転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OG外伝
0474話
フィリオ・プレスティが不治の病。そう聞かされたスレイは、最初俺が何を言っているのか意味が分からないと言うようにポカンとし、やがてその美しい顔を険しく変化させていく。
「アクセル・アルマー! 貴様、何を言っている!」
その口調も、この部屋に来た時の上辺だけでも取り繕った丁寧さは既に無い。まるで俺が親の仇でもあるかのように睨みつけている。
一瞬だけミツコの方へと視線を向けると、そこにはスレイ程ではないにしろ驚愕を顔に浮かべているミツコの姿があった。
どうやらミツコの方でもフィリオの病については知らなかったらしい。
そう判断し、改めて厳しい表情で俺を睨みつけているスレイへと視線を向ける。
「何度でも言ってやる。フィリオ・プレスティは不治の病に掛かっている。その余命はもう残り少ない」
俺の原作知識によるとフィリオはOG外伝のエピローグに出て来ていた。だが、俺が知っているのはそこまでであり、その続編がもし発売されていたとしても既に知りようがない。故に、確実に……とは言えないが、それでもフィリオの余命が極僅かだと言うのは間違いのない事実だ。
意外と原作の方ではエアロゲイターなり、インスペクターなりの技術で生き延びているという可能性もあるかもしれないが……いや、アイビスが元々出ていた第2次αでフィリオが既に死んだという設定であった以上は生き延びるというのはちょっと難しいか?
「……」
無言のまま、ただでさえ険しい表情をさらに険しくしながら俺の座っているソファの方へと近付いてくるスレイ。そしてその手が俺の襟首へと伸ばされる。
「ふざけるな! 兄様が不治の病だと!? 私を馬鹿にしているのか!」
さすがに元プロジェクトTDのNo.1といった所か。腕力だけで強引にソファに座っていた俺の身体を持ち上げて襟首を締め上げてくる。
その様子を見て、一瞬何かの行動を起こそうとしたミツコを視線で止め、俺の襟首を掴んでいるスレイの手首を握りしめる。そして徐々に力を入れていき……
「ぐぅっ!」
メキメキ、という音が聞こえてやがてその痛みに耐えきれなくなったのだろう。スレイは俺の襟首から手を離す。
俺の握力は元々金属ですら毟り取れる程の強さを持っているのだ。幾ら鍛えているとは言っても、人間の肉体である限りその強度は高が知れている。
右腕を押さえながらも、尚こちらを睨みつけてくるスレイ。その負けん気の強さに思わず笑みを浮かべるが……
「何がおかしいっ!」
その笑みが気に触ったらしく、再びスレイの怒声が社長室の中へと響き渡る。
「悪いな、別にお前自身を笑った訳じゃない。どちらかと言えばその気の強さが好ましいと思っただけだ。……話を繰り返すが、フィリオ・プレスティが不治の病に侵されている。これはお前がどう言おうが間違えようのない事実だ。……今まで本当に何にも気が付かなかったのか? 時折苦しそうにしていた様子は見なかったのか? あるいはフィリオ・プレスティの恋人でもあるツグミ・タカムラの様子に違和感を覚えた事は?」
立て続けに問いかけ、それを聞いて悩み始めるスレイ。その様子を眺めながらまず最初の山は越えた事を理解する。敬愛している兄が不治の病。その情報を聞かされても、意固地になってそれを信じずにこの場を去っていくという可能性もあったのだ。
「あるいはどうしても信じられないと言うのなら、イスルギ重工の力を頼ってみてもいいだろう。既に不治の病だとしても、これまでに必ずどこかで病院には行ってる筈だからな」
「……仮に。仮に、だ。もし兄様が病に侵されているとして、それを私に知らせてどうしろと? まさかテスラ研に戻ってアイビスと協力してプロジェクトTDを兄様が死ぬ前に達成しろとでも言うのか?」
顔を顰めつつも話を進めてくるスレイ。恐らく俺の言った事に多少なりとも覚えがあったのだろう。今まではそこに病気というファクターがなかったから気が付かなかっただけで。
「いや、もちろん違うさ」
スレイの言葉を切り捨て、右手を差し出す。
「取引だ、スレイ・プレスティ。俺なら……正確にはシャドウミラーなら恐らくフィリオ・プレスティの病気を癒せる可能性が高い。確実に癒せるかどうかは俺では保証出来ないが、それでも寿命を延ばす事は不可能ではないだろう」
その言葉に一瞬だけ顔を希望に輝かせ、だが次の瞬間には疑心の混じった視線を向けてくる。
「アクセル・アルマー。お前の戦闘力が高いのは実際に戦闘をこの目で見た私は知っている。だが、それはあくまでも戦闘力であり医者の真似事が出来るとは思えないが?」
