インフィニット・ストラトス~IS学園に技術者を放り込んでみた~
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本編
閑話01「とある茶髪の男女の休日」 ※リメイク版
前書き
お久しぶりです。
今回の更新は、以前投稿して番外編をリメイクしたものにあたります。
間違って消してしまった際、どうしようか悩んでいた結果、改良して再投稿することにしました。
それではどうぞ
※投稿時、場所が解りづらいとのことで、本編の下に移動しました。しばらくしたら、もとの場所に戻します
織斑少年とオルコットによるクラス代表決定戦があ終わった後の休日。
この日はちょうど部活や整備班での活動が特に無く、明日一日何をして過ごすかを考えていたところ、鬼の形相を浮かべた主夫と遭遇。
SEKKYOUを喰らった。
何でもこの間男子寮でやった打ち上げで大分食材をほとんど使い切ったらしく、次の配達まで持たないとのことだ。
うん、あれは俺たちが考えなしに作ったのが悪かったな…。
あれだけ主夫がブチ切れてたのは久々にみたよ…
そんなことがあった前日の晩、俺は部屋に戻り幼馴染兼恋人の虚へと電話をした。
理由?
そんなの勿論、デートに誘う為に決まっている。
買物ついでってのがあれだが、折角一日フリーなんだ。
この機会を逃がす手はない。
何やら電話の奥で「私を置いて行かないで!!」とか「働け駄会長」やら「お土産よろしく~」と聞こえたが気にしない。
どうせ、溜まりに溜まった書類を楯無に押しつけただけだろうから。
翌日、朝早くに寮を出て待ち合わせの駅へと向かい、暫くすると白の清楚な感じの服を着た虚が来た。
たまには遠くに行こうと思い、切符を買って“とある海に隣接した街”へと向かった俺たちだったが……
「すみませーん、注文いいですか」
「はぁ~い♪」
現在、何故か友人の喫茶店で働いている。
どうしてこうなった?
閑話01 「とある茶髪の男女の休日」
事の始まりは友人の両親が経営している喫茶店を訪れた際におきた。
―――
――
―
「……そう、わかったわ。お大事に…」
『ゴホッ、ゴホッ、…すみません』
[ピッ]
「…どうでしたか?」
「風邪で来れないって」
「これで他のバイト子全員がアウトか…」
「困ったわ~。士郎さんたちは昨日から山籠りに行ってて電話にも出てくれないし…」
「すずかお嬢様方はアリサ様のお家にお泊り会に行ってますし…」
「ファリンもその付添に行っちゃってるし、私たち3人で何とかするしか無いか…」
「はぁ…、せめて一番忙しい昼時だけでも手伝える子が2人くらい急に現れないかしら…」
「ハハ、そんな都合のいい人――」
[カラン]
「はぁ~い♪ 桃子さんのシュークリームを食べに来ましたよ」
「お邪魔します」
「……居たわね」
「「…はい?」」
「ノエル、確保!!」
「Yes.Master…」
「わっ!?」
「きゃっ!?」
―
――
―――
こうして、俺らは捕まり、話を聞いて了承し現在に至る。
べ、別にバイト代以外の報酬(食事&お土産用のシュークリーム)に屈したわけじゃないだからね!
※この時、虚は呆れた顔をしてました。
制服に着替えてからフロアチーフを務めている“月村忍”に簡単な指導を受けながら働いていた。
中学の頃に喫茶店をやったことが幸いし、仕事の流れをすぐにのみ込み事が順調に進み、昼過ぎには終わる。
そう思っていたが………何故か客足が減るどころか逆にどんどん増えていく。
しかも、男限定でだ。
まぁ、理由はわかってるんだけどさ…
桃子さんと忍というレベルの高い美人だけでも注目の的なのに、そこからさらに見慣れない美女(片方は男)が増えたらそりゃぁ来るな。
女子の噂話は一瞬で広まるけど、男子にもそれは該当するってことを思い知ったよ。
正直、たまたま美由紀(桃子さんの娘)が携帯の留守電を確認して大急ぎで三人揃って帰ってこなければヤバかった。
溜まったストレス(主に視姦)を発散させるために「お帰りなさい恭也♪」と言いながら跳び蹴りをした俺は悪くないと思いたい。
「…ところで鏡也」
「やん、今はキョウコって呼べって言っただろう恭也」
「………何でお前は女性用の制服を着てるんだ?」
「似合うだろ♪」
「……まあ、似合ってるな」
ああ、言い忘れてたけど俺が着ているのは虚と同じく女性用の制服だ。
因みに、スカートの色は紫で虚は水色だ。
「……何で私の制服サイズ大丈夫なのよ」
[ポム]
「気にしたら負けよ忍」
なにやら怨みがましい視線を感じるがオール無視!!
