| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

MUVLUVにチート転生者あらわる!?

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十一話

 
前書き
再投稿 

 
模擬戦終了後、俺達三人は司令部を離れ、別室に案内された。

「此方らで、暫くお待ちください」

「分かった。案内ご苦労」

案内してくれた、兵士が下がる。中に入ると広さ二十畳程の部屋の中にソファーとテーブルが、置かれていた。ソファーに腰かける。右側にシーマ中佐が座り左側にイルマ中尉が座った。

「何で私達を、此方に移動させたのでしょうか?」

「簡単だよ。ザクの性能を見せ付けられた挙げ句に、自慢の精鋭連中をボコボコにされたんだ。何かしら、技術提供しろって言ってくるに決まってるのさ」

「それだけなら、大した事とないのだがな。嫌な予感がするな」

「嫌な予感とは?」

「まあ、相手が来てからじゃないと分からんからな」

何だか、背中の辺りがヒリヒリとするんだよな。何て言えば良いかな、こ~、ニュータイプの勘が凄くヤバイ空気を伝えてくれるんだよな。多分、俺関係なんだよなきっと。ハァ~と、深いため息をして相手が来るのをまった。



悠斗sideout



???side



私は今とある方から、頼まれた任務の為に富士第一基地に来ている。今日此処で行われている、メビウスによるMSXの教導の一環として模擬戦が行われているのを別室で、観戦していた。

「なんなんだあの機動性は!」

「同じOSなのに、こんなに違いが出るのか!」

「此れが、MSの力なのか!」
周りの観戦者達から、声が上がる。皆私よりも階級が上な方たちばかりだ。私とて、声を上げたいが斯衛の意地が有るために、声に出さずにいるのだ。

(なんなんだあの性能は!我が帝国が作り上げた不知火が、まるで相手になっていないではないか!)

今まさに不知火が、1機のザクⅡRー1型と呼ばれる機体に落とされた。 不知火の衛士は、帝都守備連隊の精鋭の中の精鋭 沙霧尚哉中尉率いる第一中隊だ。あの帝国軍将軍派筆頭の彩峰萩閣中将の愛弟子だ。衛士の腕なら帝国軍の中でもトップクラスと言われる腕前だ。なのに、相手はたった1機で一個中隊を手玉に取っているではないか!
私の感情の中に嫉妬にも似た感情がしてくる。忌々しい。我が帝国が作り上げた第三世代機が、こうもあっさり破れるとは。新型OSで、戦力の大幅強化が出来たと思った矢先に来て、浮かれている我等を叩き潰す。嫌なやり方だが、確かに良い手である。一度本気で潰された者達は、更に強くなろうと訓練する。その者達が頑張れば、周りも必然的に頑張る様になる。よく考えているものだと、感心させられる。

(しかし!日本に帰ってくるなら、連絡の一つも寄越さないとは、何事だ!まさか、私達との約束を忘れているのか?此は問い詰める必要がありますね)

クククと、黒いオーラを纏いながら笑う私を周りの観戦者達は、何事だと言わんばかりに見ていた。一人の男性将校が近づいてきた。

「大尉どうしたのかね?」

「此は、彩峰中将。どうしたとは?何の事でしょうか?」

「いや、先程のから何か笑い出したから、何か気が触れたのかと思ってな」

「いえ。特に何もありません」

真顔で彩峰中将に返事をする。私は至って普通ですよ。ただ、ちょっと一人O・HA・NA・SIしたい人がいるだけですから。

「そ、そうかね?なら、良いんだがな」

何故そんなに、挙動不審なんですか?額に汗までかいてますよ?

「大尉。此れから私は不動准将と会うつもりなのだが、良ければ大尉も如何かな?」

「よろしいのですか?」

「構わないよ。大尉も不動准将と、積もる話も有るだろうしな」

此は気を使ってもらってしまいましたか。なら、お言葉に甘えますか。

「では、お供させて頂きます」

待っていなさい聞きたい事が、沢山有るんだから。
黒いオーラを全身から隠すことなく放出し続ける大尉であった。



???sideout



悠斗side



別室に案内されてから、暫くの間三人で他愛もない話をしていた。
コンコンコンと、ドアを叩く音がした。談笑を止めて、入室を促す。

「失礼します」

ドアが開き、青年が入室してきた。更に後ろから帝国軍の制服をきた細身の初老の男性将校が入る。その男性の後ろから赤色の斯衛軍の法衣を着たライトグリーンの髪の毛をおろしメガネをかけた女性が入ってきた。マジですか!沙霧尚哉と彩峰中将は、なんとなく予想してたけど、まさか月詠真耶さんが此処に来るとはな。
即座に立ち上がり敬礼する俺達3人。

