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転生者の珍妙な冒険

作者:yasao
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後悔は先に立たない、だが、後で後悔してても意味もない

 
前書き
前書きでは、作者のコメントの他に、前話で出てきた魔物の説明をします。


パーソンアリゲーター
妖怪人間べムのような見た目に、口から大量の触手を生やした魔物。
冒険者のランクCが徒党を組んで戦う程度の強さを持っている。
身体能力を強化する魔法や、回復魔法を使い、自身の基礎能力もそれなりに高い。


冒険者については、後ほどの話で・・・。 

 
断末魔のした場所に急ぐと・・・。
「こりゃ、酷いな・・・。」
そこには惨状が広がっていた。
吹き飛ばされて倒されたとでも思っていたのか、油断していたと思われる2人は呆気なく全身を切裂かれたような姿で絶命。その奥ではあの魔物が周囲の索敵をしている。
やっぱり、吹き飛ばさずにその場で何とかしてた方が良かったか・・・・・。
「・・・まぁ、後悔してても仕方ない。取りあえずはアイツにばれない様に近づいて・・・・「あぁっ、皆!!!」なっ!?」
大声に振り返ると、今追いついたのであろうテッドが顔を土気色にして立っていた。
大切な仲間だったのだろう、顔は悲しみに歪み、目には溢れんばかりの涙が湛えられてた。
その目が徐々に怒りにそまり・・・・マズイ!!
「よくも、よくもよくもよくもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・!!!!!!!!!!!!」
止める間もなく、テッドは剣を抜いて魔物に斬りかかった。
「皆の痛みを味わえ!! うわぁぁぁぁぁぁぁぁ『MYOOOO!!!』げふっ!!」
やっぱり駄目か、魔物の裏拳食らってあえなく吹き飛ばされてる。まずあの兜が無かったら死んでたな。
だけど、その兜も脱げて吹き飛んじまった。そこに魔物が追撃をしようと。
「おい、早く回避しろ!! そこは危ない!!」
叫んでも反応は無い、気絶か!!
ヤバい、アイツの触手が来る!!!
「させるかよ、『皇帝(エンペラー)』!!!!」
出現した拳銃を使って銃弾をぶっ放す。連射してやろうと思ったが出来ない。スタンドの名前だけだったら弱体化するみたいだ、畜生。
撃った銃弾は、触手が集まる口の部分へ一気に飛び、ぶち当たった。
『MYo!!?』
よし、怯んだな。
回復しようが知った事か、一先ずテッドから距離取らせよう。
「吹っ飛べ、波紋ズームパンチ!!!」
『MUGaAA!!!?』
よし、飛んでった!!!
って、テッドが追いかけようとしてるぅぅぅ!!!!
アイツいつの間に意識が戻って・・・兎に角今は考えてる暇ねぇ!!


「おい、止めろ!! お前だけじゃアイツに勝てないだろ!!?」
「止めないでください、アイツが皆を殺したんです! アイツが!!」
クソッ、言う事聞きやしない。
「だからってお前が突っ込んで犬死することを皆が望んでんのか!!?」
「それはっ・・・・・、何なんですか貴方は!! 私たちの事も何も知らないでしょ!?」
よし、取りあえず怯んだって事は理性が完全に消えた訳じゃない、説得できる。
「あぁ知らないな!! だけど死んだ奴が友達に同じようになってほしくないだろうってのは分かるぞ!!」
「っ・・・・・。」
よし、あと一息!!
「皆、お前に生きててほしいって思ってるハズだ! お前はその思いを無視して犬死するのか、あぁ!!?」
俺の言葉で、立ち止まってたテッドの目から涙が溢れた。
もう目に怒りの色はない、何となったな・・・。
「な? お前は生きるべきなんだよ。ここで怒りに任せてアイツに挑んで、犬死したら駄目だ。」
そう言って頭を撫でてやる。さっき気付いたが俺より3つくらい年下だ。俺が18だから15ってところか。
そんなのが武器持って戦う世界なんだねぇ・・・。
「でも・・・・、アイツに皆殺されちゃって・・・。アイツだけ生きてて・・・・。悔しいですよぉ・・・・・・!!」
そう言って俺に抱きつき、泣きはじめる。やっぱり、精神面では15歳くらで変わらんのな。
ちょっと幼い気もするが・・・。
「そうだな、悔しいな。だけど、犬死は出来ない。んで、お前が1人で行ったら犬死だ。」
あくまでセクハラみたいにならないように軽くだけ肩を抱いてやり、諭す。何だかんだで落ち着いたら良い子だ、大丈夫だろ。
「ぐすっ・・・、じゃあ・・・、どうしたら・・・・・。」
そう言って目を擦って涙を拭いながら問うテッドに、俺は笑顔で答えてやる。
「俺と2人でやるのさ。俺はハッキリ言ってお前より強い自信はある。アイツともそれなりに渡り合ってたから分かるだろ? だけど、アイツの弱点とか俺は知らないから、教えてくれ。」