[カラン]
お、新たなお客さんか
「いらっしゃいませ、翠屋へようこそ♪」
「あら?」
「ありゃ?」
来たのは亜麻色で長い髪の女性……なんだけど、この人どっかで会ったような……
「あら、フィアッセ!!」
「やっほ~桃子、来ちゃった♪」
桃子さんの知り合いってことは前にここに来た時に見かけたのか?
ん~~~………………あ!
「思い出したあの時の」
「通りすがりのタヌキさん!!」
相手も同じタイミングで思い出したんだろう。
あの時の仮称で呼んできた。
「知ってるのキョウ?」
「ほら、前にイギリスに行ったことあるだろ」
「……ああ、急に本場の紅茶を飲んでみたいとか言って学校サボって行ってたわね」
「その時に色々とね」
「あのときは助かったわ。ありがとね♪」
「いやいや、こっちも美味い茶葉を教えて貰ったからお互い様さ」
「…で、なんで“通りすがりのタヌキ”なんだ?」
「いや~変装グッズがたまたま狸のきぐるみしかなくて///」
「なぜきぐるみを持ち歩く。そして照れる要素がどこにあった?」
つれないな~恭也は
「みんな~、お喋りもほどほどに仕事に戻って~!!」
「「「「は~い」」」」
さて、頑張るとしますかね…
―――
――
―
数時間後。
懐に武器を隠した恐いお兄さんが来たり、スカートを捲ろうとする悪ガキが居たり、恭也の妹とその友達が来たりと些細なことがあったりしたが何とか客を捌き切り、
[カラン]
「ありがとうございました♪」
たった今、最後の客が店を出た。
「ふぅ…」
「終わった~!!」
「皆、お疲れ様。特にキョウコちゃん…じゃなくて鏡也君と虚ちゃんは急にごめんなさいね」
「いえいえ、これもシュークリームのためですから♪」
「はぁ…せめてもうちょっと包み隠しなさいよキョウ」
「フフ♪ 頑張ってくれた二人にはご褒美の他に好きな飲み物を一杯奢るわ♪」
「「あざッス/ありがとうございます」」
「リクエストはあるかい?」
桃子の隣に立つ若い男。
夫の志郎が2人にリクエストを取る。
「ミルクティ~」
「えっと、ダージリンでお願いします」
「わかった。ちょっと待っててね」
「は~い」
そう言うと、二人は奥へと行ってしまう。
「……相変わらずその一択だな。たまには珈琲とか頼んだらどうだ?」
「やだ。苦いの嫌い」
「子供か」
「うっさい。喋ってないで働いたらどうだ恭也」
「さっき最後の客が帰ったのを見てなかったのか鏡也」
[カラン]
「いらっしゃいませ~」
「ほ~ら、客が来たぞ働け恭也」
「……あの人たち来るの4回目だな」
「働いてるとき、奥の方に座ったやつが一番しつこく観てきたな…」
「私は斜め前の席に座った人がそうだった気がするわ」
「……わかるものなのか?」
「「経験上何となく」」
「……そうか」
「きょ~ちゃん、珈琲4つだって~!!」
「ほら、妹にばっか働かせるなよお兄ちゃん」
「やれやれ、すぐに行く」
そう言い、一度奥へと戻る恭也。
それと入れ違いに今度は桃子がカウンター席へとやってきた。
「はい、お待たせ♪ ミルクティとダージリンにシュークリーム2つよ」
「待ってました♪」
「ありがとうございます」
「それと、後で桃子さん一押しのお店を書いて渡すわ。あともしよかったら、恭也を使って♪」
「はい! こき使ってやります!!」
「勝手に人を荷物持ちにしないでくれるか母さん。そしてお前は遠慮しろ」
「ふふ、ゆっくりしていってね」
いつもの笑顔を浮かべながらそう告げる桃子。
それに対し、先ほどの注文の品を美由紀へと手渡した恭也は心底嫌そうな顔をしている。
「さ~てと、いっただっきま~す♪」
[ハムッ]
「~♪」
「ほんと、甘いものが好きよね」
「うん、大好き♪」
幸せそうに好物を食す鏡也をみて、頬笑みを浮かべながらそう告げる虚。
子供のように無邪気な顔で“大好き”と言われ、ちょっとだけ“ドキッ”としたり、若干シュークリームに嫉妬したりしたのは彼女だけの秘密だ。
そんな感情を隠すように頼んだ紅茶を一口飲み、再び鏡也に視線を向けるとクリームがついてるのを見つけ、本当に子供みたいと心の中で笑い、鏡也に声をかける。