「だから言っただろう。俺には無理だがシャドウミラーなら可能だ、と。シャドウミラーの幹部にレモンという女がいるんだが、知ってるか?」
「ああ。話した事は無いが、アースクレイドルで遠目に見た事がある」
「レモンは技術者であると同時に、科学者でもある。そんなレモンの研究の1つに人造人間という物があってな。その関係でレモンはその辺の医者よりも余程人体については詳しい。同時に、それを活かす為の大掛かりな機器の類も俺達は保有している」
それだけで俺が何を言いたいのか分かったのだろう。一度強く唇を噛み締めてから口を開く。
「それは、つまり兄様を人造人間の技術で治療出来ると言う事なのか?」
「ああ。現に既に俺達は遺伝子に問題のある人物や、とある組織で違法な薬物を過剰に摂取させられている者達を治療しているという実績もある」
まぁ、レイにしろ、ステラ、アウル、スティングの3人を始めとしたエクステンデッドにしろ、正確にはまだ治療中であって治療は完了してないんだが。
「……取引、と言ったな。ならばその取引を受けた場合、私が支払うべき代償はなんだ?」
よし、上手く掛かってくれたか。こうして何を条件にしているのかを聞いてくる以上は、ある程度はこちらの言い分を信用し、あるいは縋ろうとしていると見てもいい筈だ。
「そう難しい話じゃない。治療が完了したらフィリオ・プレスティにはシャドウミラーに数年間所属して貰う。それが条件だ。あぁ、フィリオ・プレスティが兵器としてのテスラ・ドライブについてあまり積極的でないのは知っている。恐らく最初に任せるのは武装が殆どついていない宇宙艦に取り付けるテスラ・ドライブの開発になるだろう。ただ、言うまでも無いが俺達シャドウミラーは武力集団だ。嫌だろうが何だろうが兵器としてのテスラ・ドライブも開発して貰う事にはなる。その条件を呑むのなら病の治療に手を貸す。……どうだ?」
リオンを開発し、テスラ・ドライブの小型化についても実現したフィリオ・プレスティだ。出来れば俺の新型機に使う新型のテスラ・ドライブの開発もして貰いたい。
「……」
俺の言葉を聞き、眉を顰めて考え込むスレイ。何しろ、自分が敬愛する兄の事なので迂闊に選択する事も出来無いのだろう。……なら、こっちの手札を1枚使うか。
「まぁ、いきなりフィリオ・プレスティの治療が出来る……と言ってもそう簡単には信じられないか。なら、どうだ? 一度俺達シャドウミラーの本拠地に来てみるか? そしてその本拠地を見て、俺達を信用出来るようならフィリオ・プレスティの説得をして貰いたい。……これが俺の出来る最大限の譲歩だ。これで駄目なようならこの取引は無かった事にさせて貰う」
「……分かった。お前達の本拠地とやらに行き、自分の目で確認しよう。だがその前に1つ聞かせて欲しい。何故そこまでして兄様を救おうとする?」
「色々と理由はあるさ。だがその中でも最も大きい理由は、やはりフィリオ・プレスティの科学者、技術者としての才能だな。リオンを開発し、テスラ・ドライブの小型化や高性能化したその能力は捨てがたい」
やはり自慢の兄なのだろう。フィリオの事を褒めると、微かにではあるが俺に向けられている険しい視線が和らいだように見える。
「兄様の件は了解したが、私はお前達の組織に所属しなくてもいいのか?」
不意にそう尋ねられ、意表を突かれる。正直シャドウミラーは人数が足りていないだけに、腕の立つスレイが所属してくれるのなら嬉しい限りだが……
チラリ、とミツコの方へと視線を向ける。
「スレイはこう言っているが、現在の雇い主としてはどうなんだ?」
俺の言葉に少し考え込むミツコ。今、その頭の中では激しい損得勘定がされているのだろう。イスルギ重工としてもプロジェクトTDに掛けてきた資金や、スレイのパイロットとしての能力は捨てがたい。しかしシャドウミラーである俺との繋がりを持つ存在は1人でも多い方がいい。そんな所か。
「そう、ですわね。確かにすぐに引き抜かれては困りますが、ある程度落ち着いてからなら構いません」
ふむ。幾らパイロットしても優秀であっても所詮代わりを探すのはそう難しくはないパイロットと、俺達シャドウミラーとの繋がりを持てる人材。後者を選んだ訳か。
ミツコの判断に納得しながらも、スレイの方へと視線を向ける。
「との事だが、お前は本当にシャドウミラーに所属するつもりか?」
「……兄様の治療をして貰えるのなら、妹としてもその恩は返しておきたい」
