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万華鏡

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第五十六話 クライマックスその七

「そういうことですよね」
「失敗してもいいから」
「そうよ、思いきりやるのよ」
「ぶつかっていくのよ」
 二人はそれぞれの手を力瘤にさえさせて言う。
「次の機会にでもね」
「そうしてみたらいいわ」
 こう言ってそしてだった、先輩達は演奏に赴くのだった。
 そしてプラネッツの面々は五人だけになったところでこう話した。
「ううん、じゃあな」
「どういったチャレンジをするかよね」
 里香が美優の言葉に応える。
「具体的には」
「チャレンジっていっても色々だしな」
「私達の今だって」
 里香は自分達のことからも言うのだった。
「チャレンジになるかしら」
「バンドで野球の歌を歌うのってあまりないよな」
「普通はね」
「それじゃああたし達もだよな」
「ええ、チャレンジよね」
「そうなるよな」
 こう話すのだった、そして。
 美優はメンバーにだ、こう言ったのだった。
「じゃあ今回もチャレンジをしたけれど」
「それでもなのね」
「次もなのね」
「そう、次はまた違うチャレンジをしてみような」
 そうしようというのだ。
「そのことも考えていこうな」
「ううん、楽器のチェンジとか」
 琴乃は美優の言葉を受けて腕を組んで考える顔で述べた。
「そういうのとかかしら」
「他には色々なジャンルの歌を歌ってみるとか」
 景子は首を傾げさせて言う。
「そういうのかしら」
「ジャズとか?宇野先輩のサックスを見て思ったけれど」
 彩夏はすぐにこのジャンルの音楽を話に出してきた。
「そういうの?」
「ジャズとか何でもね」
「バンドではそうそう歌わない様なのね」
「野球の応援歌以外にね」
 今回五人が歌ったジャンル以外にというのだ。
「歌ってみるとか」
「チャレンジの仕方も色々なんだよな」
 美優もまた思案する顔になっていた、しかもその思案の色は深い感じだ。
「実際な」
「そうよね、どうも」
「これが」
 他の四人も応えて言う。
「グループでじっくりと考えていって」
「それで答えを出していこうか」
「ええ、そうね」
「このことは」
 とりあえず今は結論を出せなかった、それで一旦止めてだった。 
 五人は店の仕事をしてそれぞれのクラスにも向かった、文化祭の最後までそうした。
 そして最後の日の終了を受けてだ、部室で部長にこう言われた。
「皆お疲れ様」
「はい、これでですよね」
「文化祭も終わりですよね」
「そうよ。明日は後片付けでね」 
 部長は部員達に明るい笑顔で話す。
「今日はこれからキャンプファイアーよ」
「文化祭の締めくくりですね」
「それですね」
「まあ実際は明日までだけれどね」
 明日の後片付けまでが文化祭だというのだ。 
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