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転生者の珍妙な冒険

作者:yasao
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こーゆー小説の悲鳴は戦闘フラグ

 
前書き
初の戦闘、そしてヒロインの登場です。 

 
悲鳴の聞こえた所に行くと、何やら日本どころか地球の森にすら絶対に居ないような姿をした化け物が、馬車を襲っていた。
4人組の武器を持った人達が応戦してたんだろうが、1人が倒れてるところを見るとあまり善戦してるとは言い辛い。倒れてる人が上半身と下半身をバイバイさせてるところから察するに、あの化け物は間違いなく何かしらの斬撃をしてくる。

そんなこと考えてたら、化け物、あぁ、コッチでは魔物だったな。それが俺に気付いたようだ。振り向いた。
「うわぁ、気持ち悪・・・。」
思わずそんな声が口から漏れる。だって仕方ないじゃん。コイツの見た目相当グロイよ?
そこから斬撃を出したんだろう、先端に鉤爪の付いた大量の触手が口から出てて、体は妖怪人間ベムみたいなもんだ。超怖い。リアルでべム見たらこんなんなんだな、こりゃ人間も仲間外れにしたくなるわ。
『MYOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!』
いや待て、かなり待て。
俺が見た目にビビってたから隙だらけだったのは認めよう、そしてそこを狙うアンタの鋭さと、中々の身体能力の高さも評価しよう。
だがお前、その声は何とかならんのか・・・? みょーってお前・・・。
そんな馬鹿な思考してたからだろう、反応が遅れた。

ザクッ

「痛てぇ!!」
伸びてきた触手に腕を斬られる。超痛い、ギリギリ反応が間に合ってなかったら真っ二つになって死んでたな。
まぁ、この程度は波紋の呼吸法の力で治るかな。
「あ、危ないですよ!! 私達に任せて早く逃げて下さい!!」
戦ってた人達が俺に声をかけてくる。
いや、今更過ぎるだろそれ・・・。てか、全身甲冑着てるから分からなかったけど女なのか・・・。
だったら尚更今更の事になるなぁ、女って分かったのにそれに守ってもらって逃げるなんざ男が廃るよ。
「いや、俺も戦闘は出来る。だからアンタらは取りあえず傷でも癒してろ!!」
そう声をかけた後に手に波紋を込める。実戦では初めてだけどやるしかねぇか・・・。
「タロット、大アルカナは4番『皇帝』の暗示するスタンド、皇帝(エンペラー)!!」
腕に伝わる重み、しっかりとあの拳銃が握られている。
「喰らえ!!」
取りあえず3発ぶっ放す。一応はハワイで扱い方を習った事も有るし、それなりに射撃には自信があるが・・・。
避けられた、かなりの早さだ。
「やるな~。だがまだだ、皇帝(エンペラー)のスタンド能力は弾丸にまで及ぶ。」
その力は、追尾機能。
避けられたところで軌道を変えた弾丸が、魔物の後頭部に直撃する。
『MYoo!!?』
よし、怯んだ!! 今のうちに波紋を叩きこんで・・・!!


治癒(ヒール)。』
「何だと!?」
奴がそう言うと同時に、後頭部の傷が塞がった。
速度強化(マッハバイス)。』
そして、今度は言葉に応じて身体能力が上がったのか、よろけた体勢から一気にコッチに突っ込んで拳を叩きこんできた。
「マジかよ!!」
紙一重で躱す。ヤバい、結構な速度でやってきやがる。
馬車は斬られずに凹んで潰れてるところを見ると、コイツの打撃の威力も高い、喰らったらヤバいな。
「何か、防御に使えるもん・・・・・。」
そう言って辺りを見回すが、今咄嗟に使えそうな物は、地面に落ちてる砂くらい・・・・砂?
そうだ、アレが出せるかも・・・!!
「考えてる暇はねぇ、やるか!!」
俺は魔物のパンチを飛び込みで躱し、前転しながら地面の砂を掴んで叫ぶ。


「タロット、大アルカナは0番『愚者』の暗示するスタンド、愚者(ザ・フール)!!」
頼む、出てくれ・・・・!!!