「だが、もしフィリオがシャドウミラーに所属する事になった場合、可能性としてはかなり少ないが、ツグミ・タカクラとアイビス・ダグラスの2人もこっちに来るかもしれないが……その辺はどうなんだ? お前は確かアイビス・ダグラスとの関係でプロジェクトTDから抜けてきたんだろう?」
「……」
肝心の質問に無言を返すスレイ。この辺はまだ気持ちの整理が付いてない訳か。
「まぁいい。どのみち全てはフィリオ・プレスティが俺達の所で治療が可能と判断してからの事だ。……ミツコ、フィリオ・プレスティのカルテの入手を頼む」
「あらあら、随分といいように使うのね。何か私にも利益になるのかしら」
「……そうだな、例の技術の道具。そのうちの1つを譲ろう」
スレイの前なので取りあえず誤魔化しているが、ようはマジックアイテムを1つ譲ると言ってる。転移札を3枚程度譲ればいいだろう。1枚をその場で使い、残り2枚を解析なりなんなりに回せば十分に元を取れる筈だ。
「分かりました。それと他に何か要求は? さすがにカルテの入手だけではこちらの取り分が多すぎますわ」
「意外だな。てっきりもっと寄こせと言うかと思ったが」
「……アクセルを敵に回す愚は避けたいので」
「なら、そうだな。転移反応を連邦軍に察知されないように、あまり人のいない場所に小さな倉庫でいいから用意してくれ」
ゲートを設置するにしても、転移反応を感知されたりしたらどうにもならないからな。
だが、そんな俺の希望はあっさりと叶えられる。
「それくらいでしたら何も問題ありませんわね。……ここに使われていない倉庫があります。DC戦争が起きる前に、一時的にリオンを保管して置いた場所ですのでアクセルの要望には応えられるかと」
メモ用紙に素早く座標を書き、こちらへと渡してくる。
それを受け取りながらも、ミツコの言い分に疑問を感じて尋ねる。
「ちょっと待て。リオンを保管していた倉庫なら、当然連邦軍にも知られているんじゃないのか?」
「その辺は大丈夫ですわよ。蛇の道は蛇といった所ですので」
……なるほど。後で何かに使えるかもしれないと思って秘密裏に確保していた訳か。いや、実際今使われてるんだから確保しておいて正解だったんだろうな。
「ならその倉庫は使わせて貰う。……言うまでも無いが」
チラリ、とミツコへと視線を向ける。その視線を正面から受け止め、笑みを浮かべて頷く。
「ええ。その辺の詮索はしませんわ。あの契約はしっかりと効果を発揮してますし」
「そうか。ならスレイを借りていくぞ」
「話の流れが理解出来てないんだが」
俺とミツコの会話に戸惑っているスレイの背中を押しながら社長室から出て行く。
「いいから、ほら。ここに行くぞ。シャドウミラーの本拠地に招待してやる。お前も本当にフィリオ・プレスティの病気を治せる設備があるかどうか確認しておきたいんだろう?」
ミツコから貰った座標が記されているメモをスレイへと手渡し、俺達2人はイスルギ重工を出て行くのだった。
「まさかカリオンをタクシー代わりに使うとはな」
目の前にそびえ立つ倉庫を前にスレイが呟く。
そう、俺とスレイはカリオンに乗ってミツコから渡されたメモに書かれていた座標にある倉庫へとやってきていたのだ。基本的に戦闘機のようなカリオンなので、2人乗りは結構きつかったとだけ言っておく。
目の前の倉庫の中に入ると、ミツコの言う通りDC戦争以後は使われていなかったようで結構埃が積もっているが……まぁ、その辺は後回しでいいだろう。
「で、これからどうするんだ?」
「イスルギ重工で言ったように、俺達の本拠地へ案内する。一応忠告しておくが、お前がこれから見るものは色々な意味で部外秘な秘密が多い。もし他の誰かに洩らすような事があった場合は、無条件でフィリオ・プレスティの治療は放棄する。異論はないな?」
「ああ。もし兄様の病気が事実で、お前達が治療可能なのだと言うのなら私からお前達を裏切るような事は……いや、違うな。もし兄様の病気を治療出来ないとしても、色々な意味で配慮して貰っているのだ。決してこれから見る秘密を他の者に洩らすような真似はしないと約束する」
俺の言葉に一瞬の躊躇すらなく頷くスレイ。この判断の早さはさすがと言うべきか。
「ならしっかりと見るといい。シャドウミラーの……否、俺達の秘密の一端を」
脳裏に空間倉庫のリストを表示。ゲートを選択する。
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:120
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:411
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