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真似と開閉と世界旅行

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最後の戦~

 
前書き
本当は今回から戦の予定でしたが、思わぬ長さに今回も戦いは無しです。ではどうぞ。 

 
俺達は蓮華に呼ばれ、玉座へ向かう。・・・途中。

「亮、咲!」

「あ・・・一刀!」

「久し振りだな!元気そうで何よりだ」

「そっちこそな。・・・おめでとう、全員無事で」


「ああ、ありがとう。でも・・・」

「分かってる。本当に喜ぶのはこの戦いに勝ってからだ。・・・椿ちゃん達の為にもね」

「椿達に会ったのか?」

「彼女たちと直接ね。愛紗や焔耶を止めるのには苦労したよ・・・愛紗は娘って聞いた時点で退いたけど」

「親だもんな・・・」

「結局焔耶と一戦やったんだ」

「またか・・・」

俺と咲は苦笑する。一刀も苦笑していたから、悪い結果ではなかったのだろう。

「とにかく、中に入ろう。桃香達は先に入ったから」


中に入ると・・・呉の将と椿と愛依、蜀の代表と外史メンバーがいた。

「・・・来たか」


蓮華がゆっくりと立ち上がる。

「日が沈んだ後に集まって貰ったのは他でもない。新たに部隊を編成したため、ここで通達する」

桃香が口を開く。

「今回は蓮華ちゃんに全部任せてあるから。蜀の皆も蓮華ちゃんの指示に従ってね」

「・・・では、発表する。外史から来たものを臨時として将の地位を与え、部隊を率いてもらう。・・・呂蒙」

「はっ」

亞莎が大声を出す。

「各外史から一名を将、二名を副将に任命します。まず第一特別部隊、ヒューバート・オズウェル!」

「・・・ぼくが・・・?」

「・・・いないのか?返事はどうした」

蓮華が言うとヒューバートが頭を下げる。

「分かりました。どこまでやれるかは分かりませんが、全力を尽くします」

「副将、アスベル・ラント!マリク・シザース!」

「はっ!」

「了解だ。ヒューバートを支えればいいんだな?」

「はい。将の手助けをしてください」

亞莎は次にアビス組を見る。

「続いて第二は、ジェイド・カーティス!」

「おや、私ですか。分かりました」

「副将、アニス・タトリン!ガイ・セシル!」

「何時もと・・・」

「あまり変わらないな・・・」

アニスとガイは苦笑しながら返事を返す。

「続けて第三、行きます。結城明日奈!」

「えっ・・・!?」

「・・・どうした」

「あ、は、はい!」


アスナが慌てて返事を返す。

「副将、桐ヶ谷和人!篠崎里香!」

「俺がアスナの・・・ああ!」

「あ、あたしが・・・?わ、分かりました・・・」

緊張からかリズが敬語になる。

「そして第四、八神はやて!」

「了解や!」

「副将、高町なのは!フェイト・T・ハラオウン!」

「私たちも何時も通り・・・」

「・・・だね」

「以上です」

「呼ばれなかった者は自由に戦っても構わない。ただし、時と場合は選んでもらうが」

「・・・」

蓮華がちらりと霊夢達を見る。

「また、シィ、剛鬼、リョウコウ達も同様だ」

「そして、更に呉の部隊を編成します。甘寧隊の副将、大澤並びに凌統を解任します」

「「え?」」

「新たに“大澤隊”を組み、副将を周泰に任命します。周泰隊は凌統が将を務め、凌統隊に名前を変更します」

俺が・・・将。


「また、蜀の皆さんの編成は北郷様達が行なって構いません」

「わかった」


一刀と桃香が頷くと蓮華が口を開く。

「では、将、並びに副将に選ばれた者は今から指定された位置に向かってもらう。そこには既にこのことを通達した部隊の兵達がいる。自分の手足ともなる者たちだ・・・明日の戦の為にも、しっかりと名乗っておけ」