「は!お疲れさまです。私は国連事務総長直轄部隊」

「メビウス所属の不動悠斗准将だろう。名乗りの途中て遮ってすまないな」

「いえ。大丈夫です彩峰萩閣中将。光州作戦の時以来ですね」

俺達の敬礼に3人とも返礼をしてくれた。彩峰萩閣。本来なら光州作戦の時敵前逃亡の汚名をかけられ処刑された彩峰慧の父親。クーデターの原因の元の一つになった人物。将軍派筆頭であり、沙霧尚哉の師でもある。軍人として汚名を被り榊首相秘密の説得を笑顔で受けいるた人である。その帰り道に榊首相が車の中で涙を流したのは余談である。沙霧尚哉。言わずと知れた、クーデターを引き起こした人物。彼は日本の腐敗に我慢が出来ずに立ち上がった人物だ。結果的に国益を優先する国に操られて立ち上がったのだが、クーデターは失敗に終わり国益優先国は戦力を悪戯に消耗させ、政治体制の移行に繋がったがな。まあ、あの国の連中に日本人の考えて方など理解出来んだろうがな。また、衛士としての腕前なら超一流である。旧OSでありながら新OS搭載の白銀の乗る吹雪を追い詰める程である。また最新鋭のラプターすら、相手にならない程の実力者だ。この世界では、ガトー少佐に負けたけどね。
月詠真耶。斯衛軍赤の法衣を纏う名家の女性だ。 御剣冥夜の護衛をしている第19独立警備小隊の月詠真那さんの従姉妹である。オルタでは登場せずに、AFで悠陽の世話がかりとして登場した人だ。切れるとメガネを外してヤンキー口調になるのは、従姉妹と言えど変わらないのが月詠家だ。この世界だと、幼なじみだから非常に怖いです。もしかして、俺が感じた嫌な予感って真耶さんが来るってことかよ!

「不動准将。私は沙霧尚哉中尉と申します。先程の模擬戦では、准将閣下のお造りになったMSに、全く相手になりませんでした」

「沙霧中尉か。先程の模擬戦なかなか良い腕前だったぞ。君の腕は悪くない、寧ろ誰よりも良かったぞ。其所は誇って良いぞ」

沙霧中尉に右手を差し出し、握手を求める。沙霧中尉も近づいて右に手を出して握りしめた。
握手した手を離してもらい、月詠大尉と向かいあう。

「お久しぶりです真耶さん。お元気そうで何よりです」

取り敢えず笑顔で、話かけることにした。すると頬をほんのり赤くした真耶さんがいた。

(なんで、そんなに貴様はカッコいい笑顔なんだ?)

「久しぶりですね不動准将。そちらも息災そうで、何よりです。日本に来るなら幼なじみの私達に連絡の一つも繰れても良かったのではないですか?」

真耶さんから、半端ないプレッシャーを感じる。なんて言うか、真耶さんからどす黒いオーラを感じる。もしかし、怒ってるて奴ですか?篁中尉に続いて月詠大尉も、連絡がなかった事に怒ってる様です。

「スミマセン真耶さん。ここ暫くは、忙しかったので連絡することを忘れていました」

「其くらいは、分かっている。私としては、最初に連絡をくれなかった事が許せないだけだ。大体お前は、」

メガネに指を掛けながら怒る真耶さん。彼女にメガネを外させたら終わりだ!誰かヘルプ!ヘルプ!ピンチなんです!
周りの方々に助けを求めて目線を、動かす。
沙霧中尉と目があった。

(沙霧中尉。助けてください!)

(不動准将、無理です。私では、助けられません。力不足ですいません)

沙霧中尉に目を逸らされた。次に目線を動かして、彩峰中将と目を合わす。

(彩峰中将。助けて頂けませんか?)

(うーん。まあ、自業自得だと思うぞ)

(そんな~、何とかなりませんか?)

