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転生者の珍妙な冒険

作者:yasao
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第一部 異世界邂逅編
獣人国ケモナ
  おい、ちょっと待て

 
前書き
小話も終わり、本編です。
今までが「転生編」「ジェリア編」とでもするなら、ここからは「獣人国ケモナ編」です。 

 
「迷った。」
「おい、待ちやがれ小僧。」
オッサンが何か言ってくるが、今この状況は変わらない。迷っちまった。
「いや~参ったな~・・・。ここからどうしよ。女性陣はダウンしてるし・・・。」
そう言って見るとソコには馬車の中でヘタってるサリナとネーナさんの姿が。
「お前が悪いんだろうが!! 馬の飼葉料が勿体ないとか言って訳の分からん乗り物突っ走らせやがって、俺ももう少しであぁなってたぞ!!」
「だって、金は節約したかったし・・・。」
「グローブにヒヒイロカネ使ってる野郎の台詞か、あぁ!!?」
あの宿場町出てから、馬が普通の草食べない事を知った俺は、勿体ないって言って馬を自然に返して運命の車輪(ホイール・オブ・フォーチュン)を走らせたんだが、結果がこの様だ。
サリナとネーナさんは酔ったのか恐怖的なのがキャパオーバーしたのか、走るの止めた途端に気を失うし、何か森に突っ込んだと思ったら現在地が全く分からなくなったし、散々だ。
「まぁ、悪かったよ。取りあえず今は女性陣も寝てるからここでキャンプにしようぜ?」
まだ怒ってるオッサンを何とか宥めて野宿の準備。宿場町に着くまでは毎日野宿だったからなれたものだ。

と、その時、何かが飛んでくるのを感じた。
風切音が聴こえて・・・・・、しかも一発じゃねぇ!
「タロット、大アルカナは4番『皇帝』の暗示するスタンド、皇帝(エンペラー)!!」
手にした拳銃をぶっ放す。狙いはあまりつけられんかったが、追尾性のある弾丸は飛んできた何かを綺麗に破壊した。
「オッサン!」
「あぁ、今のは矢だな。誰かいやがる・・・!!」
そう言うオッサンは既に気絶してる2人を庇うように立ち、手に大剣を持ってる。あれならまぁやられんだろう、安心だ。
しかし、まだ刺客が来るのか? 本当にあの男爵はしつこい・・・・。
何にせよ、森の木に隠れてる連中を出さんと・・・。
「オッサン、たき火の用意してたか!?」
「あぁ大丈夫だ。種火まで用意してた。その種火もお前さんの足元に落ちてるぞ。」
オッサンの言う通り、俺の足元に確かに火の点いた木が落ちてた。火もまだ消えてない。
よし、これで炙り出してやる!
「タロット、大アルカナは1番『魔術師』の暗示するスタンド、魔術師の赤(マジシャンズレッド)!!」
取りあえずは炎の探知機で・・・・、いや面倒だ。前回みたいに魔法で隠れてる訳でも無くて木に紛れてるだけ、だったら・・・。
「焼き尽くしてやる!! C・F・(クロスファイアー)「待ってくれ!!」ァン?」
アブドゥルさんの大技を出そうとしてた俺にかかる制止の声。オッサンのものではないその声に技を中断して声の方向を見ると・・・。

