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ドリトル先生と京都の狐

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第四幕その四

「それはいいのですね」
「うん、君達で食べてよ」
「わかりました、それでは」
 このお話はこれで終わりました、そうしてです。
 先生達はこの日は一旦嵐山の旅館に戻りました、王子はその途中車の中で先生にこんなお話をしました。
「思わぬことになってきてるけれど」
「うん、お母さん狐の結核の治療だね」
「京都だからね」
 この街だからだと言う王子でした、ここで。
「こんなこともあるんだね」
「京都だから?」
「それってどういうこと?」
「うん、京都は歴史ある街だから」
 だからだというのです。
「こうしたこともあるんだよね」
「妖怪もなんだ」
「いたりするんだ」
「話したじゃない、妖怪や幽霊のお話も多いって」
 王子は動物達に明るいお顔でお話します。
「それもかなりなんだ」
「それでなんだ」
「あの狐さんみたいな人達もいるんだ」
「そうだよ、そうした街なんだよ」
 そうだというのです。
「それで橋とかにもね」
「橋?」
「橋にもそうしたお話があるんだ」
「ああ、ここも有名な橋だよ」
 車は今丁度五条大橋を通っています、そこに小さな像が二つあります。
「この五条大橋は牛若丸と弁慶だよ」
「あっ、王子の好きな人だね」
「その人のお話があるんだね」
「そうなんだ、ここで牛若丸が弁慶を負かしたんだ」
 このお話もするのでした。
「それで弁慶を家臣にするんだよ」
「へえ、そうなんだ」
「ここでも牛若丸なんだ」
「鞍馬山だけじゃないんだ」
「ここもなんだ」
「そうだよ、それで妖怪のお話だけれど」
 ここでまたお話を戻す王子でした。
「一条戻橋にもあるんだよね」
「その橋にも妖怪のお話があるの」
「そうなんだ」
「鬼が出るって言われていたんだ」
 その妖怪がだというのです、日本で一番有名な妖怪の一つがです。
「それがね」
「そうなんだ、鬼が出たんだ」
「その橋に」
「そう、それでね」
 王子のお話は続きます、さらにお話することはといいますと。
「百鬼夜行っていう妖怪変化が集まって京都の夜の街をパレードしたっていうお話もあるし」
「えっ、妖怪が!?」
「京都の街を歩き回ってたんだ」
「それは怖いね」
「イギリスみたいだね」
 イギリスにも幽霊や妖精のお話は多いです、動物達もそうしたお話は色々と聞いています。それで言うのでした。
「日本もそうなんだ」
「妖怪のお話が多いんだ」
「そうだよ、怨霊のパレードもあったし」
 妖怪の百鬼夜行がだというのです。
「あるしね」
「とにかく何でもあるんだね」
「そうしたお話も」
「羅生門っていう場所もあったし」
 王子は今度は門のことをお話します。 
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