少しして、あの魔物の吹き飛ばされた所。
アイツは魔法で回復したのか、先程のダメージなど感じさせない状態で辺りの様子を探ってる。
俺らが今居る場所はそこから少し離れた茂みだ。
アイツはずっと目で俺らを発見してた。恐らく嗅覚は発達してない。
「・・・・で、アイツはどんな魔物なんだ?」
「えっと・・・、パーソンアリゲーターっていう魔物で。口から伸びた触手のような舌が特徴です。戦闘スタイルは格闘か触手攻撃なんですが、時折魔法を使います。」
成程、さっき俺が戦ってた時と合うな。
「続けてくれ。」
「はい。中でも1番厄介なのは強化系統の魔法である『硬化(アームド)』です。アレを使えば体表を金剛石と同じ硬度に出来ます。」
成程、だったら波紋カッターで斬れないのも分かる。硬すぎるだろ・・・。
「弱点は無いのか?」
「あります。さっきも言った通り、体表だけが固くなるので、例え『硬化(アームド)』を使われても触手が集まる口の内部とか、頭部と腰部にある甲殻と甲殻を繋ぐ部分とかを狙えば攻撃が出来ます。ですが、そこを狙うには優れた剣術か相当の魔法射撃の腕前が必要で・・・。」
「ふむ、剣術な・・・・。」
出来るじゃん、丁度いいスタンドがあるじゃん。
使えるかは分からんけど、多分さっきの兜使えば出来るだろ、うん。
「なぁ、俺に1つ策があるんだが、さっきテッドが被ってた兜、俺に貸してくれないか?」
「え? 良いですけど、もうボロボロでしょ?」
「まぁ、見てなって、じゃあ借りるぜ。」
そう言って兜を持ち、波紋を流し込む。
「アレ」は西洋甲冑だったし、いける筈だ・・・!


「タロット、大アルカナは7番『戦車』の暗示するスタンド、銀の戦車(シルバーチャリオッツ)!!!」


波紋が流れ込み、兜がいつの間にか西洋甲冑へと早変わり。
「よし、成功だ!!!」
さぁ、反撃開始だ!!!!
しかし、声が若干デカすぎたみたいだ、奴が気付いた!!
「よ、ヨシュアさん、来ますよ!!」
「大丈夫だ、行け戦車(チャリオッツ)!!」
俺の声に応じた戦車(チャリオッツ)が素早い速度で動き、手にしたレイピアで奴の口を貫く。
そのまま声を出させる間もなくレイピアを動かし、触手を全て根元から斬り落とした。
ふぅ、初めて使ったが上手くいったな。舌を斬り落としたからもうアイツも魔法使えんだろ。
「す、凄いです!!」
「そりゃどうも。さぁ、仕上げだ!!」
レイピアに魔物を刺したままの状態でこちらに戦車(チャリオッツ)を戻し、スタンド解除。そのまま宙吊り状態から地面に落ちてくる無防備な魔物に・・・・
「さぁくたばれ!! 波紋疾走(オーバードライブ)!!!」
渾身の力と波紋を込めた両拳を叩きこむ。
波紋をまともに食らったアイツは錐揉みしながら吹き飛び、そのまま空中で崩れていった。

「よし、取りあえずは勝てたな・・・・・。」 
 

 
後書き
夜集阿 聖斗
身長175cm
体重60kg
所持金1億ペリ
魔法適性不明
ジョブ未定
スキル:波紋の呼吸法(常時発動)
    《派生》波紋カッター
        波紋ズームパンチ
        波紋疾走(オーバードライブ)
    スタンド「タロット大アルカナ」【0番「愚者」の暗示する『愚者(ザ・フール)』】
                   【4番「皇帝」の暗示する『皇帝(エンペラー)』】
                   【7番「戦車」の暗示する『銀の戦車(シルバーチャリオッツ)』】


サリナ・テッド
身長160cm
体重50kg
所持金5万ペリ
魔法適性『回復』
ジョブ『騎士』
スキル不明  
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