狼と人を3:7で合わせたらできそうな感じの獣人さんがいました。

おぉ、スゲー。初めて見たぜ獣人。
ジェリアには何か知らんけど居なかったしな。
とか思ってる間に、オッサンとその狼獣人が話してた。
「いきなり襲った無礼は詫びよう!! だから我らが母なる森を焼くのは止めてくれ!!!」
「あ~気にすんな。コイツもどうせもうンなことするつもりはねぇだろうし。」
そう言って俺に「だろ?」と言ってくるオッサン。俺も別に攻撃されないなら燃やすつもりもないのでスタンドを消そうとしたその時、
「何言ってんだよ兄ちゃん!! ニンゲンなんかに弱気になる事ねぇよ!」
そんな言葉と共に何か飛び出してきた。
狐のような耳と尻尾を持った獣人の女の子で、見た感じこの狼獣人の男と同じように此処で張ってたみたいだ。
「第一、このニンゲン弱そうじゃん!! この鳥人の魔物もヒョロッコイしさ、こんなのの炎なんて全然怖くねぇよ!!」
いや、ちょ待てよ。この子何言ってんの?
「おい、止めろフォルス!!」
「ヤダね! 兄ちゃんみたいな腑抜けの言う事なんて聞くもんか!!」
そう言って俺に向き直る女の子、もといクソガキ。
「おいニンゲン!! 俺にブッ飛ばされたくなかったらその弱そうな魔物と筋肉ダルマと女2人つれて帰りやがれ!! ヒョロヒョロで弱そうなクセに獣人の森に来るんじゃねぇよ!!」
魔術師の赤(マジシャンズレッド)は許さん・・・!」
『Yes,I am!!』
「うべぇっ!?」
あぁしまった、腹が立ちすぎて無意識の内に魔術師の赤(マジシャンズレッド)で殴りつけてしまった・・・。
うわぁ、このクソガキ燃えてるし・・・・。あ、そうだ。
「あぁ! フォルス!!!」
「おいそこのお兄さん。このガキ助けたいか?」
ついでだしこのガキには交渉材料になってもらおう。良い感じでコッチの条件が出せそうだ。
「ニンゲン!! よくも俺の妹を!! 許さ「落ち着け、まだ死んだわけじゃない。」何っ!?」
「このガキはまだ死なない。人なんて多少燃えてもちゃんと治療すれば治る。だが、俺の出した炎はそう簡単に鎮火は出来ない。てか、多分俺しか出来ない。」
魔術師の赤(マジシャンズレッド)の炎は確かスタンドとかでないと消せないしな。出した俺の合図があれば自然に消せるけど。
「じゃあ消してくれ、頼む!!」
「だったら、次の条件を呑む事だ。」
何か、自分で自分が最悪野郎に思えてきた・・・・。オッサンの視線も痛いし・・・。
「くっ・・・・、分かった。」
「よし。」
その言葉を聞くと同時に炎を魔術師の赤(マジシャンズレッド)ごと消す。そして狼獣人が駆け寄る前に腰のワイヤーを波紋で操って、近くの木にクソガキを縛り付ける。
「良かったな、あの程度だったら治癒(ヒール)程度で治るんじゃないか? だが、まだお前には渡せない。条件を呑んでもらうのが先だ。」
「なら条件を言え!」
「簡単だ、俺が今から出す質問に答えろ。嘘がバレた場合はこのガキを殺す。」
そう言って波紋を纏わせたクラッカーを木に投げつけて幹を破壊し、言葉がシャレや冗談じゃないことを示す。
狼獣人の兄ちゃんは悔しそうにしてたが、ちゃんと答えてくれそうだ。


「まずは1つ、この森はどんな森だ?」
「獣人が多く生息している獣人の森だ。我らは『母なる森』と呼んで崇めている。」
成程、だから燃やそうとした時にあんなに焦ってたのか。

「じゃあ次、お前らは何処の誰だ?」
「俺達はココから半時間ほど歩いた先にある、ニンゲンを拒んだ獣人の国『ケモナ』の護衛兵だ。妹は新兵だがな。」
だろうな、俺や魔術師の赤(マジシャンズレッド)の力を悟れてなかったし。
しかし、ニンゲンを拒んだ国の護衛兵か、だったら攻撃もするだろう、悪い事した・・・。

「そうか、分かった。質問は以上だ。」
「だったら「だが、あと1つだけ条件がある。」・・・・・・何だ?」
不服そうな狼獣人にニンマリ笑い、俺は言葉を紡ぐ。




「お前らの国に入れてくれ。俺らには泊まる宿もないが、近くに街があるのに野宿も嫌だ。」 
 

 
後書き
夜集阿 聖斗
身長175cm
体重60kg
ギルドランク:A+
所持金500万ペリ
魔法適性『適性なし』
ジョブ『格闘家』『奇術師』
スキル:波紋の呼吸法(常時発動)
    《派生》波紋カッター
        波紋ズームパンチ
        波紋疾走(オーバードライブ)
        銀色の波紋疾走(メタルシルバーオーバードライブ)
        クラッカーボレイ
    スタンド「タロット大アルカナ」
           【0番「愚者」の暗示する『 愚者(ザ・フール)』】
           【1番「魔術師」の暗示する『魔術師の赤(マジシャンズレッド)』】
           【4番「皇帝」の暗示する『 皇帝(エンペラー)』】
           【7番「戦車」の暗示する『 銀の戦車(シルバーチャリオッツ)』】
           【8番「正義」の暗示する『正義(ジャスティス)』】
           【10番「運命の車輪」の暗示する『運命の車輪(ホイール・オブ・フォーチュン)』】
           【21番「世界」の暗示する『世界(ザ・ワールド)』】

           
           
サリナ・テッド
身長160cm
体重50kg
ギルドランク:C
所持金5万ペリ
魔法適性『回復』
ジョブ『騎士』
スキル不明

タルタス・フォード
身長200cm
体重100kg
ギルドランク:A
所持金1000万ペリ
魔法適性『強化』
ジョブ『重戦士』『★:ソードマスター』
スキル:金剛両断
    金剛棒・豪風
    武器庫空間


ネーナ・チュミン
身長165cm
体重55kg
ギルドランク:C+
所持金100万ペリ
魔法適性『強化』
ジョブ『アーチャー』
スキル不明 
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