一刀が蓮華に一声かけてから咲に話す。

「咲、お前の部隊も連れてきているからな。名目上、董卓軍のみんなは蜀の配属で扱うけど、いいよな?」

「そういうのは月に言ってくれ。俺は月の部下だからな」

「じゃあ決まりだな。月にはもう話は通してあるからね」

「話が早くて何より・・・」

咲が笑って言うと一刀も笑みを返した。

「・・・皆、明日は三国・・・いや、世界の命運をかけた戦いになるだろう」

『・・・』

「恐らく、今までにない程の戦だ。正直に言えば必ず勝てるとも思えない」

蓮華がそこまで言って玉座を降りる。

「だが、あのような輩にこれ以上好きにやられるのも癪だ。・・・我らの意地を、とくと見せ付けてやろうぞ!」


皆の目付きが変わる。・・・そして、俺は指定された場所に行くと・・・

「俺の・・・部隊か」

大量の兵士が並んでいる。俺は深呼吸をしてから兵の前に立つと、空気が更に張り詰めた気がした。

「・・・みんな、今まで留守にしていてすまなかった。そして今回の戦は殆ど俺や咲への個人的な怨みが元で起こったと言っても過言じゃない。相手は恐ろしい力を持っていて、死ぬ確率だって高い。恐怖で逃げ出したって俺は恨まないし、仕方のないことだと思う。けど・・・それでも、あの敵と戦うと言うのなら・・・頼む、みんなの力を俺に貸してくれ!もう一度平和を取り戻すために・・・お願いだ!!」

俺は勢いよく頭を下げた。直後に・・・声。

「頭なんか下げないでください御遣い様!!」

「御遣い様への怨みなんかバカらしい逆恨みに決まってる!」

「貴方は俺達に希望をくれたんだ!だから、俺達も誰かに希望をあげたいんです!」

「今は御遣い様の希望にならせてください!」

「貴方が命じるなら何処へだって行ってやりますよ!」

「みんな・・・」

兵達は・・・笑っていた。

「攻めてくる愚か者に、呉の誇りを見せ付けてやりましょう!」


「負けませんよ、俺達は!」

「ありがとう・・・感謝するよ・・・!」

どうも涙もろくなってるっぽい。慌てて目元を拭う。

「亮の後で失礼します。私もしばらく留守にしてすみませんでした」

明命が俺に代わり、話している途中・・・

「亮」

「ん・・・サチに・・・シリカ?」

「終わりましたか?」


「ああ、俺はね。・・・何かあったのか?」

「えっと、呼ばれなかったみんなは誰かの部隊に立候補していて・・・」

「それで・・・あたし達を亮さんの部隊に入れて欲しいんです」


「二人を?」

「はい!」

「お願い、亮」


「・・・ああ、わかった。立場は俺の部下ってことになるけど平気?」

「はい、大丈夫です」

「・・・この子達もがんばるだって」

「じゃあアイツらに報告するか・・・明命、終わったか?」

「はい。ご報告があるならどうぞ」

こうして夜が過ぎていく。大勢を指揮する軍所属のヒューやジェイドと違い、KoBとは感覚の違う軍隊にアスナは戸惑ったそうな。(ちなみにリズは緊張のあまり転んだらしい)そして・・・


























