とある英雄の学園生活
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第28話 イングランド王国第1王女クリスティーナ・シュタイン・イングランド
俺は途中でシヴァと合流して第1王女たちの住む屋敷に向かった。
クリスティーナ王女が住む屋敷は俺たちが住む屋敷から徒歩で20分ぐらい着いた。
「ここが第1王女たちの住む屋敷か」
「みたいですね」
買い物の帰りのため食材を持ちながら答えるシヴァ。
荷物を置きに帰ろうかと思ったのだが、もう一度戻るのはなんだかカッコ悪い気がしまして。
「でかいな」
「大きいですね。見たところ私たちが住む屋敷の2倍はありますね」
「……イングランドは金持っているんだな」
俺たちが住む屋敷でもかなり大きのに、その倍の大きさがある屋敷を所有してるなんて
「この屋敷はイングランド王家のものでなく、第1王女の実家の屋敷みたいですよ」
「え……マジ」
「マジです」
王家の所有する屋敷より大きな屋敷を持ってるてどうなの?
「確か第1王女が学園都市に入学することになったので作られたと言われています」
「王家の屋敷より家臣の屋敷の方が大きいて普通問題になるんじゃないのか?」
「普通はダメだと思いますが、まあ王位継承権第1の王女が住むのだから問題ないとかで話が纏まったみたいですよ」
いいのかそれで?
アルト王の考えもあるし……まあ俺には関係ないからいいか。
今はそれよりもやるべきことがある。
俺たちは門番に近づき敬礼をし
「失礼する、俺ははアリス王女の護衛騎士キラ・イチジョウだが、第4王女エルシード、第5王女セイラ王女に会いたいんだが」
門番も敬礼をし
「ハッ、只今両姫は外出中でありまして」
「いつ頃お帰りになる」
「わかりません」
「……」
このやりとりは2日前もしたやりとりだ。
「でわ、帰ってくるまでまたしてもらってもいいか」
「私では判断できません」
「なら、判断できる人間に聞いてこい」
「ハッ」
俺の強い口調で門番の1人が屋敷内に駆け込んでいった。
もう1人の門番はオロオロしているだけだ。
5分ほど待たされ門番の兵士と一緒に鎧でなく軍服を着た男が門の前までやってきた。
「お待たせしまして申し訳ございません。私は第1王女クリスティーナ様の護衛騎士をしています、ハンス・オレンジ准尉と申します」
「アリス王女の護衛騎士、キラ・イチジョウ大尉だ」
ハンス・オレンジ准尉は年齢は多分俺より上だろう。身長は俺の頭1つ分ぐらい大きく、髪型はオールバックでメガネをかけている。
いかにもエリートみたいな感じの軍人だ。
「大尉、門番が先ほどお伝えしたのですが姫たちは現在外出中でお戻りになる時間もわかりません」
「だから帰ってくるまで待っててもいいかと聞いているんだが」
「それわ、ちょっと……」
今日の俺は機嫌が悪いし怒っている。
「なんだ、これだけ広い屋敷なら俺たちが邪魔にならずに待ってられるぐらいの1部屋ぐらいあるだろう」
「……」
ハンスはどういって俺を追い返そうか考えているみたいだ。
階級は俺の方が上だし、フェリスの称号をもつ俺を邪険にするわけにもいくまい。
それに俺の感だとエルシードとセイラは屋敷にいる。
だから、俺がこの屋敷で彼女たちの帰りを待つことに具合が悪いのだ。
さあどうする?
「ハンス、クリスティーナ様がお会いするとのことなのでキラ殿を謁見の間に」
奥からやってきたのは軍服を着た40代ぐらいの横幅が広いおっさんだった。
「失礼します、私はこの屋敷の警備責任者のホワイト・オレンジ大尉であります」
ハンス・オレンジ順位の父親だろうか?
「アリス姫護衛騎士兼『フェリス』のキラ・イチジョウ大尉です」
なぜ『フェリス』名乗ったかと言うと同じ階級でも俺の方が立場上、上になるからだ。
「第1王女には用はないが」
「エルシード様とセイラ王女のことでのお話を聞くと仰られていますが」
クリステーナが首謀者なのか?
ならエルシードやセイラから話を聞くよりもクリスティーナから話を聞くのがいいだろう。
「わかった、案内してくれ」
「でわ、こちらへどうぞ」
俺たちはオレンジ大尉の案内で謁見の間に向かった。
「お噂儚げね聞いてますわイチジョウ大尉。初めまして、イングランド第1王女クリスティーナ・シュタイン・イングランドです」
クリステーナはドレスの横を少しつまみ軽く一礼をする。
「アリス姫の護衛騎士、キラ・イチジョウです」
俺は騎士の礼で対応する
。
「英雄キラ・イチジョウ様にお会いできるなんて、私とても感激しておりますわ」
にこやかに微笑みをするクリスティーナ。
感激されているのか?
