戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~
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二章 幕間劇
結菜の料理
「あ、お頭ー」
「おお、二人共どうしたんだこんな所で」
長屋や市ならともかく、こんな町外れで会うのは珍しい。
「ちょっと向こうの村に用があって。お頭こそどうされたのですか?」
「もしかして遠乗りでもしてきたんですか?」
「まあな、結菜から屋敷に来いと言われたから海に行って新鮮な魚を取ってきた」
その魚はアイスボックスに入れてあるけど、バイクの荷台に置いてある。
「そう言えばさっき寺に寄ったのだがな、新しく来た坊さんがいたんだが、尾張も噂ほど恐くないですねと仰ってたから気にはしてたけど何か知ってるか?」
「ああ・・・・」
「それは何か知ってる口だな」
「それ、たぶん長島の噂じゃないかと」
長島って確か墨俣より下流辺りにあるけどそれがどうかしたんだと聞いたらこう答えてきた。
「そこで起きた騒ぎを平定するのに、一人で二十七人もの首を刎ねたっていう将の話がありまして」
「何だその恐い話は」
まあたぶんあれだろうなと思った。まだ出てきてない人物だと思うから言わないけど。
「そういえばお頭、あの時は心配しましたよ。一人で行くなんて」
「ああ、あの時な。だが詩乃を失いたくないと思ってな、これで急発進したけどな」
「お頭は一人でしょいこみすぎなんですよ」
「しょうがないだろう、あの時は俺の部下を出したくなかったしな。それにこれで充分だったし」
俺は拳銃をひよところに見せた。ひよところは、何でこんなに小型何だろうなと思っていたけど。まあいいやと思って、俺は二人と別れてバイクに乗って久遠の屋敷に向かった。
「ただいまー」
「お帰りなさい、その持ってる物は?」
「ああこれか、いやなーに結菜に呼ばれたから土産くらいはと思ってな」
「へえー、その箱に入っているんだ。じゃあ屋敷に入ってもいいわよ」
といって俺は中に入った。部屋に入るとなぜか久遠もいたけど。
「おう一真か。どうした?」
「結菜に呼ばれてきた」
「そうか、それよりその箱はなんだ?」
「私も気になっていたけど何なのそれ?」
「これか。これは新鮮な魚を入れる物だ。あと豆腐もだが」
「魚はわかるけど豆腐って僧の食べ物じゃない」
「いや結菜。一真が作ってくれた豆腐が入った味噌汁は絶品だったぞ」
とか言ってくれた久遠。結菜は信じられないと顔をしてたが、俺が本当の事だと言うとそうなんだーと言ってた。あとアイスボックスの中身が見たかったらしいから、開けたら新鮮さはまだあった。今日獲ってきた物はタイにヒラメやあとタコかな。という事で、今は昼だから折角なので結菜が料理を作ってくれる事になったが、魚は俺が捌く事になった。結菜の隣で黙々と魚を捌く俺を見る久遠と結菜、まあ今まで料理したのはいつもトレミーの厨房だったからな。結菜も結菜で手際よくやっていた、特に味噌汁に関しては俺のレシピ通りに作ってくれた。俺は魚を刺身にした後は、する事が無くなったので結菜の料理を久遠と一緒に拝見してた。
「ねえ、黙ってこっち見るのやめてほしいんだけど」
「そっちだってこちらを見ていたからな、意趣返しだ。それに結菜の手際も見てみたいし」
とか言いながらも手際よく大根を切って鍋に入れる。まあ入れる前に出汁を取ってから入れたけど。俺より遅いが、まあ良い速さだな。さすが織田家の台所を預かる身ではあるな。ご飯はもう炊いてあるようだから次の作業をする結菜。久遠も結菜の手際を見るのが初めてなのか、たまにおーっとか言いながら見ていた。
「久遠も何見てるのよ」
「いやなに、結菜の手際の良さに感心していた所だ」
とここで鍋もいい具合になってきたようだ。
「あ、一真。豆腐って、このまま入れるの?」
「いや、一口に小さく切るのだ。そして鍋に入れる事だ」
「一口ね。了解だわ一真」
そういえば、俺の事はもう敬語無しで話してたな。俺は気にしないからと言ってたが慣れてきたのかもしれん。とここで料理が終わったので、久遠がさっきまでいた部屋で食べる事に。机をだしてから、料理を並べた。刺身は新鮮さを残すために空間に入れてた。
「どれも美味そうだな、ではいただきます」
「「いただきます」」
俺はまずは味噌汁から飲んだ。ふむ。俺がいつも使ってる味噌ではないが美味い、そして豆腐とよく合うな。そして刺身を醤油につけてと・・・・ふむ。うまいなと思ってたら久遠が聞いてきた。
「一真、この黒い液体は何だ?」
「それか?それは醤油だ。刺身につけて食べるとうまいぞ。結菜は豆腐の味噌汁はどうだ?」
「これが醤油か、珍しいから何だと思ったのだが」
「うん。味噌汁に合うわねぇ、この刺身もおいしいわよ」
と褒めてくれたから嬉しいけどな、刺身以外は結菜の料理だし。まあたまには他が作ってくれるのも嬉しいけどな。あー、前までは朝はコーヒーだったが今は船に戻らないと飲めないんだよな。今まで食ったのは全て和食だしな、たまには洋食食いたいと思った俺であった。
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