「・・・よし」

早朝、俺は自室にて・・・思春が着ていた何時もの服に着替えた。

「やっぱりこの服が一番気合いが入るな・・・」

手に包帯を巻き付け、ズボンの裾を足で踏まないよう直す。腕に葬解、背中に迷切、腰に擬音を身につける。

「・・・」

「お父様」

「椿。・・・どうした?こんな朝早くに」

「・・・ちょっと不安になっちゃって」

「不安?・・・いや、そうか。一度壊されたからな・・・でも大丈夫だ。俺は二度も娘の前からいなくはならないよ」

「・・・うん」

「それに今回は不意打ちじゃないし、俺も強くなったつもりだ」

俺は椿の頭を撫でる。

「絶対に勝つからな。お前が笑える場所を作る為にも、これからの未来の為にも」

「・・・やっぱり、お父様はお父様だね。・・・ありがと、ちょっとだけ自信ついた」

「それでもちょっとかよ・・・」

「お父様の強いとこ見たらもっと安心できるかなー?」

「だったらさっさと安心させてやらないとな。・・・椿、死ぬなよ?」

「お父様も、ね」

その時、扉が開いた。

「・・・もう、母親の私は蚊帳の外ですか?」

「お母様!」

「い、いや、別に明命を仲間はずれにしたわけじゃー」

「亮は妻よりも娘を取るのですね・・・」

「別にどっちを取るとかないから!第一まだ妻じゃ・・・」

「・・・お父様、“まだ”?」

「~~~!!ち、違う!えと、そうじゃなくて・・・だーもう!」

盛大に自爆をかまし、俺は顔を抑える。

「ふふ、ごめんなさい亮。なんだか亮に悪戯したくなっちゃいました」

「明命~・・・でも、気持ちはなんとなくわかるよ。・・・やっと会えたのにゆっくり話せなくて悪いな」

「いいえ、会話ならこうしてしていますし、何より共に戦います。・・・二人の時間はそこからでも遅くないです」

「ああ、そうだな。この戦いに勝って空いていたみんなとの・・・明命との時間を埋めよう」

「はい、亮!」

「お父様、お母様・・・わたしのこと忘れてない・・・?」

涙目の椿を見た俺と明命は笑って椿を抱き締める。

「忘れてないよ」

「二人の時間だけじゃなく、三人の時間も作りましょうね」

「・・・うん」


戦が始まる前の数刻・・・大事な家族団欒を楽しんだ・・・




























咲~



「・・・」

『いよいよッスね・・・』

「ああ。・・・リパル」

『はい?』

「いや・・・お前とも大分長い付き合いだなって思ってさ」

『そうッスね・・・』

「お前に人格を与えたのはリョウコウ達の創作者って聞いたけど・・・感謝感激雨あられって感じだ」

『なんスかそれ?』

「なんでもない。リパル、この戦が終わったらお前になんかプレゼントしてやるよ」

『プレゼントッスか?』

「ああ。今までお前に何にもしてやってないからな。飛び切りのプレゼントを送ってやるよ」

『オイラは咲さんに色んなことをされてるッス。別に何もしてないことは・・・』

「るっせーなぁ。こういうのは素直に礼言っときゃいいんだよ」

『・・・ありがとうございますッス』

「よろしい」

「咲!」

「ん・・・?」

振り返ると・・・翠が走ってきた。

「翠?どうしたいきなり・・・」

「どうした、じゃねーよ!なんで蜀のみんなに顔出さないんだよ。みんな心配してたんだぜ?」

「あ、ああ悪い。董卓軍のみんなと話してたら昨日はそのまま・・・」

「ま、いいけどさ。・・・今、ちょっといいか?」

「ああ、早起きして余裕があるくらいだし、構わないぜ」

「・・・ちょっと話したい事があってさ」


俺は翠に中庭にまで連れ出される。


「んで?どうしたんだ急に」

「・・・これから凄い戦が始まるだろ?・・・ただじゃすまないのは目に見えてる」

「・・・まあ、な」

「アタシも死ぬ気はないけど、万が一の時に悔いを残したくないんだ。だから咲に言いたい」

「・・・」

翠の真剣な表情を見て俺も態度を改める。

「・・・正直、アタシがこの言葉を口にしていいか分からない。でも・・・やっぱり黙ってることが・・・自分を抑えるのはもう無理だ。だから言うぜ」

「ああ、聞くよ」

翠は大きく深呼吸をしてから・・・

「アタシはな、咲。・・・お前のことが・・・好きだ」

「・・・!」

思わず目を見開いて翠を見る。

「大分前から・・・好きになってた。けど恋が・・・詠がいるからって自分をずっと偽って・・・けど、それって逃げてるよな。アタシは逃げるのは嫌だ。だから・・・だから・・・こうして、伝えた」

