideout
唯依side
私は今、良く来る甘味所で悠斗君と二人で食べにきた。常連の私と中のよい店員八洲みらいに、注文を頼んでいた。
「餡蜜とみたらし団子をください」
「分かりました。唯依は今日は雨宮さんとじゃなくて、彼氏と一緒なのね」
「ち、違います!彼は幼なじみです」
「あら?そうなの?彼の方を見ているから、てっきり彼氏かと思ったわ」
確かに、悠君が彼氏なら凄く嬉しくのだか、残念なことに私は幼なじみとしか、見られていない気がする。確かに彼の側に居ても、不思議ではないが一人の女としては悲しいな。悠君は、顔はカッコいいし、性格は優しい。家柄だって、名家の生まれだし、軍人としては二十歳と言うのに准将という地位にいる。衛士としての腕前も一流である。しかも、本人はそんなことを鼻に掛けることなく、プライベートであれば普通に誰とでも接してくれるのだから凄いのだ。
「唯依。貴女本気で狙っているなら、自分から積極的にいかないと駄目よ。多分彼はものすごい鈍感だから。ちょっとのアプローチじゃ気づかないはずだから」
「ちょっと!みらいさん!なに言ってるんですか!」
顔が熱くなる。多分赤くなっているだろう。
「まあ、私は応援してるから、頑張ってね」
そう言って、みらいさんは奧に消えて行った。
悠君を見ると、目を瞑って何か考えているのだろう。少し難しい顔をしていた。彼は同い年なのに、准将まで上り詰めた英傑だ。
休みと言えど、頭の中は忙しいんだろう。みらいさんに言われた事を、考えてみる。私は悠君と一緒に居たい。昔は当たり前の様に、一緒だったけど、彼が居なくなってからは、何もかもが変わってしまった。
一緒に居るのが当たり前だったから、居なくなってから、彼が私の心の中にこんなにも、大きく占めていたことに気づいた。
(そうよ。もう一度失うなんて、嫌!なら、もう少しだけ自分の心に、素直になろう!)
もう一度決心しなおす。後悔は後で幾らでも出来る。なら、全力で頑張って行こう。そう誓った。
唯依sideout
悠斗side
うーん。あの店員さんが誰なのか、未だに思い出せない。誰かに似ているんだけどな~等と、下らない事を考えていると店員さんがやって来た。
「お待たせしました。餡蜜とみたらし団子になります。ごゆっくりどうぞ」
そう言って、店員さんは奥に去っていった。
「来たな。とりあえず食べようか」
「そうですね。頂きましょう」
みたらし団子を取り、口に運ぶ。甘い餡と団子のモチモチとした食感が最高だ。
「団子は、美味いな」
「そうでしょう。餡蜜も沢山の果物が入っていて、美味しいですよ」
美味しそうに、餡蜜を食べる唯依ちゃん。幸せそうな表情で食べているので、つい撫でてしまった。
「あの、悠君何で撫でるんですか?」
「うん?唯依ちゃんが、可愛いかったから」
何だか、見ていて和めたからついやってしまった。
「か、可愛いなんて。と、取り敢えず周りの人が見ているので、止めてもらうと嬉しいのですが」
「え?おわ!ご、ごめんね」
周りのお客さんや、店員さんからそれはもう、暖かい目で見られました。一部からは、嫉妬と殺意が混じっていたけど。
「い、いえ。気にしないでください(撫でもらえて、嬉しかったなんて、言えないよ)」
「そ、そうか。なら、良いんだけどね」
それから、二人でのんびり話ながら食べていると、店員さんがやって来た。
「あの、すいません。今、お店が混んでいて、相席をお願いしたいんですけど、よろしいでしょうか?本来は、お武家様に頼むのは失礼だとご存知なのですが」
周りを見ると先程よりもお客さんがいて、大繁盛していた。他の店員さんも、慌ただしく働いていた。
「俺は構わないけど、唯依ちゃんは?」
「私も構いませんよ。普段良く来ますから、大丈夫ですよ」
「すみません。わざわざお武家様に、迷惑をかけてしまって。本当にありがとうございます」
そう言って店員さんは入口で待っている、お客さんの元に行った。少しして、店員さんがお客さんと一緒にやって来た。
お客さんの方を見てみると、赤色の斯衛の服に身を包んだ女性が、やって来た。てか、真耶さんだった。
「すみません。此方で相席になります」
「構わない。て、悠斗と唯依じゃないか!なんで、二人ともこんな所に、居るんだ!」
此方を見て驚く真耶さん。真耶さんの驚く顔を見れたのは、ちょっとラッキーだった。
普段は、めちゃくちゃお堅い表情しかしないから、驚き顔はレアだから。
「え?相席の相手が、真耶さんなんですか?」
驚いている、唯依ちゃん。まあ、なかなか有り得ないパターンだからな。俺か?入口で顔が見えたから、驚く程でもなかった。
「まあ、立っているのも何だし座りませんか?」
「そうだな。済まないな。ああ、何時ものをお願いする」
「はい。かしこまりました」
注文を受けて、店員さんは奥に去っていった。
そして、何故か俺の隣に座る真耶さん。唯依ちゃんの隣じゃないんですか?