「キョウ、クリームが付いてるわよ」
「え、どこ?」
「ほら、動かないで…(スッ」
そう言うと手に持っていたティーカップを器に戻し、髪をかきわけて隣に座る鏡也へとそっと近づき――
[ペロッ]
「ん、とれたわよ」
頬に付いたクリームを一舐して取るのだった。
「っ!? あ、ありがと…///」
「クスッ、どういたしまして」
突然の不意打ちにやや顔を朱くする鏡也。
虚も悪戯が成功したと笑顔で答えるが、やはり少し恥ずかしかったのかやや顔が朱い。
当然ながら、二人の様子は店内に居る全員に見られており、
「ゆ、百合展開キタ――ッ!! (゚∀゚ )」
「やばい、心臓の鼓動が止まらない。コレが恋?」
いいえ、変です。
「う、うわ~~///」
「見せつけてくれるわね~///」
「……よく、人前で平然と出来るな」
「若いっていいわね~」
「桃子さんも十分若くて綺麗だよ」
「志郎さん///」
「桃子さん///」
といった感じの反応が来ていた。
そして――、
「ハァハァ…女の子同士、禁断の花園…」
「すずかちゃん?」
「ちょっとすずか? 眼が血走ってて恐いんだけど…」
「いつかアリサちゃんと…(ジュルリ」
「逃げてアリサちゃん!!! 何か凄く危ない気がするの!!??」
「へ?」
「ShaaaaaAAAAAAAA!!!!!」
「ノエル! ファリン!!」
「「Yes Master!!」」
「くっ、放してノエル、ファリン!!」
「落ち着いて下さいすずかお嬢様」
「そうですよ~。落ち着いてすずかちゃん」
「HA・NA・SE! HA・NA・SE!」
ごく一部が暴走してたりした。
その後、食事を終えた二人は桃子に渡されたお土産とリストを貰い、恭也と忍と共に買い物をしたのち、学園へと帰るのであった。
―――
――
―
「はぁ…すっかり遅くなってしまったわ(二人で遠出のデートの積りだったけれど、殆ど潰れちゃったわね)」
鏡也と別れ、一人生徒会室へと向かう彼女は少し残念そうな顔を浮かべているが
「(でも何だかんだ楽しかったわ。そう言えば、バイトって始めてね)」
やはり、普段とは違うことや経験したことが無い事、悪戯が成功したことに少しだけ笑みを浮かべた。
[ガチャッ]
「遅くなってしまい、申し訳ありません。ただいま戻りました」
生徒会室へとつき、遅くなったことを謝罪するも返事が無い。
普通なら既に仕事を終えて帰宅したのであろうと考えるが、昨日まであった夥しい数の書類はどうあっても今日中に終わらないはずだ。
「………」
ものすご~く、嫌な予感がした虚はそっと生徒会室を見渡すと、
「…ムニャムニャ~zzz」
机に突っ伏して眠る妹と書類の束(未処理)を大量に見付けるのだった。
「………」
[スタスタスタ…]
「本音、起きなさい本音(ユサユサ」
「zzz…ん~? あれ~、おね~ちゃんだ~。おはよ~う……」
「おはよう本音。早速だけどあなたの今日のお仕事は何だったか言って御覧なさい」
「え~と、今日一日はお姉ちゃんの変わりに会長がお仕事から逃げないよう監視を任されました~」
「そう、ならなんであなたは寝ているのかしら?」
「え~と、お姉ちゃんに言われたとおり、会長を見張ってたら会長と一緒に休憩がてらお菓子を一緒に食べる事になって~」
「そう、それで?」
そう言う彼女の声は優しいけど目が笑ってない。
「お菓子を食べてたら…何だか…ねむくなってき…て……」
それに気づいた本音は徐々に顔が青に染まっていく
「…なるほど、睡眠薬入りのお菓子を生徒会室に常備していたのですか……。フフフ、本当にお嬢様には困ったものです」
「お、お姉ちゃん…?」
[シャキンッ!]←右手の指にナイフを数本構えた音
[シャキンッ!]←左手の指にナイフを数本構えた音
「さて、仕事をサボる悪い子を狩りに…捕まえに行きますか」
「あわわわ…(ガクブル」
「ああ、それと本音」
ニ ゲ タ ラ ド ウ ナ ル カ ワ ッ カ ッ テ ル ワ ネ ?