その時、俺の手から出た波紋が砂に流れ込み、砂が形を変えた。
その形は・・・。
「よし、後脚が車輪の犬。愚者(ザ・フール)だ!!」
これなら防御できる!!
「反撃開始だ!! まずは『砂のドーム』!!」
愚者(ザ・フール)の力を使って砂でドームを作り上げ、魔物の拳を防御。奴は触手も混ぜてラッシュしてるが、愚者(ザ・フール)に物理攻撃は効かない。奴が魔法で攻撃でもしない限りは安全だ。
「よし、守ってばっかりだと思うなよ?」
その間に波紋を練り上げ、両腕に集める。
ちょうど準備が整った時、奴が動いた!
水刃(ウォーターカッター)。』
その言葉と同時に、ドームを切裂いて飛んでくる大量の水の刃。まさか魔法攻撃も出来るとはな、今まで物理だけだったから分からんかった。
「まぁ、ちょっと予定変更すりゃあ良いだけだ。」
水の刃に手を当て、斬られるより早く腕に溜めていた波紋を流し込む。水は円盤状になり、その支配権も完全に俺のもの、よし。
「今度こそ喰らえ、波紋カッター!!」

パゥパゥパゥ

原作おなじみの気の抜ける効果音と共に、大量にあった水の刃(今は円盤)がそのままの量で相手に襲う。鉄のナイフを切裂く波紋だ、これで切り裂かれて終わりだな。
硬化(アームド)。』
「はぁっ!?」
嘘だろ、アイツが何か呪文唱えたら、鉄も切裂く波紋が弾かれた!
「何なんだアイツの体は、ダイヤの硬度でも持ってんのか!?」
『MYOOOOOOOOOOO!!!!!!!』
「チッ、考えてる暇わねぇか!! 波紋ズームパンチ!!」
関節を外して伸ばされた腕が、奴の胸板を思い切り打ちつける。聞こえた鈍い音からして俺の拳も砕けたが、まぁ奴も吹き飛んだから結果オーライだ。後で波紋の呼吸法使えば治せるし。

「だ、大丈夫ですか!? 手から血が出てますけど!!」
さっき俺に話しかけてきた甲冑姿の女子がこっちに来た。どうやら回復に今までかかってたみたいだ。
「いや、大丈夫だ。この程度の傷は自分で治せる。」
そう言いながら波紋の呼吸法で砕けた拳と斬られた傷を治す。しかし、本当に何でもありだな波紋・・・。
「そうですか、なら良かったです。」
そう言って兜を脱ぐ。その下から出てきたのは、茶色がかった黒髪と黒目の可愛い女の子だ。
「助けて頂いてありがとうございました。私は冒険者ギルドに登録している冒険者、サリナ・テッドです。ランクはC、ジョブは騎士です。」
「そうか、俺は夜集阿 聖斗。聖斗が名前で夜集阿が名字だ。」
「ヨシュアさんですか、名字が先に来ると言う事は、貴方は倭国の方なんですね?」
倭国・・・?
まぁ、日本の事かな。日本史で日本の昔の名前は倭国だって聞いたし。
「そうだ。ところで、他の奴らはどうした? 1人はやられたみたいだったが、あと2人いただろ?」
1人がやられたって所でテッドは表情を曇らせた(聞き方が拙かった、畜生)が、すぐに表情を戻した。
「えぇ、残念ながら1人やられましたが、冒険者に危険はつきものですし・・・。後の2人はヨシュアさんが吹き飛ばした魔物、パーソンアリゲーターの様子を見に行きました。」
俺が「そうか」と返事をしようとした次の瞬間。



耳をつんざくような、断末魔が2つ、聞こえた・・・・・。 
 

 
後書き
夜集阿 聖斗
身長175cm
体重60kg
所持金1億ペリ
魔法適性不明
ジョブ未定
スキル:波紋の呼吸法(常時発動)
    《派生》波紋カッター
        波紋ズームパンチ
    スタンド「タロット大アルカナ」【0番「愚者」の暗示する『愚者(ザ・フール)』】
                   【4番「皇帝」の暗示する『皇帝(エンペラー)』】

サリナ・テッド
身長160cm
体重50kg
所持金5万ペリ
魔法適性『回復』
ジョブ『騎士』
スキル不明 
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