「父のアルト王よりいろいろお話を聞いておりますしあとセリア軍団長からもお話は伺っております。お隣にいらっしゃるのはもしかして……」
俺の横にいるメイド姿のシヴァを興味津々で見るクリスティーナ。
「アリス姫のメイド長のシヴァです」
クリスティーナに一礼するシヴァ。
シヴァさん、いつの間にメイド長になったんですか?
俺は何も聞いてませんが……
たぶんシヴァが勝手に言ってるんだろうな。
「アリスのメイド長ですか……魔人剣のあなたが? そう……」
なんだ、クリスティーナがなんだか物欲しそうな目でシヴァを見ている気がするんだが。
「でだ、第4王女と第5王女の件で聞きたいんだが」
さっさと本題に入ろう。
「はい、アリスと一緒に住むと私たちに不幸が訪れるので何とかして欲しいと言われたので、可愛い妹のためにここに住めばと助言しただけですわ」
気持ちのいいくらいはっきり言いやがった。
「王女たちはここに住むと言ったわけだ」
「はい」
あの余裕の微笑みがむかっいてくる。
「アリスが傷つくことがわかっていてか?」
「え、アリスは傷ついているのですか?」
手のひらを口元にもっていき驚くクリスティーナ
「普通は傷つくだろうが、一緒に住むことを拒絶されたら」
「あの子は呪われた姫だし、そういった対応は慣れてるでしょう」
こいつ今なんて言った?
呪われた姫、そう言った対応がなれているだと……
ふざけるなよ!それでどれだけアリスが傷ついていると思っているんだ!
(綺羅様、冷静になってください)
(冷静でいられるか!)
(確かにこのバカ姫に対してムカつきますが今は耐えてください)
(なんでだよ)
(冷静になればわかります。この馬鹿姫は第1王女ですよ)
そうか、仮にも第1王女で祖父が1、2を争う貴族だ。下手なことをするのはあまりよくないか。
だが、それではあまりにもアリスがかわいそうじゃないか。
あんな健気で優しい子が。
俺は怒りを抑えるため拳を握り締める。
「分かりました。クリスティーナ姫もアリスと関わりたくないんですね」
「母と祖父からアリスには関わらないようにと言われておりますので」
じゃあ母と祖父が死ねと言ったらお前は死ぬのか!
といろいろと言いたいが……ここは我慢だ。
「そうですか、私たちが住む屋敷の当主は第4王女エルシード姫でしたが、アリスに変更でよろしいのでしょうか?」
「はい、いいと思いますが、父に聞いてください。あのお屋敷は父の屋敷で私の屋敷ではありませんから」
「わかりました、でわ失礼します」
こんな場所からすぐに出ていきたい俺は敬礼をし部屋を出ようとしたのだが
「少しお待ちになってください。私からもお話があるんですが」
俺からはもう話すことがないからこんな場所からとっとと出て行きたいのだが、
「キラ様、私の護衛騎士になりませんか?」
いきなりなにを言い出すんだこの馬鹿姫?
「キラ様のような英雄と言われ、その若さで大尉でしかも『フェリス』の称号をお持ちなら第1王女である私の護衛騎士にぴったりでわ、ついでにシヴァさんも私のメイドになれば泊が付くと思いますわ」
「「……」」
「どうでしょうか?お給金も国から別に私個人から金貨10枚をお渡しいたしますが」
「「お断りします」」
クリスティーナは断られると思っていなかったみたいで一瞬ボーゼンとし、そして持っていたセンスを両手で握り締め目を釣り上げ険しい表情で
「なぜですか、金貨が足りませんでしたか?なら20枚にしますが」
「俺は金で雇われているんじゃないし、アリスは可愛いし一緒にいると楽しいからな、クリスティーナ姫のところじゃあ息が詰まりそうだし」
バキ!
クリスティーナの持っていたセンスが真二つに折れた。
「てなわけで、クリスティーナ姫よりアリスが好きだからすまないが護衛騎士になるのは無理だ」
「私も人間的にアリスのほうが好きなので」
クリスティーナは怒りで震えている。
「じゃあ今からアルト王にあの屋敷の当主をアリスに変更して自由に使っていいか聞きに行くので失礼します」
「今から聞きに行くのですか?船で往復2週間もかかりますのに」
「でわ、失礼します」
「私の言葉を無視するのですか……無礼な」
会話をするのが疲れたので俺は無視して転移魔法を使いその場からロンドンのヴァッキンガム宮殿に転移した。
転移する瞬間クリスティーナがびっくりしてこけていたのが笑えた。
後書き
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