「あの、真耶さん。何故俺の隣に座って居るんですか?」
「なんだ?将来を約束した相手が、隣に座ってはいけないのか?」
ゆっくりと、俺に近付いてくる真耶さん。
唯依ちゃんの方を見てみると、そこには黒いオーラ全開で居る、唯依ちゃんがいました。
「真耶さん。私の悠君に、何をしようとしてるんですか?」
笑顔なんですけど、目が笑っていませんよ!全く安心出来ないです。
周りの人達も怯えています。対面に座ってる俺も内心はビクビク怯えています。
「なんだ?唯依は嫉妬か?残念だが、悠斗のことは私に任せて早く違う男を探しなさい。ああ、安心してくれ。悠斗は私が幸せにするから」
まさかの爆弾発言!唯依ちゃんから、放たれるオーラが倍増したよ!!
「ふざけないでください!悠君は真耶さんの様な二面性の性格をした女性より、私のようなおしとやかな女性の方が良いに決まってます!」
「なに?それは、どう言うことかな?」
二人とも立ち上がり、今にも殴りあいをしそうな勢いだ。
「二人ともやめないか!此所は、一般のお店だぞ!民間人に迷惑を、かけてどうする!斯衛の名に傷が付くぞ!」
取り敢えず二人をなだめる。流石に、此処で喧嘩されたら店側が迷惑だからな。
「う!す、すいませんでした」
「あ!も、申し訳ない」
二人とも頭が冷えたのか、周りに謝りながら席に座った。
「皆さん、迷惑をお掛けしました。すみませんでした。店員さんも、申し訳ありません」
周りにの人達に頭をさげる。皆さんもまた食事を再開し始めた。
「全く。二人とも勘弁してくれよ。此所は甘味所なんだから」
席に座りながら二人を注意する。全く、店側からしたら営業妨害にしかならない。
「ご、ごめんなさい」
「す、すまなかった」
俺に頭を下げる二人。まあ、被害がなかったから良かっけど。
奥から店員さんがやって来た。
「おまちどおさま。もう、二人とも喧嘩は、勘弁してよね」
餡蜜を持ってきた、みらいさんに怒られる二人。
「すみませんでした」
「本当に申し訳ない」
「まあ、良いけどね。まあ、餡蜜食べてリラックスしなさいよ」
それだけ言って奥に去っていった。
「まあ、菓子を食うか」
「そうですね」
「ああ、そうしよう」
3人で和菓子を食べ始める。みたらし団子がやはり美味い。二人は餡蜜を食べている。
唯依ちゃんの食べる姿は和む感じだけど、真耶さんは凛とした感じがするな。
「そう言えば悠斗は、もうすぐ日本を去るのか?」
「うん?ああ、元々二週間程度しか、居られない予定だったからな」
そろそろ、秘密基地に戻って色々な準備がしたいしな。BETAの日本進行まで半年切ったしな。
「そうか、寂しくなるな」
「なに、生きていればまた会えるさ」
悲しげな表情をする、真耶さんの頭を撫でる。なんだか落ち着くな~
「こ、こら!恥ずかしいじゃないか」
「うん?嫌なら止めるよ」
「あ!」
手を頭から離して団子を食べる。なんか、真耶さんが寂しげな表情をしたように見えた気がした。
「次は、いつ頃また日本に来てくれるんですか?」
「うーん。夏くらいには来れるかも知れないな」
まあ、BETAの日本進行の際に出撃するからな。亡くなる人を減らすのが目的だからな。
「その時はきちんと連絡をくださいね」
「分かってるよ、唯依ちゃん。今度はするから、安心してね」
まあ、出来るかは分からないが約束はしておこう。
それから、他愛もない話をして甘味所を後にした。ちなみに支払いは俺が奢りました。まあ、高くないから構わないけどね。
「それでは此処までだ。また会おうな悠斗」
「ああ、またいつか和菓子を食べにいこうな真耶さん」
「また、日本にくるときは連絡くださいね」
「おう!じゃあな唯依ちゃん」
二人に敬礼してから、迎えの車に乗り込む。二人は敬礼で見送ってくれた。基地に戻ると、イルマ中尉が出迎えをしてくれた。そのまま基地の中に入って、部屋に帰って速効寝ることにした。
悠斗sideout
神様side
ワシは今、ヴァルハラ(神々の居るところ)から、多次元観察をしておる。
ワシが間違えて殺してしまった、不動悠斗を観察しておる。
「なんじゃ、あんまり原作ブレイクしておらん用じゃの」
せっかく、奴に内緒で恋愛原子核を着けてやってあるのに余り有効活用しておらんのう。
「父様何を、見ているのですか?」
何時の間にか娘のアテナが側に来ていた。
「なに、ワシが殺してしまった人間の生きざまを見ているのだよ」
「そうなんですか?しかし、この人間はまともな部類の様ですね」
「そうなのじゃ。原作ブレイク出来る力をくれてやったのに、ほとんど原作と変わらんように動いておる」
全く、これではつまらないじゃないか!
「むしろ、これはこれで良いような気がするんですが?」
むう。確かに変にブレイクするより、少しづつ流れを変えるのもありかもしれん。
「まあ、またちょっと干渉するかの」
「また、父様の悪い癖がでてます。まあ、彼くらいの人間なら、もう少し位なら干渉してもいい気がします」
よし!娘も許可を出してくれたし、奴に内緒で干渉しよう!
「けど、程々にしておいてくださいよ。あと、浮気したらヘラ様に言い付けますからね」
「なに!アテナ!それは、勘弁してくれ!流石にキツすぎるぞ!」
「駄目です。父様の浮気癖は最悪ですから、言い付けるのは当たり前です」
ワシはガックリと崩れ落ちた。浮気が出来ないなんて、生きる意味がないのと同じだ!
それから、ワシは悠斗に内緒で干渉と能力追加して、娘の説得に当たるのだった。
能力追加だけは、アイ○ォーンにメールをしておいた。気付くと良いんだけどな。
神様sideout
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