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久遠の神話

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第八十七話 スフィンクスの問い掛けその八

「普通にシャンプーにリンス、コンディショナーをしまして」
「それで拭いてですか」
「櫛も使って」
「それでなんですか」
「その髪の毛ですか」
「そうです。ただ」
 ここでだ、聡美は二人にこう話した。
「シャンプーは薄めにしまして丁寧に洗っています」
「そうされてるんですか」
「丁寧にですか」
「身体の洗い方自体を」
 そうしているというのだ。
「そして毎日清めています」
「髪の毛もですね」
「毎日ですね」
「そうしています。元々不潔なことは嫌いでして」 
 二人にこのことも話した聡美だった。
「それでなんです」
「毎日丁寧に洗われて」
「その綺麗さですか」
「シャンプー等はあまり濃くしていませんし」
 つまり薄めて使っているというのだ。
「髪だけでなく頭皮も洗っています」
「ああ、頭皮もですね」
「髪を洗うからにはちゃんとしないといけないですね」
「髪の毛だけじゃないですからね」
「毛根とかも大切にしないといけないですから」
「そうです、ですから」 
 それ故にというのだ、聡美も。
「洗う時には綺麗にしています」
「そうだったんですか」
「普通のシャンプーを使っていてもですか」
 もっと言えばリンスもシャンプーもだ、聡美は普通に店で売られているものを使っているがその洗い方には気をつけているというのだ。
「そうされてるんですね」
「そうしたことに気を使われて」
「それで、ですか」
「その髪の毛なんですね」
「そうなのです。ですが髪の毛だけでなく身体は」
 それ全体がというのだ、今度は。
「二十世紀になってからです、毎日湯船に入る様になったことは」
「ああ、そのことはですよね」
「お風呂のことは」
「ギリシアではよくお水に入っていました」
 つまり冷水浴なり水浴びをしていたというのだ。
「それで清めていました」
「じゃあ髪の毛もですね」
「お水で、だったんですね」
「そうでした」  
 神話の頃、その頃はそうだったというのだ。
「勿論石鹸もなかったので」
「そうされてたんでうsか」
「それで綺麗に」
「そうでした」
 このかつての頃のこともここで話された。
「神々といえば」
「あっ、そういえば」
 ここで上城はふと気付いてこう言った。
「ギリシアの神様で髪の毛の薄い人は」
「いないです」
 聡美ははっきりと答えた。
「そうした神は」
「そうですよね」
「ゼウス父様もですが」
「ゼウス神も髪の毛多いですよね」
 大抵は豊かな髪の量で描かれる、髭も備えつつ。 
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