(まあ、君には光州作戦の時に世話になっているからな。今回だけだぞ)

(ありがとうございます。マジで助かります)


この間目線だけで、会話しています。所要時間は10秒だ。

「まあまあ、月詠大尉。積もる話は、また今度にしてくれないかな?」

「であるからと、そうですね。失礼しました」

彩峰中将の言葉でお説教を止める月詠大尉。マジで助かりました。

「さて、立ち話も難だから、座りましょうか」

彩峰中将の言葉で皆が、ソファーに座る。俺の目の前に彩峰中将。俺から見左側に月詠大尉。右側に沙霧中尉が座った。

「まずは、不動准将。光州作戦の時は、本当に助かった。改めて礼を言わせてもらう。ありがとう」

頭を下げる彩峰中将。

「彩峰中将、頭を上げてください。私はただ軍人として、成すべき事を成しただけです。それに、私がしなかったら彩峰中将が、部隊を動かしたでしょう」

まあ、実際には彩峰中将が部隊を動かしたら、国連指令部が陥落して、前線が大混乱に陥るんですけどね。

「そうかね。そう言って頂けたのなら幸いだ。しかし、不動准将は自ら友軍を下げて避難誘導に兵を割いたな。あれこそ、賭けだったのではないのかね?」

まあ、普通に考えれば賭けですけど、俺の愛機のグフ・カスタムはチート機体ですから、ちっとも賭けにすらなりませんよ。寧ろBETAを殺す事が出来て良かったし、彩峰中将が処刑されるフラグをへし折る事が出来たから問題ないしね。

「いえ、あの程度の数なら四個中隊が入れば、難なく倒せる範囲内でしたから。寧ろ、周りに友軍が居ない方が機体の性能を生かしやすかったですから、下げただけです」

「ふう。実際、不動准将の言うとおりにBETAを倒せれば、我々人類は此処まで負けてはいないよ」

ため息をつき、苦笑いする彩峰中将。まあ、実際問題、チート機体ばかり戦場にでてたら人類最初の方で、BETAに勝っていただろうしな。

「それで、私達をわざわざ別室に案内してまで話たかったことは、先の作戦の感謝を述べる事が目的だったのですか?だとしたら、用が済んだのなら私達は退席させて頂きたいのですが?」

まあ、このやり取りは小手先の確認の為だろうな。この程度のやり取りをするくらいなら、指令部でも問題無いからな。

「待ってくれ、不動准将。此れから、本題に入るつもりだったのだよ」

そうですよね。じゃないと、俺が呼ばれた意味が無くなりますからね。

「不動准将。君に頼みがある。出来れば最後まで聞いて欲しい」

彩峰中将が、やや前のめりになって話してくる。顎に手を置き、頷いて話を催促する。

「実は、我が帝国軍の不知火の改修計画の件なのだが、君も知っての通り不知火は、量産機でありながら余りにも突き詰められた設計をされており、前線から上がってくる要望すら、満足に実現出来ない現状だ。更に、斯衛軍の82式戦術歩行戦闘機瑞鶴も老朽化が進んでおり、新型の戦術機が必要な状態になっている」

まあ、周りくどい言い方だな。ささっと技術協力をして欲しいと言えば良かろうに。日本の技術力では、不知火を改修しても馬鹿みたいに使いずらい機体になるだけだし、斯衛の新型戦術機は、高性能だけど1機当たりのコスト高がネックになるから、全体には配備するのが難しいからな。

「言いたい事は分かりました。技術協力をして欲しいと言いたいのですね?」

「うむ。早い話がそうなのだ」

相づちを打つ彩峰中将。まあ、本来貴方は技術分野の方ではないですからね。

「残念ながら、それは出来ません」

「な、何故、ですか!不動准将!貴方は日本人でありましょうに!」

沙霧中尉が机を両手で強く叩き立ち上がり、俺に怒鳴り声をあげる。見るからに納得がいかない顔をしている。

「沙霧中尉。今私は、彩峰中将と話しているのだ。黙っていろ」

「いや、出来ません!貴方程の方が何故、何故手を差し伸べてくれないのですか!貴方は斯衛の生まれであるのですから、殿下に忠義を捧げているのではありませんのですか!この日本の戦闘機開発の危機に対して、何故ですか!」

どんどん、声を荒らげる沙霧中尉。この頃から既に熱い漢でしたか。熱血過ぎで女性陣は引いてますよ。まあ、シーマ中佐は、相手から見えないように何時でも武器を出せる様にしていますから、警護に関しては大丈夫ですな。月詠大尉は、黒いオーラ全開で俺を睨んでいるしね。マジで怖いです。

「尚哉!止めないか!」

彩峰中将の叱責が沙霧中尉に飛ぶ。

「申し訳ありません不動准将。尚哉は殿下に関わる事が出てくると直ぐに熱くなるのでな。今の失礼は、私に免じて許してやって貰えないか?」

再び頭を下げる彩峰中将。沙霧中尉、あんた尊敬する師に何度も頭を下げさせるなよ。まあ、怒ってる訳では無いからいいですし、さっき月詠大尉のお説教から助けて頂いた件もありますからな。

