願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)
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茅場さんの願い
「さて、どうして私が茅場だと気づいたのか、参考なまでに教えてほしい」
だ第一層、噴水前でヒースクリフ…茅場と落合、近くにある宿屋で会談の場を設けた。
「単純にお前さんの口調と雰囲気が一緒だったからだな」
ユウジは何でもないかのように答える。
「………チュートリアルから2年近くが過ぎた筈なのだが?」
「残念なことに俺は一度聞いた声や仕草は忘れないんでね」
「……なるほど、そして昨日の戦いで確信した、と」
「そういうこった」
しばらくの沈黙があったが不意にソウヤが口を開いた。
「それで、どうしますか?
僕等を強制ログアウトにでもしますか?」
強制ログアウト。
その場合、ログアウトされた瞬間に即死を体験できるだろう。
………ユウジ達には聞かないが。
「まさか、私は元々頂上で君達を待つ筈だった。
95層辺りで姿をさらし、100層で待ち受けるボスの筈だったのだ。
まさかこんなにも早く看破されてしまうとは思わなかったがね…」
「自暴自棄になってるとこ悪いけどさ、口外する気は無いからな?」
「……何故だか聞いても?」
「お前さんはチュートリアルの時、目的は既に達成している。
こう言ったな?
つまり、この世界を作る、若しくは暮らすと言った概念で思考するとして
限りなく現実に近付ける。
……………お前さん、こういった世界に行ってみたいとか思ってないか?」
確信に迫った発言。
茅場は驚いたかのように目を見開き、静かに答えた。
「その通りだ。私は幼い頃からこのような世界が世界のどこかにあると信じて
この世界を作ることに全力を注いできた。
その結果は今のこの現状を見れば解るだろう。
リアルと全く変わらない。
命は一度きり。
犯罪は起こる。
フレンド等のコミュニティ。
職業や生活、金銭の通貨。
限りなく現実と変わらない。
プレイヤーはここでの生活に慣れ始め、やがてこの世界こそが現実であると思い始める。」
「洗脳みたいだね」
「言ってしまえばそんなものだろう。
しかし、それでもやりたかった。
やらなければならなかったのだ。
幼い頃からの行動が嘘にならないように……」
「……それで?この世界での生活は、お前さんにとってどうだったんだ?」
「……目的は既に達成している……が、心の何処かで違うと、そう思ってしまう」
茅場は片手を額に当てる。
「君達には報酬を渡さねばならないね。
今ここで私と「はい、ストップ」……何かね」
茅場の話の腰を折り、ソウヤが話す。
「僕らは別に他言したりはしない。
それにその役目は僕らじゃないしね」
「…………ほう」
「でも、これから先で何が起こるかなんて要素が不確定すぎて不安なんだよね…
だからこそ、僕らは貴方に一つだけ命令ができる。
これを褒美、としてではなく、契約として交わしてほしい。
勿論、絶対厳守で招待も話さない」
「成る程………その命令は今ではない…と?」
「そうだね。
少なくとも今じゃない」
二人はお互いを見つめあった後ーー
「了解した。契約を果たそう。
それと、後日に迫る攻略に参加してもらっても構わないかな?」
「ーーーどうする?ユウジ」
「良いんじゃねぇの?」
「と言うわけです。参加します」
「感謝しよう。
ーーそれと…………」
「ん?」「ん?」
「ーーボッチは撲滅されたかね?」
「……クスクス……あぁ、今ではフレンド沢山で、近いうちに恋人が出来る予定だ!」
「……ほう、ボッチがリア充に昇格とは……恐れ入る」
「奴の称号はボッチ代表からリア充代表に生まれ変わるんだ!」
「……………………」
「フッフッフッ……して、その元ボッチ君は……キリト君かな?」
「その通りさ。相手はNPCと見ている……」
「いや、それはないだろう」
「ハラスメントコードのオンパレードじゃないか……」
「そこら辺は愛でカバーを「出来ないな(ね)」なん…だとっ」
「はいはい、じゃあまた後日、攻略で」
「ふむ、そうだな。
ではまた会うとしよう。さらばた」
ヒースクリフはそう言って宿屋を去っていった。
「なんでまたボッチの話になるのさ…」
「いや、話を振ったのはアイツだし、アイツなりに気になってたんじゃないのか?」
「そんなんで良いのかゲームマスター………」
後書き
何か台詞だけになっちゃいました。
おまけに短い。
何とか改善したいんですけどね
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