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オズのモジャボロ

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第三幕その四

 五人にもです、優しい声で言ってきました。
「勿論貴方達もね」
「私達もですね」
「お邪魔していいんですね」
「ええ、だって貴方達はドロシーのお友達よね」
 だからだというのです。
「ドロシーのお友達なら私のお友達だから」
「それじゃあですね」
「私達も」
「中に入って」 
 チョッキンペットのお家の中にというのです。
「そうしてね」
「はい、わかりました」
「それじゃあお言葉に甘えまして」
 五人はチョッキンペットのお誘いに笑顔で応えました、そのうえでなのでした。
 一行はお家の中に入りました、お家の中も木造で静かなものでした。あちこちにハサミや紙、絵の具、そうしたものが一杯置いてあります。
 そのお家の中を見回してです、ジョージがこんなことを言いました。
「このお家ってね」
「どうしたの?」
「うん、ログハウスに似てるね」
 こう恵梨香に答えます。
「何かね」
「そういえばそうね」
「何かカナダにいるみたいだね」
 この国の名前を出したのでした。
「どうもね」
「カナダなのね」
「そんな気がするね、ただね」
「木が赤いわね」
「カドリングだね」 
 カドリングの赤でした、まさに。
「ここも」
「そうよ、私もね」
 チョッキンペットも言ってきます、皆はお家の中のリビングの木のテーブルを囲んで座りました。チョッキンペットは赤いお茶に赤いレモンを添えて出してきました。テーブルの真ん中には赤いチョコレートクッキーがあります。
 その赤いお茶とレモン、クッキーを見つつです。チョッキンペットは微笑んでジョージ達にこう答えたのでした。
「カドリングの市民だから」
「だからですか」
「赤なんですね」
「そうよ、私も服もね」
 その赤い服もだというのです。
「カドリングの服よ」
「確か白い服も持ってましたよね」
 神宝がチョッキンペットにこのことを尋ねました。
「そうですよね」
「ドロシーとはじめて会った時ね」
「はい、その時は」
「エプロンも赤と白だったわ」
「そうでしたよね」
「今もあの服持ってるわよ、けれど今はね」
 今この時はというのです。
「こうしてね」
「赤い服なんですね」
「そう、カドリングのね」
 その赤い服を着ているというのです。
「こうしてね」
「そうなんですね」
 神宝はチョッキンペットの言葉に頷きました、そのうえで赤いお茶を飲みました、赤いレモンを中に入れてから。そのレモンティーのお味はといいますと。
「とても美味しいです」
「そうでしょ、このお茶もね」
「赤いですが」
「その味はですね」
「そちらの世界のレモンティーと変わらないわよ」
「むしろ僕達の世界のより美味しいです」
 カドリングの赤いレモンティーの方がというのです。 
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