「そう、か」

俺はふと今までの翠に対する態度を思い出し・・・ちょっと頭を抱えた。

「悪い翠・・・俺、今まで翠を傷付けてたかもしれない・・・」

「な、なんで咲が謝るんだよ!?」

「いや・・・」

『(咲さん・・・)』

「(分かってるよ)」

俺は翠を見る。

「翠」

「お、おう・・・」

気持ちを口にしたからか、翠の勢いがなくなり、凄く不安そうだ。


「ありがとう、気持ち・・・凄い嬉しい」

俺は翠に一歩近付く。

「今まで翠の気持ちに気付かないでいた最低な男だが・・・俺で良ければ、その気持ちに答えるよ。俺も・・・翠のことは好きだからな」


「・・・!!」

翠が驚き・・・涙を浮かべる。そして・・・抱き付いてきた。

「す、翠!?」


「・・・悪い、顔・・・見られたくない」

「・・・ん」

しばらくしてから翠が離れる。その顔は真っ赤だったけど笑顔だった。

「咲!アタシは絶対に死なないからな!咲も死ぬなよな!」

「当然だ。死んでたまるかよ」

翠が走っていく。


「咲ー!」

「なんだー?」

「好きだーーー!!」

「・・・ああ!」

翠の姿が見えなくなる。

「・・・恥ずかしがりやなアイツがなぁ・・・」

『吹っ切れた女性は強いってことッスよ』

「・・・なんだよ。ずいぶん知ったような口振りじゃねーか」


『企業秘密ッス』

「ほほう?主人の命令に従えないのかよ?」

『咲さん自身が言ったじゃないッスか。オイラは相棒ッスよー』

「ははっ、そうだな」


「・・・父さん・・・?」

「げっ、愛依・・・」

苦笑いしている愛依がやって来た。

「えっとな、愛依。今のは浮気とかじゃなくて・・・」

「ううん、知ってる。むしろそういう仲じゃなかったのが驚き・・・かな?」


「・・・俺があっちこっちに手を出してたように見えたか?」

「ちょっと違うかも。・・・だって、ハクは・・・」

「ハク?」

「うん、ハク。本当は琥珀(こはく)って言うけど、大体みんなハクって呼んでて・・・アタシの弟で、すい・・・馬超さんと父さんの子供」

「そう・・・か・・・悪い、やなこと思い出させたな・・・」

「ううん、平気。それよりも、父さんには聞いてほしいんだ。せめて・・・アタシ以外の人が覚えていてくれるために・・・」

「・・・わかった」

「アタシはね、次女なんだ。詠さんの子供の(さく)お姉ちゃん。妹で霞さんの子供の(あかね)さっき言ったハク。魏延さんの子供で弟の蒼馬(そうま)で・・・ソウって呼んでた・・・かな」

「・・・確かに覚え・・・まて、魏延?」

「え?うん」

「魏延って・・・焔耶だよな?」

「そうだけど・・・」

「・・・」

まて、それって・・・え?本当に?

『多分、間違いないんじゃないッスか・・・?』

「マジか・・・てことは俺、焔耶も傷付けてたような・・・」

ああああ、今考えれば心当たりがぁぁぁ・・・

「あ・・・も、もしかしてアタシ、余計なこと言った・・・?ごめん、父さん・・・」

愛依がしょぼんとしてしまったので俺は慌ててフォローする。

「い、いや愛依は悪くねぇって。・・・ったく、俺と恋の娘ならもっと堂々としてろって」

「仕方ないよ・・・これでもマシになったんだよ?椿が友達になってくれなかったらアタシ・・・多分引きこもりになったかも・・・」

「それは嫌だな・・・」

娘が引きこもりになったら泣くわ。

「さて、そろそろ行くか」

「うん。父さん、アタシも父さんの部隊で戦っていいよね?」

「ああ。一緒にアイツをぶったおそうぜ」

「うん!!」



さぁて・・・やるか!
