「頭を上げてください。私は全く気にしていません。寧ろ沙霧中尉の、殿下に対する忠義の高さがよく分かりましたから」

「そう言って貰えて良かったよ。尚哉お前も、頭を下げなさい」

「は、はい。すいませんでした。年下とは言えど上官に対する態度では、ありませんでした」

立ったまま頭を下げる沙霧中尉。また、綺麗なお辞儀な事で。

「良いよ。それより座ってくれないか?何故拒否するのか理由を話したいから」

「は!ありがとうございます」

再び席に座る沙霧中尉。

「では、断った理由ですが、私達メビウスは自分達の技術を一国だけに、提供することは出来ません。此はメビウスの設立当初から全く変わっておりません。此は一人勝ちだけをさせないためです」

「うん?どう言う事ですか?」

「真耶さん。俺達の技術はある意味進んでいるが、それがもし何処か一つの国だけに、供給されたら他の国が黙っているかい?」

「そう言うことか。自分達だけで、守っている技術が他国に流れたら他の国々も技術を欲しがりそれこそ、戦争の引き金になりかねないからかか」

「そうです。例外的に、全世界に均等に供給出来る物については、出していますけどね」

そう。新型OSは金さえ払えば何処の国にも、買える様には表向きなっている。まあ、アメリカには売らないけどな。

「成る程な。だから日本一国だけに、便宜を図る訳にはいかないのだな?」

「はいそうです。しかも、戦闘機等の技術関連の交渉は、本来巌谷中佐が行うべきなのでは?」

普通に考えても、彩峰中将より技術厰の副部長の巌谷中佐が交渉を行うのが良いと思うのだが。

「本来なら、そうなのだが不動准将と巌谷中佐では、流石に階級差があるので私がすることになった」

「そうですか。なら、立ち会うだけでも居た方が良かったのですがね」

苦笑いする彩峰中将。はて?変な事を言ったか?

「まあ、今頃篁中尉に殴られているだろうな」

「なんでまた?殴られているですか?」

「まあ、なんださっしといてやってくれ」

いや、流石に意味が分かりませんよ。また、巌谷中佐が篁中尉をからかったのかな?

(まあ、不動准将が関係しているんだけどな。鈍いのは、大変だぞ不動准将)

「まあ、今回の交渉は残念だったが、君に助けられた恩は忘れないからな。もし、力が必要になったら連絡をくれたまえ」

「此方こそ、彩峰中将に会えた事が最大の成果ですから。もし、日本が有事の際にはメビウスは全面的に支援をすることを、約束致します」

「ありがたい。その時は是非力添えを願いたい」

お互いに立ち上がり、握手を強く交わす。その後、彩峰中将と沙霧中尉は部屋を退室した。残されたのは、月詠大尉と俺達だけだ。月詠大尉が、俺の前に座り直した。

「真耶さんは俺に用が有るんだよね?」

「そうだ。悠斗が私達との約束を忘れて、他の女と遊んでいることについてな!」

え?何のことですか?この世界の俺はどれだけ約束事してるんですか?全く分かりませよ!まて、達て言ったよな!他にも誰かに言ってるのか?

「真耶さん、どんな約束したっけ?」

「なに?忘れたとか言うのか?」

真耶さんからどんどん黒いオーラが発生する。マジで危険だ!

「いや、確認したかっただけですよ。間違えてたら嫌ですから」

「そうか。疑って済まないな。約束の事だが、私達と結婚することだ」

え?今なんて言いました?結婚て、聞こえた気がしたんですけど?聞き間違えたかな?

「え?今結婚て今言いませんでしたか?」

「うん?そう言ったが何か間違えだったか?」

いや、そんなに堂々としないでください。左右から嫉妬のオーラ全開なんですが。

「まあ、お互い良い年になったから、そろそろ真面目に考えて欲しいがな」

「あら、小娘が私の悠斗を横取りしようってのかい?」

シーマ中佐が、月詠大尉に噛みついた。

「中佐殿は、黙って頂きたい。此は私と悠斗との問題ですから」

「それは、許せませんね。悠斗さんは、私と結婚する予定なのですから」

イルマ中尉も乱入したよ!しかも、いつから結婚する事になっているですか?
それから、女3人達の仁義なき戦いが始まった。



悠斗sideout 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