「イ、yes your highness!!(ビシッ!」
「そう、なら留守番を頼んだわよ(バッ!!」
[タタタタッ………]
「ど、どうしよ~お姉ちゃんのあの目、本気で狩るつもりだよ~。助けてかんちゃ~ん(泣)」
この後、“IS学園生徒会長”と“影の支配者”による生死を掛けた鬼ごっこが始まり、学園の其処ら中で生徒会長の悲鳴が聞こえたらしい。
【オマケ】
◆呼び名
「きょ~ちゃん!」
「「呼んだか?」」
「うぇ!? え、えっと、美人の方じゃなくて無愛想な方のきょ~ちゃん」
「よし、美由紀。ちょっと裏に来い」
「ひぅ!?」
「こ~ら、美由紀を苛めないの恭也」
「「ごめんなさい桃子さん/……すまない母さん」」
「あ、えっと、鏡也君じゃなくて恭也の方なんだけど…」
「…こうして文で見るとわかるけど、言葉で聞くと二人とも“キョウヤ”だから若干解り辛いわね」
「二人とも妹(キョウ君は妹的な存在)にきょ~ちゃんと呼ばれてるしね」
作者も書いてる途中で鏡也と恭也を何回か打ち間違えました。
◆着せ替え人形ショー
翠屋を出て、荷物持ちや忍と一緒に買い物をする鏡也たち。
だったが、
[シャッ]
「うん、似合ってるわよキョウ」
「…どういたしまして」
今、鏡也が来ているのは着ていた白いシャツに黒のズボンといった私服などではなく、上は白のブラウスに青色のリボンをつけ、下は黒のストッキングと青のコルセット風スカートを履いている。
ぶっちゃけ、私服セイバーだ。
「うう、あの細い腰が羨ましいよ」
何故かいる美由紀に羨ましがられ、
「ねぇねぇ、虚。次はこっちを着せようよ」
何かをふっ切った忍は面白そうな顔をしながら純白のドレスのような服を差し出す。
因みに、彼女の後ろには青色と黒色の甲冑のようなものが控えている。
「なんで、アルトリア縛り?」
「ルーラーと皇帝もあるわよ?」
「…助けておくれよ恭也」
「……諦めろ鏡也」
女性陣による着せ替え人形ショーは帰宅ギリギリまで続いた。
◆忍との出会い
それは数年前のこと
「ん~、ここのシュークリーム最高♪」
「紅茶も美味しいわ」
[カランカラン]
「いらっしゃいまs――」
「やっほー高町君。遊びに来ちゃった♪」
「……月村さん」
「恭也、お友達?」
「ああ、クラスメイトの月村さんだ」
「初めまして、月村忍です」
「こちらこそ始めまして、恭也の母の桃子よ。よろしくね月村さん」
「はいっ!」
「さ、恭也。案内してあげて」
「……こっちだ月村さん」
「は~い」
無愛想な店員に席へと案内される途中、
[ミコーンッ!!!]
「んあ?」
「ん?」
始めて二人は出会い、ナニかを感じ取った。
「…右手には?」
「ロケットパンチ」
「…左手には?」
「ドリルね」
「………男の夢と希望が詰まった胸元には?」
「愚問ね………オッパイミサイル一択よ」
「フッ…」
「「同士よっ!!(ガシッ!!」」
ナニかが通じ合い、熱く手を握る男女の傍ら
「………」
始めての事実にちょっとショック受けた短髪メイドが居たとか…
そして、
「因みに、脚部に付けるならどうします?」
「無論、カルバリン砲と硬質ブレードよ」
「………」
[[ガシッ!!]]
こうして彼らはトモダチになった。
後書き
【後書き】
はい、というわけでリメイク版をお送りさせて頂きました。
本編の方が現在製作中で今月中には仕上げて更新したいと思ってます。
流石に5連続夜勤では書く余裕なんてありませんでした。
それではこれにて失礼します。
【割とどうでもいい捕捉】
●とある海に隣接した街
山もあれば丘も温泉宿やスーパー銭湯も備えた至れり尽くせりな街
来年あたりにもしかしたら宇宙から古代技術の結晶が降り注ぎ、魔法少女が誕生したりするかもしれない…
●虚らが用意した服
全てFateのセイバーものです。
●キョウ
鏡也の愛称の1つで特に親しい仲の者がこちらを使う。
学園ではこの愛称で呼ぶモノは虚以外居ない。
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