亮~

・・・紫に指定された位置に俺達は集う。そして将と副将は本陣に呼ばれた。




「皆さん、戦前にすみません」

「別にいいけどよ、俺やシィ、剛鬼の旦那まで呼ぶなんてどうしたんだよ?」

リョウコウの言葉に答えたのは・・・ユイだ。

「それは今から説明します、リョウコウさん」

ユイの言葉にリョウコウは小さく「リョウコウさん、ねぇ・・・」と呟く。元の世界では別の呼ばれ方なのだろうか。

「みなさんにお渡ししたいものがあるんです」

そう言ってユイはせっせと何かを並べ始める。



「これは?」

「これはわたしが設計して様々な世界の皆さんのご協力で作った・・・無線機です!」

それにアスナとキリトが首を傾げる。

「ユイちゃん?これ・・・」

「ただの透き通った水色のプラスチックにしか見えないんだが・・・」

「これはかさばらないようになってるだけです!耳に当ててください」

咲が指先で掴み・・・耳に当てる。すると・・・

カシャン

「おおっ!」

変形し、よくドラマのSPとかが付けてそうな無線機に変形する。

「すげぇな、これ。性能は?」

「保証済みです!今回のフィールド全てに届くようにしてあります!」

「でも、なんで無線機なのよ?」

リズが聞くとユイが更に何かを取り出す。



「お、ミラージュ・スフィアじゃねえか」

「リョウコウ、なんだよそれ?」

一刀が聞くとリョウコウは返事を返す。

「おう、コイツは・・・まぁ3Dでマップが見られる。・・・くらいに考えてくれや」

俺は口を挟む。

「でもユイ。ここはアインクラッドじゃないぞ?それは・・・」

「これも改良済みなんです!どうぞ!」

ユイがミラージュ・スフィアを機動させると・・・ここの当たり一面のマップが表示され、しかも俺たちの軍にマーカーが付いていた。

「なるほど、本来なら一手間かけて伝令を通さなければ戦況はわかりませんが、これを使えばそれを解消できる、と」

「その通りです、ヒューバートさん!」
一刀が軽く手を挙げる。

「取りあえず、見知らぬ人が殆どだろうから、紹介するよ。亞莎はみんな知ってるよな?」

全員が頷く。

「よし・・・朱里、雛里、おいで」

「は、はい!」

「はひっ・・・!」

二人の少女が前に立つ。

「はわわ・・・」

「あわわ・・・」

「二人とも落ち着いて。自己紹介を」

「はい、ご主人様!わた、私は諸葛孔明です!」

「鳳統・・・です」

『・・・っ!?』

朱里達を知らず、三国志を知っている人は目が点になる。一刀はそれを見て苦笑する。

「あはは・・・確かに信じられないかもしれないけど、この二人はちゃんと歴史に伝わってるあの有名な軍師だよ」

「・・・」

SAO組は唖然、なのは組は苦笑。三国志を知らないグレイセスとアビス組は特にリアクションなし。

「まあ、気持ちはわかるよ。一応言うと俺の後ろにいるのは蜀の五虎将軍・・・っていえば伝わるかな?」

更に唖然とする面々。一刀はそこで咳払いをする。

「とにかく、プランとしては朱里たち軍師がそのミラージュ・スフィアで策を立てて、ユイちゃんがみんなにリアルタイムで指令を出す・・・でいいのかな?」

「はい、その通りです一刀さん!」


「なんか他人行儀にされた気分だ・・・」

「キリト君も“カズト”だもんね」


キリトが頭を掻き、それを見てアスナが笑う。



「では、この通信機はお借りしますね」
ジェイドが三つ取り、アニスとガイに渡す。

「わたしらも持っとく?」

「持っていた方が便利だよ、はやて」

「せやな」

「はい、二人とも」

そんな感じで将と副将全員に通信機が行き渡る。

「装着したあとに下側を押すと他の通信機に。上側なら本陣に通話出来ます。指二本で押せば両方です!」


「オッケー、分かった」

「じゃあみんな部隊に戻ろう」



俺は戻る途中・・・呉のメンバーと話す。

「なんだか懐かしいですね・・・」

「ああ、そうだな」

明命の言葉に思春が答える。

「そうじゃのう。お主達がいない間は大変じゃったわい」

「蓮華様なんて、1日に一回は亮さんの名前を呼んでましたよ~?」


「の、穏!?聞いてたの!?」

「はい~♪」

「あはは、蓮華様は一途ですね」

「そういう春鈴はよく思春と亮の部屋によく入ってたよね」

「しゃ、小蓮様・・・何でそれ言いますかね・・・」

「また何で俺や思春の部屋に?」

「・・・何となく、です。亮様たちがいるんじゃないか・・・ってふと思っちゃいまして」

「・・・そうか」

思春が俯く。俺は空気を変えようと話題を変える。

「とにかく、この戦に勝とう。・・・それとさ、終わったらみんなに話したい事もあるし」

「みんなにですか~?」

「ああ。伝えたい・・・大事なこと」

「ほう、なら頑張らねばな」

「私たちなら勝てますよ。ね、思春?」


「・・・ああ、そうだな」

ピピッ

『私を忘れないでください・・・私だって頑張りますから』

本陣に残っていた亞莎から通信が来た。・・・確かに性能いいなこれ。

「お姉ちゃん、頑張ろうね」

「ええ、孫呉の力を思い知らせてあげるわ」

そんな会話をしながらも俺達は自然に気持ちを切り替えていった・・・































咲~


「む、そう言えば詠、お前は本陣に行かないのか?」

華雄が聞くと詠が答える。

「ああ、ボクは今回前線に出るから」

「・・・まさかなんやけど、その腰に付けとる剣は・・・」

「使うから付けてんのよ。それ以外に利用方法があるの?」

「詠!貴様戦えたのか!?」

「違う世界に跳ばされてからよ。けど、アンタ達とも互角に戦えるんじゃない?」

「なんやて!?だったら早速・・・」

「霞、これから戦だっつの」

「・・・後で、いくらでも出来る」

「そうなのです!今は勝つことだけを考えればいいのです!」

「そうやけど・・・勝つんは当たり前や。負ける気で挑んだ戦なんかあらへん」

「そうだ。必ず敵は粉砕する」


「・・・皆さん」

月の言葉にみんなが見る。

「今から・・・家族としてのお願いをします」

「・・・」

「必ず・・・みんな無事に帰ってきてください」


『・・・当然!』

みんなの返事が一致する。


『凄い団結力ッスね・・・』

「家族の絆って奴だ。なぁ恋?」

「(コクコクッ)」

『はは、なんか羨ましいッス』

「・・・リパルも、家族」

「だとさ。ちゃんとカウントに入ってるからな?」

『・・・ッス!』



さてと・・・やるぜ・・・覚悟しやがれ、シン・・・!! 
 

 
後書き

「いやー、始まるな」


「・・・作者、ソードアート・オンラインの新作でなんかやってたな」


「隠し要素でサチとユウキをパーティーに出来るんだってさ」


「既にリズのレベルと好感度がアスナを超えてるんだけど、このリズ」


「ゲームをプレイする際には自分の好きなようにプレイしましょうね」


「関係ない話になったな・・・それじゃ、次回もよろしく!」 
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